娘の寝相と寝言
うちの娘は、小さい時から、寝るのが嫌いで、なかなか寝ない子どもでした。
昼寝もしたことがありません。
保育園から、” おたくのお嬢さんは、お昼寝の時間に寝ないで、もう一人の子供と二人で周りの子供を起こして回るので、これからは、お昼寝の時間は、別の部屋にいてもらいます。" と言われたこともありました。
それでも、夜は、寝室は、きっちり分けるというフランス人の夫のしつけ?で、寝る時間になると、” ボンニュイ " 、" おやすみなさい " と、ふた通りの挨拶をして、自分の部屋に行くことになっていました。
夏の間は、いつまでも明るいので、シャッターは下ろして、眠れるように、暗くしている自分の部屋に、娘は、後ろめたそうに、仕方なく、入っていくのでした。
パパは、甘いけど、とても厳しく、怖い存在でもあるのです。
娘が部屋に入った後は、私と主人が二人で話をしていると、しばらくして、少し時間がたった頃に、娘の部屋から、” そろそろ来て〜!” と声がかかり、私は、彼女の部屋に行き、日本語の絵本を読むのが日課になっていました。
娘は、なかなか寝ないのですが、寝たら最後、なかなか起きません。
朝、起こすのにもとても、苦労しました。あんなに寝るのを渋ったくせに、起きないとは!?・・と何度、思ったことでしょう。
また、彼女は、寝相も恐ろしく悪く、ベッドで、寝ている間にベッドの上を半回転しているようで、起きる頃には、必ず、頭と足の方向が逆になっているのです。時計の針のように寝ている間に移動しているのでしょうか?
ある夜、夜中に、娘の " ギャー!!” という叫び声で、目を覚まして、何事かと思って娘の元に飛んで行ったことがありました。ベッドから落ちたのではないか? 怖い夢を見て悪夢にうなされたのではないか? 心配した私は、娘を揺り起こして聞きました。
” どうしたの? 怖い夢でも見たの?” すると、娘は、半べそをかきながら、私に言いました。” パパが、私のステークアッシェ(ひき肉をハンバーグのような形に固めたもの)を食べちゃった!” " すごく美味しいステークアッシェだったのに・・・” と。
呆れて、返す言葉もありませんでした。
真夜中に娘のステークアッシェの夢のために、起こされたのです。
なんという、食い意地の張った娘なのでしょうか?
そして、そのことを翌朝、娘に話すと、彼女は、そんなことは、微塵も覚えていないのでした。
私は、きっと長生きはしないことでしょう。
0 コメント:
コメントを投稿