2020年6月1日月曜日

「STOP COVID 」フランスの感染者追跡アプリは、国民に浸透するか?





 6月2日正午、ロックダウン解除、第2ステージ突入と同時に、フランスでは、各自のスマホに「STOP COVID」という感染者追跡アプリを無料でダウンロードできるサービスがスタートします。アプリは、非常に簡単にインストールできるようにできています。

 これは、自分を守り、他者を守り、感染の連鎖をすばやく止め、コロナウィルス流行の第2波を回避するための取り組みをサポートすることを目的としています。

 すでに、コロナウィルス感染拡大防止の一環として、韓国、中国、シンガポールは、あらゆる戦略に加えて、2月、3月からモバイルの連絡先追跡アプリケーションを展開していますが、フランスでも、このアプリに関しての取り組みがなされていないことを2ヶ月ほど前から問題視されてきました。

 原則として、STOP COVIDは、半径1メートル以内で15分以上、陽性の診断を受けた人の近くにいる事を75%〜80%を警告することが可能で、個人情報については、すべて隠された中で、個人の自由を犠牲にすることなく、できるだけ早く対応できるようになっています。

 例えば、メトロの誰かの隣に座っている人、スーパーマーケットで並んでいて、もし、近くにいた人が病気であった場合に、その危険を警告してくれます。警告を受けた人は、症状がなくても、できるだけ早く検査を受けて治療するか、ウイルスの伝染の連鎖を断ち切るために監禁することができます。

 この警告は、コロナウィルスのテストで陽性と判定された人が、まず、このアプリを利用することが大前提で、また、より多くの人がこれを利用しない限り、意味のないものになってしまいます。

 しかし、このアプリの利用は、あくまでも任意であり、強制的なものではありません。
ユーザーが自発的にスマホにアプリをダウンロードして、利用しない限り、意味がありません。これが、もし、5月11日の最初のロックダウン解除の段階で利用できるようになっていれば、その時点では、かなり、危機感を持った人も多く、多くの人がこのアプリを利用し、国民の間に浸透していったと思いますが、ロックダウン解除から一ヶ月近く経ち、すっかり、解放されたモードの現在に、このアプリのサービスがスタートしたとしても、利用する人が一体、どれだけいるかは、甚だ疑問です。

 今の解放モードのフランスでは、マスクでさえ、義務化された場所以外では、しなくなっている人が大部分で、人が集まり、集い、大規模なデモまで、起こっている状況です。

 そんな状況の中、アプリを使って、人の動きに注意を払うとは、考えにくいのです。

 自由と権利を主張するフランス人には、強制を強いるか、罰則でも与えない限り、行動制限や、統率を取ることは、甚だ困難なことで、一度、解放してしまった今、感染の第二波を防ぐために・・などと言っても、これまでの監禁生活のストレスも合間って、再び、第二波が本当に起こってしまうまで、残念ながら、統率は、不可能と見ています。

 3月のロックダウン開始についても、国民のショックを考えて、段階的に・・などという方策をとったがために、ロックダウンのタイミングが遅れ、大惨事となってしまいました。今回の「STOP COVID」のアプリのサービススタートにしても、最初のロックダウン解除のタイミングにすべきでした。

 まだ、サービスがスタートする前から、こんな事を言うのもなんですが、せっかくの試みも、タイミングが悪ければ、意味がありません。フランスでは、「国民の良識に委ねる・・」などと言う絵空事は、通用しません。

<関連>「コロナウィルス対応 日本人の真面目さ、辛抱強さ、モラルの高さ、衛生観念はやっぱり凄いなと思う」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/04/blog-post_28.html
















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