2020年9月11日金曜日

海外生活と兄弟関係

 


 私の両親は、兄弟姉妹が多く、父は4人兄弟の末っ子で、母は、5人兄弟の長女でした。両親ともに、結婚後も兄弟とは、それぞれの兄弟は、とても仲が良く、自ずと私は、小さい頃から親戚づきあいがとても多い家に育ちました。

 私の実家は、同じ敷地内に2軒の家が建っていて、隣には、父の兄家族が住んでいました。なので、隣には、従姉妹も二人いて、そのうちの一人は、私と同い年だったので、小学校までは、毎日、一緒に学校に通いました。

 母の実家も車で10分くらいのところにあり、そこにも祖母をはじめ、2軒の家が同じ敷地内に建っていて、母の兄弟、2家族が住んでいました。私は、祖母が誰よりも好きだったので、運転免許をとった時には、まず、一人で運転して、祖母の所に行けるようになるのが目標でした。私も車で買い物に出かけた帰りなどに、祖母のところに寄れば、叔父や叔母が頻繁に顔を出し、おしゃべりをしたりして、楽しい時間を過ごしました。

 小さい頃から、誰かの誕生日、敬老の日、お正月などなど、何かとみんなで集まって食事をしたりする機会が多く、子供の頃は、「また〜〜??」と、少々、気が重かった時期もあるくらいでした。

 しかし、そんな積み重ねがあったこともあり、祖父母が亡くなる時には、みんなで交代で看病し、特に祖母の時には、最期の半年間は、ほんとうに家族一丸となって、祖母を看取り、その時の結束から、その後も一段と皆が仲良くなったような気がしています。

 我が家の場合は、父との確執もあり、弟は大学の途中からほとんど、家にいないような状況でしたし、就職と同時に地方勤務を希望し、さっさと家を出て行きました。彼は私より少し前に結婚したのですが、子供ができるまでは、仕事の都合で弟夫婦は別居状態、私が結婚したのは、弟に子供ができて、すぐの頃で、弟は子供のこともあって、東京勤務になりましたが、私は海外に出てしまったので、弟とは、彼が就職した頃から、滅多に顔を合わすことはなくなりました。

 その後、弟はアメリカに転勤になり、ますます会わなくなりました。アメリカとフランスでは、学校のお休みの時期もずれていて、弟も私もそうそう自分の都合の良い時に日本に帰国できるわけでもなく、滅多に一緒の時期に帰国していることもなかったので、ほんとうに弟に会うのは、何年かに一度、オリンピックなみの頻度でした。

 しかし、決して弟とは、仲が悪いわけでもなく、一度、私の家族に一大事が起こった時は、忙しい中、週末だけの短い期間でしたが、弟がアメリカからわざわざパリまで来てくれたこともありました。あの時ほど、本当に弟がいてくれてよかったと思ったことはありません。

 男女の兄弟の場合、そんなものなのか・・とも思っていますが、彼の奥さんは、親戚づきあいを嫌っているのか、儀礼的に皆で集まる時以外は、一切、関わりを持とうとしません。以前、私は、何かのお礼だったか?何度か彼女宛てに手紙を書いたこともあるのですが、いつも返事は弟からで、そのうち、こちらから彼女に連絡を取ることもやめてしまいました。

 彼には、女の子が一人いて、うちの娘の2つ年上なのですが、聴覚障害を持っていて、同じ年頃の女の子、そんなことにも、少々、複雑な思いがあるのかもしれません。

 そんな調子だったので、母は、看病する間もないくらいにあっという間に亡くなってしまいましたが、父の最期の時にも、私たちもそうそう帰国もできず、父の病状と看護については、時々、メールで連絡をとったりしていましたが、結果的には、隣に住む叔母と従姉妹にとても、負担をかけてしまった上に、父の気難しい性格も災いして、弟の奥さんと親戚の間で揉めてしまい、弟から、なんとか、一週間でもいいから、日本に帰れないか?と電話があって、慌てて帰国したこともありましたが、それ以降、さらに、距離が遠のいた感があります。

 弟は、今も別の国で、海外生活を送っており、父が亡くなった後も、父の葬儀と一周忌の際に顔を合わせて以来、ほとんど会っていません。彼は、海外にいるといっても、日本企業に勤めているので、それなりに日本に行く機会も多いと思うのですが、仕事も結構な要職にあり、うちの両親は二人とも亡くなってしまいましたが、彼の奥さんの家族も抱えているので、それなりに忙しくしていると思って、あまり連絡をとることも、ありません。

 このコロナ渦の中、日本に帰っているのかどうかもわかりません。フランスがロックダウンになった直後くらいに、「仕事の関係のヨーロッパ支社の人から、アジア人がコロナ扱いされて辛い思いをしているという話を聞いたけれど、大丈夫? なんなら、日本にしばらく帰っていたらどうですか?」というメールをもらいましたが、その頃は、すでに簡単に動ける状態ではなく、「心配してくれて、ありがとう。でも、こちらは、そう簡単に動けそうにありません。」という返事を送ったきりです。

 彼が小さい頃は、気が弱くて、何かあると、すぐにお腹が痛くなってしまった弟。隣に住む同い年の従姉妹と、つきまとってくる年の離れた弟をからかって遊んだ話を今でも、二人にイジメられて大きくなったと大きく話を盛って笑い話にしている弟。

 私には兄弟は、一人だけなので、娘にとっては、従姉妹は日本に、一人だけです。私には、従兄弟・従姉妹が13人います。全員と密に付き合いが続いているわけではありませんが、従姉妹とは、今も弟以上に仲良くしてもらっています。

 色々な事情もありましたが、娘のためにも、私が弟家族とそのような関係を築いて来れなかったことをとても残念に思っています。


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