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2026年1月27日火曜日

ギメ東洋美術館のマンガ展は想像以上に面白かった! Musée National des Arts Asiatiques Guimet

  



 ここのところ、お天気があまり良くなくて、最近はそんな時には、美術館や博物館に行ってみることにしています。

 先日、パリ近代美術館に足をのばして、ふら~っと覗いて見て、なるほど・・こんな感じか・・と思って、それなりに、美術品の展示してある空間はいいもんだな・・とふんわりとした気持ちで出てきて、じゃあ、帰ろうかな・・と思って出てきたら、そのハス向かいくらいに、また別の美術館があることに気が付いて、この辺りはそんなに来ないから、せっかくだから、ついでにこっちも見て行こうかな?と全然、期待しないで入ったのが、ギメ東洋美術館でした。

 ギメ東洋美術館は、かなり昔に一度、来たことがあったのですが、正直、東洋美術館ということで、アジアの美術品が展示してある美術館で、そこまで興味はありませんでした。

 しかし、意外にもけっこうな人出で、何ごとかと思ったら、今年の冬限定で日本のマンガ展をやっていて、そのための人出でした。

 私はあまりマンガというものに興味はなく、あまり知識はないのですが、それでも日本で生まれ育った身としては、それなりに見覚えくらいはあり、懐かしさを感じるとともに、私の生まれる前からのマンガの成り立ちのようなものを日本の歴史的な背景とともに、説明、展示してあるので、想像以上に楽しい空間になっていました。

 年齢層も若い人々からけっこう年配の人まで、種々雑多で、フランスでのマンガ人気の層の厚さを思い知らされる気がしました。

 展示は、マンガのルーツとなったものとして、紙芝居と紙芝居用の自転車から始まり、当時の様子がビデオで流されていたりして、さすがに私もこんな紙芝居は見たことがなかったので、これをマンガのルーツとして捉えているのか・・と興味深い気がしました。



 私としては、現代のフランスでの人気のマンガといえば、「ワンピース」とか、「ドラゴンボール」とか、それらのものを想像していたのですが、もちろん、それらのマンガについての展示もあるのですが、もっともっと古い紙芝居から「のらくろ」とか、手塚治虫氏を「マンガの神」と紹介し、水木しげる氏を「妖怪マスター」と紹介していたり、昔の少年ジャンプが展示されていたり、少女マンガについても、取りあげられていて、「キャンディキャンディ」などの原画なども展示してありました。

         

 日本のマンガを日本の歴史的背景とともに掘り下げ、それこそ、いわゆるフランスのマンガ世代?とは別の日本の歴史的な文化に親しみを感じている層にも見応えのあるように、日本刀や浮世絵などの日本画、武士の装束などとも併せて、マンガの成り立ちを文化的、歴史的な背景も併せて、考察しています。

 なるほど、日本のマンガをこんな観点からも見られるのか?となかなか興味深いもので、また、なにかと理屈をつけたがる?(といったら、失礼ですが・・)フランスらしい展示だと思いました。



 なんといっても、フランスは世界第二位のマンガ消費?国(第一位は日本です)、数年前に、フランス政府が若者を文化に触れさせる機会を持たせるために「カルチャーパス」なるものが発行され、若者たちが文化的なものに使えるパスを発行したのですが、蓋を開けてみれば、そのカルチャーパスの大部分は「マンガ」に使用される結果となり、「カルチャーパス」は、「MANGAパス」と呼ばれるようになったこともありました。

 それくらい、フランスでのマンガ人気は凄まじく、このギメ東洋美術館も、この「マンガ展」を開催することで、いつも以上の人出に沸いています。このマンガ展も若い世代を美術館に呼び込むための試みだったとされていますが、その目論見は成功しているようです。




 日本人としては、フランスでのこんなマンガ人気を嬉しく思うと同時に、こんなに崇高な感じで紹介してくださっていることが誇らしく思うのでした。

 このギメ東洋美術館のマンガ展は2026年3月9日まで開催されています。


Musée National des Arts Asiatiques Guimet ギメ東洋美術館

6 Place d'Iéna 75116 Paris 


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2026年1月26日月曜日

フランスでのSUSHI 寿司の売上げは2年間で30%減少している

  


 今や完全にフランスでの市民権を得たと言ってもいいSUSHI お寿司はパリでは、本当にたくさんのお寿司屋さん(といっても、日本でいうお寿司屋さんとはちょっと違って、本格的な寿司専門店は別として、チェーン展開に近い、どこでも似通ったメニュー、しかも、焼き鳥やから揚げや餃子などまでごちゃ混ぜになって置いているようなお店)が見られるようになりました。

 また、スーパーマーケットのお惣菜、テイクアウトのコーナーにSUSHI (お寿司)を置いていないところはないくらいにまで浸透しました。

 正直、生魚を食べる習慣のない国で、ここまでお寿司が定着?するとは思っていませんでした。

 もっとも、フランス人が好きな寿司ネタのトップは、サーモンで、その他はアボカドや茹でたエビなどを使ったものが多い気がします。

 また、このように広まったフランスでのお寿司(特にチェーン展開のお店)には、お醤油も甘いお醤油と普通のお醤油の2通りを選択するお店がほとんどで、最初にそれを見かけたときには、「えっ!違う違う!」「間違ってますよ!」と教えてあげそうになりましたが、実にフランスのスーパーなどの寿司コーナーなどで、試食させていたりする場合、「甘いお醤油にしますか?甘くないお醤油にしますか?」と聞かれるほどなので、すっかりこの奇妙なお寿司の食べ方が定着しています。

 また、これに乗じて、日本のお醤油メーカーなどもこの甘いお醤油を大々的に販売しており、この売上げが絶好調なのだとか・・。

 そんな人気のお寿司の売上げがここ2年間で30%減少していると聞いて、少し驚いています。私は、あまりに価格とクォリティのバランスが悪く感じられるので、滅多にパリでお寿司屋さんに行くことはありませんが、あちこちで、お寿司が売っているようになった今も、お寿司の売上げは、レストランでの消費が70%近くを占めているということで、もっとも頻繁に目にするスーパーマーケットなどでの売上げは、これに次ぐものであるとはいえ、まだ及ばずといったところなようです。

 この売上げ減少は、魚介類や輸入材料の価格高騰により、それがレストランでの価格にも反映されている結果、消費者のハードルを上げたとも言われていますが、同時にここ数年での他の多様な安価で手軽なアジア料理(インド料理やタイ料理など)が躍進してきたためとも言われています。

 また日本ならば、豊富な魚の種類などのバリエーションがある代わりに、それらのバラエティに富んだ魚の種類は、フランス人はあまり求めておらず、主にサーモンのメニュー(生のサーモン、炙りサーモン、アボカドやクリームチーズとのコンビネーション)の新しいメニューが登場しておらず、目新しさに欠けるというところもあると言われています。

 とはいえ、若い世代には、積極的な消費傾向が定着しており、また、一定の富裕層に人気の高級店などでは、独自色で顧客を維持しているとも言われています。

 この寿司に関して、やけに講釈を垂れながら、寿司を楽しんでいるフランス人というのもけっこうありがちなところで、このようなお客さんを見かけることも少なくありません。日本人の私としては、「本当にわかって言ってるのかな?」と内心、思いながら、眺めていますが、このような人々がフランスでの寿司人気の一端を担ってくれている気もしないでもありません。

 これだけ広まってしまうと、寿司の売上げが減少しているとはいえ、これが一時の流行のように消えてしまうとも考えづらくはあります。

 とはいえ、日本の誇る食文化のひとつであるお寿司が人気を博していることは嬉しいことでもあり、このまま減少し続けて、消えてしまうことがないといいな・・と思っています。


寿司SUSHIの売上げ2年間で30%減少


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2026年1月22日木曜日

回遊魚みたいな娘

  


 フランスと日本とで、離れて生活している娘とは、時々、電話やLINEなどで連絡をとっています。時差があるため、電話するタイミングはなかなか難しいのですが、やはり、常にどうしているのか?気になる存在ではあります。

 高価なブランド物などには、全く興味のない、というか、そういう物には価値を感じない娘は、一体、何にお金を使っているかといえば、おそらく旅行でしょう。

 旅行が好きなのは私も同じなので、旅行も含めて、娘に関して、私は彼女が小さい頃から何か物を買い与えることよりも、なにかを体験させることにお金を使ってきました。そして、なんといっても、フランスで育った娘はやっぱりバカンス命なのかな?とも思います。

 子どもの頃から長い学校のバカンス期間を当然のこととして育ってきて、学校のバカンス期間のたびに、私が一緒にお休みを取れるときには、一緒にどこかに旅行し、私のバカンスだけでは足りない部分はコロニー(様々な目的に準じた合宿のようなもの)に行かせてきました。

 日本で仕事を始めるにあたって、「フランスみたいにお休みが取りやすくないのは、辛いな~」と言っていたのですが、そこは、スケジュールとリモートワークを調整して上手くやっているようです。

 12月に、「年末年始はどうするの?」と聞いたら、「今年の年末年始は青森とか北の方に行く予定」と言っていたので、「ふ~ん、青森か・・へえ~」なんて感じで聞いていたのですが、先日、たまたまちょっと、彼女の会社が協賛している催物に、たまたま行ったので、その写真を送ったら、「今、石垣島に来ています!」と返事がきて、「えっ?青森じゃなかったの?」と返したら、「いやいや、青森は先週、今週は石垣島なの」というので、「え~~?」と驚いて、冗談半分で、「じゃあ、来週は?」と送ったら、「来週は野沢温泉」と返ってきたのでびっくり!

 仕事をしながらのことなので、恐らく週末の話ではあると思うのですが、全く、どこに住んでいるのかわからないみたいな感じです・・が、楽しそうで何よりです。

 私が彼女の年頃には、まだ親と同居していて、とにかく私の父はうるさくて、厳しくて、旅行に行くとかいうと、「どこに行くのか?」とか、「誰と行くのか?」とか、もう、出かけることを言い出すのがウンザリする感じでした。

 挙句の果てには、「おまえは、空を飛んだり、海に潜ったり、一体、遊んでばかりで何してる?」などと言われる始末。ちゃんと仕事しながら、スケジュールを調整して、自分の稼いだお金で行っているのに・・本当に私はそれが嫌で嫌でたまりませんでした。

 それでも、私がそんな風に旅行するのは、せいぜい半年から1年に1回くらいのこと、今、父が生きていたら、娘の暮らしを見せてあげたいくらいです。

 だから、私は娘がこうして旅行して歩いていることを絶対にうるさく干渉したくないのです。

 それにしても、全くジッとしていることなく、常に忙しく仕事、常に忙しく旅行して動き回っている彼女はまるで回遊魚のようで、じっとしていたら、死んじゃうんじゃないか?と思うほどです。

 私が若い頃にはできなかったことを難なくやってのけている娘は羨ましくもあり、頼もしくもあります。私は、現在は、もう何にも縛られることはなく、やりたければ、彼女のように旅行して歩くこともできないこともないのですが、もはや体力的に無理。なにかすれば、しばらく回復するまでに時間がかかるので、とても、そんな風にはできません。

 とすれば、できるうちにやっておいた方が良い・・そんな風に思うのです。

 ヨーロッパを旅していると、どんなところに行っても、必ずフランス人を見かけ、「全く、どこに行ってもフランス人のバカンスに遭遇するな・・」と思うのですが、娘もやっぱり、そんなフランス人の一人なのかもしれません。


回遊魚


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2026年1月18日日曜日

フランスのAI導入率が急速に成長している理由

  


 フランスはChatGPTなどのAI導入率において、急速な成長を見せており、アメリカ、ドイツ、イギリス、カナダ、韓国などを上回り現在世界第5位にランクインしています。

 マイクロソフトが発表したAI導入率の調査によると、シンガポール(61%)、ノルウェー(46%)、アイルランド(45%)、そしてフランス(44%)となっているようです。

 特にフランスはこの成長率が目覚ましく、2025年には、3.1%増加し、マイクロソフトが分析した30ヶ国の中でも、もっとも高い成長率を記録しています。(ドイツとアメリカはわずか2%の成長率)

 驚くべきことに、意外にもアメリカはわずか24位に留まっています。

 また、中国(16%)とインド(15%)は、人口が非常に多いため上位30位には、入っていません。

 フランスがAIをこれほど急速に導入できている理由は何でしょうか?

 その一つは、独自の高性能な生成型人工知能モデル(Mistral A社)を保有する非常に限られた国の一つであることが言えます。

 また、専門分野におけるAIの人気も理由に挙げられています。

 そして、もう一つは、政府が国家戦略として、継続的な投資と政策を続けてきた点で、フランス政府は2018年から段階的に国家AI戦略を推進しており、特に生成AIを含むAI普及・産業応用を重視した政策支援を展開しています。

 特に産業界への導入に関しては、公的投資銀行(Bpi france)が100億ユーロ規模でAIエコシステムを支援し、AI導入への企業支援を実施しています。

 また、AIの普及が進んでいるにもかかわらず、フランス人はAIの潜在的な悪用に対する警戒感を依然として抱いていることも特徴的なところでもあり、イノベーションと規制が足並み揃えて進んでいると言われています。

 つまり、国家機関が安全な利用を促進することで普及の担い手になるという取り組み方をしているようです。

 しかし、世界ランキングのようなものが出れば、やっぱり気になるのは、日本の状況です。高齢者がダントツに多い日本では、あまり期待はしていませんでしたが、なんと日本は19.1%と圏外。

 比較の対象にもなっていません。


フランスAI導入率 世界第5位 ChatGPT


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2026年1月16日金曜日

ルーブル美術館入場料金値上げと外国人への特別料金設定の是非

  


 恐らく昨年の一大ニュースのひとつに挙げられるであろう、まさかのルーブル美術館の強盗事件は、結局、犯人は逮捕されているものの、盗まれた美術品は発見されていません。

 それどころか、10月の強盗事件以来、ルーブル美術館は災難続きで11月には、南棟2階の天井部分に脆弱性が認められ(その下には、カンパーナギャラリーの9つの部屋がある)、この部分が一部閉鎖。

 また、これに引き続いて、美術館内のエジプト古代美術図書館で古い配管からの漏水により浸水事故、数百冊の蔵書が被害を受け、このエリアも閉鎖。

 この油圧システムは完全に老朽化しているため、このシステムは一時停止されており、2026年9月から数ヶ月かかる予定の大規模改修工事の一環として交換される予定になっています。

 まさに昨年から踏んだり蹴ったりの状態のルーブル美術館は入場料金の体系を変更し、欧州経済領域(EEA/EU加盟国+アイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェー)以外からの訪問者に対して入場料を45%値上げ(22ユーロ→33ユーロ)する「二重価格」を導入しました。

 ルーブル美術館側は、今回の料金改定を老朽化対策、大規模改修、展示環境の改善、安全・監視体制の強化などに充てるための収入増加策として位置づけています。

 この料金体系(差別化料金制導入)は、国家政策の一環として進められており、今後、ルーブル美術館だけでなく、ヴェルサイユ宮殿や凱旋門などの他の主要文化施設でも同様の方針が進められています。

 外国人観光客の40%を非ヨーロッパ圏の観光客が占めるルーブル美術館について、文化省はこの値上げによって、年間2,000~3,000万ユーロの収入が得られると試算しています。この資金は2025年1月にマクロン大統領が発表した約10億ユーロの予算が組まれた「ルーブル美術館・新ルネッサンスプロジェクト」を支援するものです。

 しかし、マクロン大統領の新ルネッサンスプロジェクトに10億ユーロの中の2,000~3,000万ユーロ・・相変わらず、緊縮財政で他の予算が削られ続ける中で安定しない政治情勢の中、気前の良いプロジェクトがどうもしっくりこない気がしないでもありません。

 EU圏外の観光客に対して別料金という話は観光客にとっては、あまり気分のいい話ではありませんが、遠くから来れば来るほど、観光客にありがちな「せっかく来たんだから・・」と値上げになったからといって、ルーブルを見ずに帰る・・ということにもならないかもしれません。

 しかし、これは個人的な感想ですが、最近、パリに来てくれる友人・知人たちの「パリで訪れたい場所」には、入場料云々以前にルーブル美術館は入っていないことが多いのも事実なのですが・・。


ルーブル美術館値上げと外国人特別料金


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2026年1月13日火曜日

卵が足りないフランスの卵事情

   


 そういえば、ここ半年くらいだと思いますが、スーパーマーケットに買物に行って、買いたい卵がないということが多くなっていました。

 なんとなく、卵というものは冷蔵庫に必ず入っている食品のひとつで、常備品ともいえるものでもあり、冷蔵庫の中の卵が少なくなってくると、買い足すという習慣がついています。

 逆に言えば、スーパーマーケットでは、卵はいつ行っても買える食品でもあります。

 それが、ここのところ、卵の棚はなんとなく、ガランとしていて、バカみたいに高い卵がポツポツと残っている程度・・といった感じの時が多くて、あれ?また鳥インフルエンザ??え??また??などと、軽く考えていました。

 しかし、卵が足りなくなっているのは、そんなに短期間で片付く話ではなく、また理由は一つではないらしく、この卵不足の状態は、2026年半ばから後半まで続く見込みなのだそうです。

 最近の卵不足の大きな理由は、天候によるもので、雪や強風のために、トラックでの配送がストップしたためだそうで、しかし、これは、一時的なこと、天候が回復すれば、この問題は、解消されます。

 第一には、インフレのために、他の肉や魚などの価格が上昇したために、比較的、価格が安定し、しかも安価にタンパク質が摂取できる卵の人気が拡大したために、卵の需要が4~5%増加したそうで、これに対して、生産の拡大が間に合っておらず、生産量は最大でも1%程度増加したに過ぎないそうです。

 また、卵以外の食品においても、やたらと最近、よく見かける「プロテイン」、「高タンパク質含入」などの商品が目立ち、「プロテイン」、「たんぱく質」が、ちょっとした食品業界のパワーワードになっている状態でもあります。

 さらに卵とコレステロールへの影響について多くの人々が抱いていた不安は、近年、医療専門家によって再検証され、コレステロール問題は解消されつつあります。

 卵が安価に供給できているのには、もう一つの理由があります。

 それは、卵の価格が農家と流通業者の間で10年から15年の契約に基づいて決定されているためで、これにより、農家は安定して生産物を供給でき、消費者は需給によって変動しない安定した価格で卵を購入できる仕組みになっているためです。

 価格に影響を与えるのは、飼料(穀物)だけです。なので、インフレが急上昇した際には、この分の値上げはありました。

 つまり、現在の卵不足の主な原因は、急速に増加した需要に供給がおいつかないということで、この生産量を増加させるための新規就農者支援の国家プロジェクトもすでに動き出しています。

 そして、この卵の生産増加を容易ではないものにしているのが、フランス国内での卵の生産が「放し飼い卵」へと移行しつつあるため、鶏舎だけではなく、鶏を飼うための土地を確保しなければならない(現段階で、販売されている卵の43%が放し飼いの卵)ということです。

 よって、この国家プロジェクトはこれまでのケージではなく、屋外で飼育するという明確な目標が掲げられています。そのため、この不足分を補うに足りる卵の生産が間に合うようになるには、もう少し時間がかかるということらしいです。

 この品不足を補うために、ウクライナ等からの輸入量は若干、増加しているものの、トレーサビリティが保証されていないため、問題を引き起こしています。

 フランスはヨーロッパ最大の卵生産国であり、ほとんどのEU加盟国が同様の不足に直面している中、他国からの供給確保は困難です。

 CNPO(全国鶏卵振興協会)の理事長は、2030年までに放し飼いが可能な新しい鶏舎300棟建設が見込まれていると発表しています。

 フランス人は一人当たり年間220個以上の卵を消費しているとのことですが、だったら、日本は?と調べてみたところ、320個だそうで、フランス人よりも断然、多いのには驚きました。

 しかし、考えてみれば、卵焼き、ゆで卵、オムレツ、茶わん蒸し、たまごサンドなどなど、たまごを使うお料理は断然、日本の方が多いのです。

 そして、生卵、たまごかけご飯など、海外にいると食べられない、恋しいのもこんな卵料理?でもあります。ああ~卵ってホント便利な食品ですね。


フランスの卵事情


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2026年1月10日土曜日

パリ 国立工芸博物館 Musée des Arts et Métiers パリオリンピックのメタルホース

  


 パリオリンピックの開会式に登場したメタルホースが展示されていると聞いて、パリ国立工芸博物館 Musée des Arts et Métiersに行ってきました。

 これまで、パリにある国立工芸博物館 Musée des Arts et Métiersというものの存在は、なんとなく知っていた・・というか聞いたことはあるけど・・くらいの感じで、特に、行ってみようと思ったことはありませんでした。

 しかし、今回、期間限定でパリオリンピックの開会式に登場したメタルホースが展示されている(2026年3月29日まで)と聞いて、それなら、ちょっと行ってみようかな?と思って行ったら、想像以上に面白かったのです。









 メタルホースは、まず、屋外にひとつ、博物館の入り口すぐの場所にあり、5分に1回動くようになっています。「なんだ・・中に入らなくても見れるんだ・・じゃあ、これでいいかな?」とも思ったのですが、せっかく来たんだから、中も見て行こうと博物館の中に入ったら、しっかり「ZEUS」と銘打ったメタルホース本体と、オリンピックの時の美しい写真等が展示されているスペースがありました。

 この博物館はパリにある工業デザイン博物館で、科学機器やエネルギー関連、機械力学、建設、通信、輸送機器等の発明品8万点以上の収蔵品のうち、約2,500点が展示されています。





 現在のこの博物館は、かつてのサン・マルタン・デ・シャン修道院の教会とそれに隣接していた建物を併せて増改築して作られたもので、博物館の中に、教会部分が残されている不思議な建物で、立体的なつくりになっていて、それだけでも面白いです。

 教会部分のスペースはどこか神秘的でもあり、そこには、フーコーの振り子のオリジナル版、フレデリック・オーギュスト・バルトルディの「世界を照らす自由」(通称 自由の女神像)のオリジナルモデル、初期の飛行機、古すぎてかえって新しく思えるような自動車などなどが展示されています。


 なかには、これ?もう博物館に展示されるようなもの?とびっくりしてしまうような見覚えのあるSONYの初期のビデオデッキなどもあったりして、考えてみれば、ずいぶんと時が経って、過去の遺物となっていることに衝撃を受けたりもしました。

 お目当てだった「メタルホース」は、思っていたほど、大きくもなく、(実物の馬と同じくらい)、しかし、あの時、セーヌ川を走っていたのか・・と思うと、ちょっと感慨深くもありました。

 近くで見ていたフランス人が、これ、音楽も欲しかったわね・・と自分たちでオリンピックのテーマ曲を歌い出したりしていたのも、フランス人・・やっぱり根はラテン系・・などと、一人ウケていました。

 また、そういえば、ニュースで見たような気もする、オリンピック期間中、メタルホースがフランス国内を横断し、ベルサイユ宮殿やモンサンミッシェルにまで行っていた様子などのビデオも大画面で見られるようになっています。

 平日の昼間だったためか、それほど混雑はしていませんでしたが、それでも、思ったよりも、ずっと人は入っていたし、何より面白かったです。

 もしも、メタルホースが展示されていなかったら、ここに来ることはなかったと思うと、馬が私を引き寄せてくれた気もして、少しお馬さんに感謝です。

 しかし、この馬、3月29日までらしいので、メタルホースを見たい方はお早目にお越しください。


パリ 国立工芸博物館 Musée des Arts et Métiers

60 Rue Réaumur 75003 Paris 月休

パリ オリンピック メタルホース


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2026年1月3日土曜日

パリの映画館で日本映画「国宝」を見に行ってきました! Le Maitre KABUKI

  


 私は映画やドラマが大好きなので、わりと良く見ているのですが、あまり人が密集するスペースが好きではないため、映画館というものには、滅多に行くことがありません。

 しかし、今回は、日本で大ヒットしているという映画「国宝」がフランスでもやっている(フランスでは、Le Maitre KABUKI とという題)ということで、映画の舞台となっているのが歌舞伎の世界・・これは映画館の大きなスクリーンで見たら、きっと綺麗だろうな・・と思って、珍しく映画館に行ってきました。

 また、この「歌舞伎」の世界を描いた映画にフランス人がどう反応しているのかにも少し興味がありました。

 前回、フランスで日本の映画を見に行ったのは、伊東詩織さんのドキュメンタリー映画「Black Box Diaries」でした。これは、当時、日本の映画でありながら、日本では非公開になっていて、フランスでは公開されていたので、それならば、見てみようという気になったからです。

 しかし、「Black Box Diaries」は、そこまで多くの映画館でやっていたわけではなかったのですが、今回の「国宝」は、かなり多くの映画館で公開されています。

 少なからず日本贔屓な人が多いフランス、しかも日本人以上に日本の伝統文化には深い畏敬の念を持っているように感じられるところもあり、この映画はきっとフランス人には受け入れられる映画だろうな・・とは思っていました。

 ただ、私は、なんとなく評判がいいというだけで、ストーリー等もあまり知らないままに見に行ったので、「歌舞伎の世界を映画で?」というところがあまりピンと来ていませんでした。

 映画館は平日の昼間のわりには、そこそこ人が入っていました。

 ストーリーを語ればキリがないので、全体的な印象を・・。やっぱり大きなスクリーンで見ると、とても綺麗。また、歌舞伎の劇場の客席と映画館の客席がダブって感じられるために、歌舞伎の劇場で見ているような錯覚に陥り、しかし、要所要所は、アップにしてくれているために、実際の劇場で見るよりもよく見えます。

 また普段は見ることのない歌舞伎の舞台裏なども少し垣間見れるのも興味深いし、ストーリーも意外な展開に進んでいくので飽きずに見応えがありました。

 正直、ちょっと長いかも・・と思っていたのですが、3時間はなかなかなボリュームでしたが全然、長くは感じられず、見ているうちに引き込まれていきました。

 これまで日本人というだけで大して見たこともないくせに歌舞伎というものを知っている気でいたのですが、この映画を見て、あらためて「歌舞伎って凄いんだな・・」、「日本の伝統芸能って凄いんだな・・美しいんだな・・厳しい世界なんだな・・」と思い、もっともっと、フランスの人にも見てもらいたいと思いました。

 この映画、日本語で見られた(フランス語字幕)のも嬉しかった!(まあ、これは日本語じゃないとピンと来ない映画かも・・?)

 周囲のフランス人たちがどんな反応をしているのか?なんてことは、すっかり忘れて、見入ってしまっていましたが、映画が終わって、エンドロールが流れ始めたときに、後ろに座っていた若い男性2人組が「トロビアン!(トレビアンよりもさらに凄いという意味)」と大絶賛していたのが聞こえてきて、なんだか日本人として、ちょっと嬉しくなりました。

 なんなら、もう一度、じっくり見たいかも・・?

 そして、私ってとっても単純なんだなーと思うんだけど、今度、日本に行ったら、歌舞伎を見に行きたいな・・そう言えば、あの叔父に頼んでみようかな??などと算段しはじめています。


日本映画「国宝」 Le Maitre KABUKI 


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2026年1月2日金曜日

穏やかな一人の年越し 外では、毎年、車が燃える

  


 海外で一人暮らしで、今年は年末年始はお客さんもせずに、昨日とまた同じ一日を過ごして、穏やかな年越しでした。それでも、なんとなく、一年が過ぎて、新しい年を迎える瞬間は、テレビでシャンゼリゼの模様を眺めながら、年越しそばを食べました。 

 思うに私にとっては、大晦日の夜には、年越し蕎麦を食べ、元旦の朝にはお雑煮を食べることで、なんとなく一応の区切りのような感じを味わうという、マイペースで穏やかな年越しです。


 パリの年越しの様子は毎年、少しずつ変わっていますが、今回のシャンゼリゼ、というか、パリ市は花火を非常に警戒していたようで、いつもは年越しには盛大に行われるエッフェル塔の花火も取り消しになり、その分、シャンゼリゼ、凱旋門での花火がいつもよりも華やかというか派手な感じでした。

 シャンゼリゼの街路樹のイルミネーションがトリコロールカラーにピカピカ・キラキラに染まり、凱旋門の花火も花火と同時に凱旋門にプロジェクションマッピングが映されるスタイルになりました。

 それでも、昨年までシャンゼリゼ(凱旋門)で行われていたコンサートは中止され、テレビでは、このシャンゼリゼの様子と重ねあわされて、ほぼ1カ月前にコンコルド広場で事前収録されたコンサートが流されていました。

 このコンサートやエッフェル塔の花火が中止されたのは、もちろん警備上の理由からなのですが、できるだけ集まる人々の熱狂をできるだけ抑えようとしているということは感じられます。

 それでも、毎年、年明けに発表されるのは、年越しに燃やされた車の数・・という、ちょっと日本なら、あり得ない報告なのですが、今年(2025年~2026年)の年越しに燃やされた車の数はフランス全土で813台だったそうです。

 この数字は、個人的には、いつもよりも若干少なめ?のような気がするのですが、それにしてもやはり、もの凄い数です。

 この日には、フランス全土には9万人の警察官と憲兵隊が配備されていたそうで、これでも、かなり警戒された結果なのだと思います。

 ちなみに昨年の大晦日は984台の車が燃えたという記録が残っているので、昨年よりは、若干、減少傾向・・一時期は、1,300台くらい・・なんて年もあった気がします。

 大晦日に車が燃やされる・・というのは(地域にもよりますが・・)、そんなに珍しい話でもないので、ちょっと怪しいエリアにありながら、この日に車を路上駐車しておくというのは、気が知れない・・という気がしないでもありません。

 もはや、この寒い年末年始に外に出るのも億劫になっている私は、いつもとちょっと違うものを食べるくらいでしか、変わらないのですが、やはり、騒ぎたい人は何かにつけ、騒いで発散したいみたいです。


フランスの年越し 燃える車の数


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2026年1月1日木曜日

ブリジット・バルドーの葬儀をめぐっての政界分断の図

  


 フランスの映画界の大スター ブリジット・バルドーの訃報が発表されて以来、この国民的女優の葬儀をめぐっての構想は政界を二分していると言われています。

 フランス国民にとっての偉大なスターであった彼女の訃報に際し、大統領府は、国民全体からの追悼の意を表す場として国が追悼式を開催する提案をしていましたが、彼女の遺族はこれに応じず、彼女の葬儀はブリジット・バルドー財団がサントロペのノートルダム・ド・ラソンプション教会で葬儀を執り行うことを発表。葬儀の模様は教会の外の大型スクリーンにて中継され、その後、海兵隊員の墓地にて私葬を執り行い、その後、「サントロペのすべての住民と彼女のファンに公開された追悼式」が行われると発表しています。

 大統領府はこのような提案をしたことは、共和国の慣習に則ったものであり、追悼は遺族との合意に基づいて決定されるものであると説明しています。

 葬儀は年明け1月7日に行われることが予定されています。

 また、この葬儀には、マクロン大統領は招待されていないとのことで、そんな中、極右のマリン・ルペン氏は葬儀に参列することを発表しています。

 ブリジット・バルドーは生前、マクロン大統領に対しては、あまり好意的な感情を持っていなかったといわれており、彼女は2023年にマクロン大統領を「邪悪な存在」と呼び、マクロン大統領に動物虐待に対する無策を批判する辛辣な手紙(「私はあなたの無策、臆病さ、そしてフランス国民への軽蔑に憤慨しています」という内容)を送っています。

 一方、ブリジット・バルドーは国民連合(RN)とは先代?ジャン・マリ・ルペン氏の代から密接な関係にあり、今回の彼女の訃報が流れると国民連合は、すぐに、「類まれなる女性」、「信じられないほどにフランス的」、「自由で不屈で誠実な女性であった」と彼女を絶賛するコメントを発表しています。

 前党首のマリン・ルペン氏とは政治以外にも動物への情熱を共有していたと言われています。

 それを裏付けるかのように、マリン・ルペン氏は「私は彼女への愛情、感謝、そして尊敬の気持ちを表すために、個人的な友人として葬儀に参列します」とマリン・ルペン氏は述べています。

 ここ数年、特に不人気の声が大きくなっているマクロン大統領、国民的大女優の葬儀というある種の一大イベントに接し、形無しといった感じに陥っています。


ブリジット・バルドーの葬儀


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2025年12月30日火曜日

ジョージ・クルーニー 家族とともにフランス国籍取得 フランス国籍取得に必要な条件

  


 アメリカの俳優・映画プロデューサー・映画監督でもあるジョージ・クルーニーがその妻、子ども達とともにフランス国籍を取得しました。

 夫妻は2021年、ヴァール県ブリニョールの町にプロヴァンス風のカントリーハウスとブドウ園を購入しており、「ここではパパラッチに狙われることもなく、子どもたちも安心して学校に通える環境」、「私たちにとっては、それは、必要不可欠な環境」ということで、一家は「この邸宅が私たちにとって最も幸せな環境である」と説明しています。

 彼はフランス国籍取得にあたって、400日間のフランス語のレッスンを受けたと語っていますが、自称「相変わらずフランス語は下手ですが、フランス文化とフランス語が大好き」と言っています。

 彼のような著名人に関しては、一般人のフランス国籍取得の条件とは若干異なるのかもしれませんが、一般的なフランス国籍の基本的条件には、最低5年間の合法的かつ継続したフランス居住が原則条件となっています。

 ただし、フランスの大学等で2年異常の高等教育課程を修了した場合は2年に短縮が可能、認定難民には住居年数の要件がない、などの例外条項もあります。

 そして、一般的にはフランス語レベルB2(CEFR)(読み書き・会話)が必須となっています。

 また、その他の条件として、安定した収入と職業的統合(収入の継続性や雇用契約)があること、犯罪歴がないこと、フランスの共和性の価値観への順守と理解があることなどが挙げられています。

 日本は二重国籍が認められていないため、私は国籍は一つで充分・・フランスの国籍を取得しようと考えたことはありませんが、中にはフランス国籍が必須の仕事につきたい場合など、日本人でも日本国籍を放棄してフランス国籍を取得したという話も聞いたことがあります。

 また、以前、知人の一人が10年おきに滞在許可証の更新が嫌でたまらない!と、日本側に二重国籍を認めてくれるようにと署名を集めていた人がいましたが、日本側はガンとしてこの二重国籍禁止の姿勢は崩さないようです。

 娘が生まれた時に外交官をしていた夫に「日本は二重国籍が許されていないから、成人したら、どちらかを選ばなくちゃいけないんだけど、どうしたらいいかな?」と話したら、「日本の国籍の方が取るのが難しいから、日本の国籍を選択しておいた方がいい、フランス国籍ならいつでも取れる・・」と言っていたのを思い出します。 


ジョージクルーニー フランス国籍取得


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2025年12月29日月曜日

今度は本当だった・・ブリジット・バルドーの訃報

  


 世界的に最も著名なフランス人俳優の一人であるブリジット・バルドーが12月28日、サントロペにある自宅でこの世を去りました。91歳でした。

 つい数か月前、彼女のデマの訃報がネット上に流れ始め、本人が「私は生きています」と声明を出し、デマを流したインフルエンサーが謝罪したりしていたのが、まだ記憶に新しいところですが、今度の訃報は紛れもなくホンモノでした。

 映画界、フランス人の俳優など、あまり知らない私でさえも知っている・・ということは、少なくとも、現在の若い世代の人々はともかく、かなりの著名人であったことは間違いありません。

 昨年、アラン・ドロンが亡くなったばかりですから、このレベルの国際的に有名なフランス人のスターが続々と他界していく感じで寂しいかぎりです。

 「彼女は紛れもなくフランスおよび国際的に最も偉大なスターの一人であり、世代のアイコンであり、独自の方法で女性の解放と性の自由を象徴していた」と、フランスでは書かれています。

 パリの裕福な家庭に生まれ育った彼女は、映画界に登場した瞬間から人々の意識に革命をもたらし、息を吞むような美しい曲線美と官能的でありながらも純粋な一面を持ち合わせる世界で最も美しい女性と言われました。

 彼女は50本以上の映画に出演した俳優であり、80曲以上の歌を歌った歌手でもあり、晩年は動物愛護活動家として活躍していました。

 もっとも最近では、捕鯨問題において、日本が国際手配までかけて追っていたポール・ワトソン氏(環境活動家)の身柄引き渡し問題などにも、ポール・ワトソン氏を支える動きをしていたりしたのは、そんなに昔の話ではありません。

 ブリジット・バルドーしかり、アラン・ドロンしかり、かなり晩年までテレビで見かけることがありましたが、若い頃に美しかった人ほど、そのギャップが激しく感じられて、もう、出てくれない方がよいのに・・などと思ってしまったこともありました。

 彼女は今年9月に3週間ほど入院して手術を行っていたようですが、その時、彼女の偽訃報が出回ったと思われます。

 彼女は18歳の時に最初の結婚をして以来、合計4回結婚したそうですが、子どもは息子1人だけだそうで、アラン・ドロンのような遺産相続争いはなさそうです。

 晩年の彼女は以前の仕事で身に着けた私物、宝石などを売りに出して300万ユーロを集め、自身の財産の一部を遺贈して動物愛護団体を立ち上げていますので、財産への執着はアラン・ドロンとは少し違うかもしれません。

 アラン・ドロン88歳、ブリジット・バルドー91歳、フランス人の平均寿命を超えたフランスの映画界の一時代を築いた人々が少しずつ消えていきます。

 彼女の訃報の扱い方を見ていると、夜8時からのニュースで冒頭からのトップニュース、ぶっちぎりで30分以上割いていたので、フランスにおける彼女の存在感の大きさを思わせられます。


ブリジット・バルドー訃報


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2025年12月18日木曜日

ノエル・クリスマス前後の期間限定のクレッシュは 2026年2月2日まで パリ・ノートルダム大聖堂

  


 パリ・ノートルダム大聖堂が再び公開されてから約1年。昨年、再建されたばかりのノートルダム大聖堂の中に行ったときは、やたらと白く、きれいにお化粧直しされた感じで、なんだか逆に妙にしっくりこない感じもあったり、一方、でも、やっとできあがったんだな・・とか、無事に焼け残っていた部分などに、よくぞご無事で・・とか、ちょっとウルウルしたり・・それなりに気持ちが揺さぶられたのを覚えています。

 これまでにも、それほど、頻繁に足を運んでいたわけでもなかったのですが、たまたま、12月だったために、この季節ならではのクリスマス・ノエルの伝統的な飾りもの「クレッシュ」(キリスト降誕の場面を人形で表現したもの)が、背景の壁などもあいまって、それは見事で、今年もそれを見に行こうと思って、でかけました。

 今時期、やっぱり混んでいるのかな?とも思ったのですが、それほどでもなく、というか、ほぼほぼ並ぶこともなく、スイスイと中に入れました。

 ほぼほぼ並ばないとはいえ、中に入れば、そこそこの人が入っており、順路に沿って、ゆっくり歩いて行く感じではあります。




 お目当てのクレッシュは、正面入り口から左の通路を進んだかなり奥にあります。

 今年のクレッシュは11月29日からイエスの神殿奉献の祝日2026年2月2日まで設置されていますが、このクレッシュは、50体以上の人形が配置されたプロヴァンス風降誕場面がデザインされたもので、アルルで開催された国際降誕場面フェアに登場したものが飾られています。




  この季節の一つのハイライト的な展示でもあり、その周りには、さすがに少々の人だかりができていますが、そこまで耐えられない人混みでもありません。




 さすがにノートルダム大聖堂だけあって、そこそこの大きさもあり、かなりの見応えがあります。今時期、色々な場所にクレッシュが飾られていますが、さすがにこれだけ見事なものは、なかなかありません。

 また、この時期だけの展示になりますので、今時期、パリを訪れる方には、一見の価値ありです。


パリ ノートルダム大聖堂 クレッシュ キリスト降誕

 

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2025年12月14日日曜日

世界的大ヒットと言われている インターマルシェのコマーシャル

 


 2分30秒という長い「インターマルシェ」のCMが世界的に大絶賛を受けているらしいのです。

 これは、フランスのスーパーマーケット インターマルのシェ今年の冬のクリスマスバージョンのCMで、12月初旬に公開されるやいなや、3日で2,000万回再生されたという世界的大ヒットと言われているCMです。

 100%フランス製でAIは一切使用していないというこのCM制作は、広告代理店ロマンスとモンペリエを拠点とするスタジオIllogic Studiosが約100人を動員し、1年にわたるクリエイティブプロセスを経て完成されました。

 「愛されなかった者」と題されたこのCMは拒絶されたオオカミが森の動物たちに受け入れられるために、より良い食生活を学び野菜を調理し始め、ついには、、森の動物たちのクリスマスディナーに受け入れられていく物語を実写とアニメーションを融合させながら描いています。

 この世界的な大絶賛は、昨今、多くのCMクリエイターたちが生成型AIに取って代わられるのではないかという不安を表明している中、クリエイターたちは、「機械にアーティストの代わりはできない!」、「人間の感情や感受性を伝えるには、手作業による作品が重要である」という一種のムーブメントによるものもであると言うこともできます。

 このCMの大ヒットにより、インターマルシェはこのCMに登場する「オオカミのぬいぐるみ」の発売を予定しているそうです。

 一方、同時期にAI広告を発表したコカ・コーラは大バッシングを受け、また、オランダのマクドナルドのAI広告も猛烈な批判にさらされ、同社は広告を削除する事態に陥っています。

 思わぬ大成功を遂げた「インターマルシェ」は、私たちの「愛されていなかったオオカミ」が世界中に愛されている!と喜びの声を表明しています。

 CMに関しては、フランスでは、細かな禁止事項なども多々あり、また、日本のCMのように大々的に有名タレントや俳優が登場することはないCMが基本となっており、全然、色合いが違うものです。

 たまに見かける日本のCMは、日本人としては、それはそれなりに懐かしい感じがするものではありますが、今回の大ヒット作品のように、広い世代に優しく何かを訴えかける芸術的なCMというものにも、日本の広告業界も挑戦してほしいと思っています。


インターマルシェの大ヒットクリスマスCM


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2025年12月8日月曜日

フランスの社会保障費はGDPの31.7%で欧州トップ

  


 フランス研究・調査・評価・統計局(Direction de la Recherche, des Études, de l'Évaluation et des Statistiques / Drees)の調査によると、8,880億ユーロに上るフランスの社会保障費支出(年金、医療費、家族手当等)は、フランスのGDPの約3分の1(31.7%)を占め、公的支出の中で最大の項目であると発表しています。 

 フランスは約15年前、GDP比28.9%で2位でしたが、2007年から2023年の間に社会保障費支出がGDP比2.8%増加したことで、フィンランド(GDP比31.1%)、オーストリア(30%)を上回り、社会保障費支出が国民の富に占める割合がもっとも高い国としてトップに躍り出ました。

 ただし、フランス以上にこの割合が爆発的に上昇しているのは、フィンランドだそうで、今後1~2年の間にフランスを追い抜くと予想されています。

 個人的には、社会保障の良い国のイメージとしては、なんとなく北欧の国々をイメージしていたのですが、フランスのこの社会保障費の割合が高いのには、正直、驚きました。

 とはいえ、これはあくまでもGDP比の話、具体的な内容の話ではありません。

 フランス政府がこれを発表したのは、予算削減のために、なんとか、この社会保障費を削るためのことだと思いますが、この社会保障費の中でももっとも多くの割合を占める年金と医療費に関して・・特に年金問題に関しては、過去に政府が改革しようとしても、何度も失敗しているうえ、そのたびに大暴動のような騒ぎが起こるために、そう簡単なことではないかもしれません。

 しかし、この社会保障費の支出というのも、どのような計算の仕方をしているのかわかりませんが、フランスの場合、もともと国民が支払っている社会保険料等は高く、特に事業主の負担はかなり大きなものであることも忘れてはなりません。

 なので、それを受ける側の国民からしたら、けっこうな金額をすでに徴収されているために、受給する権利は当然あるはずだ・・となるのでは・・とも思います。

 私は、もうフランスに来て長くなるため、同時期に日本の社会保障がどのような状況であるのかはわかりませんが、実際にフランスで生活していて、特に夫が突然、他界してしまったりしたこともあって、この社会保障には、ずいぶんとお世話になってきた気がするので、フランスの社会保障は決して悪くない気はしています。

 一方、この社会保障費の削減に成功している国もあるわけで、ハンガリー、デンマーク、スウェーデンなどの国々が挙げられています。中でも、デンマークは年金支出を削減しながら、高齢者の貧因率を低下させた唯一の国として注目されています。

 ちなみに社会保障費の対GDPの割合、日本はどうなのか?と調べてみたら、日本は22.4%ということでした。


フランスの社会保障費


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2025年12月7日日曜日

マクロン大統領の中国公式訪問と中国からフランスへの対日外交支援の要請

 


 マクロン大統領は、ウクライナ問題、貿易問題などを中心としたフランス・中国間の関係再構築のため、2017年以来4度目となる中国公式訪問を行いました。

 マクロン大統領は、主にウクライナ問題や貿易に関する欧州の期待などを中心とした

テーマにおいて、有益な議論が行われたと表明しており、習近平国家主席に「安定と平和に貢献する意欲」を感じたと述べていますが、実のところは、あまり具体的な進展は見られていません。

 また、最近では、SHEIN問題などにもみられるように、中国との貿易問題については、フランス国内でも物議を醸しているところではありますが、実際にフランスの対中貿易赤字が2024年には470億ユーロに達しており、フランスの貿易相赤字のほぼ半分(46%)を占めていることから、経済関係のリバランスの必要性を訴えたようです。

 エアバスの発注に関してや、コニャック、乳製品、豚肉などに関する関税問題、また中国の電気自動車問題などについても話題に上がっていたようです。

 ウクライナ問題にせよ、貿易問題にせよ、いずれも具体的な進展が見られなかったものの、今後、数週間から数ヶ月の間に外相間の外交対話を強化し、共同文書を作成することで合意したと報道されています。

 そんな中、マクロン大統領の中国公式訪問の数日前に中国はフランスに対し、「対日外交支援」を要請したという話も伝えられています。

 これは台湾問題と戦後合意の解釈をめぐり、中国と日本の間の緊張が高まる中、行われた措置のひとつです。

 高市首相の発言に端を発した中国と日本間の問題が、どんどん他の国をも巻き込んでいる事態に発展しているということです。

 ブルームバーグ(米)によれば、中国が国際フォーラムで日本の立場を孤立させるためにフランスと連携したいと明言し、日本が台湾に関してなされた歴史的合意を曖昧にした非難しており、日本は自らの立場を明確にし、戦後の国際秩序を尊重しなければならないと主張していると言います。

 2026年6月にG7サミットを開催するフランスはまさに外交の最前線に立たされており、マクロン大統領は、このデリケートな問題に対するフランスの立場を迫られています。

 これに対し、マクロン大統領は、2026年6月のG7サミットへの中国の習近平主席の招待を検討していると言われています。

 日本は既に、習近平国家主席のG7招待について、同国の出席が中国に対する議論を制限する可能性があるとして、フランスに対して慎重な姿勢を示すよう要請していると言われ、一方、中国はフランスに対して日本の立場に異議を唱える上で積極的な役割を果たすことを求めています。

 これに対して、フランス政府からの公式な発表はなされていませんが、マクロン大統領からしたら、とんだお土産を持ち帰ってきたことになっています。

 フランスは習近平主席をG7に招待するんでしょうか?

 日本はこの問題、放置しておくんでしょうか??


中国のフランスへの対日外交支援の要請


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2025年12月3日水曜日

大晦日のシャンゼリゼのコンサートは安全上の理由から中止

  


 毎年、恒例となっているシャンゼリゼでの年越しには、ここ数年、凱旋門を背景にした大がかりな花火に加えて、コンサートが行われていました。

 個人的には、花火だけで充分じゃない?と思っていましたが、これが本当に安全上の理由からということで、大晦日のシャンゼリゼでのコンサートは中止になったようです。

 これは、パリ警察長官からパリ市長に向けて要請されたもので、パリ市長はこれを受け入れたそうです。

 というのも、昨年の大晦日のコンサートの際には、あまり公にはなっていませんでしたが、過去2年間のこのコンサートにはシャンゼリゼ周辺に100万人以上が集まり、特に、このコンサートが行われていた2時間の間におこった危機的状況は、オリンピックの開催時よりも多かったと言われています。

 まあ、オリンピック時の厳重警戒は、本当にもの凄いレベルのものだったので、比較するのはあまりふさわしくないとは思いますが、ただでさえ年越しのイベントということで、かなり盛り上がっている人々が音楽やダンス、そしてお目当てのアーティストがすぐそこに・・となったらば、ヒートアップするのも当然といえば、当然です。

 パリ検察庁の発表によれば、昨年の大晦日の年越しに関連してパリでは136人の逮捕者が出て、104人が拘束されたと言われています。

 警察側もこの状態では、アーティスト側と観客の安全を守り切れないと判断した模様です。

 しかし、この年末のシャンゼリゼの花火は、年々、派手になり、以前は単に大きな花火が打ち上げられる程度のものだったものが、レーザー光線を使ったり、映像を使った演出がされるようになり、ついには、コンサートまで始まって、そのコンサートはテレビ中継されていました。

 この安全上の理由から中止になったコンサートは、大晦日には事前収録(先日、すでにコンコルド広場で収録済)されたものが大晦日にはテレビで流されるそうです。

 とはいえ、花火だけでも、相当な人が集まることには変わりませんが、そのくらいで、充分なのでは・・と思います。

 考えてみれば、大晦日の年越しイベント+花火+屋外コンサート・・しかもシャンゼリゼ・・どう考えてもリスクは大きすぎるのです。

 シャンゼリゼの400本の街路樹は、すでにライトアップされており、毎日5時には点灯し、平日は午前零時、週末は午前1時に消灯しますが、12月24日と12月31日だけは、夜通し点灯し続けているそうです。

 このシャンゼリゼのイルミネーションは1月4日までということです。


大晦日のシャンゼリゼのコンサート中止


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2025年11月28日金曜日

フランスが2026年から実施する志願制兵役・国家奉仕活動とは?

  


 マクロン大統領が来年から実施される志願制兵役の実施を発表し、具体的にフランスの軍事化に単に金銭的なことだけではなく、具体的な人的資源を集める手段に進み始めたことに衝撃を受けています。

 マクロン大統領の発表によれば、これは2026年夏から開始されるもので、大統領はこれを「国家奉仕活動」と呼んでいますが、これは、志願制に基づく純粋な軍事奉仕活動であり、志願者はこの10ヶ月間、最低月額800ユーロ(約 14,5000円)の手当に加え、その間の宿泊、食事、装備が提供されます。

 2026年には3,000人、2030年には10,000人、2035年には50,000人の若者を募る予定になっています。

 マクロン大統領が、『「国民奉仕活動」は我々を守るために動員されるため、国民奉仕活動は「国家の領土内」でのみ、奉仕活動を行う』と明言しているとおり、奉仕活動を行うこのプログラムに参加する者は、10ヶ月間の訓練プログラムにおいて、国内でのみ奉仕活動を行うことが基本となっていますが、「重大な危機が発生した場合」議会が志願者だけでなく、他の若者の参加を承認できるようになる・・という意味深な文言もついています。

 同時にマクロン大統領は、「我々が追及する目標は軍事的なものである」ということも同時に名言しています。

 また、この国家奉仕活動の中核は18歳から19歳の若者を中心に構成されるということで、政府は若者たちが高校時代に軍隊でのインターンシップを完了することを奨励したいとしており、同時にマクロン大統領は、「防衛・国際安全保障」の授業期間をこれまでの1年から3年に延長することも同時に発表しており、「そのため、若者は各学校で少なくとも年に1回は記念式典に参加しなければならない」と教育の場面から変えていこうとしているところが、なんとなく、空恐ろしい気もします。

 入学式や卒業式などの記念式典のようなものさえ、ほとんどないフランスの学校で軍事関係の記念式典だけは行われるというのもなんだか奇妙な気がするところでもあります。

 しかし、現実的に考えれば、18歳から19歳といえば、高校卒業後のそれぞれの進路を構築していくために必死な年代(つまり大学受験の年代)で、振り返ってみれば、うちの娘などは、勉強ばかりしていた年代でした。

 その年代の若者たちがそのような「国家奉仕活動」に参加するかどうかは大いに疑問ではあります。

 しかし、経済的にひっ迫している家庭にとってみれば、これに参加せざるを得ないような場合もあり得るのではないか?とも思われることには、まさしく格差社会を逆手にとったやり方のような気がしないでもないのです。

 この「志願制兵役」、「国家奉仕活動」には、20億ユーロ以上の費用がかかることが見積もられていますが、これまで政府は、軍隊に追加の人員を提供するための最善の方法を検討し続けていたとも言われており、今年7月14日に発表された戦略レビューによれば、これは、「危機発生時に動員できる人材プールを構築するため」のものであると見られています。

 なんだか軍事化がどんどん進んで、正直、怖いです。


フランス志願制兵役・国家奉仕活動


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2025年11月23日日曜日

サルコジ元大統領 釈放から1ヶ月後に「囚人の日記」を出版を発表

  


 元大統領という立場のサルコジ元大統領にパリ刑事裁判所は、2007年の大統領選勝利に向け、独裁者アンマル・カダフィ率いるリビアから側近らが資金提供を募ることを故意に認めていたとして、実刑の有罪判決が下しました。彼は判決(懲役5年)どおりに実際に収監され、約3週間の刑務所生活を経たのち、釈放請求が認められて釈放。

 彼の釈放には、「渡航禁止、他の被告人および、ジェラール・ダルマナン司法大臣を含む多くの人々、そして裁判に関する情報にアクセスできる可能性のあるスタッフや司法関係者との接触禁止」などの条件がつけられています。

 この釈放条件の中には、新著の出版禁止という項目はなかったようで、釈放からおよそ1週間後には、彼自身の実際の刑務所生活を綴った「囚人の日記」というタイトルの新著を出版することを発表しました。

 彼が拘留される前から、この本の出版の話は決まっていたとみられ、彼は拘留初日から、独房の中で執筆活動を開始していたようです。

 「刑務所では見るものも、やることもない。静寂を忘れてしまうが、ラ・サンテには、そんなものはない。聞こえるものがたくさんあり、悲しいことに騒音が絶え間なく続く。しかし、砂漠のように、刑務所では内面が強くなる。」と彼は書いています。

 この全216ページにおよぶ本は12月10日20.90ユーロで発売されます。

 大統領の拘留日記というものは、非常に興味深くもありますが、サルコジ氏自身も「フランス国民と体験を共有したかった」と述べているようで、如何せん元大統領の刑務所での拘留体験・・なかなか微妙でもあります。 

 わずか9平方メートルの独房に監禁され、24時間体制で隣室に2人の警備員が待機するという異例の拘禁生活は彼自身だけでなく、刑務所労働組合の憤慨も招いていたようで、この際、刑務官側の日記もなんなら、出版してほしい気がします。

 いずれにしても、転んでもタダでは起きないというか、彼のしたたかさをこの本の出版でさらに見せつけられたような気がしています。

 出版記念には、まさかサイン会とか、やるんでしょうか???


サルコジ元大統領 囚人の日記 出版


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2025年11月19日水曜日

携帯電話にデジタル健康保険証(Carte Vitale)を読み込めるようになった!

  


 フランスでは、2025年11月18日から、すべての被保険者が携帯電話でデジタル健康保険証(Carte Vitale)を読み込み、有効化できるようになりました。

 カルト・ヴィタルを携帯上で有効化するには、iOSとAndroidで無料で利用できる「Carte Vitale」アプリをダウンロードする必要があります。この専用アプリは、France Identitéアカウントを持っていなくても、フランス全土のすべての被保険者が利用できます。

 このデジタル健康保険証を使用すると、スマホから直接、健康保険の資格情報をデジタル形式で提示できます。

 デジタル健康保険証は2025年3月18日より開始されている、France Identité(18歳以上の国民がデジタルIDカードと運転免許証をスマートフォンで利用できるFrance Titresアプリ)と並行して利用することができます。

 このFrance Identitéアプリをバイパスする機能は、6月にフランスの一部の県で既に導入されています。

 デジタル健康保険証をアクティベートするには、France Identitéを持っていない場合には、セキュリティ手続きが必用になりますが、France Identitéアプリを利用する場合には、本人確認は即座に行われます。

 France Identitéを持っていない場合には、本人確認のため、身分証明書の映像とアプリ内の顔の映像を提供する必要があります。不正使用を防ぐため、オペレーターが提供された情報を確認し、アクティベーションを承認することになります。

 そのどちらの場合も社会保障番号(セキュリテ・ソーシャルナンバー)が必用になります。

 このデジタル健康保険証は、病院・診療所や薬局などで、これまでの物理的なカードと全く同じように使用できます。使用方法はアプリのロックを解除し、スマホのこの画面を相手に提示すると、QRコードまたばNFCでカードが読み取られます。またこのアプリにより、現在自分が受けている医療情報と費用をリアルタイムで追跡することができ、最終的には健康保険による直接請求の恩恵を受けることができます。

 とはいえ、このデジタル健康保険証は、当面不可欠な物理的な健康保険証を補完するものであり、すべての医療従事者や薬局がデジタル健康保険証を読み取るために必要なツール(QRコードまたはNFCリーダー)をまだ備えているわけではないので、完全にこの体制に移行するまでは、現行のカードも携帯しておくほうが良さそうです。

 国民健康保険制度は、この移行を通じて医療従事者を支援しており、段階的に導入されていく模様です。

 しかしながら、携帯ひとつでなにもかもが済んでしまう時代がまた一歩進みつつあるようです。


携帯電話にデジタル健康保険証(Carte Vitale)


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