2019年8月29日木曜日

フランスのテロの報道と対応




 私は、日頃、あまりテレビを見ないので、フランスで、テロなどの事件がおこったりしても、日本にいる友人などからの、” 大丈夫?” というメッセージで、初めて事件を知り、慌ててテレビをつけたりして確認したりすることも少なくありません。

 大概、日本の報道は大げさで、独特で不安を煽るような報道の仕方をするので、実際には、現地では、そんなに騒いでいないのに・・ということも多々あります。現地では、よほどでない限り、日本の報道のように過剰に反応することは、ありません。

 でも、2015年に起きたパリ同時多発テロが起こった時には、さすがにフランス国内も震撼とし、少しのことでも過剰に反応し、ピリピリとしていました。

 あれは、2015年11月13日、パリ市街と郊外のサン・ドニ地区において、複数のイスラムの戦闘員と見られる複数のグループによる銃撃や爆発が同時多発的に発生し、死者130名、負傷者300名以上を出した大事件でした。

 ちょうど、金曜日の夜だったこともあり、逃走したと見られる犯人がなかなか確認されなかったこともあり、土日にわたり、政府が外出を控えるように声明を出したりする異例の事態で、土日は、家にこもって、テレビの報道を固唾を呑んで見守っていました。

 翌週の月曜日に出勤するために、外に出るのも、なんだか少し怖かったことを覚えています。

 その後、しばらくの間は、パリの街は人出も少なく、ゴミ箱が撤去されたり、四六時中警官や長い銃を持った憲兵隊が巡回していたり、駅でも不審物が見つかるとすぐ閉鎖されたりと緊迫した状態が続いていました。

 私の職場は、パリの中心の大きな通り沿いにあったのですが、ちょうどその建物の前にバス停がありました。

 ある時、大勢の警官が、「この建物から、一刻も早く、退去して、出来るだけ遠くに走って逃げてください!!」と大声をあげながら、突入してきて、慌てて、取るものも取らずに、みんなで汗だくになって、走って逃げたことがありました。

 職場の同僚と共に、一体、どこまで逃げたらいいのか、わけもわからず、とても不安な思いをしました。

 ちょうど、一台のバスがそのバス停で停まったところで、バスの中で不審物が発見され、爆発物と判断されたのだそうです。

 結局のところ、それは、ただの乗客の忘れ物だったようで、事無きを得ましたが、後から考えてみると、なぜ、先にバスからその不審物を撤去してくれなかったのか? もし、それが、本物の爆発物だったとしたら、パリのど真ん中で、沢山のガソリンを含んだバスごと爆発して、大炎上していたはずです。

 危険物から離れるというのもわかるのですが、後になってから思うと、妙な対応だと思ったものです。

 長くパリにいると、色々なことに遭遇するものです。

 









 
 

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