イギリスの不思議、ヨーロッパの不思議
私が初めて海外生活を送ったのは、イギリス、ロンドンでした。
初めての海外生活に不安と期待でドキドキ、ワクワクしながらも生の英語での生活に慣れるのに必死でした。
英語なら、なんとかなるだろうと、タカをくくっていた私は、実際に思うことが思うように言葉にならず、また、同じ英語でもアメリカの単語だとわからないふりをされたり、いちいち直されたりで、ウンザリもしました。
街で見る景色も人々も新鮮で、不思議なことは、たくさんありました。
人々が寒さに異様に強いことも不思議でしたし、雨が降ってきても、誰も傘をささないことも不思議でした。
信号が赤でも、みんな平気でどんどん渡っていくし、地下鉄のシートは汚く、駅の時計などは、まともに動いている方が珍しい感じでした。
地下鉄では、何かあるたびに、” All change please ! " とすぐに降ろされ、テロ騒ぎがあっても、慣れているのか、すぐに、その場は片付けられ、皆、わりと平然としているように見えました。
そんな地下鉄の中には、ギターを持って大声で歌を歌って、歌い終わるとお金を集め始める人もいました。
見ず知らずの人にでも、気安く話しかけることも妙な気がしたし、やたらと時間や道を尋ねられたりしました。まったく、外人の私になんで聞くの?と思ったものですが、あとから考えれば、外人だらけの街なのです。
食べ物も、その質素なことにも、なんでもグチャグチャに柔らかく煮込んでしまうのにもウンザリしました。缶詰のスパゲティーにソースだけかと思ったら、スパゲティー自体が入っているのにもビックリしました。
まだまだ、充分に人が乗れる場所があると思われるバスでも満員だからと通り過ぎて行ってしまうことも、運転中にトイレに行くと言って、バスを止めて、マクドナルドに入って行ってしまった運転手さんに唖然とさせられたこともありました。
回送中のダブルデッカー(赤い二階建てのバス)の運転手さんに声をかけられ、断ると、そのまま、バスごと追いかけられたりしたこともありました。こんなダイナミックなナンパはきっと、もう二度とお目にかかることはないでしょう。
あれから、ずいぶんと時は経って、イギリスよりもフランスでの生活が長くなりましたが、あの頃、ビックリした一つ一つのことは、ほぼ、フランスにも当てはまることで、今や、私自身が、何の驚きも感じ得ないようになっていることに、時の流れを感じさせられるのであります。
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