10月からの娘の日本への留学が、コロナウィルスのために、ドタキャンになったのは、9月に入ってからのことで、私としては、日本への渡航のチケットがパーになってしまったことに憤慨していましたが、娘としては、10月から半年間の予定が急にパーになってしまったわけで、9月は、その留学するはずだった期間に入れるスタージュ(企業や大学での研修)探しに躍起になっており、その後の予定も含めて大幅に変更しなければならなくなったために、落ち込んでばかりもいられませんでした。
10月からのスタージュを9月に探している人など、ほとんどなく、10月からのスタージュはすでにほとんどが決まってしまっているわけで、かと言って、それでも何もせずに半年間過ごすのは、あまりにもったいないことで、彼女の専門分野の研究をしている会社の募集を見ては、CVを10ヶ所以上も送り、ようやく正式にスタージュ先が決まったのが一週間ほど前のことでした。
「最初から10月からのスタージュを探していれば、もっと理想的な会社が見つかったのに・・」と、こぼしながらも、会社もフランス国内では業界最大手、研究自体も興味深い内容なのだとかで、やれやれ、この土壇場の職探しの中では、上出来と言えるものなのかもしれません。
しかし、問題は、その会社の研究所がパリではなく、自宅からは通えないブルターニュのど田舎にあることで、そのど田舎での半年間のアパート探しをしなければなりませんでした。
彼女は、昨年までの2年間、ボルドーにあるグランドエコールに通うために、一人暮らし(といっても、シェアハウスでしたが・・)をしていましたが、それでもボルドーは、地方とはいえ、大都市で、田舎・・という感じではありませんでした。
今回の研究所のある街は、Google mapで辺りを見てみると、まあ、のどかなこと・・最寄り?の駅も思わず見過ごしてしまうような駅舎で、最初に駅を見つけた時には、これが駅なのかと、しばし呆然としてしまったほどです。
おそらく、近辺の人は、通勤などの移動には、車を使う人が多い場所なのでしょう。これまで、ことごとく、運転免許を取り損ねてきた娘にとっては、なかなか大変な場所です。
9月の最終週からの勤務をと言われて、なんとか目安を付けたアパートの家主と連絡をとり、内見と家主との面会の約束が取れたのは、引っ越し当日、そのアパートがダメだった場合のために、到着当日から数日間は、ホテルを予約して、昨日、娘は田舎へと旅立って行ったのです。
しかし、出発直前に、彼女はポツリと、「この数週間は、これまでの自分の歴史上、記憶にある限りで、最悪の数週間だった・・」と言ったのを聞いて、ハッとさせられたのでした。急な展開で少なからず痛手を受けていた彼女、表には見せなかった彼女の心情を思うと、それを充分に分かち合えていなかったことを申し訳ないような気持ちにさせられたのです。
とはいえ、一先ず、なんとか落ち着き先も決まって、ヤレヤレでもあります。
パリからの距離は、それほど遠くないにも関わらず、TGVの到着する駅から乗り換える電車のアクセスが悪く、とても時間がかかります。それでも、彼女は取り敢えず、一週間ほど分の荷物を持って出発し、休日には、電車が1日2本という、ど田舎暮らしが始まりました。
しかし、考えようによっては、パリよりも余程、人は少なく、勤務先も研究所ということで、滅菌状態で最大限の衛生環境ゆえに、コロナウィルスの感染に関しては、危険も少なく、この期間にお給料を貰いながら、勉強ができることは、ラッキーだったかもしれません。
そして、これまで大都市以外で生活をしたことのなかった娘の田舎暮らしの良い経験となることでしょう。
ちなみに、この会社のキャンティーン・・フランスの田舎らしく、パンとチーズは食べ放題なのだそうです。パンはともかく、乳製品が苦手でごくごく限られたチーズしか食べない彼女にとっては、新しいチーズの魅力に出会えるチャンスにもなるかもしれません。
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「娘の留学 コロナウィルスによる被害」
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