2024年12月30日月曜日

2025年1月1日から変わること

  


 実は毎月のように、「来月から変わること」というようなお知らせはあるのですが、年が変わるときは、ことさら、この変更事項が多くなります。

 まあ、大方が値上げのお知らせなので、あまり、気分の良いお知らせではないのですが、なんだか、いつの間にか値上げしていた・・というのもまた、ムッとさせられるものです。

 まず、一番、身近なことから言えば、Navigo(パリ市内及びパリ近郊の公共交通機関の定期券のようなもの)が86.40ユーロ/月から88.80ユーロに値上げになります。年間で購入すると、976.80ユーロになり、88.80ユーロ=1ヶ月分が安くなります。

 これは、毎年、お決まりのように値上げされるのですが、2025年からは、Navigoではなく、チケット購入の場合は、これまで、バスもメトロも共通のチケットが使えていたものが、それぞれ別チケットになります。

 その代わりといっては何ですが、メトロなどの電車、バスやトラムには、それぞれ単一料金制(移動距離に関係なく単一料金なので、イル・ド・フランス内で比較的長距離を移動する場合は安くなるかもしれない)が導入されるため、これに関しては、お得なんだか、面倒になるのか、よくわからない感じです。

 その他、Livret A(フランスでは最も一般的な定期預金)などの多くの金利が下がります。といっても、これは2月1日からのようです。Livret Aの場合は、これまでの3%から2.5%にさがります。しかし、これは、日本の銀行の金利からしたら、依然としてウソみたいな金利だとも思います。

 他の値上げのお知らせとしては、タバコが値上がり、そして、郵便料金が値上がりします。グリーン切手は1.29ユーロから1.39ユーロへ、書留郵便は、5.36ユーロから5.74ユーロになり、小包料金(Colissimo)は、全ての目的地を合わせた平均で5.2%上昇します。

 その他、これまで新生児記録のために長い間、利用されてきた「Carnet de sante(カルネ・ド・サンテ)」は、「newlook」という名前に変更され、これまで記録されてきた子どもの成長の記録に加えて、身体活動の実践、スクリーンの使用、子宮内膜症などの新しいテーマが追加され、これまで義務付けられていた20の健康診断は全て詳細に記録され、これに8つの新しい健康診断が付け加えられます。(これには、新しい6年ごとの検査も含まれる)

 また、これには、産後うつ病のモニタリングなど、母親の健康状態も加えられ、モニタリングされます。

 子どもの成長においては、有効な記録ではあると思いますが、なんだかデータ集めのような気もしないでもありません。

 また、乳児に対しての新たなワクチン接種義務(髄膜炎菌)が追加されます。これは、近年の感染症の増加から新生児を守る目的であるとされています。

 そして、基礎年金に関しては、2.2%増加します。これは、本来、バルニエ政権の予算案においては、その半額相当の値上げに抑えられていたものが、政権の問責動議のために、半額案が取り下げられたために、通常の計算式にのっとった2.2%が当面の間は、適用されることになるという暫定的な感じではあります。

 この問責動議の余波を受けたものとしては、レストランチケット(通称チケレ)(多くの会社が昼食代の補助費として雇用者側が配布しているもの)がこれまでインフレ対応として、スーパーマーケットでの食料品の買い物に使用できていたのが、2024年12月31日で終了し(期間延長の話がでていましたが、これも決まらないまま議会が解散したため)、1月1日からは、本来のお食事のため、また、調理済みの食料品(サンドイッチやお弁当など)のみの使用に戻ります。

 予算も決まらず、年またぎで暫定的な年初の変化ということは、恐らく私がフランスに来て初めてのこと。それでも、値上げされるものはしっかり値上げされていくということは、仕方ないのですが、なんだかモヤモヤもします。


2025年1月1日から変わること


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