今、フランスで、一番の行列ができる場所は、ラボラトワ(試験所、検査所)で、いくつもの街で、マスクをした人たちが路上に長い行列を作っています。
最大限の検査を可能にして、感染者を隔離するという方針をとり、症状のある人はもちろんのこと、会社からの要請や、渡航に際しての証明書が必要だったりで、検査所の行列は、早朝5時、6時から行列が始まって、検査を受けるまでの待ち時間がひどい場所では3時間から4時間もかかかっている状況なのだそうです。
行列嫌いのフランス人が、コロナ以来、ロックダウン中などは、入場制限がされていたスーパーマーケットに入る時にさえ、行列を作らなくてはならず、それまでは、ちゃんと列を作って並ぶということがあまりなかったフランスで、行列は、フランスに新しくできた習慣でもあります。
しかし、症状のある人も混じえて、行列を作って、長時間、中には、路上に座り込む人まで出てきて、(このご時世に路上に座り込むことが不潔だと考えないことに唖然とする)その行列を見込んで、飲み物、食べ物を売る人たちが登場したり、これでは、検査所がクラスターになるのでは・・?と、思ってしまいます。
そもそも、これらのラボは、日常は、他の病気、怪我等の検査を行う場所であり、血液検査、レントゲン、CTなどの他の検査を行う場所です。これでは、とても、他の検査のためにラボに行くことは、よほど緊急でない限り、躊躇われますし、ラボの業務自体もいっぱいいっぱいで、職員たちは、悲鳴を上げ始め、ストライキも厭わないと訴え始めています。
ラボの職員とはいえ、フランス人、ラボの職員によるストライキで検査がストップする・・なんてこともありえない話ではありません。
この検査と隔離の政策がスムーズに運ばない中、フランスの感染状況は、日々、深刻化しており、昨日も1日の感染者数は 10593 人と余裕の1万人越え、レッドゾーンに指定されている地域もパリ・イル・ド・フランスはもちろんのこと、マルセイユ、ボルドー、リールなどに加えて、リヨン、ニースなど、さらに広がり、ロックダウンが解除された直後には、ほとんどが緑だったコロナウィルス感染状況マップも今や、フランス全体がオレンジと赤に変わっています。
中でもマルセイユなどは、悲惨なことに、この一週間でコロナウィルスにより入院する患者は45%増加、ICUの患者数は48%増加で、病院での人出不足が始まり、ICUの余裕がほとんどなくなり始め、他の病気の患者を移動させたり、他の病院に転院させたりする道を探り始め、完全に感染第二波に乗り始めています。
この状況の中、政府は、より厳しい注意を呼びかけ、検査に関する優先順位の制定や検査結果のスピードアップなどの対策を発表していますが、あくまでも、ウィルスとともに生きる道を掲げ、現在、すでに2300の学級や90校が閉校になっている状況から、保育園、幼稚園、小学校に関しては、年少の子供は感染率が低いことから、クラスに感染者が出ても、感染が確認された子供は一週間自宅待機、クラスや学校は閉鎖しない方針を発表しました。
これは、年少の子供の感染率だけでなく、親が仕事を続けることができるための政策であるとも言えます。
ウィルスとともに生きるという政策のもとに、例年どおりとは言わないまでも、多くの人がバカンスに出かけ、マスクは義務化したものの、感染者が出ても学校を閉鎖しないという強気の政策が今後のフランスの感染状況と経済状況にどう反映していくのか?
昨日もパリやボルドー、トゥールーズなどでは、バカンス前から予定されていたデモが盛大に行われています。
この際、フランスもデモもリモートにしてもらえないだろうか?と私は、思っていますが、まあ、フランス人にとって、デモはフランスの文化でもあり、無理な話です・・。
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「新規感染者1万人突破・フランス人のコロナウィルスへの危機意識が低いのはなぜか?」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/09/blog-post_13.html
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