メトロの駅構内のいたるところに貼ってあるステッカー |
しかし、注意深く、感染者のデータを見ていると、ここ数日のフランスの新規感染者の数は、152、344、458と、ここ3日間上昇してきており、これが単に検査数が上がったことによるのか、感染が広がっていることなのかは、わかりません。
でも、頻繁に数万人単位の人出のデモや暴動の中で、再び、人が街を行き来するようになれば、再び、感染拡大、ロックダウンにもなりかねないと思い、今、動けるうちにと銀行の用事を済ませておこうと3月のロックダウン以来、3ヶ月ぶりでメトロに乗って、出かけました。
ロックダウン中はもちろん、これまでは、出来るだけ移動は、健康のためにも、歩くか、自転車での移動に留めて頑張ってきたのですが、久しぶりにメトロに乗ってみようか?と、私としては、意を決して出かけたのです。
久しぶりの駅は、すっかりコロナ仕様に様変わりしていて、駅の構内の床には、いたるところに「人との距離を取りましょう」と書かれた丸いステッカーが貼られており、メトロの乗り口にも、ステッカー、メトロ内の座席にも、人との距離を確保するために、ひと席ごとに、「この座席には、座らないでください」と書かれたステッカーが貼ってありました。駅までは、バスなどの交通機関の利用を避けるのか、トロチネット(キックボード)を持参している人も結構、多いようでした。
トロチネットを片手にメトロを待つ人 |
当然、人が座ってしまえば、そのステッカーは見えなくなるわけで、どうにも不規則なステッカーの貼り方だと不思議に思っていると、何のことはなく、ステッカーを無視して座っている人がいるから、どうにもおかしいことになっていることに気付きました。
やっぱりです。ルールはあっても、フランスでは、みんながルールを守るわけではないのです。
本来ならば、人と人とが向かい合わないようにステッカーは貼られている |
街中は、もうマスク姿の人は、まばらですが、駅構内に入ると、さすがに罰金135ユーロが怖いのか、マスク率は、100%でした。さすがにフランス、マスクもみんな様々で、色とりどり、中には、真っ赤なマスクに黒いコートを来た、素敵な女性も見かけました。マスク込みでのマスク映えのするファッションを楽しんでいる人もいるところが、フランスらしいとも思いました。
よく見ると、彼女のマスクには、トリコロールが付いている |
ラッシュアワーではなかったこともあるかもしれませんが、思ったよりは、メトロも普通に運行されており、最初は、緊張していた私も、なんだか、帰る頃には、いつもと変わらない気分に戻っていました。
しかし、昨日、SNCF(フランス国鉄)の駅で、マスクなし、切符なしで乗車していた黒人女性が駅員に止められたことで、女性が駅員に噛み付いたために、駅員が取り押さえたところ、暴力を振るわれたと訴えている女性の話がSNSで炎上し始め、問題になっています。女性は、自分は、妊娠中にも関わらず、暴力を振るわれたと言っているようですが、噛み付かれた駅員の方も、感染の危険を考えれば、ある程度の力で止めないわけにはいきません。
悪いのは、もともと、マスクなし、切符なしで乗っていた自分の方なのに、全く、怖い女性がいるものです。ともかくも、こんな場面に巻き込まれずに、幸いでした。
久しぶりに乗ったメトロは、いつもと同じ駅に、バリアやステッカーがたくさん貼ってあるだけで、思ったよりも同じ風景で、たった3ヶ月だけなのに、懐かしいような、ちょっと嬉しいような気持ちになりましたが、いつもと違っていたのは、やはり、人と人とが、全く話をせずに、口をつぐんでいることです。
いつか、日本に行った時、地下鉄に乗って、混雑している地下鉄の中があまりに静かなのに、改めて気が付いて、驚いて、思わず、「静かだな〜」と口をついて出てしまって焦ったことがありました。パリのメトロの中は、いつもは、そんなにシンとしてはいないのです。ということは、きっと、どこかで誰かの話し声が聞こえているのです。人と近づいてはいけないということは、寂しいことです。いつの間にか、シンとした地下鉄より、どこかざわざわしているメトロが心地よくなっていた自分にも驚きました。
そんなことを考えながら、久しぶりのメトロに、なんとなくドキドキした一日でした。
<関連>「パリで時々、目にする光景」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2019/06/blog-post.html
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