クリスマスイブの夜、パリ発リヨン行きのTGVが急停車。これは、TGVの自動安全装置のために停車したもので、すぐには、原因はわからなかった模様です。この遅延により、この方向のTGVの運行に大きな混乱が起こり、最大5時間の遅延で4,000人に影響したということです。
この自動安全装置が作動したのは、運転手が運転席から一定時間以上離れた場合、具体的には、ドライバーは定期的に足でペダルを踏むか、コンタクタを交互に押すことが求められているためで(30秒ごとに圧力を解放しなかったり、5秒ごとにコンタクタを押さなかったりするととても大きな警報が運転室内に鳴り響き、運転手に警告を発するようになっている)、通常ならば、この運転室内の警報装置により、運転手は、この求められている一連の動きを3秒以内に再確認することになっているのですが、この日の場合は、そのまま、自動的に牽引が停止され、同時に非常自動ブレーキ装置が作動したのです。
このTGVは、このようにして、急停止したのですが、当初はその理由がわからず、停車後の確認作業の間に運転手がTGVが最高速で走行中に電車から飛び降りて、自らの命を絶っていたことが発覚しました。
TGV走行中は一般乗客には、ドアを開けることはできませんが、運転手は自らドアを開ける術を持っており、彼は運転席から一番近いドアを自分で開けて、飛びおりています。
非常自動ブレーキ装置によりTGVが急停止したとはいえ、ブレーキがかかってから、すぐに止まったわけではなく、しばらく停車するまでに時間がかかり、運転手が飛びおりてからもしばらく走っているために、TGVの停車したポイントには、飛び降りた運転手の姿はなかったのです。
自ら命を絶った運転手は52歳の男性だということだけで、この行動をとった原因は、明らかになってはいません。
それにしても、クリスマスイブという日の夜にTGVの運転手として、最も衝撃的な方法をとって自らの命を絶ったということは、彼の家族はもちろんのこと、彼の周囲の人々にも深い傷を残すことになったと思います。
SNCF(フランス国鉄)は、この運転手の家族に深い追悼の意を表するとともに、このような事態が起こっても、乗客を危険に晒すことは、全くなかったと、自動緊急停止装置が正常に稼働したことを説明しながらTGVの安全性を必死で訴えています。
午後7時半頃起こったこの事故により、ストップしたTGVの交通網が正常状態に戻ったのは、翌日午前1時過ぎであったとのこと。
クリスマスイブを家族と過ごすために家路に急いでいたであろう乗客は、とんだクリスマスイブになってしまい、このクラスの遅延だったら、怒り心頭になるとも思うのですが、この原因を知った時、怒りきれない気持ちになりそうです。
クリスマスイブ TGV運転手飛び込み
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