2020年9月1日火曜日

バカンス帰りの12台のTGV・最大20時間の遅延に見舞われた5000人の旅行者

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 9月の新年度に滑り込みで帰郷する人々で溢れかえる8月30日(日)の夜、フランス南西部からのTGVが電気系統のトラブルによりストップし、計12台の車両がブロック、5000人の旅行者が足止めを食い、翌日、夕方、最大、20時間遅延したTGVがパリ、モンパルナス駅に到着しました。

 この時期、ただでさえ、TGVという密閉空間でのコロナウィルスの感染拡大が心配される中、なぜ、電車が止まっているのか、復旧にはどれだけかかるのかなどの的確な情報もなく、また、時折、発表される情報もコロコロ変わり、水も食料もないまま、高齢者や子供も含む多くの人が電車内での夜明かしを余儀なくされました。下の写真は、乗客が、「水も何も支給されない中、コロナが蔓延する中、TGVで夜明かしする様子をツイッターに投稿していた写真です。

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 今さら誰もフランスのTGVに時間どおりの発着を期待してはいませんが、今、このタイミング(コロナウィルスの感染者が再拡大している、しかも、夏休み終わりの最終日)での遅れ、しかも20時間の遅延という記録的な遅れは、もうこれは事故です。

 しかし、この驚異的な遅れにも関わらず、乗客は、イライラは募りながらも暴れたりする人が出なかったことも、これまた奇跡的です。

 日頃からパリでもメトロが急に駅と駅の間で停車したり、駅で止まったまま発車しなかったりすることは、よくあることで、また、何の説明もないか、あるいは、テクニカルプロブレムの一言で終わり、また、しばらくこの電車は動きません・・と言った途端に発車・・などなど、電車のトラブルの例えをあげれば、キリがありません。

 この日常を考えれば、20時間遅延したTGVのアナウンスなどがどんな具合であったのかは、容易に想像がつきます。

 情報がない中、ましてや夜中に、電車の乗り換えや、諦めてホテルに泊まることも簡単ではありません。

 先週には、フランスのコロナウィルスの1日の新規感染者は7000人を突破している中でのこの事故でのTGVでの20時間の缶詰状態。この12台のTGVがクラスターになっている可能性は低くありません。

 日本の東海道新幹線は、年間13万本運行し、自然災害などによる遅延も含めて、平均遅延時間は、24秒だという話を聞いたことがあります。遅延時間を秒単位で測ること自体が驚きで、フランスから見れば、まるで違う時代か違う宇宙の話のようです。

 20時間といえば、パリから日本への直行便は、12時間弱、羽田に着いて、家に帰って寝ているほどの時間です。もはや遅延と言える時間なのか?疑問です。

 さすがの遅延大国フランスも20時間の遅延に対しては、遅延のために利用したホテルの費用など、旅行者向けの「追加費用の全額」とチケットの返金、3倍返しを発表しています。


<関連>「ストライキ大国・フランス」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2019/10/blog-post_46.html

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