2020年6月8日月曜日

パンデミックによる留学・スタージュ・インターンシップのキャンセル




 6月のフランスは、年度末に当たる月で、娘の通っている学校などは、5月末には、授業は、終わってしまっていました。というのも、本当ならば、学校のプログラムにより、6月1日より、スタージュ(日本でいうインターンシップのようなもので、スタージュ先は、海外、国内ともに、個人個人で選択します)で、イギリスの大学の研究室に行くことになっており、それが、今回のコロナウィルスのパンデミックの影響で、イギリスには、行けなくなってしまったのです。

 彼女のクラスでは、フランス国内だけでなく、海外でのスタージュの予定をしていた人も多く、半分以上の人のスタージュの予定がキャンセルになってしまい、今も必死にスタージュ先を探し続けている人が大勢おり、7月の半ばまでにスタージュが決まらない場合は、それに変わるプログラムを学校側が用意して、夏のスタージュに行くはずの期間は、そのプログラムを消化することによって、一応、その期間をスタージュをしたと同じような換算をすることになっているそうです。

 そもそも、スタージュどころか、国内・海外共に、失業者に溢れているわけですから、普段、スタージュを受け入れている会社等にとっても、それどころではないのです。

 彼女の通っているエコールは理系のエンジニア養成のエコールで、エンジニアのライセンスを取得するには、企業や大学の研究室、研究機関等でのスタージュの経験がトータルで10ヶ月間、必要になっています。

 娘は、昨年、すでに、フランスの大手の製薬会社でのスタージュを2ヶ月間、経験したものの、彼女にとっても、残り8ヶ月間のスタージュの義務が残っているわけです。幸いにも、彼女の行くはずだったロンドンにある大学の研究室は、リモートワークを受け入れてくださり、彼女は、今のところ、パリの自宅で、ロンドンの大学の研究室の仕事をさせていただいており、3ヶ月間のスタージュは、どうやら消化できそうです。

 彼女のイギリスでのスタージュが決まったのは、昨年のクリスマス、その時点で、スタージュの始まる日と終わる日はわかっていたので、早めに取った方がユーロスターのチケットも安いから・・と早々に往復のチケットを予約していたのですが、それもキャンセルせざるを得なくなりました。当然、今回のようなキャンセルの場合は、全額返金だとばかり思っていたのに、クーポンでの返金という拍子抜け。別に予約していた宿泊施設は、全額返金されるとのことですが、未だ、返金されていません。

 とはいえ、何より、リモートワークとはいえ、スタージュが全くのキャンセルにならなくて、幸いでした。彼女のスタージュの予定は、6月から8月末までの3ヶ月間の予定なので、今後、パンデミックの状況が改善されれば、途中から、実際にロンドンへ行ける可能性もまだゼロではないのです。

 しかし、考えてみれば、この時期に留学などの予定にしていた人も大勢いるわけで、逆にフランスに留学に来ていた学生の多くも母国に帰国してしまっています。パンデミックにより、多くの人の人生が変わってしまいました。

 今年、就活をしている人にとっても、ここ何年間かで最も厳しい年になってしまったことでしょう。この不況がいつまで続くのかは、わかりませんが、娘も本来ならば、今の学校卒業、就職まで、あと一年です。今の不況が年単位で続くことは、もはや明らかで、彼女は、今の学校を卒業してから、さらに次の学校に進んで、就職の時期をずらした方が良いかもしれない・・と、複数の道を考えているようです。

 人生の岐路に、選択肢がある場合とない場合とがありますが、今は、多くの人が人生の岐路に立たされていることを、未だ、学生である娘を見ていても、しみじみと考えさせられます。思い描いていた人生とは、違う方向に軌道修正しなくてはならない状況でも、長い人生で見れば、それが、結果としては、良かったと思えるように、娘には、たくましく、この状況を乗り切って行って欲しいと思っています。


<関連>「学校選びは人生の岐路・娘の通った学校は、なかなか厳しい学校だった」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2019/07/blog-post_54.html

 

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