コロナウィルスによるフランスの経済危機・賃金削減か?人員削減か?
パリのカルチェラタンは、学生街で知られる街ですが、多くの書店が並ぶ街でもあります。今回のコロナウィルスによるロックダウン、パンデミックの影響で、カルチェラタンの書店も一つ、また一つと閉店に追い込まれています。
この界隈は、いわゆる普通の書店から、専門書を扱う書店、また、古本屋さんも数多く並んでいます。フランス人には、古い本を重用する習慣があり、学校の教科書なども年度の始まりに配られると全ての教科書にカバーをし、出来るだけきれいに使うことを心がけ、一年の終わりには、学校に返却することになっていて、紛失したり、破損したりした場合は、弁償させられます。(余談ですが、海外にいても、義務教育の期間は、無料で国民に新品の教科書を配布してくれる日本とは、エラい違いです)
ですから、比較的、古本を使うことには、抵抗がなく、いらなくなった本を買い取ってもらったり、買いに行ったりすることが多いのです。我が家も、娘がプレパー(グランエコールの準備学校)に通っている頃は、カルチェラタンに学校に指定された教科書を探しに行ったり、いらなくなった本を買い取ってもらいに行ったりしました。
今回、閉店したのは、考古学、古代史、建築を専門とする書店ですが、この先、次々と閉店する書店が続きそうです。
また、ボルドー・トゥールーズ、マルセイユに3つの空港に拠点を置くアイルランド系の航空会社ライアンエアーは、コロナウィルスの機器により経営危機に陥り、フランス国内の従業員に対し、2020年7月より、5年間の給与の削減(5年後に、給与100%回復)、退職するかの二者択一を迫っています。パイロットの場合は、最大20%、客室乗務員(労働時間も年間2000時間から1600時間に削減)の場合は、最大10%の給与削減を提案しています。
経営者側は、会社を崩壊させないための止むを得ない方策としています。
給与の削減、労働時間の削減を受け入れて、5年間の減給に耐えて、少しでも安定した道を選ぶのか? それとも、この際、思い切って退職して、数年間、失業手当を受けながら、その間、スキルアップのための勉強や準備をして、新しい道を進むのか?(フランスの失業者への手当は、手厚いのです)
これは、ライアンエアーに限らず、多くの企業に起こり得ることで、おそらく、選択肢さえない場合も多いと思いますが、たくさんの人が、苦渋の選択を強いられることになります。
これから先、同様の問題で、度々、摩擦が起こることは、明白です。ごくごく普通の当たり前だった生活が戻るには、なかなか時間がかかりそうです。
先ほど、郵便物を送りに近所のtabac(タバ・タバコやロト、雑誌などを扱うとともに郵便局も併設するお店)が来週末に閉店するという貼り紙がしてありました。ヤレヤレ、便利だったのに、コロナウィルスの煽りを身近に感じる・・と思っていたら、その後、携帯に、メガネ屋さんから、閉店のお知らせの通知が入りました。当たり前の生活が戻る前に、もはや、立ち直れない状態になっているお店を続々と知るのが、ロックダウン解除の第2ステージの開始の日というのは、残酷な現実です。
<関連>「5月11日のロックダウン解除についてのフィリップ首相の演説 弱者が滅び、強者が生き残る社会」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/04/11.html
0 コメント:
コメントを投稿