14日、日曜日の午後8時、マクロン大統領は、エリゼ宮より、明日からのロックダウン解除の第3段階突入と今後についてのスピーチを行いました。ロックダウン以来、しばらくの間、フィリップ首相からの発表が続いていたので、マクロン大統領が正式にスピーチを行ったのは、久しぶりのことです。
彼は、マヨット、ギアナを除くフランス全土は、明日(15日)から、グリーンゾーンになることを発表しました。長いこと、テラスの営業のみで、店内営業を禁止されていたパリ・イル・ド・フランス地域を含むレストラン・カフェ等も明日から店内でも営業できることになりました。
また、EU圏内での国境は解放され、これまで禁止されていた高齢者施設での面会も認められるようになりました。一週間の準備期間を設け、保育園、幼稚園、小学校、中学校は、22日から、通学することが義務化されます。つまり、義務教育の範囲内の学校は、完全に再開されるということです。
また、これまで閉鎖されていた映画館等についても、22日から、安全な措置を取った上での開館が許可されます。
そして、前の段階で、発表されていた統一地方選挙は、予定どおり6月28日に実施されます。
また、このコロナウィルスによるロックダウンのために疲弊したフランス(この経済危機は、フランスばかりではなく世界的なパンデミックによる世界恐慌であることを付け加え、)の経済と雇用について、フランスは、労働者の解雇を少しでも避けるために、5000億ユーロを投入したことを明らかにし、今後も、更なる努力を続け、できる限り、増税は、しない方針を表明しました。
マクロン大統領は、
「3月17日のロックダウン以来、我々は、国民が総力をあげて、協力し合い、困難な状況を次々と乗り越え、足りない医療施設や医療機器に対応して、創意工夫をしながら、数百名の患者を地方の病院に搬送したり、時には、近隣諸国の力も借りながら、この3ヶ月の間に戦いを続けてきました。
そして、今、以前の生活に戻る道のりを築き始める段階にたどり着きました。
本当に皆が協力して、頑張った結果です。
しかし、コロナウィルスとの戦いは、まだ終わっていません。この戦いのために、犠牲になった人の命を忘れてはなりません。これまでの私たちの戦いで培った国民が共に心を合わせて、新しい道を築いていくことをフランスは、誇りを持って立ち向かっていきましょう」
と述べました。
彼は、ここ数週間にわたって起こっている人種差別問題についてのフランスで起こっている問題についても、あらゆる差別、反ユダヤ主義などに直面する問題について、真摯に対応していくことを言及しました。
そして、具体的な日付は定めずに、「7月に」再び、新しい道を具体的にしていくこと、若者のための教育、訓練、仕事への大規模な投資について発表することを約束しました。
「私たちの最優先事項は、まず、強力で、生態学的で、主権的で統一された経済を再建することです。アメリカや中国に屈することのないよう、フランス及びヨーロッパの独立・再構築、フランスの団結、権力と責任の新たな均衡化を軸に、この危機を乗り越えるために、皆で、この意志を一緒に持ち続けましょう」と彼はスピーチを締めくくりました。
3月17日のロックダウンからの3ヶ月間、被害者数からすると、決して誇れる結果ではなかったフランスを、ここまで讃え、スピーチを開始して5分も経たないうちに、フランス人お得意の「俺たちは、よくやった!」自画自賛・自信満々モードに突入してから、なんだか、マクロン大統領の、自分で自分のスピーチに酔いしれるような感じに、私は、逆に妙に冷めた感じになってしまったのでした。
<関連>「コロナウィルスに関するマクロン大統領のテレビ放送を見て思うこと」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/03/blog-post_13.html
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