国際環境保護団体「シーシェパード」の創立者であるポール・ワトソンがグリーンランドで逮捕されたのは、今年7月21日のことでした。主に捕鯨を非難しているこの活動家には、日本からの国際手配申請を受けてインターポールの赤通知が出ていました。
この環境活動家の身柄をグリーンランド(デンマーク)が引き渡すのかどうかは、当初は8月15日には、明らかになると言われながら、様々な方面からの賛否両論があがり、長い間、その行方が注目されていましたが、結局、デンマークは彼の身柄の引き渡しを求める日本の要請には応じませんでした。
釈放後に彼が明らかにした内容によると、彼がグリーンランドに拘留中には、彼は4,000通以上の手紙を受け取っていたが、そのうちの3,000通はフランスからのものだったと明かしています。
それだけ、この環境活動家に対するフランス人の関心と支持は大きく、マクロン大統領は、彼の身柄の日本への引き渡しに対して、デンマーク当局に圧力をかけていたと言われています。
今年の10月の段階で、ポール・ワトソンは、マクロン大統領に直接宛てた書簡の中で、彼のフランスへの亡命を申請しています。彼の家族はフランスに在住しており、今回、釈放された後、すぐにフランスに到着しています。
フランスでは、この環境活動家を支持する声が大きく、彼のグリーンランドでの逮捕は、このフランスの環境活動家たちの団結を高めたとも言われています。
フランスに到着後の彼は、「自分は海の熱烈な擁護者であり、海のためには命を賭ける用意ができている!それだけの価値のあることだ!」としつつ、「ここまで、長期間、拘留されることは、自分にも予想外のことであったし、日本に身柄を引き渡されることも厭わない覚悟ではあったが、日本に行けば、家族に会うこともかなわなくなる、もう帰ってこれないと思った」ことも同時に明かしています。
彼は調査捕鯨という名目で日本が捕鯨をし続けていることを非難し続けており、逆に自分の逮捕は、日本がどれほど違法行為を行っていたかを示す機会となったとも述べていますが、これは日本国民に対して何ら敵意を持っているわけではないことも付け加えています。
ポール・ワトソンがフランス到着後にパリ・レピュブリック広場では彼の釈放を祝った集会が開かれ、そこで彼は、「フランスでのサポートは信じられないほど素晴らしかった!私をサポートしてくれるだけでなく、私の大義をサポートしてくれる多くの人々に出会えて、非常に興奮した!」と挨拶しています。
実際にこの彼の処遇に対するデモは、かなり頻繁にパリでも行われ続けていたのは、事実で、一定数のこの種の環境活動家はフランスにはいるもので、また、その環境活動家が逮捕され、また、家族と会う権利も剥奪される日本に身柄を拘束されかねない!という事実がこの人々を団結させたというシナリオは、フランスには充分起こり得ることであったと思います。
彼は、フランスに亡命申請と国籍申請をしているそうで、彼は現在、アメリカ、カナダの国籍を保有していますが、これにフランス国籍が追加されるかもしれません。
釈放された74歳のポール・ワトソンは、来年もアイスランド、オーストラリア、そして日本の海に向かう準備ができていると意気揚々としています。
日本はこの一連の動きに対して、どう反応するのか?知りたいです。
ポール・ワトソン釈放 国際手配反故
<関連記事>
「環境活動家ポール・ワトソン逮捕で注目される日本の人質司法」
「環境活動家の「金持ち凶弾アクション」 ルイヴィトン、ホテルリッツへのペンキ攻撃」
0 コメント:
コメントを投稿