2020年9月20日日曜日

娘の留学ドタキャン コロナウィルスによる被害

 


 娘の留学が決まったのは、昨年末のことでした。グランゼコールの2年目が終わると、3年目の彼女の予定は、海外でのスタージュや留学で、1年間が、びっちり埋まっていて、本体の学校へは、もう行かないことになっていました。

 彼女は理系専攻のため、エンジニアの資格取得のためには、一定期間のスタージュ(研修)が、必須で、今年の夏も彼女のクラスメートは、皆、漏れなくスタージュの予定が入っていました。

 スタージュ自体は、個人がそれぞれに興味のある会社や大学に申し込み、契約をするので、フランス国内だけでなく、ヨーロッパやアメリカなど、個人の希望で先方が受け入れてくれさえすれば、特別な縛りはありません。

 ところが、コロナウィルスのおかげで多くの学生がスタージュが取りやめになったり、行き先がアメリカだったりした人は、断念せざるを得なくなり、慌てて別のスタージュを探し回り、中には、コロナウィルスの検査を請け負っている会社でスタージュをしたり、それでも見つからなかった学生には、学校側がスタージュに代わる特別なプログラムを用意して、それを消化することで、その期間、スタージュをしたことにするという異例の措置が取られたりしました。

 娘は、夏の間は、イギリスの大学でのスタージュが決まっていましたが、結局、イギリスに行くことはなく、しかし、幸いにも先方がリモートワークで受け入れてくださったので、夏の3ヶ月間のスタージュは、予定どおり?に終えることができました。

 そして、9月の一ヶ月間をあけて、10月からは、今度は、スタージュではなくて、半年間、日本の国立大学の大学院に留学する予定になっていました。この留学は、こちらのグランゼコールからの留学なので、直接、日本の大学とも連絡が取れずに、しかも、このコロナ渦の中、どうなるかわからないまま、時間が過ぎて行きました。

 コロナウィルスでフランスがロックダウンになって以降は、日本の大学からも、航空券の予約は、ギリギリまで、しないように・・との連絡が来ていましたが、8月の半ばになって、急に日本の大学の方から、10月からの滞在場所、寮の申し込みをしてくださいという連絡があり、到着日、到着便なども記入しなければならないことになっていたので、慌てて、日本行きの便を探し始めました。

 彼女は、日本人なので、日本に入国することはできるのですが、留学先の大学が地方のため、パリからは直行便はなく、羽田での乗り換えの際に、そのまま乗り換えができるかどうかを悩んだ末、日本到着後の2週間の自粛は、東京の私の実家でおとなしく、引きこもり生活をし、2週間後に地方へ発つという方法を考えていました。

 羽田からも公共交通機関は使えないということで、親戚や友人にも高齢者である家族を抱える人が多いので、迷惑をかけることは、絶対に避けたいので、彼女は、羽田から、荷物は、配送を頼んで送り、自分は、家まで歩いて行くと言っていました。

 彼女は、運転免許を持っていないので、私が一緒に付いて行って、レンタカーを借りて、空港から実家まで送るという手も考えましたが、それも、あまりにバカらしく、彼女の健脚に任せることにしていたのです。

 寮に入れるかどうかの返事が来るのは、9月に入ってからということだったので、もし、それがダメな場合は、別の滞在先を探さなくてはいけないから、ダメだった時は・・と、見当をつけたりもしていました。

 ところが、9月に入って、こちらのエコールから転送されてきたのは、一ヶ月近く前に日本の大学から来ていた留学延期、あるいは、中止のどちらかを選んでくださいというメール。慌てて、日本の大学に確認のメールを送ったところが、検討の結果、渡航を伴う留学は、今期は受け付けられないとのこと。

 8月の段階で、日本の大学から来ていたメールをバカンス中だったために、こちらのエコールの担当者にスルーされていたのは、フランスなら、大いにあり得ること、そのメールになぜ?Cc.をつけてくれなかったのか? なぜ?日本の大学は、寮の申し込みなどということを言ってきたのか? 考えれば考えるほど、まったく腹立たしいことばかりです。

 買ってしまった日本行きのチケットは、こんなご時世だからと変更可能なチケットにしたものの、一体、いつに変更すれば良いのかも現時点ではわからず、しかも、変更の際には、なかなかな追加料金がかかるため、さらなるリスクを負うことは、躊躇われ、結局、チケットを変更することもできずに10万近くがパーになってしまいました。

 娘は、娘で、慌てて10月からのスタージュ探しに必死・・見つからなければ、彼女が在籍しているエコールに通わなければなりません。

 このフランスの感染状況からしても、フランスからの学生の受け入れは、お断り・・というのは、わからないではありませんが、フランスのエコールはもちろん、日本の大学の不明瞭な対応のために、大金を捨てる羽目になり、まったくもって、私は怒りまくっています。

 考えてみれば、夏のイギリス行きのユーロスターのチケットもキャンセルしたものの、返金ではなく、まさかの金券返し、予約していたホテルも返金すると言いながら、未だ返金されておらず、今度は、日本行きのチケットがパーになりました。

 コロナウィルスそのものに感染はしていませんが、我が家にとって、娘の留学にまつわる大損害、実際に留学した場合の出費なら、仕方ありませんが、連絡ミスのためのこの大出費。

 どうにも納得がいかないのです。


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