ネスレグループのミネラルウォーター問題が再度、大炎上したのは、今年の初めのことでしたが、当時は大いに腹立たしくもあり、危険性も感じたのですが、喉元過ぎれば・・というか、さすがにこれだけ騒動になれば、ネスレもそれなりの対応措置をとって、改善されたのだろうと、勝手に思っていました。
ところが、この問題、まだまだ解決には程遠かったようで、前回はネスレグループのミネラルウォーターの数種類が問題ありとして挙げられていましたが、今回は、その中の特に「ペリエ」が話題の中心になっています。
ル・モンド紙とラジオフランスが入手したガール県(フランス・オクシタニー地域圏)ARS(地域保健局)の機密報告書では、ガール県ヴェルジェーズにあるペリエ工場の水源地の汚染についてが報告されており、ネスレウォーターズに対して、この水源地でのミネラルウォーターの生産中止を求めています。
今年(2024年)1月には、ネスレグループがヴィッテル、エパール、コントレックス、ペリエなどのブランドに禁止されている処理を行っていたことが明らかにされていましたが、今回の新しい報告書では、処理以前の水源地の水質そのものを問題にしています。
この報告書はネスレウォーターズがこの水源地の水質が低下していることから、「生産停止」を真剣に検討しなければならないことを警告し、これまで以上の追加の安全保証を提供することを条件に「現在のミネラルウォーター集水域の活用による別の食品利用の可能性を戦略的に検討」するように警告しています。
昨年4月、ガール県は、法令により、ヴェルジェーズ敷地内にある7つの井戸のうちの1つの開発を禁止、非常に激しい雨の後、ガードの敷地内にあるボーリング孔の1つが糞便由来の細菌(大腸菌群)だけでなく緑膿菌の細菌によって汚染されていることが確認されたためです。
その結果、ヴェルジェーズにあるペリエ工場は数百パレットにも及ぶボトルを廃棄することになりました。本来ならば、これは一時的な水質悪化と考えられ得るはずでもあるところ、ネスレウォーターズが開発した地下水面の全体の水質悪化が関連していることが、発覚しています。
ネスレウォーターズのミネラルウォーター問題が最初に公になったのは2020年の内部告発によるもので、それ以来、数度にわたり、ネスレグループは、精密濾過、UVフィルター、マイクロフィルター、活性炭などを使用していることで、危険性を回避していると主張してきましたが、これらの処置がウィルスを除去するものではないことも指摘された時点で、政府との話し合いになっていたそうですが、当時のボルヌ政府は、マイクロフィルターの使用を許可。事実上、政府はその安全性に目をつぶったという事実も衝撃的な話でした。
今回の騒動に関して、ネスレウォーターズは、「これは矛盾したアプローチの一環としてARSが作成した暫定報告書で全く問題を構成するものではない。ヴェルジェーズのミネラルウォーター施設の運営条件に関する最終的な推奨事項のため、現段階ではこれ以上はコメントはできません」と強気に開き直っています。
食品メーカーならば、その安全性に疑問をもたれ、警告が放たれるくらい恐ろしいことはないと思われるのですが、もう鼻から県やマスコミを舐め切っているとしか思えない態度に、唖然とさせられます。
ペリエ水源 水質汚染
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