海外で暮らす才能
私の実家は、東京にあり、親戚は全て東京、学校も勤め先も東京で、今から考えると、私は、本当に狭い世界に、似たような環境にいる人たちとの中で暮らしていました。
ところが、海外に出るようになってから、海外で知り合う日本人は、むしろ、東京の人は少なく、海外では、色々な所の出身の方に接し、日本の中でも世界が広がったような気がしています。
しかし、長く、海外にいると、日本人でも本当に色々な方がいらっしゃるもので、パリには、まあ、なかなか、個性的な日本人が多いのも事実です。
特に、団塊の世代の方は、数も多く、世代的なものもあるのか、なかなか強烈です。
外見からしても、恐らく、日本だったら、相当、人目を引くだろうと思われますし、パリの中でもかなりの存在感を感じます。
しかし、それは、決して悪いことではありません。
話は、少し逸れてしまいました。
このように、海外在住の日本人にも、色々な人がいるのですが、そんな中でも、ある共通点が、あると思うのです。
それは、自分というもの、自分なりのスタイルというものを強固に持っているということです。
そして、異文化を寛容に受け入れつつ、それを上手にかわしていける能力を持っていることです。ゆる〜くかわしつつも、自分が持っているものは、貫いている。
人の意見にも耳を傾けつつ、自分自身も主張するべきことは、主張する。
それは、長い海外生活の中で培ってきたものであると同時に、その人の中にそのような素質があったと思わざるを得ないところもあります。
海外で暮らすのは、日本の文化や習慣、生活との違いに事あるごとにぶつかります。
それを乗り越えていく強さがどうしても必要になります。そして、自分の中で、それを昇華させ、自分を支えていくものは、自分自身なのです。強い自分を持っていなければ、できることではありません。
それは、一種の才能と呼べるものではないかと思うのです。
日本に住んでいる私のいとこたちにも海外留学や転勤の経験のある人が多いのですが、日本で暮らしている様子を見ても、ものの見方や考え方が非常に柔軟です。
海外で得た経験や能力を日本に持ち帰って、また日本という社会に立ち戻って、たくましく生きています。これはこれで、大変なことだと思いますが、その多くの人がしっかりと頑張れています。
異文化に浸って生きて、また、日本に帰ることは、また、それなりに様々な葛藤や、今まで、日本にだけ住んていた頃には、見えなかったことも見え、逆に日本を異文化と感じて大変なことも多いでしょう。
でも、海外生活の経験は、自分の中での何よりも、代え難い経験となったに違いありません。海外生活を乗り切る才能はまた、日本で生きていく事にも活かされると思うのであります。
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