長いバカンスも終わって、フランスは新年度が始まりました。子供は、学校へ、大人は仕事へとまるで仕事場に行く大人までが、新学期が始まるように感じられるのがフランスらしいところです。
8月に入って、感染者が爆発的に増えたフランス。学校も仕事もリモートにしないのかな?と思うところですが、会社も学校もマスク着用を義務化して新年度に臨むところに、この先、長く続きそうなコロナウィルスと共存していこうとする姿勢が感じられます。
会社内でのマスク着用義務に関しては、反対の声も上がっていますが、今のところ、フランスでは、大きな騒ぎにはなっていません。(ヨーロッパの中では、ドイツなどで、マスク義務化反対の大きなデモなどが起こっています。)
とはいえ、学校も11歳以上の子供はマスク義務化、従わない場合は、それなりの制裁も考えているという強気な態度。義務化されない11歳以下の子供でも、マスクをしている子供は、少なくないと思います。
はるか昔のことになりますが、娘が小学校に入学した9月1日のことを思い出します。娘は、小学校から私立の小学校に通うことが夏休みの間に急に決まったのです。
フランスでは、日本でいうお受験のような入学試験がないので、我が家が申し込んだ時点では、定員オーバーということで断られ、ウェイティングリストに載せてもらっていたのですが、直近の成績が奇跡的にオールAという成績をもらってきたために、念の為に成績表を希望していた学校に送ったら、面接に来てくださいと学校から連絡をもらい、急遽、9月の最初から入学許可が下りたのです。
ですから、急なことでもあり、周りのお友達のほとんどは、公立の学校への入学だったため、周りは知らない子供ばかり・・ましてや、なかなか厳しい学校で、娘はともかく、少なくとも私は、とてもドキドキしていました。
9月1日の朝、夫婦揃って娘を学校まで送り、彼女の新しい学校生活のスタートを見届けるつもりでした。ところが、親が送っていけるのは門の前までで、そこから先は、保護者とて、中に入ることもできません。入学式もありません。
娘は、私たちの方へ、「じゃあね!」と軽く一回手を振ると、意気揚々と学校へズンズン入って行きました。パパは、「一度も振り返らない!」と、グングン学校に入っていく娘が不満そうでしたし、私に至っては、たくましく学校生活に入っていく娘が心配なような、たくましく、頼もしいような、複雑な気持ちで、うるうるしてしまったほどです。
あの時の気持ちを思い出すと、今年、新入生として入学する子供を持つ親御さんたちは、通常の不安プラス感染のリスク・・どんなにか不安で心配かと思うとちょっと胸が痛くなります。
フランスの学校は、低学年は、短縮授業ということもなく、いきなり、朝8時半から16時半(エチュード(宿題を見てくれる授業)も含めると18時までギッシリの授業が始まります。
ただでさえ、慣れない学校生活でマスクや手洗い、ソーシャルディスタンスを取らなければならずに友達と触れ合うこともできないのです。それでも、きっと子供の方がそれなりの方法を見つけて、友達とも工夫をして遊んだりしていくのだと思います。
しかし、感染者が出れば、たちまちクラスターが発生してしまうリスクもあります。しかし、恐れて逃げてばかりいては、前へ進めない・・今のところ、幸い重症化している人は、少ないため、いくつかの失敗を重ねながらでも、手探りでウィルスと共存していく道を歩まなければならないのかもしれません。
3月のロックダウンから数えれば、約半年ぶりの学校に行けることを嬉しそうにしている子供たちを見ると、そんな風にも思えてくるのです。
<関連>
「学校選びは人生の岐路 娘の通った学校はなかなか厳しい学校だった」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2019/07/blog-post_54.html
「入学式も卒業式もないフランスの学校」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2019/09/blog-post_7.html
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