ペコちゃんと同じサイズだったのに・・
最近、このコロナ渦の中、娘もスタージュがリモートワークになったりして、彼女とこんなに一緒にいるのは、幼少期の頃以来のことです。私は、娘が1歳になると同時に仕事を始めたこともあり、彼女の幼少期には、仕事以外の時間は、ほとんど彼女と一緒の時間を過ごしてきました。
私にとっては、初めての子育て、しかも海外で仕事をしながら・・。私のような人間が、子供を持ってしまった・・出産の時に、まさに赤ちゃんの頭が出ようにもなかなか出なかった時くらいから、もしかしたら、私は、大変なことをしてしまった・・一人の存在しなかった人間が私から生まれて、この子をどうにかまともに育てるまでは、重大な私の責任だ・・。
そんなことをまず、思ったものでした。
娘が生まれた頃には、なんだか青少年犯罪が多く、わけもわからず、小さい子を誘拐して殺してしまったり、家で暴れて家族を殺してしまったとか・・そんなニュースばかりが目につきました。「とにかく、身体を動かして、発散させること・・」そんな助言を叔母からもらって、とにかく私は、彼女のエネルギーを発散させることに懸命でした。
同時に、日本語を教えることにも一生懸命でした。私が休みの日は、出来るだけ一緒に時間を過ごして、日本語での時間を出来るだけ増やすように、やることもいっぱいで時間を惜しむような気持ちでしたし、預かってくれる実家も遠く、とにかく、どこへ行くにもず〜っと一緒だったような気がします。
思い返せば、彼女は、かなり変わった子供で、おかしな逸話が山ほどあります。よく言えば、個性的なのですが、やけに調子よく自分を納得させて、世渡りしているかと思えば、強情で、こうと思ったら、なかなか譲らないところもあったので、今から思えば、型にはまりがちな日本の学校に行っていたら、反発していたりしたかもしれません。
いわゆる子供用のおもちゃには興味がなく、石を集めてみたり、ボールで遊ぶよりもビニール袋を自分で膨らまして遊ぶのが好きだったり、子供用の電動の乗り物(遊具)を怖がったり、遊園地が嫌いだったり・・負けず嫌いで、競争することが好きで、別に競ってないのに、駅などでは、私がエスカレーターに乗っているところを隣の階段を駆け上って、私が上に到達した頃には、得意げな顔をして、上で待ち構えていたりしました。
ブランコが好きで、好きで、日本に行くと近くの公園に毎日でもブランコに乗りに通いました。(フランスには、あまりブランコがないのです。)
とにかくピンクが好きで、洋服のコーディネートは自分でしないと気が済まず、パンツの色まで合わせないと気が済まないので、出かけてみたら、パンツを履いていなくて、「どうしてパンツはいてないの??」と聞くと、この服に合うパンツがなかったから、履いてこなかった・・などなど・・。
そんな逸話がいくつもある娘ですが、このところ、彼女の小さい頃のことを話すと、彼女は、自分の幼少期をほとんど覚えていないことに驚きます。彼女には、5歳以下の記憶がほぼ、ないのです。
日本行きの飛行機の話をしていて、昔は、JALのファミリーサービスとかで、子供を連れていると、優先搭乗をさせてくれた・・という話をしたら、「飛行機にさっさと乗る人の気持ちがわからない・・狭いところで長い時間待つだけでしょ!」と娘が偉そうに言うので、「一体、誰のおかげで早く乗らなければならなかったか? 飛行機に乗ってシートベルトをすれば、あなたがチョロチョロもう動かないからでしょ!」と、こんな具合です。
考えてみれば、私自身も自分の幼少期をそれほど覚えているわけでもないので、当然のことかもしれませんが、親として、色々なことをやらせてあげようと、頑張ってやってきたことを彼女がほとんど覚えていないことは、なかなかガッカリなことです。
あくまで記憶があるのは、写真やビデオの記憶ですが、そんな写真やビデオもめったに見るわけではないので、本人もまるで別人のビデオを見るような気分で見ているようです。
小さい頃は可愛かった・・ので、ほんとうにみんなに可愛がってもらったし、「あなた、小さい頃だけでも可愛くて、みんなに可愛がられてよかったね・・」と言っても、「そんなに可愛がられた覚えがない・・」と言う・・。
親というのは、こんなに不甲斐ないものなのか・・と思いますが、これも順番、実際に私自身もそんなに自分の子供の頃のことを覚えているわけではありません。
幸い娘は、横道に逸れることも犯罪者になることもなく育ち、今では、偉そうな顔をしていて、腹立たしい事ばかり言いますが、ドキドキしながら、時には怒りながら、思いがけないことを言ったりやったりする娘に笑わせられながら毎日を必死に過ごしていた頃が懐かしいなと思うのです。
小さい頃は、可愛かった・・雰囲気が、今となっては微塵もない娘ですが、今でも、本当はブランコが大好きで、人目さえなければ、ブランコに乗りたくてたまらないし、嬉しいことがあるとついスキップしてしまう癖だけは残っていることに、どこか、ホッとさせられるのです。
<関連>
「フランスの保育園で・・」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2019/12/blog-post_10.html
「パピーとマミーの愛情」
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「娘の寝相と寝言」
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