2020年8月31日月曜日

フレンチパラドックス 先進国で意外と肥満の少ないフランス


 娘が冬用のコートが欲しいと言って、ネットでコートを探していました。先日、ネットショッピングで注文したコートは、無事、届いたものの、生地がいま一つで、ポケットもないということで、返品してしまったのです。

 それで、別のコートを探そうと、再び、ネットをのぞいていて、これどうかな?この色どう?などと、一緒にサイトを見ていたら、メーカーによっては、必ずしもスタイル抜群のモデルさんばかりではないことに気づいて、驚いたのです。

 最近は、痩せすぎは良くないという風潮からか? ごくごく、その辺りにいそうな決してスマートではないモデルさんも使われているのです。とはいえ、メーカーによっては、従来どおりのスタイル抜群のモデルさんを使っているところもあるにはあるのです。

 しかし、そもそもフランスでは、フレンチパラドックスと言われるように、アメリカなどのように極端な肥満体型の人は、あまり見ることがありません。フレンチパラドックスとは、フランス人が、相対的に喫煙率が高く、脂肪が多く含まれる食事を摂取しているにも関わらず、冠状動脈性心臓病にかかることや肥満体型が比較的少ない学説から生まれた造語です。

 フランスには、フランス人が大好きなバター・チーズ・クリームなどの乳製品、フォアグラやパテ、サラミなどの肉類を加工した脂肪と塩分を豊富に含んだ食品が溢れているのです。

 フランス人はアメリカ人と比較して4倍の量のバター、60%増のチーズ、3倍近い豚肉を食べているそうですが、にも関わらず、フランス人の方が圧倒的に肥満が少ないことをバラドックスと表現されているのです。

 これには、同時にフランス人が摂取している赤ワインが影響しているとも言われていますが、フランスでは、地味に学校給食などでの食事の提供にかなり配慮がされている結果とも言えます。

 テレビなどの広告では、5 légumes par jour(1日に5種類の野菜を取りましょう)とか、油や糖分の多い食品は控えましょうなどと呼びかけられていますし、ファストフードの広告などにも、このような文言が付け加えられています。

 娘が通っていた学校のキャンティーンでは、学校側の健康的な食事アピールがもの凄く、特に、「うちの学校では、フライドポテトは出さない!」を自慢にしていました。(私は、内心、フライドポテトを出さないということがそんな自慢することなのか?と思っていましたが・・)

 以前、娘が高校生の頃、彼女の通っていた高校では、短期間ですが、アメリカの高校との交換留学の制度があり、私も、「良い機会だから、ぜひ、行ってらっしゃい!」と留学を勧めたのに、食べることが何より好きな娘は、指定されている高校のキャンティーンのメニューを調べあげ、それが、ハンバーガーとピザとタコスの繰り返しなのを知って、こんなの毎日食べる学校は嫌だと理由をつけて、留学をやめてしまったことがありました。

 一生、ハンバーガーとピザとタコスを食べ続けよ!というわけでなし、せっかくのチャンスを勿体無いことをしてしまったと私は、思っていますが、少なくとも、フランスの学校では、ハンバーガーとピザとタコスの連続のような給食はありません。

 フランスの給食は、一応、前菜、メイン、デザートと一応、コースのような献立になっています。

 大学になるとキャンティーンの他に、カフェテリアというものも置いている大学も少なくありませんが、キャンティーンがある一定の健康基準を満たした一般的な食事を提供するのに対して、カフェテリアは、菓子類、ジュースやファストフード的な食品を扱っています。

 このカフェテリアを学内に設置するには、ペナルティーとも言うべく特別料金を支払う必要があり、また、消費者側の学生にとっても、カフェテリアは、キャンティーンに比べて、若干高めの料金設定になっています。

 そもそも、フランス人が日常の食事を爆食いしている印象はなく、家庭での食事は意外にも質素で、外食したりしていても、時間をかけて、多分、あんまり好きではないであろうサラダなどを気取って食べていたりするのを見かけるにつけ、フランス人はフランス人なりの食生活への美学があるものと思われます。

 ましてや、先進国の中でも圧倒的に肥満の少ない日本の食生活への配慮はパラドックスどころか、やはり他の先進国から比べると桁違いの気遣いであることは、紛れもない事実です。

 たまに日本に行って、若い女の子を見かけるにつけ、「細〜い!」と思うことは、多いです。フランス人の若い女の子は、骨格が違うこともありますが、日本人ほど細〜い女の子は、あんまり見かけません。

 とはいえ、ある程度は、自分を律して肥満を回避できているフランス。

 今は、自分を律して、コロナウィルスをなんとか回避することはできないものか?と思っています。

 

<関連>

「フランスの学校のキャンティーン・給食」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2019/10/blog-post_11.html

「フランス人のビックリする日本食の食べ方」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2019/07/blog-post_69.html

「フランスの弁当(BENTO)ブーム」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2019/11/bento.html












  



2020年8月30日日曜日

フランスでの安倍首相の退任の報道

  



 フランスのテレビニュース等で日本についての報道がされることは、あまりありません。

 私もフランスに来て、20年以上になりますが、日本について最も大きく報道されたのは、東日本大震災についての報道でした。あの時は、どのチャンネルもトップニュースの扱いで、朝、起きて、習慣のように、何気なくテレビをつけたら、ジャポン、ジャポネ、ジャポネーズ・・の連呼に、まだ、しっかり目が覚めていなかった私もさすがに、画面に目が釘付けになりました。

 寝ぼけ眼で見えたテレビの映像は、津波の映像で、海だか川だかもわからない大波に車や家が流されている衝撃的な画面を呆然と眺めた朝を今でも忘れることができません。

 その後も被災地の様子や原子力発電所の放射能の問題など、フランスのテレビ局が製作した、いくつもの番組がかなり長い期間、報道されていました。

 その時に比べると、今回の安倍首相の辞任については、さすがにスルーされることはありませんでしたが、辞任を発表した当日の夜のニュース(45分ほどの番組)の最後に、わずか1〜2分の尺で、「日本の首相・SHINZO ABE(65歳)は、健康上の理由から、退任することを発表しました。」のみ。

 フランスにとって、日本という国、日本の政治は、45分のうちの1分くらいの関心事なんだな・・そんなものなのか・・まあ、全くスルーされないだけマシか・・やっぱりね・・と、ちょっと、残念なような、ふてくされたような、妙な気持ちになりました。

 新聞等では、もう少し詳しく掲載している紙もありましたが、安倍首相の辞任についての詳細よりも、辞任の原因とされている潰瘍性大腸炎についての話題に内容が逸れる記事も少なくありません。

 しかし、中には、むしろ、かなり辛辣な書き方をしている紙もあります。

 安倍首相の支持率がかなり低下し、彼の地盤である山口県でさえも彼が充分な力を持っているかどうかは疑問視されているとか、長期政権の記録をかろうじて上回った直後だとか、コロナウィルス対策で迷走したとか、これまでの数々の汚職スキャンダルについての追求を逃れてしまう可能性がある・・などなど・・。

 こんな風に、日本では、大きなニュースであるはずなことが、フランスでは、ほとんど無関心であることに直面したりすると、日頃、日本ブームだの、日本が好きなどという人の話を聞くことはあっても、やはり、フランスにとって日本は遠い国・FAR EAST なんだな・・と、ちょっと寂しく感じるのです。


<関連記事>

「日本はフランス人になぜ愛されるのか? フランス人は日本をどう見ているのか?」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2019/06/blog-post_96.html

2020年8月29日土曜日

ことごとくフランス人の習慣が裏目に出ているコロナウィルスの感染拡大


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 フランスのコロナウィルスの新規感染者数、一昨日は、6000を超えて、びっくりしていたら、昨日は、軽やかに7000超え(7379人)で、毎日のように5000・6000・7000と1000人単位で増加しています。

 昨日、買い物に出かけたら、グッと人も増えており、「あ〜みんな、帰ってきている」ことを実感しました。まあ、来週には、9月に入り、学校も始まることですし、当たり前のことです。毎年、夏の終わりに空いていたパリにあっという間に人が戻って増えてきて、また、混雑した街に戻ることをちょっと残念に思うのですが、今年は、少しわけが違います。

 フランス人が何より大切にしているバカンスの結果が今の感染状況ですし、挨拶がわりにビズー(頰と頰を合わせる)をしたり、握手をしたり、とかくスキンシップが多い習慣も、靴のまま家に入る習慣も、お風呂にあまり入らない習慣も、マスクを嫌う習慣?も、ことごとく彼らの日常の習慣は、コロナウィルス感染対策には、裏目にでることばかりです。

 昨日、パリ・マルセイユなどで、全域が屋外でも全てマスク着用が義務化されたこと等を受け、オードセーヌの製薬研究所を訪問し、マスコミの前に立ったマクロン大統領も、「マスクがたとえ、恥ずかしいものであり、痛みを伴うものであったとしても、ウィルスの循環を避けるためには、どうしても必要なものであることを述べました。

 彼は、「私もあなた方のようにマスクを着用するのは好きではないし、ラテン民族である私たちにとって、ソーシャルディスタンスを取ることは、私たちの習慣にはありません。しかし、現在の状況は、それらが合理的な方策であり、ウィルスと共存する方法を学んでいかなければならない」と続けました。

 大統領自身がマスクが恥ずかしいとか、嫌いだとか、痛みを伴うなど言うのも、正直すぎて、ちょっと驚くところですが、「何としても国単位での再ロックダウンは、避けなければならない」と訴える彼の必死さが表れています。

 この新規感染者数の爆発的な増加は、4月以来の記録を更新中で、ロックダウン解除以来、ヨーロッパの中では、危険とされていたスペインを追い越し、メキシコを追い越し、ブラジルに迫る勢いです。

 それでも、今のところは、まだ重症患者数は、そこまで増加はしていませんが、実際に、陽性患者の中でも、症状が見られる人の割合が増えており、若者の間で広がった二次感染の結果として、50歳以上の年長者の入院が増えており、現在の統計によると、一人が 1.4人に感染させている状態で、このままでは、1万人を突破する日もそう遠くないと見られています。

 フランスは、この感染急増の波に乗ってしまった状況で、9月には学校も再開され、多くの人が職場に戻り、デモまでが戻ってきて、感染拡大がどのようにして抑えられるのか? ほんとうに心配でなりません。

 とはいえ、ワクチンも治療薬もないものの、3月〜4月の感染拡大の時に比べれば、コロナウィルスに関する対処法は、この半年間で多くのことを学んだはずです。病院に入院しても、回復するケースも増えたし、4〜5週間は、ウィルスと闘う猶予期間が生まれてきたと言います。

 とはいえ、前回のロックダウン時には、ロックダウン宣言3〜4日の遅れが1000人単位の死者を生んだと言われているため、感染症の専門家は、次回、ロックダウンが必要と判断された際には、地域ごとでさえも、躊躇なしに即刻、ロックダウンが必要だと話しています。

 秋を迎え、気温も下がり、人々の日常生活も始まり、インフルエンザの流行も始まる何一つプラスに作用するものが見当たりません。涼しくなって、過ごしやすい季節が不安な季節となってしまいました。

 前回、3月、4月のロックダウンの際は、これから日も長くなり、明るくなる季節であったことがどんなに救われたかと思いましたが、これからの季節はまさに逆。なんとか、これ以上、感染が広がらないことを祈るばかりです。


<関連>「フランスでコロナウィルスが広まる理由」

 https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/03/blog-post_19.html










2020年8月28日金曜日

とうとうパリ全域マスク着用義務化・新規感染者6000人超え

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 フランスのコロナウィルスの感染状況は、8月の一ヶ月間で悪化の一途を辿っています。

 すでにレッドゾーンに指定されていたパリ(イル・ド・フランス)とブーシュ・ド・ローニュ(フランスのプロバンス・アルプ・コートダジュール県)に加えて、セーヌサンドニ、ヴァルドマルヌ、オードセーヌ、セーヌエマルヌ、エソンヌ、ヴァルドワーズ、イブリーヌ、サルト、ローヌ、ジロンド、オートガロンヌ、エロー、ガール、ヴァール、アルプマリティーム、グアドループ、マルティニーク、ガイアナの合計21の地域がレッドゾーンに指定されました。

 7月末には、1000人前後だった一日の新規感染者数は、2000〜3000とどんどん増加し、昨日、6000人を突破、6111人という4月以来の驚異的な数字を記録しました。なんと一ヶ月で6倍です。

 ことにここ2週間ほどは、3000を超えた・・4000を超えた・・と桁が変わっていくインターバルがどんどん短くなっていて、あれよあれよという間に6000を超えてしまいました。

 この数字の上昇の速さは、もはや猶予がない感じで、先日、8月18日の段階で、会社内でのマスク義務化が9月1日から施行されることが発表されたばかり。その時点でも、会社内でのクラスターがかなりの割合を占めている(追跡がしやすいことから、このような結果が出ているとも考えられる)のにも関わらず、なぜ、9月まで待つのか? なぜ、すぐに義務化しないのか? と思ったものです。

 8月18日あたりは、新規感染者の数字は3000〜4000を行ったり来たりしていたのですから、その時点から考えても2倍近くになっているのです。

 その間にも、数字はグングン上がって、パリでも地域によっては、屋外でもマスクが義務化されていましたが、それも一歩違う通りに出れば、OKとか、わかりにくい中途半端なもので、その間には、多くの人がバカンスで国内を行き来し、サッカーのマッチに熱狂し、感染拡大しない方が不思議な状態が続いていました。

 だいたい、フランス全土をマスク着用義務化したところで、絶対に従わない一定の人がいるわけで、厳しすぎるくらいでちょうどいいのです。「ロックダウンの時は我々は、よく頑張った」と、いつまでも言っている彼らには、いい加減、「いつまで言ってんだよ!」と突っ込みたくなります。

 つい、昨日までは、感染状況の悪化が著しいマルセイユとパリのせめぎ合いのようなやりとりがあり、マルセイユ側もパリ側も、「おまえの方が死亡率は高いじゃないか!」「いやいや、おまえの方が感染率が高いじゃないか?」などという言い合いをしていて、「おまえら、子供か!」と言いたくなるようなやりとりに、情けない気持ちで彼らの喧嘩を見ていました。

 そうしている間に、すでにイギリス、ドイツ、ベルギーなどの周囲のヨーロッパからは、フランスへの渡航制限が発表され、結局は、グズグズしているフランスは、外堀から埋められた形になっています。

 さすがに新規感染者が6000人を超えて、パリ全域はマスク義務化、しかも翌日の朝、8時からという急激な統制に踏み切りました。

 今回、レッドゾーンに指定された地域は、フランス国内でも南仏やボルドーなど、パリの人々が多くバカンスに出かけている地域です。来週には、9月に入り、バカンスに出ていた人も皆、パリに戻ってきます。そうなれば、断然、パリが感染状況最悪の状態に陥ることは、必須です。

 いい加減、腹をくくって、「マスクぐらいしろよ! ロックダウンよりずっとましだろ! いつまで甘いこと言ってんだよ!」と言いたいくらいです。


<関連>

「マクロン大統領の勝利宣言・ロックダウン解除第3ステージ突入・「俺たちは、よくやった」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/06/blog-post_15.html

 






2020年8月27日木曜日

コロナ以来、初めての病院 フランスの医療システム

      


 先日、明け方に自分の部屋で、寝ぼけ眼で、何かを思いっきり蹴っ飛ばして、足の指を負傷して、翌日、どす黒く腫れ上がり、これは、ヤバいと思って、検査のための予約を取ろうとしたら、病院がバカンスで休みで、ようやく病院のバカンス明け?に予約の電話を入れました。

 最初にかけた時には、まだ、バカンス中と同じテープが回っていて、「でたでた・・これだよ・・フランス・・」と思いながら、数時間経ってから、再度、電話をしたら、ようやく繋がって、幸いにも思っていたよりも早く、2日後に予約が取れて、コロナ以来、初めての病院へ行ってきました。

 当日の朝、うっかり軽装で外に出たら、思いの外、涼しくて、あれ?上着を羽織ってくるべきだった・・と思いながら歩いていると、気温への服装の対応の素早さは、フランス人の特技・・皮のジャケットをきている人もちらほら・・そんなところは、いち早く対応できるフランス人はすごいなぁといつも季節の変わり目には思います。

 さすがに病院だけあって、さすがのフランスでもマスク率は120%、マスク+フェイスシールドまでしている人もいました。普段、かかりつけの医者には、わりと頻繁に行くものの、病院といえば、かなり久しぶり、改めて老人の多いことに驚きます。フランスは少子化ではないものの、高齢者もなかなか多い国なのです。



 恒例の親に付き添っている中年の女性もちらほら・・私も日本に帰国時には、母の時も父の時も病院に付いて行ったなぁ・・フランス人もわりと親の面倒を見ているんだなぁ・・などと思いながら、受付をすませ、順番を待っていました。

 日本の病院は、通院の患者さんは、皆、びっくりするほど身ぎれいに小洒落た格好をしていたのに、驚いたけれど、フランスでは、いたって普通です。

 考えてみれば、普段はあまり縁がないと思っていた病院も、主人が何回か入院したり、娘が突然、奇病にかかってあわや入院か?ということもあったし、私自身も会社の階段から落ちて怪我した時や、家で縄跳びをしていていつの間にか骨折していた時、友人がガンで入院していた時には、お見舞いにも何回か行ったし・・そこそこ病院には、お世話になってきたのです。

 フランスは国民健康保険システムがしっかりしているので、今さらながら本当に助かっています。その上、多くの人は、Mutuelle(ミューチュエル)といって、国民健康保険だけではカバーしきれない医療費をカバーしてくれる保険にも入っているので、例えば、今回の私のような突然の怪我(病気)などでも、ほぼ自己負担はなく、保険が全てカバーしてくれます。

 以前、私の友人がガンにかかった時に、彼女がミューチュエルには、入っていないと聞いて、長い入院、大きな手術など、どうするの???と、ひっくり返るぐらい驚いたけど、フランスでは、ガン治療に関しては、(特殊な医療に関しては対象外だと思うけど)100%、国が負担してくれることを知って、なんとまあ、太っ腹な国だと感心しました。

 フランスは、問題も多々ありますが、弱い人には、優しい国なのです。

 今回のコロナウィルスの検査に関しても、全て、無料です。

 話は、逸れましたが、私の足の指のレントゲンは、珍しく、時間も、ほぼ予約時間どおりで、(まだまだ、バカンスから戻ってきていない人が多くて、いつもよりは空いていると思われます)あらゆる角度から何枚も撮ったにもかかわらず、ものの10分ほどで終わり、結局、私の足の指は、骨折はしておらず、しばらくおとなしくしていれば、大丈夫なことがわかりました。

 やはり、どこかホッとしつつも、いくら、保険がカバーしてくれるとはいえ、痛い思いをするのも嫌だし、現時点で病院通いは、リスクが大きいので、これからさらに、気をつけて暮らしていかなければ・・と、肝に命じた一日でした。




              病院に飾ってあったピカソの絵


<関連>「海外生活中、もし、ガンにかかったら、あなたは、日本に帰りますか?」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2019/06/blog-post_30.html


「バカンス中の怪我」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/08/blog-post_23.html

2020年8月26日水曜日

コロナウィルスのためのキャンセル料金 ANA変更手数料無料の航空券販売

 


 ANA(全日空)が、「新型コロナウィルス感染拡大に伴い、ご予定の見通しが立たない場合でも安心して航空券をご購入いただけるように、2020年8月25日から、2020年12月31までにご購入いただいた航空券は手数料無料で何度でも変更を承ります」という航空券販売を開始しました。

 これは、今のところ、欧州発日本行き(ロシア・イスラエル発を除く)のフライトが対象のようですが、渡航先にもよりますが、現時点での渡航は、移動自体がリスクが大きく、色々と到着後にも行動制限があるために、だからといって、そう簡単に予約を入れるかというと、それもなかなか難しいかもしれません。

 しかし、少なくともチケットの変更が何回でも可能で、手数料がかからなければ、少しはハードルが下がるかもしれません。このニュースを聞いて、一瞬、「あ〜これは良い!」と思いました。

 しかし、よく読んでみると、変更後の航空運賃が予約時よりも高い場合は、その差額は請求されるとのことで、季節や曜日などによって金額が異なる航空運賃の場合、当然といえば、当然なのですが、直前に買うチケットが高いことなどを考えれば、変更した場合は、差額を払うことになるのは、ほぼ確実で、よくよく考えれば、良いのか悪いのか、なんだかよくわからなくなりました。

 コロナウィルスのパンデミックにより、多くの人が渡航を中止したり、延期したりして、キャンセルせざるを得ない状況に追い込まれたと思いますが、例に漏れず、我が家も娘が6月からイギリスの大学にスタージュに3ヶ月行く予定でしたので、早くからユーロスターや宿泊施設の予約を入れていました。(早くに取れば、それだけ安いので・・)

 しかし、結局、スタージュはリモートで3ヶ月間行われ、今週末には、終了します。当然、ユーロスターも宿泊施設もキャンセルしたのですが、宿泊施設は、全額返金しますとの回答ながら、2ヶ月以上たった今も返金はされていません。

 ユーロスターは、キャンセルが効かずに同額のクーポンが戻ってきただけ・・そんなクーポンを返してもらったところで、いつになったら行けるかもわからず、だいたい、用事は終わってしまったので、全く役に立ちません。

 平常時ならば、ロンドンなら日帰りでも行けるくらいなので、気軽にいくらでも行けるのですが、現在、フランスからイギリスへは、到着後の2週間自粛が義務付けられているので、そうそう簡単に行くこともできないし、いつになったら、そのクーポンを使えるのか、全くわかりません。そんな場合は、当然、キャンセル、返金だと思うのに、全く腹立たしいばかりです。ユーロスターよ!セコいことしないでお金返して!

 このユーロスターの一件を考えてみれば、ANAの手数料無料で変更可能・・というキャンペーン??も、キャンセルが可能なわけではなく、あくまでも変更可能なだけ・・一見、なんだかとても便利?助かる? 感じがするのですが、ANA縛りで変更便を探さなくてはならないわけで、実は、そうでもないのではないか?と、ちょっと思っているのです。


<関連>「コロナウィルスで日本が遠くなった」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/08/blog-post_3.html


・ANA変更手数料無料の告知

 https://www.ana.co.jp/ja/eur/offers-and-announcements/promotions/nochangefee/?cid=EMMLON20200825EURAMCJP



2020年8月25日火曜日

騒ぎに乗じて暴れるフランスの暴力集団の存在 ブラックブロック

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 サッカーのチャンピオンシップ決勝戦で大興奮状態だったフランスのサポーターは、シャンゼリゼやパリ・サンジェルマンの本拠地スタジアムのある Parc des Princes(パークデプランス・パリ16区)などに、応援と勝利を祝うために集結していました。

 その騒ぎに乗じるように、パリ郊外から集まってきていた暴力集団が、シャンゼリゼ近辺の路上に止まっている車やゴミ箱を燃やしたり、ひっくり返したり、店舗を壊して襲ったり、運転手が乗っている車までに石を投げたり、棒で叩いたり、蹴ったりする大変な騒ぎに発展してしまいました。

 サッカーの試合に敗北したサポーターは、比較的、あっさりと解散したかに見えていましたが、サポーターの中に紛れていた暴力集団が大暴れしたのです。

 当日、サッカーの決勝戦の熱狂ぶりに対応して3000人の警察が動員されていましたが、むしろ、コロナウィルス対応色が強かった警察も、結果的には、これらの暴力への制圧に奔走することになってしまいました。逆にこれだけの警察官がいたにも関わらず、なぜ、これだけ彼らの暴走を許してしまったのかと疑問の声すら上がっています。

 彼らは、その暴力行為に及ぶための長い棒や発火材などを所持していたことから、明らかに最初から暴力行為が目的で、サッカーの決勝戦の騒ぎを利用したことは明白です。

 サッカーの応援、祝勝のために集まっていたサポーターも、これは私たちの仲間ではない!私たちは、ただ、サッカーのために来ていただけなのに・・と、戸惑いを隠せない感じでした。

 この日は、未成年を含む158人が逮捕(補導)され、15台の車が燃やされるなどの被害にあい、12軒の店舗が壊されました。中でも高級ジュエリーストアーのビルマ、サンドロブティック(高級プレタポルテ)、クレージュの婦人服店の被害は、甚大です。

 同一グループの犯行かどうかは、わかりませんが、フランスには、6月の医療介護者のデモの際にも、デモに紛れて大騒動を起こしたウルトラジョンヌとブラックブロックなる騒ぎに便乗して暴動を起こすグループが存在します。

 今回は、その便乗グループとともに、郊外から集まっていた大勢の未成年も触発されて暴力行為に加担したようです。

 ロックダウンや、その後もコロナウィルス感染防止のための様々な抑圧から逃れたい人々の発散にサッカーの決勝戦が利用された結果となりました。

 フランスは、現在、ヨーロッパでは、毎日の新規感染者が最も多く、ドイツからは、イル・ド・フランスとプロヴァンス・アルプ・コート・ダジュール地域が危険地域に認定されました。この感染状況では、当然だと思いますし、治安の意味でも危険です。

 フランスは、経済復興に向けて、EU圏内の行き来を可能にしたのに、結果、周りの国から、シャットダウンされる最悪の状態です。

 

<関連>

「パリ・アンヴァリッドでの介護者のデモ・1万8千人を震撼させた暴力・ウルトラジョンヌとブラックブロック」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/06/blog-post_17.html





2020年8月24日月曜日

フランス対ドイツのサッカーチャンピンオンシップの決勝戦

  Les Champs-Élysées ce dimanche soir après le match PSG-Bayern.


 日曜日のサッカーのチャンピオンシップの決勝戦に備えて、フランス政府は、3000人の警察官を動員し、興奮するサポーター対策をしていました。サッカーの試合は、フランスで行われるわけではありません。ポルトガルで行われるにも関わらずのことです。

 よりによって、こんな年にチャンピオンシップの決勝戦まで進むとは、なんという皮肉なことと思いますが、パリ・サンジェルマンにとっては、チーム創設50年にして初めてた辿り着いた決勝戦。フランス人のサッカーへの熱狂ぶりは、こんな時だからこそ、余計に高まります。

 ニュース番組に出ている医療関係者のコメンテーターでさえ、苦い顔をしながらも、サポーターが集まって熱狂することを咎めることはせず、よっぽど嫌われたくないんだなぁ・・逆に考えれば、サポーターを押さえつけることは、大変な反感を買うことになるんだろうな・・などと、こちらも苦い顔で報道を見ています。

 政府も、前回の決勝進出決定の日の騒ぎようから、シャンゼリゼに関わらず、あらゆる場所での10人以上の人の集まりを禁止する通達を出したはずだったのに、あれは、何だったのでしょうか?

 決勝戦当日は、もうパリは、えらい騒ぎで、午後の比較的早い時間から、久しぶりに警察車両のサイレンの音が賑やかに聞こえ、夕方には、サポーターが多く集まると予想されるシャンゼリゼなどは、閉鎖されるかと思いきや、閉鎖されるのは、車の往来だけで、すでに多くの人が試合が始まる前から集まり、大興奮状態。

 シャンゼリゼや、パリ・サンジェルマンの本拠地スタジアムのある Parc des Princes(パークデプランス・パリ16区)などは、マスク着用義務取り締まりが強化されていたおかげで、ほとんどの人は、マスクはしていましたが、試合開始の3時間以上前から、大勢のサポーターが集まり完全に戦闘状態、試合前から発煙筒が炊かれていました。

 彼らのあまりの迷い、躊躇いのなさに、この時期にここまで熱狂できる何かを持っている彼らが羨ましく感じられるほどでした。サッカーへの彼らの熱狂ぶりを見るにつけ、フランス人は、完全にラテン系なんだということを改めて、思わせられます。

 試合が始まる3時間以上前から、この熱狂ぶりでは、試合が始まったら、どうなることかと思われました。これは、勝っても負けても、大変な騒ぎになるだろうと・・。

 しかし、試合は、後半に1点を入れられて、そのまま挽回することができずに、あっさりフランスは、負けてしまいました。勝利を祝うために用意されていたと思われる花火の音が我が家の近所でも聞こえていましたが、シャンゼリゼやパークデフランスには、大勢の人が集まっていたので、負けた悔しさでまた、大騒ぎになるかと思いきや、意外にも大した騒ぎにはならず、思っていたよりもずっと、大人しく、人出が減っていきました。

 なんだか、そのガッカリぶりに、意外とかわいいところもあるんだな・・と思いました。

 しかし、そんな中でも騒ぎに乗じて車を燃やしたり、店舗のウィンドーを壊したりする人もいて、検挙者も出たようです。

 皮肉なことに、ドイツ・バイエルン・ミュンヘンのチームで決勝点を入れたのは、キングスレイ・コマンというパリ・サンジェルマンのユースチーム出身のフランス人の選手でした。

 試合後のインタビューでは、パリ・サンジェルマンの選手がインタビューに答えていましたが、多くが外人のたどたどしいフランス語が多い中、唯一、滑らかなフランス語でインタビューに答えるのがドイツのチームで決勝点を上げたキングスレイ・コマンだけというのも、いかにも残念で、いかにも皮肉な結果でした。

 しかし、これが、もしフランスが勝っていたらと思うと、想像するにも恐ろしく、大変な熱狂状態になっていたことは、間違いありません。

 日曜日のフランスの新規感染者数は、さらに記録を伸ばし、4897人と、もう少しで5000人に迫る勢い、言っちゃ悪いですが、負けてくれてよかった・・と私は、こっそり思っているのです。


<関連>「フランス人のサッカーへの熱量」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/08/blog-post_20.html

<関連>「フランス人の熱量」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/01/blog-post_11.html

















2020年8月23日日曜日

バカンス期間中の怪我

 


 現在、断捨離中の私の部屋は、片付けるがゆえに、あちこちから引っ張り出したものが溢れて、まさに足の踏み場もないほどで、ただでさえ狭い部屋が大変なことになっており、しかし、その状態が長引いてくれば、なんとなく、そのまま生活するという、ほんとうにだらしないことで、生活しづらいままに、なんとなく、ずるずる暮らしてきたのです。

 日常は、私の部屋は、ほとんど寝る時くらいしか入らないので、そのまま放置されていたのですが、先日、明け方にトイレに起きた際に、半分、寝ぼけた状態で、何かをすごい勢いで蹴飛ばしてしまったのです。

 私の足の指は、妙に長くて、その足の指と指の間で何かをもの凄い勢いで蹴飛ばしたものだから、瞬間に、もの凄い痛みが走り、これは、ヤバい痛みだ・・と瞬時に思ったのですが、それは、半分、寝ぼけてのこと・・痛みに耐えながらもそのまま再び、眠り込んでしまったのです。

 そんなことは、すっかり忘れて、翌朝、目覚めて、起きて歩き出そうとした時、再び、激痛が戻ってきました。恐る恐る足元を見ると、どす黒く腫れ上がり、どうにも只事ではない感じ・・以前に、まるで自覚なしに家の中で縄跳びをして骨折をした前科のある私は、これは、もしかしたら、また、やってしまったかもしれない・・と思いましたが、今は、バカンス中で、いつものかかりつけのお医者さんもいないはず・・ちょっと一日様子を見よう・・と一日置いたのですが、痛みは全く引かず、仕方なく、代理のお医者さんの元へ行ったのでした。

 夏のバカンスの間だけ、アルバイト?で来ている、初めてお目にかかる若いアジア系の先生で、用心深く、診察してくれて、とにかく、足の指は、折れている可能性もあるから、レントゲンを取るようにと、レントゲン検査の処方箋を書いて、ついでに私がいつもまとめて、もらっている薬の処方箋リストも一つ一つ、まるでお医者さんではないような丁寧な字で結局、3枚にも渡って書いてくれました。

 骨折していたら、また別の処方箋を書くから、また戻ってきてください・・と言いながら、もう一つの私の薬のリストの中の睡眠導入剤を「これ、薬局で、問題なくもらえるんですか?」といかにも慣れない様子の上に、その睡眠導入剤のことを「NEMUSI ・・・」などと言うので、「???」となっていたら、「私は、日本語が話せないけどわかるんです!」と得意げに言うので、しばらく考えたのち、彼は、「NEMURIGUSURI」と言いたかったことがわかり、私が日本人とわかって、日本語を使おうとしてくれていたのでした。

 パリでお医者さんが日本語を使おうとしてくれたのは、彼が初めてで、なんだか、若いがゆえに、そんな気遣いをしてくれたことが、なんとなくもう母親のような気持ちで嬉しく、ちょっとほっこりしました。

 家に戻って、レントゲンを撮ってもらう病院の予約を取ろうと電話をすると、「今、夏休みで来週までお休みです。予約だけは、取れるので、次の電話番号にかけ直してください・・」と自動アナウンスが流れたので、ヤレヤレ休みか・・と思いながら、予約を取れるという電話番号にかけ直すと、また、「今、夏休みで来週までお休みです。予約だけは、取れるので・・」と全く同じアナウンスが流れます。

 ヤレヤレ、フランスでは、よくありそうなこと・・来週になったら、予約を取ろうと、今、私の足の指は、折れているのかどうか、わからない状態のまま、一応、前回、骨折した時に使った足を固定する重たい靴を履きながら、病院のバカンスの終わるのを待っています。

 前回、骨折した時は、まさか骨折しているとは思わずに、痛みに耐え、どうにもおかしい・・と思いながら、日本へ行って、2週間ほど忙しく日本で動いて、帰ってきても治らないので、いよいよマズいと医者に行ったら、骨折していたというくらいなので、一週間、気をつけながら過ごすのは、大したことはありません。

 しかし、その近所の病院、コロナのピーク時には閉めていたというし、夏のバカンスにも閉めちゃうし・・いかにもフランスな病院なのですが、近所でもしもの時にはと当てにしていた病院なだけに、コロナの直後に、どこか、緊急時に頼れる病院を探しておかなければ・・と思っていたのに、病院探しを忘れていたことを思い出したのでした。


<関連>「夏にバカンスで閉めるフランスのプールとラーメンを出さないラーメン屋」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2019/07/blog-post_29.html


「ロックダウンのためにずっと行けなかった血液検査に行って驚いた」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/06/blog-post_20.html

 

2020年8月22日土曜日

フランスで17年間解決しなかった9歳の少女の失踪事件 アルデンヌの殺人鬼

   

    Estelle Mouzin a été enlevée le 9 janvier 2003 à Guermantes en Seine-et-Marne.

 

 事件が起こったのは、2003年の1月9日。パリの西、約30キロにあるセーヌ・エ・マルヌ県ゲルマントの住宅街でした。パリ通勤圏ののどかな街です。9歳の少女エステルちゃんは、小学校からの帰り道、家から750m離れたパン屋さんの前で、午後6時15分頃に通行人に目撃されたのを最後に忽然と姿を消してしまいました。

 当時、フランス、特にイル・ド・フランスに住んでいた人で、彼女の顔写真を見たことがない人は、いないだろうと思われるくらい、長いこと彼女の写真は、至るところに貼られ、長い間、捜索が続けられてきました。

 その頃は、うちの娘は、まだ学校へ通う年齢ではありませんでしたが、同じ年少の女の子の失踪?誘拐?事件として、特に強く印象に残っています。

 実際に、事件の捜査の規模から考えても、過去20年間での最悪の事件とされてきたことがわかります。

 犯人と見られるミシェル・フルニエという男は、エステルちゃんが失踪した?年の同年6月にベルギーで13歳の少女を誘拐しようとして、少女が車から逃げ出したことから、逮捕されるに至りました。

 彼は、1987年から2003年までの間にアルデンヌを中心にフランスとベルギーの間を行き来しながら、12人を殺害したことを自白していますが、これまでエステルちゃんの事件に関しては、捜査員がこの事件に関心を持っていることを面白がる様子を見せたりしていましたが、彼の事件への関与に関しては、一切、認めることはありませんでした。

 捜査は、難航し、2010年には、エステルちゃんが16歳になっているであろうモンタージュ写真を再び公開して、再捜査にあたっていて、その頃にも、その写真を見かけて、エステルちゃん、まだ見つからないんだ・・と思っていました。

 2018年には、彼女の父親が操作上の重大な過失について、国に対して申し立てをし、これまで17年間、捜査がお蔵入りになることは、なかったのです。

 ここへ来て、ミシェル・フルニエの元妻が、元夫がエステルちゃんを下校時に誘拐し、そこから200km離れたヴィルシュルルムの彼の姉の家に連れて行き、強姦して殺害したことを証言したのです。ヴィルシュルルムの家から押収されたマットレスから、エステルちゃんのDNAが発見され、17年間未解決であったこの恐ろしい事件は一気に解決へと向かい始めたのです。

 ようやく本人も犯行は認めたものの、一切、彼の起こした犯罪を微塵も後悔することはなく、むしろ誇らしげな様子で、「まだ、遺体を見つける仕事が残っている・・」などと、言っているという異常者です。

 17年間探し続けていた少女は、その日のうちに連れ去られ、暴行されて、殺されていたと思うとやりきれない気持ちです。

 日本では、小学校入学と同時に子供同士で通学したり、また私立の小学校に通う子供などは、長距離を電車やバスで通学しているのを見ると、日本は、いいなぁ・・と思ったりしたこともありましたが、フランスでは、小学校卒業までは、送り迎えが常識です。こんな事件もあったりして、何かあったりしたら、悔やんでも悔やみきれない・・と思いながら、仕事が終わってバタバタと娘のお迎えに通った保育園、幼稚園、小学校の10年以上。

 幸い、何事もなく、娘は無事に成長しました。

 フランスには、死刑制度はないので、彼のような人は、たとえ何人殺しても終身刑です。フランスは、治安は決して良くありませんが、これだけ多くの犠牲者を出した事件はなかなかありません。

 この事件が再び、世間を賑わせているのを見ながら、何事もなく、生き延びることは、当たり前ではないと改めて思わされます。


<関連>「決死のお迎えである日、気付いたこと・・フランス人は走らない」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/01/blog-post_58.html

 





 

2020年8月21日金曜日

パリの自転車人口が急激に増えた

 


                           パリの Vélib(ベリブ)貸出自転車


 ほんの数年前までは、フランス人にとって、自転車は、レジャーやスポーツであり、交通手段(移動手段)ではありませんでした。自転車は、街中で乗るものではなく、週末やバカンスの際に車に積んで行って、広々とした自然の中で楽しむものでした。

 街中でも自転車に乗らないわけではありませんでしたが、盗難が酷く、私も買ったばかりのママチャリのような自転車を盗られたことがありました。娘がスイミングの授業にプールに行くのに乗って行って、ちゃんと太い金属製の鎖の鍵をかけていたにも関わらず、ガッチャリ鎖を切られたようで、日中のほんの1〜2時間にも関わらず、彼女がプールから出てきた時には、影も形もなくなっていたのです。

 ですから、フランスの場合、ちょっと自転車で買い物に・・なんて、気楽に自転車で出かけるわけには行かず、よほど、頑丈な鍵をつけておかなければ、買い物が終わって、出てきたら、自転車がない!なんていうことも、充分あり得るので、気安く自転車でお買い物にも行けませんでした。

         


 この写真のように、自転車ごと盗られなくても、タイヤやサドルだけでも盗られてしまうのですから、本当に油断なりません。

 それが、ここ数年、環境問題が叫ばれるようになって、パリには、Vélib(ベリブ)という貸出自転車のシステムができて、パリの多くの場所には、ベリブの自転車が設置され、登録すれば、自分の出発地に近いベリブのステーションから自分の好きな時に自転車を借りて、目的地の近くのベリブのステーションに返すことができるようになって、グッと自転車を使う人が増えました。ベリブなら、盗難の心配をする必要もありません。

 そして、今回のコロナウィルスの感染拡大回避のために公共交通機関を避け、自転車を使って通勤、移動する人がさらに増えました。自転車で通勤する人には、会社が自転車通勤のための援助金を出している場合もあるくらいです。道路にも自転車用の通路が整備され、本当にびっくりするほど、自転車を利用する人が増えました。

 急激に増えた街の中の自転車にちょっとギョッとするほどです。ここ・・パリだよね・・と。

 しかし、ベリブを除けば、個人の自転車は、かなり年期の入った自転車も少なくありません。リュックを背負ったり、ベストを着たり、かなり本格的ないでたちで自転車に乗る人も多いです。そこには、以前のフランス人にとっての自転車のあり方が垣間見える気がします。

  フランス人の車の運転の荒さは有名ですが、自転車用のスペースとはいえ、その自動車とともに車道を走る自転車の事故がないわけはありません。自転車による死亡事故まで起こっています。

 コロナウィルスの感染を避けて、自転車に乗っているのに、自転車事故で亡くなってしまうのは、なんとも皮肉な結果です。

 そういう私も最近は、出来るだけ、バスやメトロの公共交通機関を避けて、かなりの長距離を歩いたり、自転車で移動したりするようになりました。家には、自転車があるので、ベリブは利用せずに、どうにも簡単に切られたりできないほどの強力で重たい鍵を自転車に取り付けて、買い物をしたりする間には、鍵をきっちりとかけています。鍵をかけたり、外したりが面倒で、何軒もはしごして買い物をするのが億劫になる鍵です。

 コロナウィルスを避け、盗難や事故に怯えながら、自転車に乗る生活。健康的ではありますが、どちらにしてもリスク満載な、パリです。


<関連>「パリの盗難被害 パリの泥棒は、なかなか捕まえてもらえない」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2019/06/blog-post_6.html

「パリで犯罪から身を守る方法は、まず、犯罪の手口を知ること」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2019/11/blog-post_10.html

2020年8月20日木曜日

フランス人のサッカーへの熱量

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 昨夜の夜のニュースを見ながら、私は、唖然としていました。もはや、意味がわからない、サッカーのチャンピオンシップの試合がポルトガルで行われていて、その試合にフランスのチームが勝利して、決勝進出を決め、サッカーのサポーターがその勝利に酔いしれて、シャンゼリゼを含むパリのいくつかの場所で、何百人もの人々が大騒ぎして、その勝利を喜ぶ人々が街に溢れ出した様子を報道していました。

 彼らの表情には、まるで躊躇いはなく、微塵も後ろめたさも感じられず、まるで、今年は、何事もなかったかのようなはしゃぎようでした。

 テレビのニュースの報道も、興奮に溢れかえる人々を生中継しながらも、「マスクをしていない人がいますね〜」などと時折、言うだけで、人々が興奮して、街に溢れかえる様子に取り立てて、疑問を投げかける様子はありませんでした。

 「ウェ〜イ!ウェ〜イ!」とマスクなどするわけもなく、肩を組みながら跳ね回って、勝利を喜ぶ人々は、当然のことながら、飛沫、飛ばしまくり、シャンゼリゼには、花火まで上がり、発炎筒もあちこちに炊かれ、まるでコロナなどなかったかのような盛り上がりようでした。 

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 私は、この人たちは、ちょっとバカなんじゃないかと思いながら(ちょっとではない)、その映像を呆然と眺めながら、この先、フランスは、どうなっていくのだろうかと、ちょっと言葉がありませんでした。

 なぜ、テレビの報道もこの状態を問題視しないのか? 警察もなぜ?この状態を取り締まらないのか? わけがわかりませんでした。

 一夜明けると、報道も一変して、 「こんなにソーシャルディスタンスも考えず、マスクもせず、大勢の人が騒いでいました・・」みたいに、平然と真逆の報道の仕方をしており、「おまえたちも、昨夜は、普通にサッカーの勝利を讃える報道ばかりしていたではないか?」と、あまりの豹変ぶりにそれはそれで、唖然とさせられるのでした。

 政府も、日曜日に行われる決勝戦に関して、今回のような騒ぎにならないように、シャンゼリゼに関わらず、あらゆる場所での10人以上の人の集まりを禁止する通達を出しました。

 平常時ならば、サッカーの試合で盛り上がって、フランスのチームを応援するのは、楽しく、微笑ましいことですが、今年のような非常時に何もかも忘れたように大勢で集まって熱狂している光景は、本当に理解に苦しみます。

 何もかも忘れて騒ぎたい気持ちはわかりますが、あれほど、何の屈託もなく、大勢でサッカーの勝敗に熱狂する人々に私は、やはり違う血が流れている人たちだと感じずには、いられません。ヨーロッパの人のサッカーへの熱狂ぶりは、恐ろしいものがあります。以前、私がイギリスの障害者施設でスタージュをしていた時に、半身不随で満足に口がきけない若い男の子がいましたが、彼は、サッカーの試合を感染に行って、興奮する観客に巻き込まれての事故で一生、このような障害を追う結果となったと聞いて、びっくりしたことがありました。

 何かに、(サッカーに)熱狂した時の彼らのエネルギーに、私は、ちょっと、桁違いのものを感じるのです。

 来週の日曜日は、チャンピオンシップの決勝戦です。


<関連>「フランス人の熱量」

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2020年8月19日水曜日

フランス企業 9月1日から社内でのマスク着用義務化 なぜ、9月まで待つのか?

Le port du masque obligatoire dans un centre d\'appel à Favars (Corrèze), en août 2020.


 フランス労働省は、公衆衛生局が観測した現在、増加中の疫学的指標と、公衆衛生高等評議会(HCSP)の勧告に基づき、9月1日から、フランスの企業ではマスクの着用を義務付けることを発表しました。

 現在、フランスで起こっているクラスターの50%以上が会社で起こっていることを考えれば、当然の措置だと思います。むしろ、なぜ?9月1日まで待つのかが疑問なくらいです。

 社内でのマスク着用が義務付けられ、強制的にマスクを着用しなければならない場合は、会社側がマスクを支給しなければなりません。それは、工事現場や工場などでのヘルメットや安全靴の着用が義務付けられているように、雇用主は従業員に適切な安全保護対策を提供する義務があるため、従業員にマスクを提供する義務があるということになります。

 おそらく、9月1日という日付の設定は、そのための会社側の準備期間として猶予期間が設けられたと思われます。

 会社内では、個人のオフィスに一人でいる人を除き、会議室、オープンスペース、廊下、ロッカールーム、カフェなどの全ての共有閉鎖空間でのマスク着用義務を体系化するとしています。

 これに対しては、早くも組合と会社間でのせめぎ合いが始まりそうで、早くも、あまりに強制的なやり方は逆効果、マスク着用によって消耗するので、休憩時間を増やすべき・・などの声と同時に、これに従わない場合に懲戒処分もあり得るなどとの意見も出始めています。

 これを機に、アンチマスクのまたデモやストライキなどの騒ぎになりそうで心配です。

 おそらく、可能な限り、リモートワークにすることが必要だと思われます。

 しかし、現在、会社で多くのクラスターが起こっているということは、現在は、夏休みの学校も、再開すれば、同様の危険が十分考えられるため、一定以上の年齢の学生の集まる学校でも、再開時には、マスクが義務化されることでしょう。

 こんな風に、会社でのマスクの義務化が発表される中、昨日は、フランスのチームがサッカーのチャンピオンリーグの決勝進出が決まったとかで、パリではシャンゼリゼなどで、サポーターたちが大勢集まっての大興奮状態。



 まるで、違う時代の違う世界を見ているような人混みと飛沫飛ばしまくりの熱狂状態に唖然とさせられました。いくら、サッカー観戦の観客数を制限しても、サッカーの勝利の結果がこの状態を生むのであれば、虚しいとしか言いようがありません。いくら、会社や学校でマスクをしても、このようになんだかんだと言っては、集まって騒ぐ一定の人たちがいる限り、フランスの感染は、おさまるはずがありません。

 ちょうど2週間後には、フランスでは新年度が始まります。


<関連>「フランス人の熱量」

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2020年8月18日火曜日

フランスへの留学を考えている人へ

 


 昨日、日本にいる従姉妹からメッセージが入っていて、彼女の近況とともに、8月末から一年間の予定でフランスに留学する人がいるのだけれど、色々と心配なことがありそうで・・という連絡をもらいました。

 そういえば、これから新年度を迎えるフランスに留学する予定の人、また迷っている人もいると思い、今のフランスへの留学を考えている人へ何か参考になればと思い、できるだけ客観的にフランスの今の状況について書いてみようと思います。

 現在のフランスのコロナウィルスの感染状況は、決して良い状態ではありません。新規感染者数が先週末から3000人以上に増加し、今日の報道では、フランス北東部 Pulnoyという地域にある老人ホームでクラスターが起こり、一週間で一箇所の施設で9名がコロナウィルスのために亡くなっていたことが発覚しています。

 ロックダウン解除後に面会に来ていた家族がマスクを外して入居者に接していたり、ソーシャルディスタンスを十分に取っていなかったことからの感染ではないかと言われていますが、やはり特に高齢者が感染した場合の危険を物語っています。

 中でも、パリを中心とするイル・ド・フランスは、多くの人がバカンスに出ている今でさえ、感染状況がレッドゾーンになっています。その他の地域でもマスク着用が義務付けられている場所が多くあるので、マスク着用は、必須です。

 日本から来られる方には、マスクの着用については、問題はないと思いますが、問題なのは、それでもマスクをしない一定数のフランス人がいることです。マルセイユでは、マスク着用義務化に際して、機動隊を動員することになっています。マスク着用義務化に機動隊まで出動しなければならないということは、どういうことなのかお察し下さい。

 昨日もパリ→ニース行きのTGVの中で、どうしてもマスクを拒否し続けた乗客がTGVから降されたというニュースがありました。そして、マスクをしていない人を注意した人がバットで殴られたとか、襲われたという話もいくつか出ています。最悪の事態は、南仏のバスの運転手が乗客にマスクをするように注意して、暴行を受けて殺された事件も起こっています。

 しかし、今のところ、新規感染者は、かなりの割合で増加してはいますが、感染しても発症していない人が多いため、病院の集中治療室などの状況は、今のところ、深刻な状態にはなっていません。

 現在は、こちらの小中学校の9月の新年度の再開についても、どうやって再開するのか?少しずつ、議論が始まっていますが、今のところ、衛生管理、マスク着用などを考慮して、再開する予定にしているようです。

 衛生管理といっても、常日頃の衛生レベルが日本とは違うので、どこまで徹底できているのかは、疑問ではあります。トイレ一つを取っても、どこへ行ってもウォシュレットがある日本と違って、便座さえないトイレがフランスには、結構あります。今は、衛生管理に気をつけているため、いつもは臭い駅のトイレなども臭いが消えています。

 また、同じパリの中でもお住まいになる地域によって、驚くほど治安は違います。

 色々、驚くことはあるでしょうが、それでも、無事に生活している人がほとんどなので、本人さえ、状況を把握して、それなりの対策を取って対応していけば、暮らしていけるとは思います。私も20年以上、パリで生き延びています。

 そして、コロナウィルスの有無に関わらず、どんな時でも、自分の意思をはっきりと伝えることは、大切です。黙っていても、周りが察してくれるということはないと思った方が良いと思います。自分の意思をはっきりと伝えず、何を考えているのかわからない人は、好まれません。

 逆に、困った時には、遠慮せずに、思い切って頼ってみると、フランス人は意外と親切です。たとえ、意見が違う人と、言い合いになっても、その後は、意外とカラッとしていて、根に持たれることも滅多にありません。

 ・・そんなことを言っている私は、フランスでの留学経験は、ないのですが、フランスは、正規の大学等の留学に対しては、かなり好待遇をしてくれる話をよく聞きます。住宅補助金や健康保険等もしっかり手続きをすれば、受け取ることができるようです。そんな留学生への対応に対して、フランスは、外ヅラが良いと言うフランス人もいます。

 それぞれの立場や受け入れ先の学校によって、状況は違うと思いますので、まずは、受け入れ先の学校へ問い合わせるのが一番だと思いますが、その問い合わせというのが、なかなか、スムーズにすすまないことが多いですが、メール等の文章で、問い合わせれば、少し、時間がかかりますが、メールなら、大抵、返事があります。

 このパンデミックがいつまで続くのかわからない現在では、この状況でできることをしていかなければならないので、必ずしもフランスは、危険だからやめた方がいいとも言えません。後悔のないように、情報を収集して、最後には自分で決断するしかありません。

 しかし、学校によっては、授業が行われない可能性もあるので、事前にしっかりと学校と連絡を取る必要があると思います。もしも、リモートワークしか行われないのであれば、わざわざフランスまで危険を押して来ることはありませんから・・。

 空港でのチェックについては、今のところ、日本は危険地域に指定されていませんので、検査で留め置かれることはありません。

 それから、9月にはすでに複数のデモが予定されています。おそらく、毎週土曜日は、どこかで、必ずデモをやっています。もしも、フランスに来られたならば、日本大使館に在留届を出せば、デモやフランスでの新しい規制などについて、日本語でのお知らせをメールで送ってくれるので、在留届は、必ず出すことをおススメします。

 そういう我が家の娘も10月から、留学の予定になっています。しかし、今のところ、はっきりと予定が決まらず、ペンディングになっています。

 どうするのかは、結局は、自分で考えて決めることなので、私は、できるだけ安全の確保をしながら、彼女には、自分で決断して欲しいと思っています。

 

 ★Twitterでは、フランスのことを中心に発信しております。(関係ないことも多いけど)

 Twitter// @OoieR 


<関連>「フランス(ヨーロッパ)でコロナウィルスが広まる理由」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/03/blog-post_19.html


 

2020年8月17日月曜日

ヨーロッパ各地で起こっているマスク反対(アンチマスク)デモ

Un manifestant contre les mesures anti-virus à Bruxelles ce dimanche


 ヨーロッパでは、コロナウィルスの第2波とも見られる兆候が顕著になってきたことにより、マスク着用が義務付けられたり、ソーシャルディスタンスを取ることを促したりする行動制限の措置を取る国が増えてきました。それにつれて、ヨーロッパ各地では、マスク着用義務化やコロナウィルス対策のための行動制限反対を訴えるデモが起こり始めています。

 ヨーロッパでは、アンチマスク感情が高まっているのです。

 すでにドイツでもマスク反対のデモが起こっていますし、先週末は、ベルギー・ブリュッセルで数百人が集まるアンチマスク、行動制限反対の集会が行われ、スペイン・マドリッドでも首都の中心部にあるコロン広場を飾る巨大なスペインの旗の下に、「自由!」の叫びとともに、ソーシャルネットワークによって動員された群衆が集まりました。

 デモ参加者は、「ウイルスは存在しない!」、「マスクに殺される!」、または「私たちは恐れていない!」と宣言した標識を掲げ、アンチマスク、行動制限反対を訴えています。

 今回のコロナウィルスのパンデミックでは、とりわけ甚大な被害を生んでいるヨーロッパです。現在は、アメリカやブラジルなどの国の被害が目立ちますが、ヨーロッパ全体として括ると16万人近い死者を出しているのです。

 そんな国々の人々がマスクに反対したり、ウィルスは存在しないと言い張ったりしている現状には、全く理解ができません。「私の身体、私の選択で行動する!」「私たちの国でルールを決定するのはウイルス学者や医師ではありません!」など、彼らが掲げている文言は、はっきり言って、めちゃくちゃです。

 それでも勝手にすればいいと言えないのがコロナウィルスの怖いところで、ウィルスは確かに存在しているし、感染の勢いを増しているのです。マスクをしない人だけが感染するわけではないのです。

 ところが、不思議なことに、常日頃は、あれだけデモが大好きなフランスでは、今のところ、アンチマスクのデモは目立って行われてはいないのです。フランスの世論調査では、53%の人がコロナウィルス感染に不安を感じているとの結果が出ていますが、彼らがアンチマスクのデモを起こしていないのは、不安のためにマスクをすることを容認しているからではなく、今のところ、スペインやブリュッセルに比べると、フランスは、そこまで厳しい制限が行われていないこともあると思います。

 しかし、実のところは、現在は、フランス人は、バカンスの真っ最中で、彼らの意識がデモに向かっていないだけだと思います。バカンスが終わって、デモモードにスイッチが入り、アンチマスク感情に火がつけば、私は、フランスでも必ず同じことが起こると思っています。

 以前から、彼らがマスクが嫌いなことは、わかっていましたが、それにしても、彼らのマスク嫌いがここまでとは・・そして、彼らが嫌いなのは、マスクだけでなく、強制されること、行動を制限されることなのです。

 いみじくも、このコロナウィルスとの戦いが始まった時、マクロン大統領は、「我々は、戦争状態にある」と宣言しましたが、まさに、今の状況を見ていると、戦争を知らない私でさえ、国民を統制するために戦時中、上にモノを申すことが絶対的にタブーであった実情を思います。

 戦時中のような統制が正しいとは、全く思いませんが、ウィルスと戦のに国民を統制するために、ヨーロッパはどうすれば良いのでしょうか?

 たかがマスクぐらい、すればいいじゃない?と思うのですが、彼らがアンチマスクや行動制限反対を叫ぶのは、実は、マスクそのものよりも、彼らが培ってきた、ヨーロッパの国境をせめぎあいながら、自分を主張し、自らの道を生きてきた彼らの歴史が背景にある、統制されることへの反抗なのかもしれません。


<関連>「フランス(ヨーロッパ)でコロナウィルスが広まる理由」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/03/blog-post_19.html

 

 



 

2020年8月16日日曜日

とうとう一日の新規感染者が3000人を超えたフランス コロナウィルス第2波

 

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 ここ数日のフランスのコロナウィルスの新規感染者数は、2524人、2669人、2846人と増え続け、とうとう昨日は、3000人の王台を超えて3310人になりました。

 つい、一ヶ月前は、500~600人、せいぜい800人前後であったのが、7月末には、1000人を突破し、8月に入ってもグングン増え続け、とうとう3000人を突破してしまいました。

 7月に入って、ギリギリまでバカンスの予約を躊躇っていたフランス人も、結局は、バカンスを諦めることはせず、行く先を海外から国内に変更したり、公共交通機関を避けて、車での移動に切り替えたりする工夫をしながら、バカンスシーズンに突入しました。

 バカンスシーズンに突入と同時に、各国の経済復興を鑑み、ヨーロッパ内の往来ができるようになりましたが、感染状況が酷いスペインなどには、行かないように呼びかけられたりしていました。

 スペインは、ロックダウン解除後、ヨーロッパの中では、他のヨーロッパの国に比べるとかなり多くの新規感染者を出していましたが、フランスがここへ来て、スペインを追い越しそうな勢いです。

 3000人の壁を超えたのは、いみじくも、本格的に多くのフランス人がバカンスに出るタイミングの8月1日から、ちょうど2週間後のことです。その間も感染が増え続けたため、フランス各地で屋外でもマスク着用が義務化が広がり始めました。

 しかし、マスク着用義務化もフランスでは、なぜか簡単なことではありません。マスク着用義務化の地域が拡大されるたびに、マスクは必要か? どうやって徹底させるか?といったマスク論争が延々と続けられています。折しも先週は、猛暑日が一週間近くも続き、ただでさえマスク嫌いのフランス人にとって、マスク着用は、さらに厳しいものになりました。

 しかし、マスクを付けることが、なぜ、そこまで徹底できないのか、日本人である私には、全く理解ができません。娘に言わせると、マスクをする習慣が全くない人にとっては、大変なことなのだと言います。(彼女はマスクをしていますが・・)

 このタイミングで感染が拡大していることを考えれば、バカンスがフランスの感染拡大の大きな原因になっていることは、明らかですが、もう一つの大きな要因は、「油断」です。

 フランス人の多くは、「まあ、自分たちは、大丈夫だろう・・」と思っているのです。ここへ来て、屋外のマスクの義務化が進む中、会社内でのマスクの義務化をどうするか?という論争になっています。

 一日、8時間以上、マスクをし続けるのは、危険ではないか? 一日中、パソコンの画面に向かって仕事をしているのにマスクは必要ないのではないか? などなど、マスクをしない言い訳を探しています。しかし、そもそも一日中、パソコンに向かっているなら、出社する必要があるのでしょうか? ロックダウン中は、リモートワークが推奨されていた中、ロックダウンが解除になって、リモートワークの割合が減少しています。

 現在は、バカンス期間中ですが、大学生にとっては、一般企業などでのスタージュ(インターンシップ)の期間でもあります。今の状況で、スタージュを受け入れてくれる会社を探すことだけでも大変ですが、実際に、つい先日まで一般企業でスタージュをしていた娘の友人などは、明らかにリモートワークでできる業務内容でありながら、出勤することを余儀なくされていたと言います。社員ではなく、スタージュの学生でさえも出社している・・そんな状況が感染を拡大させる一因となっているのです。

 みんながバカンスに出かけていることで、あたかも安全な状況になっているような錯覚を抱いているのです。少なくとも、マスク問題に関しては、5月11日にロックダウンを解除する時、まだ、コロナウィルスに対して国民がかなりの恐怖心を持っていた時点で、外出の際には、マスク着用を義務化するべきでした。

 その時点から、義務化されていれば、フランス人ももう少し、マスクをすることに慣れていたと思います。

 ロックダウンの2ヶ月間でせっかく減少したコロナウィルスの感染状況が、台無しになりそうな気配です。これまで、スペインが危険だ!とヨーロッパ内ではスペインが避けられていましたが、ここへ来て、イギリスがフランスからの帰国者に対しては、2週間の自宅待機を義務付けることを発表し、フランスに来ていたイギリス人が慌てて帰国し、ユーロスターのチケットが一時、急騰したそうです。

 このような状況でも、フランスでは、コロナウィルスの第2波が来た場合は・・などと話しているのを聞くと、第2波の定義は、何なのか? 今、新規感染者が急増している状態が第2波と言うのではないのか?と疑問に思ってしまいます。

 8月末まであと2週間、現在、フランス国内の中でも、パリとブッシュドローニュ(フランスのプロバンス・アルプ・コートダジュール県)での感染がレッドゾーンとされています。何といっても、人口の多いパリの住民がバカンスから戻って、新年度を迎え、学校も始まり、気温も下がり始めます。

 バカンスに入る前から予定されているデモも9月には、再開されます。

 新規感染者が2000人を超えたのが、一週間前です。一週間で1000人増加は、やはり尋常ではありません。この増加傾向をなんとか抑えないまま9月を迎えれば、大変なことになるのは、必須です。

 

<関連>「猛暑の中の感染拡大・新規感染者2000人超えのフランス」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/08/2000.html

2020年8月15日土曜日

モーリシャス沖合での日本貨物船座礁事故にだんまりを決める日本政府

        


 ここ一週間ほど、フランスでは、インド洋に浮かぶ美しいモーリシャスの沖合が、商船三井が運行する日本の貨物船の挫傷により、重油が流出した事故について、ほぼトップニュースで毎日のように伝えています。

 「WAKASHIO JAPON(ワカシオ・ジャポン)」という言葉が聞こえない日はないほどです。フランスのニュースによると、3800トンの重油と200トンのディーゼルを積んだわかしおは、7月25日にモーリシャスの南東にあるポワントデズニーの海域に座礁し、約800トンの重油が流出し、サンゴ礁、マングローブに覆われるターコイズブルーの海域が真っ黒に汚染され、住民が油膜と戦っている映像が流されています。海の美しさが余計にドス黒く広がる重油の悲惨さを引き立てています。

 この事故をめぐっては、船が座礁してから、一週間以上対策が取られなかったことから、被害が拡大してしまったことも問題視されています。

 モーリシャス共和国の首相は、ツイッターで、フランス国家及びマクロン大統領に支援を求める一方で、「WAKASHIOの沈没は、モーリシャスにとっての重大な危険を及ぼしている」と、環境緊急事態を宣言しました。

 マクロン大統領もモーリシャスからの援助要請に応え、すぐに「モーリシャスの海洋生態系が危機に瀕している現在、緊急な対応が必要です。フランスは、モーリシャスと共にあります。現在、レユニオン島のチームと救援の装備を配備しています。私たちを信頼してください。」とツイートし、実際に、フランスはモーリシャスへの救援活動を開始しています。

 つい先日もレバノンの湾岸倉庫爆発事故で、フランスは、「レバノンを決して見捨てない」とレバノンへも手を差し伸べ、他国と共にレバノンへの援助を開始したばかりです。フランス国内もコロナウィルスの感染が拡大し、大変な経済危機に瀕しているのに、あっちもこっちもと大丈夫か?とも思う反面、頼もしさも感じます。

 船を所有する長鋪汽船は、13日、賠償については、誠意を持って対応すると発表しましたが、実際に長鋪汽船の専門家チーム6名が調査のために現地に到着したのは、事故から3週間後のことでした。

 この「誠意を持って対応する」といういかにも日本らしい曖昧な、まことに誠意が感じられない声明と対応の遅さ。打撃を受けた生態系の回復には、20年かかると言われています。この20年かかると言われている保証は、もはや、一会社単位で賠償できる問題ではありません。

 歴史的な繋がりがあるとはいえ、「モーリシャスと共にいる」と宣言して、即刻、救援行動を起こすマクロン大統領と、関係は薄いとはいえ、加害者である船主会社の国である日本の首相が、まるでだんまりを決め込んでいるのは、どう考えても、情けない限りです。

 だんまりを決め込んで、賠償金を払うだけで、騒ぎがおさまるのを待つつもりかもしれませんが、「だんまり」は、沈黙のもとに、「日本は、こういう国である」ことを世界に発信していることに他なりません。

 日本では、あまり大々的には、報道されていないようですが、世界中では、大きく報道されている事故です。やたらと対面を気にしているのかと思えば、肝心な時に、日本政府が的確な対応ができないことをとても残念に思います。

 「誠意を持って対応する」という船主会社からだけの言葉だけの誠意のなさを、日本は、この事故で世界に発信しています。


<関連>

100年に一度くらいのことが立て続けに起こる年 レバノンでの湾岸倉庫爆発事件」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/08/100.html 

 

 










2020年8月14日金曜日

パリで日本食を作るためにする買い物 タン・フレール(アジア食材店)のおススメ商品

  Vos produits asiatiques en Tang frères en ligne chez Asia marché


 我が家の食卓は、6割がた和食で、日本人が普通に日本で食べている洋食や中華を含めたものを日本食とするならば、さらにその割合は上がります。何しろ、家族揃って食べることが大好きなので、食べるためには、必死です。

 ですから、日本へ一時帰国した際には、帰りの荷物の99%は、食料品なのですが、日本から持ってこれるものは、お米や出汁の類や乾物類等、限られているので、当然、パリで調達できるものは、パリで調達することになります。

 普段、近所のカーフールなどで買える食品は、肉や野菜や乳製品など、日常の必需品ではあるものの、それだけでは、我が家の食卓を満たすことはできません。以前は、職場の近くに日本食料品店がいくつかあり、チケット・レストラン(Ticket Restaurant=昼食補助のために多くのフランスの会社が社員に支給しているレストランで食事ができるチケット)で買い物ができたりしたので、休み時間に日本食材を買いに出かけたりしていたのですが、最近は、日本食料品店には、行かなくなりました。

 最近は、もっぱら、パリには、何件もある中華をはじめとするアジア食料品店 Tang Frères(タン・フレール)で買い物をしています。日本食材店よりも安いうえに、中華や韓国、タイなどの食材も手に入り、カーフールでは扱っていない野菜等の種類も多い上に、肉や魚までも扱っていて、日本の食料品でなくとも、代用品のようなものでなんとかできる商品や方法を見つけているからです。

 タンフレールで買えないのは、納豆くらいでしょうか? しかし、最近は、大豆を売っているので、大豆を買ってきて、納豆も自分で作ります。

 しかし、近所ではないので、せいぜい2〜3ヶ月に一度くらいしか、行きませんが、一度行くと、まとめ買いをしてくるので、それくらいで何とかなっています。

 タンフレールで買うものは、インスタントラーメン、春雨、豆腐、油揚げ、ワンタンの皮、醤油、ごま油、お酢、オイスターソースやブラックビーンソース、豆板醤、ラー油、パン粉、片栗粉、大根、白菜、キャベツ、タケノコや、らっきょうやキムチの缶詰、そして、枝豆やそら豆、オクラ、里芋、ハスなどの冷凍野菜、冷凍の牡蠣やエビ、烏龍茶の葉などなど、ざっと思いつくだけでも大変な量になります。

 カーフールでは、豚のひき肉を買えないため、タンフレールに行った時には、豚肉をひいてもらって、豚ひき肉をまとめて買って、少しずつ小分けにして冷凍してあります。

 今日は、少し、私のタンフレールで買っているお気に入りの商品をご紹介します。

 最近のヒット商品は、ラー油です。これには、唐辛子だけでなく、干しエビや黒豆なども入っていて、ちょっと食べるラー油のような感じですが、なかなか味わい深いです。この他に李錦記の商品は、ソースの種類も多く、エビチリや酢豚の素のようなものもあり、少々、味は濃いめ?ですが、なかなか重宝しています。


 そして、カレーに付き物のらっきょうの缶詰め・冷やして食べるとカリカリの食感で、味は、日本のらっきょうに近いです。キムチは、そのままのものもありますが、缶詰めや瓶詰めだと日持ちするので便利です。


   


  これは、中国のお漬物のようですが、刻んでごま油、唐辛子と白ゴマを加えて炒めると高菜炒めのようになります。おにぎりの具としても美味しいです。


      


 また、これは、チャーシューソースですが、少し甘めなので、白ワインで少し薄めて使っています。チャーシュー用の肉だけでなく、スペアリブなどにつけて焼くのも美味しいです。


         


 そして、フランスのスーパーでは買えない殻から外してある大ぶりの冷凍の牡蠣(韓国製)は、牡蠣フライやお鍋、酢牡蠣、バターソテー、グラタンなど色々使えて便利です。タンフレールで売っている冷凍のエビもプリプリでとても美味しいです。

 



 この他にも、ご紹介したいものは、たくさんあるのですが、今日は、このくらいにしておきます。

 先日は、ピカールのお世話になっています・・という記事を書きましたが、タン・フレールにも大変、お世話になっております。夏には、パリでは、あんまり買えないとうもろこしも買えます。

 フランスは、コロナウィルスの第2波の感染と思われるような状況で、日々、厳しい制限が敷かれています。再び、ロックダウン・・なんてことにならないうちに、そして、バカンスに出ている人がパリに戻ってくる前に一度、タンフレールで買いだめしておこうと思っています。

 忘れていました。この冷凍のあんまん(黒ごま)美味しいです。甘すぎず、黒ごまの香りが良いです。



<関連>「PICARD(ピカール) のお世話になってます・私のピカールのおススメ商品」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/08/picard.html










2020年8月13日木曜日

今どきあり得る? 突然の停電




 我が家のアパートは、オール電化というと聞こえはいいですが、全てのものが電気に依存して動いています。とはいっても、ガスがないというだけで、キッチン、冷蔵庫、電話、インターネット、お風呂、シャワーなどの全て、電気が落ちると完全にストップしてしまいます。

 先日、祝日の日のお昼頃、突然、テレビが消えて、あれ?とうとう本格的に壊れたかな?(テレビが・・)と思いながら、呑気にそのまま、お料理をしていました。しかし、作っていた卵焼きがなかなか焼けず、おや?と思って、オーブンを魚の入ったオーブンを覗いてみると、オーブン途中でストップしており、ガスのように突如、火が消えるというのではないので、最初は、電気が切れたことも気がつきませんでした。

 こんなことが、たま〜に起こるのですが、ブレーカーをあげれば、すぐに元に戻るので、甘く考えていました。その日もブレーカーをあげると、一瞬、元に戻りましたが、またしばらくすると切れてしまうのです。

 今日は、和食にしようと張り切って、食事の支度中だったのに、お味噌汁とひじきの煮物はできていたものの、卵焼きは、ギリギリセーフで完成、お魚が焼けたら、冷凍してあるご飯をチンしようと思っていた矢先でした。

 何度か、少しずつ時間を見ては、ブレーカーを上げようとするのですが、もはや、ブレーカーさえも上がらなくなっていて、その頃から、事態は深刻になってきました。

 今日は、祝日、管理人さんもいないだろうし、修理の人を頼もうにも、絶対に休みでやっていません。ましてや、今は、バカンスの真っ最中。そんな時にやっている業者は、恐ろしい金額を請求される・・と、一気に頭の中で色々なことを考えました。

 とりあえず、出来上がっていたひじきと卵焼きと生焼けのお魚を食べながら、そういえば、冷蔵庫、冷凍庫の中のものもダメになってしまう!出来るだけ、冷蔵庫の温度を下げないように、冷蔵庫は開けないようにしなくては・・いやいや、冷蔵庫の中のものを食べてしまわなければ・・と娘と二人で悶々としながら、食事をし、結局、冷蔵庫(冷凍庫)の中のものを・・と思って、食べたのは、アイスクリームだけでした。

 こんな時のために、七輪でも用意して、せめて、何か、お料理でもできるものを用意しておこうかなどということも考えました。(我が家には、バーベキューセットもあるのですが、それも電気なので・・)

 テレビもつかなければ、ネットも通じない・・明日にならなければ、どうにもならないと腹をくくって、本でも読もうと本を抱えて、ベッドに行ったら、あっという間に寝入ってしまいました。

 夢の中でも、停電は、続いていて、こんな時に知らない人が勝手に家の中を掃除に来て、家中が水浸しになっている夢でした。

 疲れていたのか、2〜3時間も寝てしまいました。目が覚めてみると、いつの間にか電気は、復活していました。

 フランスでは、なぜか、たま〜に忘れた頃にやってくる停電。単にうちのアパートがボロいのか?フランスの電気システムがおかしいのか? 

 しかし、今どき、地震などの自然災害があるわけでもない国で、停電って・・フランスって先進国??と思うような事が時々、いやところどころにあります。駅のトイレの汚さ(今は、コロナのおかげでましになっている・・)やテレビの中継がうまく繋がらなかったり・・。

 あらゆることが日本のようにはスムーズに行かないフランスでの生活で、何をするにしても、何重にも、うまく事が運ばない状況を想定して、備えているのに、そういえば停電対策はしていなかった・・さっそく何か備えなければ・・と、今さらのように、改めて思った1日でした。


<関連>「パリでは、日本ではあり得ないことが沢山起こる・・ 」

2020年8月12日水曜日

連日の猛暑のパリで・・なりふり構わず不審者のような武装で歩く

 


 先週末から続いているフランスの猛暑。これで5日間くらい、36℃、37℃、38℃と、体温と同じか、それ以上の気温が続いています。湿度がないので、例年は、暑くなっても日が落ちて夜中になれば涼しくなり、朝になると、前日の暑さが嘘のように涼しくなっているものなのですが、今年は、前日から積み重なった温度が蓄積されて、夜になっても気温が下がらず、朝のうちに部屋の空気の入れ換えをしようにも、早朝、起きた時点で、すでにむっとした温度、それでも、空気の入れ替えのつもりで、開けたままになっていた窓を慌てて閉めて、シャッターも下ろすのです。

 去年のパリは、42℃という驚異的な猛暑を記録し、私には、その暑さをエアコンなしに(フランスの一般家庭には、エアコンがない家庭が多く、我が家にもエアコンはないのです)乗り切ったので、40℃を超えなければ、大丈夫・・という妙な自信のようなものが自分の中にあったのです。

 ところが、今年は、今のところ、40℃は超えないものの、去年よりも辛いのです。それは、35℃以上の日がだらだらと続いているため、前日の暑さが引かないうちに朝を迎えて、日に日に朝の早い時間から気温が上昇するからです。

 家の中は、もうすでに棚の中まで、まるで保温箱のように温まっており、水道から出てくる水まで生ぬるく、たとえ、早い時間からシャッターを閉めたとしても、前日の生ぬるい空気が家の中には充満したままなので、どれだけシャッターを閉めたり、遮光対策をとっても日に日に暑さが厳しくなるのです。

 それでも、外に出るよりは、ましと、濡れたタオルを肩からかけたり、頭にかぶったりしながら、扇風機を回して、冷たい飲み物でも飲んでいれば、なんとか凌げるのですが、なんと、こんな時に限って外出する用事ができてしまったのです。

 ここのところ、ロックダウン中に始めた家の中の不用品処分のために、フランス版メルカリのようなものをやっており、なかなか良い調子で処分できていたのですが、さすがにバカンスシーズンに入って、そんなサイトを見ている人もいないのか、出品している商品が、さっぱり売れなくなっていました。

 しかし、バカンスにも行かず、暑さとウィルスから身を隠すように暮らしていた私は、毎日、少しずつ、不用品を出品し続けて、周りの人たちがバカンスから帰ってきて、再び、サイトを見て買い物をしてくれる日に備えていました。

 それが、なんと、よりにもよって、このクソ暑い日に売れてしまったのです。しかも、使わないまま放ってあった娘のクレヨンなどの文房具類・締めて10ユーロが・・。10ユーロのための外出・・思わず絶句しました。

 この商品の受け渡しは、商品を梱包して、ステッカーをダウンロードして貼り付け、配送される受け渡し代理店にまで持っていくのですが、コロナ渦で近所の代理店が閉店となり、徒歩で往復30分ほどの代理店まで持っていかなければならなくなってしまったのです。

 気候の良い時なら、30分くらいは、気分転換の良いお散歩になるのですが、この炎天下、売れてしまったものを暑いから送れないというわけにもいかずに決死の覚悟で出かけたのでした。

 もうこうなったら、なりふり構ってなどいられません。帽子の中に保冷剤を仕込み、タンクトップを着て、パレオを水で濡らして肩からはおり、冷凍してあったお茶の入ったペットボトルを握りしめて、ポケットには、保冷剤を入れて、サングラスをして、マスクをして、日傘がないので、色の薄い傘をさして、不審人物そのもののような格好をして出かけたのです。

 しかし、そこは、パリの良いところ・・この、世にもおかしな武装でも、不審そうに私を眺める人は、誰もおらずに無事に用事を済ませてきたのです。パリというと優雅に暮らしている感じを想像される方もおられると思いますが、私の場合、優雅とは、遥かに、かけ離れた姿です。

 今日、学んだのは、帽子の中の保冷剤は、かなり効果的であることと、濡らしたパレオも快適で、日傘というものは、原始的な暑さ対策でありながら、自分の歩くところすべてが日陰となる、大変ありがたいものだということでした。

 それでも、ハーハーしながら家に戻り、水のシャワーを浴びて、一息つくと、なんと夕方には、激しい雷とともに雨が降って、36℃から23℃に気温が下がりました。しかし、雨は、すぐに止み、明日は、また35℃まで上がる予報になっています。

 しかし、10ユーロのクレヨンのために、この猛暑の中、必死に出かけるハメになった自分を微妙な気持ちで振り返りながら、相手の人に、「荷物、送りました」というメッセージを送ったら、「Super, merci beaucoup pour votre rapidité ! 」(スゴい!こんなに早くに送ってくれてありがとう!)という返信があり、「ここは、フランスなんだ・・こんなに急いで送ることなかった・・」と、冷静になって、改めて思い返したのでした。


<関連>「ロックダウン解除後のフランス版メルカリサイトでの人気商品」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/06/blog-post_6.html


 

 

2020年8月11日火曜日

子供のために使うお金 フランスのコロニー(子供の合宿・サマーキャンプ)


 フランスは、今は、バカンス真っ盛りですが、とにかく学校のバカンスが多くて、特に夏は、2ヶ月間、ほとんど、まるまるお休みなので、その期間を子供にどう過ごさせるかというのは、大問題でした。

 娘が小さい頃(小学校低学年の頃)は、7月の最初の週にフランスの学校がお休みになると同時に日本へ一緒に行って、日本の小学校が夏休みに入るまでの少しの間、日本の実家の近所の区立の小学校に一時編入をさせてもらっていました。

 いくら、フランスの会社がバカンスを取れるとは言っても、せいぜい一ヶ月、子供の学校のお休みは夏に2ヶ月間、ハロウィンの頃に2週間、ノエル(クリスマスから年末にかけて2週間)、冬休み2週間、イースターに2週間と、とても子供のお休みに合わせて、全て休んでいるわけにはいきません。

 そんな子供のためにバカンス中に子供のレクリエーションをさせながら、子供を預かってくれる Centre de loisirs(サントロ・ド・ロワジール)という機関があるのですが、娘が小さい頃は、自分のバカンスでまかないきれないお休みの時期は、ここでお世話になっていました。

 ここでも、色々なアクティビティやスポーツをさせてくれたり、遠足のようにバスなどで日帰りで地方のお城などに連れて行ってくれたり、「もう、お城はいい・・」と言い出すほどに色々なところに連れて行ってもらっていました。

 やがて、娘が大きくなるにつれて、私も仕事がどんどん忙しくなり、夏に長期のバカンスが取れなくなった頃、コロニーという合宿のようなもの(スポーツや観光など、様々なプログラムがあります)があることを知り、私が子供のバカンスの時期にお休みを取れない期間には、このコロニーに随分とお世話になりました。

 主人は、公務員でしたので、ハロウィンとノエルのお休み以外は、財務省の主催するコロニーがあり、国からの援助なども出るため、最大限、利用させてもらいました。

 おかげで娘は、冬にはスキー、春には乗馬、夏には、ダイビングやサーフィン、カヌー、カヤック、ハイドロスピード、クライミングなどなど、ありとあらゆるスポーツをフランス国内だけではなく、スペインやギリシャなどの、ちょっと普通では観光できないようなこの世とは思えないような美しい砂漠や小さな無人島なども旅して、キャンプをしたり、砂浜で寝たり、決して贅沢ではない旅ではありましたが、この上なく楽しい体験をしてきました。

 夏のコロニーは3〜4週間、それ以外は、1週間の合宿です。

 私は、仕事で、娘の長いバカンスに付き合えなくなってしまったことを、最初は、娘に気の毒なように感じていましたが、それは、すぐに私の思い上がりであったことがわかりました。実際のところ、親がしてあげられることは、限られたことであって、思っているよりも大したことではなく、子供が未知の体験をする、その機会を与えてあげる方が良いこともある、むしろ、その方が良いのだと思うようになりました。

 時には、ドッキリしたハプニングもありましたが、それも良い経験でした。

 フランス人は、かなり裕福な家庭でさえも、子供にさほど贅沢なものを買い与えることはありませんが、自分たちがバカンスにお金を使うように、子供に何かを体験させることには、比較的、出し惜しみはしません。


 我が家も、洋服などは、頂き物が多かったし、贅沢な物を買い与えたことは、ありませんでしたが、娘の、コロニーや、スポーツなどには、(特に、夏の間は、私の少ないお給料がすっ飛ぶくらいに)惜しみなく、使ってきました。

 娘が行っていた財務省主催のコロニーは、フランス全土の財務省の職員の子供たちが集まって出かけるコロニーで、(たくさんの種類があり、場所や自分のやりたいスポーツなどを選べるようになっています)小学校から高校まで同じ学校に通っていた娘の狭い世界から、同じ年頃でも色々な地域、世界の子供たちに出会うことができ、また、親が付き合いきれないようなスポーツなども体験できて、かけがえのない経験となりました。


 それに加えて、学校からの合宿やドイツへの交換留学なども加えると、彼女は高校生までは、ほぼ3ヶ月に一度くらいの割合で旅行をしていました。

 そのコロニーには、年齢制限があるために、今は、もう参加することはできませんが、娘は、今になっても、コロニーは、本当に楽しかった・・ちょっと普通ではなかなかできないスポーツがたくさんできた!行けなくなって残念・・と懐かしそうに振り返っています。


 これから先は、自分で稼ぐようになったら、いくらでもどこにでも行けると思いますが、歳を取ればとるほど、一度やったことがあることには、抵抗なく、再開できるものです。

 私は、子供に使うお金は、贅沢な物を買い与えるのではなく、何か身に付けること、体験することに使うべきだと、フランスのコロニーに参加させてもらった娘を見ていて、強く思うようになりました。


<関連>

「おたくのお嬢さんが刺されそうになりました⁈・・バカンス中のサマーキャンプでの話」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2019/07/blog-post_7.html

 

2020年8月10日月曜日

ついにパリも、屋外でもマスクが義務化

  

              

 とうとう、8月10日の午前8時から、パリ、イル・ド・フランス地域でのマスク着用が屋外でも、義務化されることになりました。この規制に関しては、私は、何の驚きもありませんが、私が驚いたのは、その規制が全ての通り(道路)ではないことです。

 今、まさに、この猛暑の中の屋外でのマスクは拷問に近いものがありますが、ここ数日、毎日、2000人以上の新規感染者を出している国では、致し方ないと思うのです。というより、言われなくとも、この感染状態を目にしていれば、マスクをせずに出かけるのは、怖いくらいだと思うのですが・・。

 しかし、恐れを知らないフランス人は、(いや、知っているはず・・だって、あんなに大勢の人が亡くなって、病院には、人が溢れ、病院の廊下にさえ、患者を収容できずに、救急車の中で、患者の収容先に立ち往生して、病院の外には、テントまで張って、それでも間に合わなかった患者は、軍用機で地方やドイツやルクセンブルグなどに運ばれていたのは、ほんの3ヶ月前のことなのです。)きっぱり、「義務化」「従わなかければ、罰金」としなければ、マスク着用は、どうにも浸透しないのです。

 あれからロックダウンの効果で一時、感染状況は、改善しましたが、今は、ロックダウン解除時の5月から比べると、感染状況は、悪化の一途を辿っているのです。

 フランス政府は、フランス人がどういう人たちなのか? いい加減、わからないのか? と全くもどかしい気持ちです。

 セーヌ通り、モントルイユ、オーバーカンフ、ベルヴィル、ゴウドール、ダゲールの街路、ストラスブール、ラシャペル、クリシー、ロシュシュアールの大通り、サンマルタン運河など、パリのほぼすべての地区、主にパリの北と東にある約100の公道がマスク義務化となります。このマスク義務化の場所では、自転車でも徒歩でも、ウォーキングでもランニングでも、マスクを着用することが義務付けられています。マスク着用していなかった場合は、135ユーロの罰金が課せられます。

 逆に言えば、マスクの着用義務は限定された地域だけで、例えば、観光客の多くが訪れるシャンゼリゼなどは、マスク着用は義務づけられていません。人は、移動しているのです。ここの通りはOKで、ここはダメ・・なんていうのは、それこそややこしくて、守りにくいのです。

 規則は、わかりやすく、シンプルにしなければ、浸透しづらいものです。ましてや、もともとマスクはしたくない人たちです。(誰だってしたくないですが・・)何やかやと理屈を付けて、メトロの駅などで、マスクは、自由の侵害だ!健康を害するものだ!と滔々と演説していたりする人もいるくらいなのです。

 それでも、あくまでもマスクをしない事が正しいと言い張る人からは、コロナウィルスにかかった時も病院の治療を受ける権利を剥奪して欲しいくらいです。(しかし、本人が感染する危険だけでなく、他人に感染させている可能性もあるところが苦々しいところです)

 外出するなら、マスクをする。マスクをしないなら、外出しない。感染が増加しているから、マスクはしなければならない。説明も規則もシンプルで単純な方が良いのです。

 フランスでは、バカンスに行くななどとは、誰も言いません。外出する・バカンスに行く権利を確保しているなら、現状での義務(マスクをすること)くらいは、果たすべきです。それには、ここの通りはダメでもここの通りなら良いなどと甘いことを言って、隙を作っていては、ダメなのです。フランスでは、隙をついて自分の都合を正当化して論破しようとする人に溢れているのです。義務は果たさずとも言うことだけは、必ず言うのがフランス人です。

 そして、ついには、マスク着用を注意しようものなら、襲われる人が出たりするのです。

 この猛暑の中、マスクはキツいですが、日本では、暑さを少しでも回避できるようなマスクがどんどんできているのを見ると、フランスもマスクを少しでもみんなができるような工夫は、まだまだできるではないか?と思うのです。

 そして、あっさりとハイと言うことを聞かないフランス人をどうやって動かしたらいいのかをどうしてわからずに、こう、ややこしいことをするのかと、またまた、フランスの甘さに私は、閉口してしまいます。


<関連>「権利を主張するわりには、義務をちゃんと果たさないフランス人」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2019/07/blog-post_61.html


 









 

2020年8月9日日曜日

PICARD(ピカール) のお世話になってます・私のピカールのおススメ商品

picard のお店には、その場で温めて食べることができるイートインコーナーも

 

 数日前に、日本で「冷凍餃子は手抜き?」とかいう話題がツイッターで流れていて、何やら盛り上がっていた模様。冷凍餃子が手抜きかどうかで注目を集めるということは、日本では、冷凍食品が手抜きだと思っている一定の人たちがいるということなんだ・・と、改めて思いました。

 手頃な値段で美味しい冷凍餃子があれば、私も是非、お世話になりたいところですが、(パリでも味の素などの冷凍餃子が売っていますが、どこでも買えるわけでもなく、また、安くもない・・)残念ながら、頻繁にお世話にはなることはできません。

 フランスで冷凍食品といえば、一番にお世話になっているのは、PICARD(ピカール)で、各スーパーマーケットなどで自社商品を出していたりしますが、冷凍食品専門メーカーとしては、フランスでは、一番のメーカーです。

 うちの娘など、一人暮らしを始めた時に、「アパートの近くにピカールがある!」と喜んだくらいでした。

 一般的な冷凍食品からしたら、若干高めの値段設定ではありますが、あまりハズレがないので、とても重宝しています。とはいえ、冷凍庫のスペースにも限りがあり、そうそう沢山、買い置きをするわけにも行かないのですが、我が家でピカールで何を一番に買うかというと、それは、鯖です。ピカールには、鯖を買いに行くと言っても過言ではありません。この鯖は、感心するほどに安定した品質を保っており、フィレにした鯖が冷凍になっています。


         


 この鯖をオーブンで凍ったまま焼くと、皮はパリッと中はふっくらとして、ピカールの鯖とご飯があれば、我が家では文句なしのご馳走です。その他に鯖みそ、しめ鯖、鯖寿司と素材が良いので何にしても美味しいのです。

 もう一つ、だいたい冷凍庫にあるのは、小さな帆立貝です。これも、手巻き寿司の具にしたり、酢の物にしたり、かき揚げにしたり、サラダにも、グラタンにもできるので、とても重宝します。どちらも質が良いので安心して食べることができます。

 それこそ、疲れてお料理したくない時などは、冷凍ピザやラザニアなどを食べることもありますが、ピカールの調理済みの商品の中で、我が家のお気に入りは、白トリュフとマッシュルームのタリアテッレです。トリュフの香りが良く、ちょっとプロっぽい仕上がりになっています。難点は、少々、量が少ないこと・・でも、これにサラダなどを添えれば、立派な一食になります。

           


 もう一つのお気に入りは、フラムクーシュ、生地も薄くて食べやすく、ベーコンと玉ねぎの香ばしい香りと生クリームも口当たりよく、軽くて食べやすいので、アペリティフにも良いです。       

            

 その他のおススメは、デザート類、値段もお手頃で、どれも全体的にしつこくなく、種類も豊富です。うちの娘は、特にワッフルがとてもお気に入りで、一押しだと申しております。

     

 最近は、ピカールは、日本にも進出しているようで、先日、帰国した際に、表参道でピカールを見つけて、さてさて、日本のピカールはどんな感じ?と思って入ってみましたが、概ねフランスと同じ商品が置いてあり、フランス人の店員さんまでいて、思わず、ちょっと話かけてしまいました。ピカールは、日本に数多くあるフランスのお店の中で最も親しみを感じるお店です。

 おっと・・忘れていました。おススメ商品。このフレンチのソース類はとても便利です。お肉焼くだけで、ベルネーズソースとか、胡椒のソースとか、お魚焼いて、クリーム系の白ワインソースとか、きのこ系のソースとか、かけるだけで、いっぱしのフレンチになります。キューブ状になっているので、使う量も調整できてとても便利です。




 今日、久しぶりにパリでピカールをのぞいたら、<Japon>と印のついた、フランス人の作った日本食が増えていて、ビックリしました。

  
     
  
 しかしながら、フランスでは、冷凍食品を出したら、手抜きだ・・などと、いう家庭は少ないと思います。それには、専業主婦が少ないということもあるかもしれませんが、もともと、一般的なフランス人の家庭は、日常は、そもそも大したものを食べてはいません。

 スープとハムとパン、チーズ・・とか、お肉を焼いて野菜を茹でてバターまみれにするだけ・・とか、そのシンプルな食事でさえも冷凍食品が頻繁に登場しますが、合理的なフランス人、大家族になると、ピカールというわけにもいかないでしょうが、むしろ、割安であったり、時短であったりすることを良しとしますし、そのほうが美味しい場合もあるかもしれません。

 我が家も何を出しても「手抜きだ」などと言われたことは、一度もありません。出来合いのものにせよ、冷凍食品にせよ、人が用意してくれた食事に「手抜きだ」などと言う思いやりのない・・というよりも、未成熟な男性がまだまだいるのだということは、とても残念なことです。

 まさに私の父は、そのような人だったので、とにかく家族で楽しく食事ができる家庭を作りたいと思っていました。私は、多腕を振って、ピカールのお世話になっています。


PICARD 

ピカール



<関連>「国際結婚の家事・育児の分担ーフィフティフィフティ」