年末年始にかけて、食い倒れ感が満載のフランスですが、ノエルは家族で過ごす人が多く大晦日から年始にかけては、友人たちと・・というのが一般的なようです。
特に家族の集まるノエル・クリスマスの食卓には、各家庭のそれぞれがメニューには、それなりに頭を悩ませるのですが、やっぱり定番は、フォアグラ、スモークサーモン、生牡蠣などのシーフードプレート、シャポン(去勢鶏)などやジゴー・ダニョ(子羊の骨付きもも肉)などの肉料理、そして、デザートの定番はなんといってもブッシュ・ド・ノエルと呼ばれる丸太型のケーキです。
今は、食べ物にも季節感が消え失せつつあり、いつでも何でも買えますが、このブッシュ・ド・ノエル(とガレット・デ・ロワ)だけは、一年のうち、この季節だけです。
このノエルシーズンのブッシュ・ド・ノエルのためにパティスリーは1ヶ月ほど前から準備をして、人気のお店では、冷凍保存しておいて、直前に、ほんのわずかな最後のデコレーションだけして、店頭に並べるという興ざめな話をこの間、テレビでやっていましたが、パティスリーでは、なんと1年のうちの25%の売り上げはこのノエルの季節で売り上げるということなので、全く、エライもんだ!と思います。
そういえば、ここ1ヶ月くらいは、前夜祭とでもいうべくブッシュがパティスリーに並び始め、ギリギリまでは、わりと小さめのブッシュ(個々)が多く、ピエール・エルメを覗いて見たら、可愛らしくも美しいブッシュが店頭にならんでいて、なんだか上手くデコレーションしているのですが、よくよく見ると、「ちっちゃい!」そして、1個10ユーロ(約1,600円)という値段を見て思わず目を見開いてしまい、思わず「たかっ!」と二度見してしまいました。1ホールではないのです。ちっちゃな一人用のブッシュです。
それでも、ラファイエットグルメなどだとこれが飛ぶように売れていました。
私は、あまり、ブッシュには思い入れがないために、常日頃から目をつけていたケーキなどをちょっとずつ(正確に言えば一つずつ)買いに行って楽しんでいるのですが、この時期、目をつけていたいつものケーキはブッシュのために姿を消しており、寂しい思いをして帰ってきました。
しかし、このノエルという行事、華やかな食卓を彩る高価な食材が飛ぶように売れ、もちろん、ブッシュ・ド・ノエルも売れまくり、そのうえ、みんなが家族用のプレゼントを揃えてクリスマスパーティーに臨むというフランス人がバカンスの次にお金を使う行事。
フランスの経済効果には欠かせない行事だな・・とつくづく思います。
24日のクリスマス・イブには、夕方には、早々に店じまいしてしまうところも多く、街中はシンとしてしまいます。伝統的な食事や家族での集まりを考えれば日本のお正月に近いものなのかもしれません。
ブッシュ・ド・ノエル
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