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2024年4月19日金曜日

ギャラリーラファイエットグルメのレ・ヌーベル・ターブル ・デュ・グルメ(ストリートフード)

  


 実を言うと、私はデパートというものがあまり好きではなくて・・というより、買い物に行くということがあまり好きではありません。デパートに行くのは、ノエルの時にデコレーションをチラッと覗きに行く程度です。

 それでも食べることにだけは依然として、けっこう執着があり、美味しいものと聞けば飛んでいきます。なので、デパートとはいえ、ラファイエットグルメは時々、覗きに行くことはあります。常設している感じのお店もある中、わりと頻繁に入れ替わるお店などもあり、美味しいものを扱っているお店が期間限定で入っていたりもするので、これまで知らなかった美味しいお店を発見できたりもするのです。

 これは!というものを見つければ、ちょっと味見程度に購入し、気に入ったら、たいていはパリ市内に本店があるので本店の方に行ってみたりもします。

 昨日、たまたま、近くに用事があって、いつもと違う地下鉄の出口を出たら、ラファイエットグルメの近くであることに気が付いて、重たい荷物を持っていたけど、まあ、通り道、せっかくだから、ぐるっと覗いていくか・・と思って入ってみたのです。

 地上階は大した変化はなかったものの、1階(日本でいう2階)にレストラン(というほどかしこまってはいない)街のようなスペースができていて、はて?ここは昔何だったのかと思い返すに、以前はキラキラなカーブ(ワインやシャンパンやウィスキー、ブランデーなど)と食器などが置いてあったスペースだったと思うのですが、いつのまにか、すっかり様変わりしていました。


 まだ、あまり知られていないのか?そんなに混んではいませんでしたが、8軒のお店が入っています。「世界中のストリートフードからのインスピレーション」をテーマに出店しているレストランというか、フードコートのような、わりと気軽な感じのお店がおしゃれに並んでいます。


 以前のカーブだったスペースの名残りのような「ラ・カーブ」というワインや世界中のスピリッツを扱うお店もあります。


 その他、フレンチのひとつとしてロティスリー(鶏の丸焼きなど)、ペルー料理、地中海料理、アメリカ、インドなどの気軽に食べられる食事が集まっています。



 お味のほどはわかりませんが、ラーメンやお寿司を扱う日本食のお店も入っていました。

小さいワンカップの日本酒までありました!


 



 お値段は、ラファイエット価格なので、ストリートフードとはいえ、決してお安くはないものの、ラフな感じで楽しめそうなスペースになっています。

 そもそも、このスペースは、以前はワインを中心としたキラキラな、本当に美しい、お店というより博物館のようなスペースで一見の価値はあるようなスペースではあったものの、一般庶民には、敷居の高い感じでもあり、客足が若干、鈍いスペースでもありました。

 ギャラリーラファイエットだから、そんなスペースもあってもいいのかな?とも思っていたのですが、やはりフランス人でさえもワイン離れが叫ばれるなか、あの高級な感じのスペースがストリートフードのスペースになっていたとは驚きでした。

 しかし、ストリートフードとはいえ、そこはさすがのラファイエット、オシャレな感じに仕上がっています。

 ただし、個人的にはパリでストリートフード(ファストフード)といえば、ケバブではないか?と思うのですが、ケバブが入っていないのは、なんだか少々残念な気がしました。

 すっごく美味しいケバブのお店もあるのに・・。

 私が気が付いていなかっただけで、もう結構、前からあったのかもしれませんが、ラファイエットグルメといえば、これまで地上階、せいぜい地下の食料品売り場だけを覗いていた人も多いはず・・地上階を入って少し進むとエスカレーターがあるので、ついでにチラッとパリに集まっている世界のストリートフードスペースを覗いてみるのも楽しいかもしれません。


ギャラリーラファイエットグルメ ヌーベルターブルデュグルメ


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2024年4月14日日曜日

春の種蒔き ベランダ野菜栽培

  


 春になると、毎年、ベランダで野菜の種を撒くのが年中行事のようになっています。今年は、3月にしばらくパリを留守にしていたし、パリに帰ってきてからも、お天気があまり良くなくて、気温も上がらなかったので、ずっと頃合いを見計らってきました。

 そもそも私がベランダで野菜を育てるきっかけになったのは、最初にアフリカに引っ越したときのことで、アフリカといえば、そうそう簡単に日本に帰ってくることも難しく、持っていける荷物にも限度があって、日本の食べ物にしても、そんなに持っていけるわけでもなく、母が、持っていけないならば、自分で育てれば?と日本の野菜の種を持っていくことを提案してくれたのでした。

 今から考えれば、アフリカにいた頃はもっと時間もあったし、広いベランダもあったし、年中お天気もよかった(良すぎ)ので、もっと本腰を入れてやれば、どんなにか立派な野菜もできただろうに・・と思うのですが、あの頃は、とにかく私はフランス語を覚えることに必死で、そこまで真剣に野菜の栽培には取り組んでいませんでした。

 その後、フランスに引っ越してきてからは、しばらくは色々と落ち着かず、仕事と子育てに忙しい日々を送っていたので、野菜を育てることもすっかり忘れていました。

 とはいえ、パリに来て、生活も落ち着き始めてから、私のベランダ野菜栽培は再開し、日本に一時帰国するたびに野菜の種を買ってきては、春になると種まきをし、春先には春菊や水菜、小松菜などの葉野菜、夏にはきゅうりというのがお決まりのスタンダードになり、その他に小葱やにら、しそ、三つ葉、山椒などの薬味の類は、欠かせません。

 なにしろ、本当に猫の額ほどの狭いベランダなので、何を優先させるかは頭の痛いところです。今年は、いつものメンバーに加えて、スナップエンドウやからし菜、ししとうなどにも挑戦します。

 数年前にパンデミックのために突然、ロックダウンになり、家から出られなくなったときも、たまたまその直前に日本に行ったときに買い集めていた野菜の種が、いつも以上に役に立ち、当初はどんな病気なのか、予想もできずに、毎日毎日、外からは救急車のサイレンが聞こえてきて、テレビから流れてくるのは、もう病院に収容しきれない患者が溢れた病院の様子などで陰鬱になりがちだったときに、ベランダでの野菜の栽培には、心がなごみ、どこか土いじりに癒されている感じがしたと同時にどんどん育っていく野菜に実際に買い物に行くのも怖かったときに食卓を彩ってくれるとれたての野菜には、本当に助かった思い出があります。

 今でも春先の種蒔きの時期になると、あのロックダウンという前代未聞の時間を思い出します。

 現在は、どこにでも買い物には出られますが、やはり日本の野菜というと手に入りにくいものも多く、なにしろ、ベランダに出れば、ちょっとした青菜や薬味などが手に入るので、こんなに便利なことはありません。

 だいたい収穫が終わる秋の終わり頃には、枯れ枝を取り除き、土を大きなケースに入れ替えて、冬の間は、野菜くずなどを少しずつ土に埋めながら、翌年用の土を作ります。我ながら、「エコだな~!」と悦に入りつつ、土づくりをしています。

 この種蒔きの時期もなかなか頃合いをはかるのが難しく、早すぎれば芽が出ないままダメになってしまうこともあり、とはいえ、スペースにも限りのあることゆえ、後の予定が詰まっていて気は焦ります。

 私の場合、一番のメインイベントはきゅうりなので、きゅうりはだいたい例年からいくと、5月の日本のゴールデンウィークあたりに撒くのが一番成功率が高いです。きゅうりは、一旦、育ち始めると、ジャックと豆の木みたいに目に見えるかたちで、どんどん蔓を撒いてどんどん育っていくので、喜びもあります。

 少し背がのびていくと、毎年のようにベランダにやってくる鳩との闘いになるのですが、これも、根気よく闘っていく日を過ごしていくとそのうち鳩も諦めてくれます。

 こうして、ごくごく狭いベランダでも植物が育っていく喜びと太陽と土と水の偉大なチカラをしみじみと感じたり、同じように育てても、育ちかたが色々だったり、収穫の喜びを味わったり・・。こんな時間の過ごし方も楽しいものだ・・と思ったり・・。

 日本の家なら、庭もあるので、野菜を育てるスペースはあるものの、日本の野菜はいつでもどこでも簡単に手に入るために、きっとこんなことしなかっただろうし、こんな楽しみも味わうことはなかったと思います。

 海外生活ゆえに始めたこのベランダ菜園も今や私にとっては大切な楽しみになっているのです。


ベランダ菜園


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2024年4月10日水曜日

フランス人はマクドナルドがお好き

  


 Expensyaプラットフォームが実施した調査によると、仕事をしているフランス人がもっとも好むレストランの第一位はマクドナルドであったことが報告されています。

 これは、仕事をしている人という括りがあるために、より早く、より安く、より手軽に食べられるという面が優先されるということがあるかもしれませんが、それだけマクドナルドがフランス全土に浸透し、多くの店舗を持っているかということにも拠るものであると考えられます。

 そもそも人気がなければこれだけ浸透し店舗数を増やすこともできなかったわけで(フランスのマクドナルドの店舗数は約1,500軒)、少なくともフランス人はハンバーガーが大好きということは事実です。

 かつては、フランス人はランチでも、ワインなどを飲みながら、時間をかけてゆっくり食事をしている・・というようなイメージがありましたが、現在は、そこまで優雅に食事している・・ましてや仕事をしている人々にとっては、昼休みの時間はやはり限られていて、外食とて時間もお金もかかり、できるだけ早く、安くすませたいと考える人は少なくありません。

 もともと安くない外食がインフレでさらに値上がり、家からお弁当らしきものを持って来たり、簡単なサンドイッチやサラダのようなもので済ませる人もずいぶん増えたと思います。

 パン屋さんでサンドイッチを買うにしても、スーパーマーケットなどで出来合いの食事を買うにしてもそこそこの値段になるので、総合的に考えれば、いつでも温かく出来立てのものが食べられ、セットメニューなどだとかなり割安にもなるマクドナルドなどは、コスパ的に悪くない・・ということになるのだろうな・・と思います。フランスのマクドナルドのセットメニューは、地域や場所によっても異なりますが9ユーロから12ユーロ(約1,500円から2,000円程度)です。

 円に換算すると、マクドナルドなのに高くない?と感じるかもしれませんが、フランスでは、ランチでさえも15ユーロ(約2,500円)以下で食べられるお店を探すのは簡単ではないのが現実です。

 フランスのマクドナルドは、日本のマクドナルドほどには次から次へと新しいレシピやメニューができてくるわけでもありませんが、それでも以前に比べれば、新しいメニューが時々、登場するようにもなり、なによりもフランスのマクドナルドは、一応、100%フランス産の原材料を使っている(可能な限り)ということになっています。

 また、メニューの中には、Cantal AOP または Comté AOP を使用しているものなど、フランス産のチーズにこだわったものなども散見されるうえ、サラダの種類やフライドポテトの代わりに野菜スティックを出してみたりと健康志向にも気を配っている試みが見られます。

 まあ、どのレストランが好きですか?と聞かれた場合の回答として、これだけの店舗数があるマクドナルドという回答が大多数としてあがってくるのは、当然といえば、当然ですが、こうして、色々な企業努力を見ていると、フランスといえどもマクドナルドは時代とともに変わってきているし、フランス人(フランス政府)が好むフランスの原材料を使い、メニューを工夫しながら、ほどほどの価格帯におさえているという点でやっぱり頑張っているんだな・・と思わせられます。

 フランス人の夫などは、古い世代のフランス人で、「ハンバーガーなんて、あんな手で食べる野蛮な食事・・」と言い、(私は、内心、フランスのサンドイッチだって手で食べるじゃん!と思っていたんだけど・・)、マクドナルド=アメリカのもの・・野蛮な食べ物、身体に悪い・・と毛嫌いしていたのです。

 しかし、実際に私が(私もそこまでハンバーガーが好きというわけでもないし、娘はハンバーガーが嫌いという変わった若者)おまけにもらえるグラス目当てでマクドナルドのセットメニューを買ってきたりすると、誰よりも早く、あっという間にペロッと完食するのを見て、「本当は大好きじゃん!」と思ったりもしたくらいですが、とりあえず、とにかくアメリカのものを毛嫌いする傾向があったのです。

 しかし、今の時代、そんなふうにマクドナルドを毛嫌いするフランス人は、ほとんど見当たらなくなったどころか、フランス人が好きなレストラン第一位に君臨するようになったのですから、今では夫の方が化石的な存在になってしまったようです。


フランス人の好きなレストラン1位 マクドナルド


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2024年3月26日火曜日

ついに旅先で腹痛に襲われ苦しむ娘

  


 私は普段はある程度、食事には気をつけて、控えめにしているつもりですが、日本に一時帰国している間は、そんなことはおかまいなしに、とにかく食べたいものは、食べる! 少々、大袈裟ではありますが、これがもしも日本に来る最後の機会になったとしても、思い残すことがないように、欲望に率直に食べることにしています。

 ダイエットは、フランスに帰ってから、ゆっくりやればいいと、とにかく、食べたいものを食べる毎日を送っています。

 しごく前のめりになって、でかけるたびに食べたいものを買ってきては食べているのですから、巻き添いを被っている娘ともども、食べ過ぎの日々が続いていました。

 ましてや、今回は娘と二人で九州旅行に出かけ、温泉宿に泊まれば、これまた朝から普段では考えられないほどの料理が並び、ふだんはともすると朝食は食べなかったりもするところを朝からしっかりと食べ、昼は昼であそこのお店に行ってみたいとか、あれが食べてみたいから・・と食べてみたり、また、夕食は夕食で、旅館で豪華な食事がずら〜っとならび、二人で「うわぁ〜すご〜い!美味しそう!美味しい!」とはしゃぎながら食べてきました。

 そんなふうに、母娘で旅するのは、このうえもなく楽しいことなのですが、とにかく旅先での移動は車で、今回は、特にあまり天候がよくなかったために、あまり歩くこともできず、次の旅館に着くなり、とにかく旅館内の温泉巡りでひたすら温泉に浸かるだけなので、運動量も不十分。

 とにかく温泉にだけは、とことん入っているのですが、それで山ほど食べている食事が消化しきれるものではなく、日々、蓄積されていくうちに、あまり空腹を感じなくなってきて、しかし、どうにか少しこなれたかな?というくらいの時間に次の食事。

 それでも美味しそうな食事を見ると、食い意地から空腹を感じ、食べるとびっくりするくらい美味しいので、それにつられて結局はとことん、もう苦しい!と言いながらも、食べてしまう・・しかも、これをこうしたらもっと美味しいだろう・・などと、自ら手を加えてみたりして、ああでもないこうでもないと言いながら、夢中で食べてしまうのです。

 もうほとんど病気です。

 今日は、あんまりお腹もすいていないから、お昼は軽めにお蕎麦くらいにしておこう!と良さそうなお蕎麦屋さんを探して出かけると、結局、メニューを眺めて二人とも真剣に悩み、周囲の人々が食べているものと照らし合わしながら、真剣に悩んだ結果、結局は、天せいろという、ちっとも軽くない食事を美味しく平らげ、挙句の果てはデザートに葛切りまで食べてしまいました。

 それでも、娘は、この日の夕方に、このままでは、夕食が美味しく食べられないからと、旅館の近くを1時間ほど歩いてきたりもしていたのですが(私の方は、もうダウンして、昼寝)、夜は、肥後牛のすき焼きとかで、またなかなか立派な食事を完食。そして一晩あけて翌朝は、またいわゆる旅館の和朝食をいつもの調子で完食しました。

 しかし、ついには、朝食後、娘はお腹が痛いと言い出し、お腹をさすりながら、暗い顔。どんな様子か聞いてみると、とにかくお腹がパンパンでお腹が張って痛いと・・。いわゆる食べ過ぎでお腹をこわす・・というのとも違って、食べ過ぎでお腹が本当にいっぱいの状態でお腹の皮が張って痛いというのには、心配を通り越して、我が娘ならば苦笑するしかありません。

 もっとも、ほぼ同じ量の食事をしている私のお腹はパンパンにいっぱいになっていないことも別の意味でなかなかヤバい状態でもありますが・・。

 彼女は、日本に住んでいて、何も私に合わせてがっつかなくてもよさそうなところですが、そこが、私と一緒になって、ひとつひとつの食べ物に真剣に向き合い、がっついてくれるのは私としては嬉しくもあり、楽しいことなのですが、どうにも美味しいものをみると満腹にもかかわらず、興奮してしまい、お腹の皮が張って痛くなるまで食べてしまうというのは、もうそういう血筋?としか言いようがありません。

 結局、しばらくして、彼女の腹痛はおさまってくれたのですが、私の日本滞在も残すところ、あと数日で、最後のラストスパートで、この後も帰仏するまでは、一食たりともおろそかにはできないところです。

 それこそ、私の方もかなりヤバいのですが、もう腹をくくってダイエットはフランスに帰ってから・・と思っています。

 娘よ、こんな母につきあってくれてありがとう!


食べ過ぎ 


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2024年3月22日金曜日

日本で感じるチープフレーション

  


 今年の初め頃、フランスでは、消費者保護団体が、コスト削減のためにレシピを変更し、材料の質を落としたり、量を減らしたりしつつ、且つ値上げをしている食品メーカーの特定商品について、その社名、具体的な商品名を挙げて警告を発し、話題になっていました。

 具体的な社名や商品名を名指しで指摘するあたり、なかなか強烈だな・・と思ったのですが、消費者側としては、ありがたい情報でもあり、また、なにも、メーカー側を貶めるためというよりは、消費者側の立場にたって、事実を伝えているわけですから、そのような団体からすれば、憚ることなく、情報を開示することに問題はあり得ないのです。

 これを機に、私は、チープフレーション(チープとインフレーションの造語)とか、シュリンクフレーションという現象について、少し気をつけてみてみるようになったのですが、今回、日本に来て、このチープフレーションと思われるものに、度々、遭遇しています。

 これは、私が一時帰国の際の食べたいものリストに入っている食品だったり、いつも帰国の際には、必ず一度は行くレストランなどでみられていることなのですが、まず、いつも行く昔からよく知っている洋食屋さん、ここは、美味しいだけでなく量が多く、ボリューミーなことで有名だったのですが、そのお店、味は変わらないものの、量がかなり減っており、そもそも多すぎるくらいだったので、私は、構わないのですが、中年になってもわんぱくな弟などは、かなりショックを受けていました。

 しかし、量を減らして、値段の高騰を抑えようとするのは、まだ良心的?な方だと思うのですが、明らかに味が落ちた・・品質が落ちたな・・と思うことにいくつか立て続けに遭遇し、非常に残念な気がしています。

 ここでは、私は具体的な調査をしているわけではないので、具体的な名前を挙げるのは、避けますが、いくつかの全国でチェーン展開をしているレストランやファストフード的なお店が立て続けに、味が落ちたな・・と感じたのです。

 これらは、おそらく日本人ならば、誰もが知っているようなお店のものですが、いつ行っても同じ味だったはずのものが、そうでなくなっており、明らかに材料の品質を下げたような気がします。

 チェーン展開をしていたり、ファストフード的なお店なので、もともと、そこまで高価なものではありませんが、それなりに懐かしさがあり、妙に時々、食べたくなるようなもので、私の場合、帰国のたびにとはいえ、せいぜい一年に一度か二度のこと。

 逆に味の変化は感じやすいのかもしれません。

 インフレのために材料費や加工費が以前に比べてかかるようになっているために、これまでと同じものを作り続ければ、商品は値上げしなければならないのは必須ですが、その値上げによる客離れを恐れているのか、質を低下させるという最悪のことをしているように感じられます。

 「うちはクォリティをキープする!」として、堂々と値上げをするか、量を減らしたり、小さくしたりすれば、まだマシだと思うのですが、味が変わって美味しくなくなってしまえば、私の場合、もうガッカリで、もう行かない・・もう買わない・・となります。

 まあ、一年に一度しか来ない客のことなどどうでもいいと言われるかもしれませんが、値上げに対して、及び腰な姿勢が透けて見えます。

 だいたい全てのものが値上がりしているのに、これらの食品・商品が値上げしない方がおかしいので、値上げしていないとなったら、逆にそのクォリティを疑ってみなければいけないのかもしれません。

 そもそも、私はたまに来るだけなので、もともとの値段がどの程度であったのかという感覚が希薄なために、値段の方は、そこまで神経質になりようがないのですが、とにかく、これまで楽しみにしていた日本に来たら食べたいものが減っていくことは、残念なことではあります。

 一食もおろそかにはできない日本での食事ですが、今回、いくつかの食品が私の食べたいものリストから消えていきました。


日本のチープフレーション


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2024年3月21日木曜日

フランス人の好きな軽食トップ10からSUSHIが外れたけど・・

 


 長らくフランス人の好きな軽食ランキングのトップ10には、必ず SUSHI が食い込んでいましたが、今年発表された調査結果によると、SUSHI のランキングが落下したとされています。

 フランス人に人気の軽食(ファストフードを含めて)は、サンドイッチやハンバーガー、ピザ、ケバブ、サラダ、パニーニなどで、サラダを除いて、それらは、ほぼ小麦粉文化の食べもので、パンあるいは、それと同種のものと肉やチーズの組み合わせによるものが中心です。

 彼らは、SUSHIがトップ10から外れた理由として、フランスでのSUSHIのネタの中心を彩るサーモンの価格の高騰のために、SUSHIがより高価にならざるを得なくなっていることを挙げており、また、SUSHIがより革新性を示せなくなっているためだと分析しています。

 フランスでの外食は一般的に高価で、ふつうにレストランでランチをとるとしたら、おそらく20ユーロ(約3,200円)前後が平均的ではないかと思われますが、ここでトップに君臨しているサンドイッチやケバブ、パニーニならば、10ユーロ以下でもなんとかなりそうなイメージ、ハンバーガーやピザですら、それと同等かそれ以上だと思います。

 そこへ行くと、SUSHIは軽食扱いされているにもかかわらず、なかなかな値段になってしまうので、価格帯としては、どうにも中途半端な位置付けになってしまうのかもしれません。

 しかし、ネタの価格の高騰はともかくとして、SUSHI の革新性などという話は、日本人の私からすればナンセンスで、もはやSUSHIではないようなものをSUSHIの革新性などと評価されることには、微妙な気がします。

 そもそも、現時点においても、パリの高級なお寿司屋さんなどは別として、ごくごく一般的に販売されているSUSHIには、甘いお醤油と普通のお醤油の2種類が用意されることが定着しつつあり、それだけでも本来ならば、「お寿司に甘い醤油なんてナンセンス」と思うところを、まあ、よく言って革新的とも言えないこともありません。

 そもそもの日本のお寿司から、フランス人好みのサーモンやアボカドに埋め尽くされたようなSUSHIに偏っているのは、フランス人の嗜好に合わせているものであろうに、それを革新性の欠如などと言われるのはお門違い。

 軽食として安定的な地位を保っているピザやハンバーガー、サンドイッチ、パニーニなどは、小麦粉文化である彼らの食文化、パンやチーズや肉を使った変化球バージョンで、そもそもが彼らのもともとの食文化と同類のもので、彼らが好むのは当然のことです。

 こうして書いていると、いかにも張り合っているような感じになりますが、そもそもSUSHIが、いつのまにか軽食の括りに入れられてしまっていることも驚きです。

 以前は、食に関しても、かなり保守的な印象があるフランス人もここのところ、多種多様なものを受け入れるようになり、SUSHIなるものなど、それまで生魚を食べる習慣があまりなかったフランス人にしては、革命的なことであったはずです。


フランス人の好きな軽食


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2024年3月20日水曜日

日本での買い物 買いたいものにも色々あって・・・

  


 日本に一時帰国している際に、どこかに用事があって出かけても、たいていの場合は、帰りに買い物して帰ろう・・ということになるのですが、その行く先々によっても、色々あって、ついでとはいえ、その場所からの帰り道をどういうルートで帰るかを考えるとき、あれを買うためにあそこに行きたいから、こっち経由で帰ろうとか、買い物ありきで予定をたてることになります。

 まあ、そのほとんどの買い物は、私の場合は食料品なわけですが、もうたいていの場合は、すでにリスト入りしている(決まっている)買い物の場合は、あそこへ行ってあれを買う・・というのは、だいたい目安がついているので、その買い物をするために行く場所で、それプラスその辺りをちらほら、半分ひやかしのつもりで試食などしながら、見て歩くわけで、かなりお腹も気持ちも満たされて、それはそれでなかなか楽しい時間でもあります。

 その食料品の内訳は、当然、フランスに持って帰りたいものと、日本にいるうちに食べておきたいものとがあるのですが、その道すがらには、忘れていたけど、こんなものもあった・・あんなものもあったと、結局は帰りには、その重さを憂うほど大変な量の食料を持って帰ることになるのです。

 まったく、己の食い意地には、毎度のことながら、自分でも呆れるほどなのですが、それが必ずしも一般的に、ものすごく評価されているようなものばかりとは限らず、けっこうな部分で「懐かしさ」が占めていることに気付かされます。

 それは、子どもの頃、よく買いに行かされたお肉屋さんのコロッケだったり、昔、祖母が好きだったパン屋さんのクリームパンだったり、ミスタードーナッツやケンタッキー(KFC フランスのケンタッキーは最近?以前のようなケンタッキーではなくなりました)やモスバーガーなどのファストフードだったりもするのです。

 そう考えてみると、人の食の好みとか嗜好といったものは、ある程度の傾向もあるにせよ、その中には、子どもの頃や若い頃に慣れ親しんだという郷愁のようなものがあるのだなぁと感じたりするにつけ、そのことに愛おしさを感じたりもするのです。

 母がほがらかな人だったために、近所のお店では顔で、たまには、私たちの話もしたりしていたようで、身元が知れると、「あ〜あなたたちがパリにいらっしゃるお嬢さんとお孫さん!などと言われたりして苦笑することもありますが、どこかに母の存在があるようで、ほっこりした気持ちにもさせられます。

 私の場合、物心ついた頃から実家が引っ越したこともなく、それが植え付けられる時間が長かったこともあり、今もなお、日本に帰れば、その家に滞在しているわけなので、ひととおり食べて帰りたいものは、その家を中心に私の食べたいものマップがあるのです。

 それは、買って帰れるものだけでなく、レストランだったり、お蕎麦屋さんだったりもするわけで、そのお店には、ずっとそこにいてほしいと願っているのです。


日本で食べたいもの買いたいもの


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2024年3月18日月曜日

グルメな親友との至福のひととき 日本橋 かに福本店

  


 今回の一時帰国は、日本にある家についての手続き上のことで、どうしても帰国しなければならなかったために、いつもの一時帰国とは若干、異なるものではあったのですが、それにしても日本に来たからには、食べたいもの、できるだけ美味しいものを食べるということをおろそかにするわけにはいきません。

 私の周囲の人々も慣れたもので、私の好きそうな食べ物やお店を探しておいてくれるのです。

 なかでも私の親友のグルメ度は見事なもので、かつて、食べログなどのサイトもなかった頃から、どこどこのなになにが美味しいとか、例えば、この場所で和食、お寿司、お蕎麦、イタリアン、中華、フレンチ(などなど)なら、このお店がいいなどの情報が常にアップデートされていて、歩くグルメマップとよばれる存在で、美味しいものを食べたい場合は彼女を頼りにしていました。

 また、味覚は人それぞれなので、人によって、美味しいと感じるものは異なり、良いと思うお店も違ってくるので、食べログなどの場合、評価が高いといっても必ずしも私にとっては、そうでなかったりする場合もあるのですが、彼女の味覚というか食の好みは私のそれとほぼ一緒なので、彼女は絶対的に信頼のおけるグルメマップであるわけです。

 今回も彼女と会う際に、私と行ったことのない美味しいお店を探しておいて!という、かなりざっくりしたお願いをしていたところ、彼女は「カニ」のお店を探して予約しておいてくれました。

 絶体的に信頼をおいている彼女の選んだお店は、絶対、美味しいことはわかっていましたが、今回、彼女がチョイスしてくれたお店は、これまでの中でも群を抜いていて、というか、今の私にとっては、感動的なものでした。

 彼女のすごいところは、同じ店舗でも、本店の方がいいとか、この時間帯がいいと細かく考慮してくれるところで、今回は、日本橋にある「かに福」本店で、そのちょっとレトロな感じのお店と本店のメニュー(他の支店とは異なるらしい)、そしてそのカニ料理の素晴らしいこと!

 私は、正直、カニ料理のお店に行ったのは、初めてのこと。カニ料理とは一体、どういうものが出てくるのかさえも、わかりませんでした。

 しかし、最初に出てきたカニのお造り(ズワイガニとタラバガニ)は、私がこれまで食べたことのなかったもっちりとした食感で、カニ味噌については言うまでもなく絶品。

 そして、カニクリームコロッケとカニクリーム大葉巻き天ぷら。どちらも、よくぞこれをサクッとトロッと揚げられると感心するほどで、中には、カニがたっぷり惜しみなく混ぜ込まれています。

 次に出てきたのがカニの茶碗蒸し、そしてお重につめられてくる「かにめし」には、食べすすめていくうちに違う食べ方ができるように、わさびとわけぎなどの薬味とともに出汁がついてきて、最後には出汁とともに味わえるようになっています。

 またこの「かにめし」には、壺に入った、切り干し大根、お漬物、生姜の甘煮が一緒に出てきて、このご飯とともに味わえるようになっています。

 その切り干し大根もほどよい戻し加減でちょうどよく煮上がっていて、生姜の甘煮はこのかにめしとの相性が抜群です。

 なによりもこのかにめしには、ほぐしたカニがたっぷり混ぜられているうえに、たっぷりのせられています。

 初っ端のカニのお造りの段階から私は、もう感動のために悲鳴をあげそうになったほどです。

 フランスに行って以来、年々、感情表現が大胆になったというか、リアクションが大きめだと言われることが多い(特に美味しい食べ物に関しては・・)私ですが、今回は特におさえるのが大変(別に抑えようともしていませんが)、店員さんが次のお料理を運んで、お皿をさげてくれにきたときなど、「もう〜ほんとにおいしかったです!」と大絶賛!

 しかし、私でなくとも、周囲のお客さんの中にも思わず、唸るように「美味し〜い!」と口にしている声があちこちから聞こえてくるほどです。

 とにかく、今日のランチは、ちょっといつもとは群を抜いている感動ランチで、親友と、美味しいものを分かち合いながら、「美味しいものを好きな人と一緒に楽しめるって、とっても元気がでるね!」と言いながら、一つ一つのお料理に二人で真剣に向き合う比類なき楽しいひとときでした。


日本橋 かに福本店


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2024年2月17日土曜日

人の味覚はそれぞれなので、自分の好みに合うものを見つけるのは簡単ではない

 


 私が日本に行く時は、半分くらい(もしかしたら、それ以上かもしれない)は、食べることが目的なので、当然、もの凄い勢いで食べまくるのですが、前回の一時帰国の際は、我ながら、これまで以上の興奮ぶりで、もう満腹中枢が壊れたかと思うくらい、食べまくりました。

 日頃から、YouTubeやInstagramなどで、「これ最高!」などと紹介されているものをチェックしていて、「日本に行ったら食べたいものリスト」に書き足しています。

 日本に到着するやいなや、日本の場合は、すでに慣れ親しんでいるお店やすでに知っているもので、どうしても食べたいものが、すでにたくさんある中、その新しく食べてみたいものリストから漏れずに食べて帰ろうとするために、色々と買い物に走ったり、お店に食べに行ったりします。

 今回、多分、何かのYouTubeで、「成城石井の焼売がすごく美味しい!」と言っているのを見て、娘に話したら、「成城石井なら、会社の入っているビルに入ってるから買ってきてあげるよ!」と言ってくれたので、ものすごく期待して食べると、「うん、美味しいけど、べつに・・」という感じで、ちょっとがっかりしたという話を隣に住んでいる従姉妹に話したら、「うん、成城石井の焼売は特別感はない、焼売だったら、小洞天のが美味しいよ!」と買ってきてくれました。なるほど、さすがに、長い付き合いだけあって、好みが一緒で、この焼売には大感激でした。

 すると、今度は、肉まんの話になり、肉まんなら「維新號」の肉まんが美味しい!という情報を得て、「維新號」の肉まんを探して歩くことになり、それまでの間に会った友人や叔母たちに聞いても、たしかに「肉まんなら維新號!」と口を揃えて言うので、何が何でもそのみんなが絶賛する肉まんを食べたくなり、さんざん探してようやく渋谷でゲット。

 大変、満足でした。

 フランスに戻って、しばらくは、日本から持ち帰ったもので満足して、フランスの食品が色褪せて見えていたのですが、結局、ないものねだりをしても仕方ないので、また、フランスでも、美味しいものを探して歩くことを再開しています。

 しかし、フランスでは、日本ほどは、感激できるドンピシャのものを見つけるのは簡単ではなく、X(旧Twitter)やYouTube、Instagramなどで紹介されているお店に食べに行ってみたり、持ち帰れるものは買ってきたりしているのですが、どうにもハズレが多く、あんなに絶賛している感じだったのに、全然、大したことなかった・・とガッカリすることもしばしばです。

 そんなお店に行ってみると、フランス人のユーチューバーらしき人々が撮影している場面に遭遇したりすることもあるのですが、「まあ、悪くはないけど、フランス人の好みなのかな?」、まあ、人の味覚はそれぞれなので、必ずしも私の口には合わず、「まあ、美味しいけど、また来るか?って言ったら、そうでもないかな・・」というところが多く、やっぱり自分の好みのものは、自分で探さなければ・・とそのたびに思うのです。

 特にフランス人のインスタなどだと、ノリも良くて、ついついその気になってしまうのですが、なかなかハズレも少なくありません。

 彼らがウソをついているわけではなく、単に好みが合わないだけの話、私も時々、ブログでパリにある私が美味しいと思ったお店や食べ物を紹介していますが、必ずしも万人向けかどうかはわかりません。

 必ずしも有名なお店だったら美味しいというわけでもなく、パリの場合は、特に外食は、決して安くもないし、お店の雰囲気やサービス、そして提供される食べ物が総合的に値段相応のものであるかどうか?そんな感じで私は、美味しいものを探し歩いています。

 それにしても美味しいものを探すのは日本でもパリでも楽しいのです。


おいしいもの探し 味覚


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2024年2月12日月曜日

小さな子供に生乳チーズを食べさせてはいけない

  


 ローヌ地方(フランス南東部)でモルビエ(生乳チーズ)を食べた2人の少女(1人は7歳、もう1人は生後18ヶ月)が大腸菌による感染症を引き起こし重篤な状態に陥っていることがわかりました。

 この感染症は成人にとっては重篤になることはほとんどありませんが、小児では重篤な症状を引き起こし、死に至る可能性もあると言われています。

 この事件を受けて、当局は子供の食事に関して予防策を講じることを推奨しています。

 この細菌は反芻動物の消化管に存在し、その肉や牛乳を汚染する可能性があり、溶結性尿毒症症候群(HUS)を引き起こす可能性があります。

 溶血性尿毒症症候群(HUS)は、成人にとってはそれほど危険ではありませんが、虚弱体質の人、特に高齢者や5歳未満の子供にとっては危険であり、場合によっては死に至る可能性があります。 フランスでは年間約160件の症例が記録されており、主に不十分に調理された肉や低温殺菌されていない乳製品が原因となっています。

 これを聞いて、チーズにそんな危険があったことに、今さらながら、身が震え上がる思いがしたのです。

 というのも、フランス人の夫は、大のチーズ好きで、「フランスには、何百、何千種類のチーズがあるんだ!この素晴らしい食文化をどうしても子供には教えなければならない!」と娘が小さい頃には定期的に違うチーズを何種類か買ってきては、娘に食べさせていました。

 残念ながら?娘はチーズが嫌いで、むしろ、小さい頃に様々なクセのあるチーズを無理矢理食べさせられたために、余計に嫌いになったきらいがあります。「嫌いかどうかは食べてみなければわからない!」と夫はひとくちでも食べてみろと娘に食べさせていました。その中に、モルビエも入っていたことは間違いありません。

 そのたびに、娘はひとくち食べるだけで、「ノン、ノン、ジェムパ・・」(嫌い)と言って、結局は、ほとんどは夫が食べていたので、そのうち私たちは、「チーズを食べたいパパが口実をつけて、チーズを買ってきているだけじゃん!」などと、冷たくあしらっていたために、しばらくして、夫はそんな娘へのチーズ教育をやめてしまいましたが、それでも、娘が小さい頃に食べたフランスのチーズの種類は相当数に及ぶと思います。

 しかし、結果的に、それでわかったことは、娘がチーズはあまり好きではないということで、今でも、娘が食べるチーズは、ほんの限られた種類のみです。

 今回のモルビエ事件を受けて、パリのトルソー病院(小児病院)の医長は、子供に食べさせてはいけない食品を説明しています。

 生乳から作られているルブロション、サレール、ブリー、ピコドン、ぺラドン、特定のカマンベール、モルビエ、モンドゴールドなどはNG。

 子供に食べさせてよいのは、エメンタール、コンテ、アボンダンス、グリュイエールなどの調理済みのプレスチーズ、スプレッド加工されたプロセスチーズ」や低温殺菌牛乳から作られたチーズであると例示しています。

 肉、特に牛ひき肉はよく火を通しておかなければならず、生乳、生乳から作られたチーズなどの乳製品は5歳未満の子供にたべさせてはいけないと説明しています。

 また、子供たちには、ピザ、ケーキ、パイ生地などの小麦粉を使った調理品を生または調理が不十分なものを与えないように勧告しています。

 そういえば、何年か前にブイトーニの冷凍ピザで食中毒事件があり、子供が数名死亡したことがありました。あの時も溶血性尿毒症症候群(HUS)と毒素産生性大腸菌(STEC)の感染症が原因でした。

 しかし、あの時は、むしろ、あの冷凍ピザ工場の衛生状態のあまりの酷さがクローズアップされていたのですが、考えてみれば、ピザ生地の調理具合は問題にはされていませんでした。

 いずれにしても、子供の食事には気をつけなければいけないことが多々あったにもかかわらず、私には、一応、常識的な、なんとなくの感覚があったのみで、詳しい知識はなく、大病をすることもなく娘が無事に育ったのは奇跡的なことだった・・と今さらながら、胸をなでおろす気持ちです。


生乳チーズ モルビエ食中毒


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2024年2月9日金曜日

フードウォッチが名前を挙げたチープフレーション警告食品

  


 フードウォッチは、消費者が健康上のリスクがなく、信頼性が高く透明性のあるラベルが付いた高品質の食品を提供される権利を求めて運動を行っている消費者保護団体で、このフードウォッチは、2 年間で 20% 以上の食料インフレが進む中、平たく言えば、コスト削減のためにレシピを変更し、材料の質を落としたり、量を減らしたりしつつ、且つ値上げをしている食品メーカーの特定商品について、警告を発しています。

 これをチープフレーション(チープとインフレーションの造語)とか、シュリンクフレーションと呼びます。

 つまり、同じものを食べているつもりでも、中身は変わっている・・しかも、値上げされているのにもかかわらず・・という、ハッキリ言って、知らないうちに騙されているものを買わされているという現象です。

 なんとなく、そのブランド名や商品名、パッケージなどは、今までどおりなので、同じものを買ってしまっているのに、実は中身は違うものになっている・・ということです。

 メーカーにとっては、ピンポイントに名指しされてしまえば、大変な営業妨害でもありますが、いつのまにか、以前よりも低品質の材料や配合になっていることがわかるのは、消費者にとっては、ありがたいことでもあります。

 フードウォッチは、フルーリー・ミションのすり身スティック、マイユ・マヨネーズ(ユニリーバ・グループのブランド)、ミルカ・チョコレート(モンデリーズ)、シェネルのリエット、アフターエイト チョコレート (ネスレ)、または Findus ブランドのフィッシュ (Nomad Foods)の商品について、製造元のメーカーに異議を申し立てたと公表しています。

 たとえば、すり身スティックは、日本で言うところの「カニカマ」で、今やフランスではどこのスーパーマーケットにも「SURIMI」という名前で売っている商品なのですが、その「SURIMI」(フルーリー・ミション)は、魚肉の含有量が11%少なくなっており、そのうえ、価格は47%上昇しているそうで、マイーユのマヨネーズは、2023年11月から2024年1月の間に卵黄の割合が24.7%減少していると指摘しています。

 原材料価格が上昇しているから値上げも致し方ないと思うところが、しっかり品質を落として原材料価格を抑えつつ、そのうえさらにかなり値上げしているというのは、消費者にとっては、二重の痛手を食っていることになっており、許しがたいことです。

 それがマイーユのような、どちらかといえば、高級イメージのあるブランドにおいてまでとなると、なおさら衝撃は大きく、そんなことをしていたのか?とガッカリします。

 フードウォッチは、食品業界と大量流通の巨大企業がインフレを利用し、危機を悪化させているということを指摘し、インフレで、より利益をあげていることを告発しているのです。

 いいかげん、どんなに世間一般が困ろうと、必ず得をしている者がいることにウンザリし、健康志向などと言われながらも、実は、逆方向に動いている部分も確実にあるのだということも思い知らされます。

 今回、名指しされているのは、大手メーカーのものばかり、食料品を買うときには、ある程度、安心の目安の一つにしていたこの大きな食品メーカーの信頼性は、落ちるばかり。つい、この間もネスレグループのミネラルウォーターが実はミネラルウォーターではなかったという大スキャンダルが発覚したばかりです。


チープフレーション シュリンクフレーション


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2024年2月6日火曜日

最近のマイブーム パリのヴィエノワズリーの美味しいお店

  


 フランスに来て、もういい加減、かなり長くなり、本当に今さらではあるのですが、最近、私はとてもパンが好きになりました。

 スタンダードにバゲットを買うことが一番多いのですが、最近はふつうのバゲットではなく、バゲットトラディションを買うことにしています。若干、ふつうのバゲットよりは高いのですが、ほんの20セントくらい高くなるだけで、全然、クォリティが違うので、まあ、ちょっとだけ贅沢といっても、さすがにバゲットとなると、たかがしれているので、まあ、そんなに大量に食べるわけでもなく、まあ、これくらいはいいかな?と思っています。

 さすがにパリはどこへ行ってもパン屋さんは多く、通りかかったパン屋さんは、最初は外から様子をうかがって、良さそうだと思うと、特に買う予定がなくても、とりあえず、必ず入ってみるようにしているのですが、おもいのほかパンやケーキが並んでいるウィンドーは華やかでフワッとしたバターとパンの香ばしい香りに包まれて幸せな気分になります。

 最近は、気のせいか、クロワッサンやパンオショコラがやけに立派になり、またヴィエノワズリーの種類も増えた気がして、ついつい誘惑にかられます。

 昨年、セドリック・グロレのクロワッサンが食べてみたくて、延々並びましたが、たしかに美味しかったのですが、さすがに毎度毎度、あんなに並ぶ気もせず、また、ちょっと値段もいくらなんでも・・というくらいに高いので、そうそうリピートする気にはなりません。

 昨年、一時期、ギャラリーラファイエットグルメに入っていた(期間限定)パン屋さん(     PANADE)のヴィエノワズリーがとても美味しかったので、そのお店に行ってみたら、なんと、ラファイエットグルメとは、同じものが全然、安かったりして、ちょっと嬉しくなって、ごきげんにいくつか買ってきました。



 そのお店のヴィエノワズリーのパイ生地は、ちょっと大げさに言えば、エッジが立っているというか、パイ生地をしっかり感じられ、パイ生地好きの人にはおススメです。




 また、昨年、サロン・ド・ショコラに出店していたお店で魅せられたヴィエノワズリーが気になっていて、パリ市内のお店(LAURENT DUCHENE)に行ってみたところ、こちらも見事なパイ生地なのですが、何よりバターの香りが素晴らしく、パリッとしつつも、しっとりしていて絶品でした。



 この写真のシマシマは、クロワッサン・オ・ショコラでパン・オ・ショコラはまた別にあります。



 種類も多く、お値段もそこそこなので、ケーキを買ったりすることを考えれば、ずいぶんと割安だ・・などと自分に都合のよい理屈をつけて、ここのヴィエノワズリーもいくつか購入。今年中に全種類制覇したい・・などと、ワクワク楽しい気持ちです。

 我ながら、いつも美味しいものを探して歩いている自分に呆れる気もしますが、パンやヴィエノワズリーに関しては、パリでは美味しいものに遭遇する確率が高く、この美味しいヴィエノワズリー探しは、しばらく私のささやかな幸せのひとつになりそうです。


🌟PANADE                          35 Rue Violet 75015 Paris 

🌟LAURENT DUCHENE         2 Rue Wurtz 75013 Paris


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2024年1月24日水曜日

ブーランジュリー ワールドカップ 16年ぶりのフランス優勝

 


 今年、行われた「クープ・デュ・モンド・ブーランジュリー」でフランスが優勝したそうで、しかも、優勝は16年ぶりということで、「あらら・・パンの国 フランスがそんなに優勝していなかったの?」と、そっちの方にちょっと驚いた次第です。

 その書かれ方が今年は、「フランスチームが日本、韓国を押さえて堂々、優勝!」とあったので、日本も入っていたのか・・と思ったら、今年、日本チームは3位だったようです。

 このいわゆるパンのワールドカップのような催し物は、ヨーロッパ見本市の一環として、2年に一度、開催されているそうです。

 そうでなくとも、バゲットコンクールとか、クロワッサンコンクールなど、毎年、行われているコンクールもけっこうあって(多分、パリ市がやっているものだと思いますが・・)、正直、このワールドカップの方は、これまで見逃していました。

 というのも、おそらく、フランスが優勝しなかったために大々的に取り扱われなかったため、なんとなく見逃してしまったのかもしれません。

 この職人技を競うような大会には、どの分野でもめっぽう強いイメージのある日本ですが、やはりパンの世界でも、その力量をふるっているのは、間違いないようです。

 この大会は、2日間にわたるもので、各チームがパン、ヴィエノワズリー(ペストリー系?)、芸術作品の3つの項目を披露するもので、今回優勝したのは、フランスのリヨン出身のパン職人だったようです。

 しかし、美食の国フランス、その中でもパンはある種、象徴的な存在でもある国としては、こんなにも長い間、優勝できなかったことは、フランス人のプライドが傷つけられる不快なものであったことは、想像に難くないところでもあります。

 ある記事には、パンは私たちの一部であり、キリアン・ムバッペやエッフェル塔と並ぶ国家の誇り! その最も美しい象徴であるバゲットは、2022 年にユネスコによって無形文化遺産に登録されている!

 にもかかわらず、この30年間で、フランスがカップを持ち帰ったのはわずか3回だけ、しかも、2008 年以来、フランスのチームがこのタイトルを獲得できなかったこの不快感をどう説明すればいいでしょうか? 」と書かれています。

 その原因として、この間に躍進してきた日本や韓国などのアジア勢のパン職人に対して、「彼らは私たちが想像もしないようなことをするのです」とフランス人にとっては伝統があるがゆえに思いつかない創造性に長けていると説明しています。

 また、物価の上昇や困難な労働条件などから、パン職人を志す人が減少しており、優れた職人が育ちにくくなっていることも原因の一つに挙げています。

 たしかに最近、日本に行くたびにパン屋さんが増えていることに驚かされますが、日本で売っているパンとフランスで売っているパンは、タイプが違うように思いますが、個人的には、フランスは、やっぱりパンはかなり美味しいお店が多いので、充分、満足しているために、日本に行った時に、他に食べたいものが山積みのキツキツのスケジュールのなか、わざわざパンを食べることがほとんどないので、日本のパンがどれほど美味しいのかは、正直、わかりませんがパン職人が減少していると言われるフランスに比べて日本はパン職人は増えているのではないか?と思うのです。

 しかし、フランスのブーランジュリー協会にとっては、「このフランスチームの優勝により、パン屋のノウハウを強調し、エネルギーや原材料の価格高騰、持続可能な開発、人材採用など、多くの課題に直面している業界全体を勇気付けることができます」と前向きに述べています。

 同時にフランスパン・ベーカリー・パティスリー全国連盟会長は、日本、韓国、台湾などには、非常に良い際立っている職人がいることも認めています。

 もともとあるものを真似して、それに新しい創意工夫を凝らして改良するのは、日本人の得意とするところでもあり、小麦粉と水という基本的な材料に地元のシリアルやオリジナルの食材を使って無限の創造性の息吹を吹き込み独創的なものを創り出す。

 彼らには想像力が豊かで異なる食文化を持つからこそ生み出す力があり、それこそが、フランスチームに欠けているもので、それがこれまで優勝から遠ざかっていた原因でもあると指摘しています。

 しかし、一方では、「フランスでは、依然として並外れたレベルの店舗が存在する」と豪語もしており、それには、私もやっぱり大きく同意するところでもあります。

 

ブーランジュリー ワールドカップ フランス優勝 


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2024年1月21日日曜日

日本から持ってきた食料品の一部をちょっとだけご紹介

 

 

 まあ、自分でも呆れるほど、私は、食べることばかり考えているので、パリにいても、どこかに何か美味しそうなものがあるとすっ飛んで行くのですが、やはり、生まれも育ちも日本人の私は、やっぱり日本の食べ物が好きで、一時帰国した際に持ってくる日本の食材や調味料を使って、現地の食材を使って、なんとか満足のいく食生活が送れるように、日本から持って帰ってくる食材選びには、並々ならぬ情熱を注いでいます。

 夫は自分でも料理ができないわけではなく、私が休日出勤をする際などは、「朝、用意していくのは大変だから、自分がやるからムリしなくてもいいよ!」とやさしいことを言ってくれていたのですが、夫の料理は娘の口にはあわないようで、「お願いだから、ママが作って!」と嘆願され、また、私も娘を置いて、仕事に行くことに、なんとなく引け目というか、「ママ、お仕事行かなきゃいけないけど、あなたのことを忘れてないからね・・」というメッセージのつもりもあって、必ず私が食事の支度はしていました。

 夫には、私が日本に行く度に買い集めてくる日本の食料品、特に調味料関係はわけがわからないようで、「なんで、冷蔵庫の中、こんなに瓶がいっぱいになるの?」と不満気に言われたこともあったりしたのですが、私にとっては、フランスでは手に入りにくい宝物のようなもの・・そこは一歩たりとも譲ことができませんでした。

 あれから、夫は亡くなってしまい、今では自分の好きなものしか冷蔵庫に入っていないのですが、あの頃から比べると、私が日本から運んでくる食材もずいぶんと種類が増えてきたように思います。

 今回は、このたび私が日本から持ってきた(頂いてきた)食材でよかったな・・と思うものをご紹介します。

 まずは、だしの類、茅乃舎のだし、野菜だしは、定番で、前回は、白だしなども追加して、今回、持ってきたのは、こちらの2つ、「のどぐろだし」と「白エビだし」。これらは頂き物ですが、すごく期待しています。


 そして、糀みつと、友人宅で出してくれて、すっごく美味しいと感激したら、友人がくれたお醤油。「糀みつ」は、パリのサロンドショコラに行ったときにみつけて、味見させてもらったら、これが奥行のある深みのあるまろやかな甘さ・・この甘さはパリには絶対ないもの!と感激して買おうと思ったら、1本30ユーロもするというので目が丸くなり、なら、日本に行った時に買おうと思っていたもの・・(日本だと半額以下でした!)これと一緒に乾燥した糀も買ってきました。




 
 そして、前回、買ってきてとても重宝した明太子パウダーとあさりパウダー、貝柱パウダー。明太子パウダーは、そのままふりかけのようにご飯にかけて食べてもいいし、マヨネーズや生クリーム、クリームチーズやバターなどと混ぜてディップのようにしてもよし、簡単な明太子パスタにしてもよし・・また、あさりパウダー、貝柱パウダーは、お味噌汁に入れてもいいし、海鮮類のパスタなどにちょっと加えるのもよしで、と~っても便利です。



 そして、日本人の神髄・お味噌類と今回、従姉妹がくれた、ぬかチューブ、ぬか漬けもどきは、普段、パンとビールに昆布などを加えて代用していましたが、これはすっごく楽しみで、きゅうりの季節になったら、やってみます・・たのしみ~~。
 お味噌は、ふつうに使うお味噌とつけて食べる分のお味噌、これも頂き物です。



 それからそば好きの私としては色々なお蕎麦が食べてみたくて、数種類のおそばと友人がくれた揚げ玉。この揚げ玉がけっこう優れもので、ワサビ風味でそのまま食べてもおいしいし、冷ややっこにかけたりても美味しいです。
 


 そして、海藻類と海鮮系の乾物類、特に乾燥あさりと乾燥しじみは、レギュラーメンバーで、なんといっても軽いので嬉しいです。パリにもあさりは全くないわけではないけれど、どこにでもあるわけではないし、しじみに至ってはお目にかかったことがありません。
 



 それからけっこう便利なこれ!


 最近、お豆腐はパリでも買いやすくなったので、お豆腐と、私は、冷凍のほうれん草(味つけなしの素材だけのもの)を解凍したものを混ぜたりしています。混ぜるだけでできるので、簡単です。

 それから、私にとって、今や必需品に近く、最も重さを押さえられる食品はこちら!
 

 種で持ってきて、あとは、パリで育てるという日本の野菜たち。
 きゅうり、にら、しそ、三つ葉、小松菜、春菊、オクラ、ししとう、スナップえんどう、ナスなどは、育てたことがあるので、今回、わさびリーフ、からし菜、ごぼうに挑戦してみるつもりです。
 このベランダ菜園は、植物が育っていくのも楽しく、また、買い物に行かずに少しずつ収穫して楽しめて、時には、友人にもお裾分けしてあげたりもできるので、すごく楽しいです。
 急にロックダウンになった時などには、この野菜の種に気持ち的にもずいぶん救われた思い出があります。
 今回は、日本に行ったのが冬だったので、種を探すのに苦労しましたが、幸いにも宮古島や九州に行ったりもしたので、無事ゲットできました。

 結局、スーツケース2個分、23kg×2・・約50kg近い荷物のほとんどが食料で、これ以外にも、お米、玄米、お餅、缶詰めや明太子、干物やしらす、ウニ、鰻やお漬物類、佃煮、梅干し、ワサビ漬けなどなど、た~くさんの食材があって、今はとても満たされている気持ちです。
 日本に住んでいれば、いつでもどこでもたいてい手に入るものばかりだと思いますが、これが宝物みたいに感じられることも私の幸せの一つなのです。


日本食材

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2023年12月30日土曜日

ノエルが終わって、あっという間にびっくりするほど値引きしている生牡蠣に手を出そうかどうか迷う

  


 実は、私は、ノエルが終わった後のスーパーマーケットをちょっと楽しみにしています。特に、ふつう、フランス人が食べるような食品がすごく好きというわけではないので、最近は、クリスマスもなんか、ふつうにちょっとごちそうっぽいものを用意するくらいでです。

 しかし、ノエルが終わるととたんに、ノエル用の食材は、値引きを始めるので、この時期にスーパーマーケットに行って、「えっ?1日違うだけでこんなに安くなってる!」と、嬉しくなって、「まあ、これだけ安くなっているなら、買ってもいいかな??」となります。

 とはいえ、まだ、年越しというイベントもすぐ控えているので、そこまで驚くほど安くなっているわけではなく、20%offとか、せいぜい30%offとかで、しかもよく見ると、「2つ目が・・」というのがついていたりするので、「意外とシブいな~」と、「よし、年越しが終わるまで待ってみるか・・」とこちらも、引き下がりません。

 というより、正直なところ、今は日本から持ってきている食料品がまだ、たくさんあるために、ちょっと満ち足りていて、「よっぽど安くなっているなら、買ってあげてもよくってよ・・」「今はもっともっと美味しいものがたくさんあるんだから・・」などと思いながら、なんとなく余裕な気持ちなのです。

 ところが、生牡蠣の積み上げてある箱を覗いたら、50%offとか、70%offとかいうのまであって、さすがに、これには、心が動きました。

 いくら日本から食料品をたくさん持ってきているとはいえ、生牡蠣はムリな話。そして、けっこう生牡蠣は好きなのです。ただ、フランスだと殻ごと売っているので、殻をあけるのが面倒くさいし、ゴミの量が半端ではないので、いつも躊躇してしまいます。

 一応、フランスに来てから、牡蠣の殻をあけるのは、マスターしたのですが、それでもラクではなく、たいてい、手に切り傷の一つは作ります。

 そして、この生牡蠣の激安には、おそらくもう一つ理由があり、今年は、ノエル以降、アルカッション湾の牡蠣に加えて、ノルマンディーのカルバドスの牡蠣でも、集団食中毒が報告され、販売禁止および、その地域での貝類の収穫(趣味の範囲での釣りも含めて)も禁止することが発表されています。

 そうそう、生牡蠣で怖いのは、食中毒。レストランで食べるならともかく、フランスで生牡蠣を買おうと思うときに、ふと頭をよぎる「あたったら、怖いな・・」という不安。

 今年は、この食中毒のニュースを聞いていたので、やっぱり、この地域のものではなくても、やっぱり伸ばしかけた手が引っ込んでしまいました。


 だいたい、牡蠣というものを保管するのには、どの程度の温度がふさわしいのかわかりませんが、冷蔵室でもない空間にごっそり積まれている牡蠣の木箱に、牡蠣は常温保存でも大丈夫なの?と思わないでもありません。

 これまで、私は牡蠣にあたったことはありませんが、一度、他の海鮮類で食中毒を経験し、あの時の辛さを考えると、やっぱり安くしてくれても勇気がありませんでした。

 牡蠣といえば、娘が小さい頃からの大好物。フランス料理が苦手な娘は、レストランに行っても、生牡蠣なら、大丈夫!と、フレンチのお店に行けば、彼女が注文するのは、生牡蠣だけ・・お店の人から、「こんな子供が牡蠣が好きなんて!初めて見た!」とかびっくりされたことがありました。

 また、シャンゼリゼで迷子になった時、私は携帯の着信に気付かずに夢中で探し回って、ふと、携帯に娘が助けを求めた警察官からのメッセージがはいっていたのに気が付いて、ようやく、「ここでお嬢さんと待っていますから来てください」というのを聞いて、慌てて、娘を迎えに行った帰り道。

 予想外に娘は、全然、不安そうな様子はなく、「このままママが来なかったら、きっと、食事の時間になって、何か食べさせてもらえるだろうから、「生牡蠣」を頼もうと考えていた・・」という、あまりにお気楽で脳天気でとんでもないことを考えていて、「子どもを保護した警察で、生牡蠣なんかたべさせてくれるわけないでしょ!」と怒りながらも、なんだかそのお気楽さにあまりに呆れて笑ってしまったことを思い出しました。

 

爆安 生牡蠣


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2023年12月18日月曜日

私が日本に持って行ったお土産でビックリしたこと 朝からチーズ?

  


 今回も私が日本に持っていたお土産類は、9割方、食料品でした。

 主に、チーズ(いつもの定番はコンテ、パルミジャーノ、今回はリクエストがあって、一部モンドール)、バター、ドライセップ茸、インスタントスープ(今回はアスパラガス)、タラマ、ちょっと珍しめのスナック菓子類、チョコレート、マドレーヌなどなど、あらかじめ、リクエストがあった分は別として、一部は、あの人は、これが好きだったな~とか思いながら、買い集めるのですが、買い進むにつれて、だんだんわけがわからなくなり、だいたい、前もって会う約束している人は別として、誰に会えるかもわからないので、その数でさえ、不特定なので、最終的には、まあ、これくらいあれば、足りるかな?という感じになってしまいます。

 それらをこちらのスーパーマーケットなどのエコバッグなどに入れて渡しています。

 概ね、日本ではやたらと高い乳製品は大好評なので、友人などに渡すと、「さっそく明日の朝、食べるから、美味しいパンを買って帰ろう!」などと言って、実際に翌朝、「美味しく頂きました!」などとご丁寧に朝の食卓の写真を送ってくれたりするのですが、バターはともかく、「えっ?朝からチーズ?」となんとなくビックリしてしまうのです。

 たしかに私が子供の頃は、朝食でもチーズトーストなどは食べた記憶はあるし、ヨーロッパでもホテルなどのバイキング式の朝食などでは、薄切りのチーズが並んでいたりもするのですが、フランスに来て以来、朝からチーズ?というのは、どうもピンと来なくなっています。

 チーズといえば、どちらかといえば、食後に食べる感じで、なんとなく、朝からチーズ・・などというとウッとくる感じがするようになっています。

 私が子供の頃、我が家では、チーズはどちらかというと、父がお酒を飲む時のおつまみのような感じでした。

 そういえば、父が仕事でヨーロッパに出張に行って、帰ってきた時に、外国人との商談での食事での様子について、「ようやく食事が終わったと思ったら、チーズの盛り合わせがでてきて、それをみんな、嬉しそうに食べるんだ!」と話してくれたことがあって、「へえ~~?」と思ったことを今、これを書きながら、思い出しました。

 今は、まさにその逆バージョンで、私が持って行ったチーズを「美味しく朝食にいただきました!」という友人の話に「へえ~~?」と思うのです。しかも、彼女はモンドールまで朝から食べたというので、さらにビックリです。

 まあ、うちの夫だったら、大歓迎だったかもしれませんが、実際にかなりのチーズ好きだった夫も朝は、たいていは、バゲットにカフェオレで、チーズは食べていませんでした。

 いずれにせよ、日本人の方がしっかり朝ごはんを食べる人が多いということなのかもしれません。

 私もパリではほとんど朝食をとりませんが、日本に行くと、わりとしっかりと食べることが多いです。しかし、私の場合、正直、チーズとパンよりもお味噌汁に干物と納豆とごはん・・といった和食の朝食の方が好きです。

 また、お土産についてですが、シンガポールからやってきていた弟にもチーズいらない?バターは?と一応、お伺いをたてたのですが、どれも、「いらない・・」と冷たくあしらわれ、結局、彼が目を見開いて、喜んでくれたのは、なぜか宮古島に行った時にみつけて私が感激して山のように買ってきたチーズ味の「カール」(スナック菓子)(最近は、関東では販売しなくなったらしい・・)でした。



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2023年11月26日日曜日

宮古島グルメ 宮古島で食べたもの

  


 旅の醍醐味は日常では味わえない異国情緒というか、いつもと違う景色の中に身を置くこと、異なる文化に触れること・・そして、その土地ならではの美味しいものを食べることが私にとっては大きな目的です。

 これまで、私は日本国内では、あまり旅行をしておらず、実家、親戚なども、すべて東京で、さすがに30年以上、日本で生まれ育ってきたので、それなりに少しは旅行をしてはいましたが、沖縄を訪れたのは初めてのことでした。

 他の地域でもそれぞれ、違う文化があるのでしょうが、沖縄というのは、日本でありながら、どこか、異文化色が強いようで、殊に宮古島などという沖縄本島から、さらに離れた島ともなれば、ちょっと外国のような感じを受けないでもありません。

 ちょっと、この世のものとは思えないほど美しい海やビーチなどに囲まれていると、たびたび、ここが日本であることを忘れてしまいそうにもなり、ふとビーチからあがってきて、看板が立っているのをあらためて、眺めたりすると、一瞬、「なんで、この看板、日本語で書いてあるんだろう?」などと、錯覚に陥ることもあります。

 食べ物にしても、島民がふだん、どんなものを召し上がっているのかはわかりませんが、外でやたらと見かけるのは、「宮古そば」、「ソーキそば」、「てびち」、「じゅーしー」、「島どうふ」、「海ぶどう」などなど、聞いたことはあるけれど、食べたことがなかったものが目白押しで、これは、宮古島にいる間に是非、食べてみなければ・・と、また、宮古島滞在中の食事の回数に合わせて、できるだけ食べてみたいと、これまた、一食もスキップするわけには、いかないと躍起になるわけです。

 しかし、他の予定で食事の時間がズレたりすると、昼食時の時間が過ぎてしまって、行こうと思っていたレストランも昼の営業時間が終了してしまっていたり、定休日にあたってしまったりで、必ずしもうまいこと予定が進まなかったりもします。

 一番、手っ取り早く、色々な宮古島、沖縄のお料理を色々と食べてみることができるのは、ホテルの朝食で、これまた、よくも、こんなに取り揃えるものだと感心し、ここである程度の土地のお料理を味わうことができるのは、大変に嬉しいことです。

 ついつい、あれもこれもと欲張って、朝食後は、お腹いっぱいになってしまうのですが、ここで、ひととおりの沖縄・宮古料理を堪能しました。ちょっと欲張りすぎです・・。



 野菜や海藻、大豆、肉、魚など、選び方にもよるでしょうが、上手に選べば、旅行中に野菜不足に陥りがちなところ、かなりバランスよい食事ができます。

 中でも宮古そばは、美味しいお店のものを探したいと調べた挙句に、「古謝そば屋」というお店にあたりました。このお店は空港から比較的近いのですが、どうやら、不思議なことに、宮古島は空港近くというのが、よいお店に遭遇する可能性が高いような気がします。


 

 ちょっと、車で走ると、見渡す限り、さとうきび畑が続き、夜になると街灯もないような道が続き、めぼしいお店も見当たらなくなり、あとは、ホテル近くのいかにも観光客相手という感じのやたらと飾り立てたようなお店しかなくなってしまいます。

 地元の食べ物を探すには、あとは、スーパーマーケットやJAのやっている「あたらす市場」などには、地元の野菜や食材のほか、お惣菜やお弁当などもお手頃価格で売っているので、こういうものをテイクアウトするのもよい気がします。

 

 たまたま、ホテルの近くの地元民も集う食堂のようなお店で、今日は、海ぶどうやお味噌の入ったおにぎり、タコの唐揚げ(タコがぷりっぷりですごく美味しかった)、さきいかの天ぷらなども、珍しくて美味しかったです。


 


 また、沖縄ならでは?のサーターアンダギーなども、紫芋のものや、黒糖のものなどもあって、娘はこの黒糖入りのサーターアンダギーがいたくお気に召した様子で、このカロリー爆弾のような食べ物にも、期間限定ということで、ホテルに買って帰って、丁寧にお茶をいれて、美味しそうに頬張りながらも、これは東京に買って帰って、ちょっとだけオーブンで温めて食べてみたいと、すでに買って帰るものリストに追加しています。




 そもそも、私は日本に来ている時点で、このちょっと長い期間限定の食べ放題の旅が始まっており、これは宮古島から戻ってもまだ続くわけで、脂っこい食事にぴったり!などというお茶を飲みながら、どうにか罪悪感を軽減しつつ食べ続けています。

 旅も終盤に入ると、もう東京に何をいかに持ち帰って食べようか?と真剣に検討している親娘です。


宮古島グルメ 宮古そば


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