ドイツ西部、ノルトライン・ウェストファーレン州の食肉処理工場で約1500人の集団感染が起こり、ウェストファーレン州は、23日、工場がある地域全体を再び、ロックダウンしました。
このロックダウンの対象となったギュウタースロー地域の、人口約36万人は、再び、外出制限、学校閉鎖等の生活に逆戻りしました。これは、とりあえずは、6月30日まで続きます。ドイツは、フランスよりも一足先にロックダウンを解除し、経済活動を再開してきましたが、先陣を切って経済活動を再開していたドイツでの1500人という大規模な集団感染は、フランスにとっても、ショッキングなニュースでした。
これまでロックダウン中にも、アメリカ、フランスでも、食肉処理工場でのクラスターが報告されてきました。それでも、これだけの大きなクラスターにまでなってしまったのは、そもそもこの工場自体がかなり大規模な工場である上に、この工場の労働者には、ルーマニアやブルガリアなどの東欧からの労働者が多く、これらの人々は、宿舎で、一部屋に数名が生活しており、その宿舎で、さらに感染が広まったと考えられています。
食品を扱うような、普通の工場よりも衛生には、注意を払っているはずの食肉処理工場での感染拡大の原因は、労働環境の悪さと、かなりの肉体労働のために呼吸が荒くなることから、マスクなどではウィルスの拡散が防ぎきれないことが挙げられていますが、何よりも、生の肉を扱うことから、工場内の気温が低く設定されており、ウィルスがより長く、活発に活動を続けることが大きいようです。
もとより、感染学的にもウィルスは、気候の影響を強く受けるという説は、定説で、フランスで、今回のコロナウィルスのクロロキン(マラリアの治療薬)による治療で一躍、スターのようになったマルセイユ医大のラウルト教授なども、早い時期から、ウィルスというものは、季節の影響を受けるものなので、夏には、コロナウィルスもおさまるだろうと語っていました。
今回のドイツの1500人の集団感染のニュースを受けて、フランスは、このウィルスと気温の関係について、深刻な受け取り方をしており、気温が下がり始める秋にはコロナウィルス感染の第2波が来ることは、もはや確実だと言い始めました。
ドイツは、感染爆発がヨーロッパ各国で起こった中でも、(ヨーロッパの中では、)桁違いに死者数も少なく(フランスの死者数29720、ドイツの死者数8979・6月23日現在)検査数も桁違いに多く、検査と隔離を行ってきた、いわば、ヨーロッパの中のコロナ対応の優等生です。
ロックダウン解除になってからも新規感染者数も200人前後で、(これは、圧倒的に検査数が多いことから、数字が多くなっています)それが、6月17日の段階で、急に1122人に跳ね上がり、それ以来、622、534、556、544と、高い数字が続いています。
フランスにいる私にとっては、ドイツでさえ、あっという間にこんな状態に陥るのだから、フランスに、もしこの状況が起こったら、(気温が下がったら)ひとたまりもない・・と思ってしまうのです。
今週は、フランスも35℃以上の暑さが訪れるようで、これでは、エアコンが使われている場所へ行くのも躊躇われます。
コロナでも人が亡くなり、猛暑でも人が亡くなります。にっちもさっちもいかないコロナウィルスとの戦いは、まだまだ続きそうです。
<関連>「5月11日のロックダウン解除は延期になる?ロックダウン解除予報マップ」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/05/11.html
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