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2026年4月27日月曜日

死刑囚の遺体を展示するための16世紀の建造物発掘

  


 グルノーブルで死刑囚の遺体を展示するための16世紀の建造物が発見されました。

 発見されたのは、グルノーブル市内の旧駐車場の下で、死刑囚の遺体を展示するための建造物=絞首台=死刑囚の遺体を通行人に展示するためのものです。

 16世紀のことなので、現在の感覚では理解できないところで、死刑囚とはいえ、遺体を展示するとは・・なんと、おぞましいことか・・と思ってしまいますが、日本でも、その昔々には、さらし首・・なんていうものもあったということですから、この見せしめ的な罰は、存在していたのです。

 フランスで、この種の司法施設の存在は、既に知られていたものの、その痕跡が見つかることは非常に稀で、考古学者たちは、文献記録のおかげで発掘物が何であるか?またその内容などを理解することができたのだそうです。

 一年前に発掘調査が始まった頃、国立予防考古学研究所(INRAP)は、まず、骨を発見しました。それから徐々に、頭蓋骨を始めとした別の骨です。

 発見された遺骨は合計32体、男性30体、女性2体でした。中には、首を切断されたものもあり、彼らは何の手入れもされず、装飾や適切な取り扱いにも全く注意を払われずに埋葬されていました。

 この建造物は、誰もが見られるように設計されており、周囲は石造りになっています。なので、この死刑という行為を覆い隠すというよりも、むしろ、一目につくように作られていたということは、明白です。

 考古学者たちは、当初、隠者の小屋か宗教施設ではないかと考えていましたが、彼らが県の公文書館を調べた結果、これが絞首台であることがわかりました。

 この公文書館には、公共建築を担当していた建築主の記録簿があり、この記録簿には、この絞首台がどのように建設され、建設の各段階がどのようなものであったか、また、会計書類までが含まれています。

 これが街の中心部からは少し離れた場所にあったのは、衛生上の理由ということで、吊るされた遺体が何週間も、何ヶ月間、あるいはそれ以上も屋外に放置され、腐敗していくためということです。

 しかし、一方では、この場所は、グルノーブルへの主要道路の一つの端に位置し、航行可能な水路であるイゼール川の岸辺にも位置しており、遠くからでも見える位置に置かれているという面もあります。

 歴史家たちは、現在、この絞首台の足元で発見された遺骨の身元確認の調査をしているそうです。

 パリには、「カタコンブ」という600万人の遺骨が収納されている納骨堂があるのですが、このカタコンブが一般公開されるようになったのは、1809年と言われているので、この絞首台よりは、後のことになりますが、いずれにせよ、カタコンブも遺骨をこのように展示したり、デコレーションしたりするのって、ちょっとどんな趣味?と思わないでもありませんでしたが、これらも人類の辿ってきた歴史の一部。

 今回、発掘された絞首台は、一般公開されているわけではありませんが、これが使用されていた頃には、現在はフランスでは廃止されている死刑という刑罰が、堂々と行われていたことを示しています。

 死刑については、現在は、世界的には廃止の方向に進んでいるようですが、歴史の変遷を感じさせる、過去の歴史を知らしめる発見でもあります。


16世紀の絞首台


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2026年4月25日土曜日

パリはすっかり観光シーズンに突入した感じだけど・・

  


 先日、サン・ミッシェルの方に用があって出かけて、思ったよりも用事が早く終わったので、ここまで来たんだから、久しぶりにノートルダム大聖堂に立ち寄ってみようかな?と、てくてく歩いて行きました。

 その日は晴天で、気温もけっこう上がって、お散歩するには、心地よい日和でした。

 途中の道すがらでさえも、けっこうな数の観光客がいるのに、「わぁ~やっぱり、ノートルダム大聖堂って人気あるんだな・・」と思いながら、現在、学校もバカンス(地域によって異なりますが・・)の時期でもあるからなのか? ヨーロッパの他の国々からも学生の団体もかなり多い印象でした。

 パリの中でもいわゆる観光地らしい場所には、ふだん、あまり行くことがないので、今まで気が付いていなかったのかもしれませんが、けっこう団体客というものはいるもので、以前の日本人観光客の団体旅行のような大型バスで移動して・・というスタイルとも違って、自分たちの足で歩く団体旅行・・そんな感じです。 



 もっとも、パリ市内は、環境問題対策のために、交通規制がうるさくなっているので、大型バスで効率よくパリを廻るということが難しくなったのかもしれません。

 日本からのツアーの団体客というものは、めっきり減ってしまったので、なんとなく、私は、団体観光客というものが、全体的にも、もっと減っているイメージだったのです。

 高校生から大学生くらいの団体や、あとは、けっこうシニア層みたいな感じの団体というのがけっこう目につきます。

 団体の観光客の中には、フランス人の団体というものもいるようで、観光客=外国人というイメージもかならずしもそういうわけではないんだな・・とあらためて思いました。

 とにかく、観光客の数がもの凄いことだけは確かなようで、「ちょっと入ってぐるっと覗いていってもいいかな・・?」などと考えていた私は甘々で、ノートルダム大聖堂の前の大きな広場は、大聖堂に入るための人の行列がずーっと通りまで続いていて、すごい人気なんだな・・と驚きました。

 もっとも、ノートルダム大聖堂の行列は、行列していても、比較的早く列が進むので、そこまで長時間待たされるということもないような気もします。

 衝撃的だったノートルダム大聖堂の火災が起きたのは、2019年4月のこと、そして、まだ工事中とはいえ、一般公開が再開されたのが2024年の12月。約5年間、閉ざされていたノートルダム大聖堂には、5年分の観光客が続々と訪れている・・そんな感じを受けました。

 もっとも、工事中でさえも、ノートルダム大聖堂を訪れる人の足は途絶えることはなく、外からだけでも一目でも見たい人々のために、パリ市は色々と工夫していました。

 私は、ダメ元で、再開されたばかりの2024年の12月に行ってみたら、あっさり入れてびっくりしたくらいでしたが、なんなら、今の方がよっぽど、人が多いような気がします。

 ノートルダム大聖堂を横目で見ながら、その帰り道、また、団体客が歩いているところをすれ違ったのですが、なんと、そのガイドをしていたのが見覚えのある日本人のガイドさんで、「なるほど、日本人の団体客の需要があまりなくなったので、外国人のガイドをしているんだ・・」と驚きました。

 一時は、日本人のガイドさんは、とっても忙しそうで、日本の団体客が多すぎて、午前、午後と別のツアーが入っているとか、もう何日もお休みがとれないとか聞いていたのに、この業界も変わったんだな・・と、そんなことを思いました。

 これから6月、7月くらいは、フランスを観光するのに一番良い季節です。(8月になると、鬼のように暑い日がやってくるので・・)


ノートルダム大聖堂 パリ観光シーズン


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2026年4月20日月曜日

5月1日のパン屋さんとお花屋さん 2倍の給料で従業員が働けるようになる

  


 ここのところ、毎年のように、5月1日が近付くと物議を醸していた、5月1日の労働問題、特にパン屋さんとお花屋さん・・。

 5月1日は祝日ですらない日本では、考えられない話だと思うのですが、フランスでは労働者の祭典?の特別な日、労働者のための祝日であり、基本、従業員を働かせることはできません。(飲食店やホテル等は除く)

 どんなに営業違反が日常になっているようなお店などでも、これが発覚した時の高額罰金の恐ろしさにおののいて、その日だけは、お店を閉店するというのが基本的な姿勢でした。

 日常的にも日曜日は休業するお店がほとんどで、(それでも、最近は日曜日でもオープンする(許可をとっていれば営業できる通り(道)(店舗)もある)お店が増えましたが・・)日曜日に従業員を働かせるためには、休日出勤手当が支払われなければなりません。

 しかし、そんな日曜日でも、パン屋さんとお花屋さんは、別格扱いで日曜日でも営業しているお店は多く、なぜか、別扱いになっているのがフランスです。

 なので、5月1日が営業できない(経営者とその家族だけは働ける)というのに、特に抗議の声をあげていたのが「パン屋さんとお花屋さん」というのもわからないではありません。

 外国からやってきている私にとって、なぜ?そこまで5月1日の営業、従業員を働かせるか否か問題にそこまでこだわるのか?今一つ、理解がしきれないことではあるし、なぜ?そこまで頑なに働かせないことを固持し続けるのか?と思わないではありません。

 日曜日の営業にしても、むしろ、多くの人がお休みの日だからこそ、ゆっくり買い物に行ける時間があるときにこそ、営業したら、いいんじゃないの?とも思うのですが、働かない、働かせないことを守り続けるのもフランスらしい・・それこそがフランス・・そんな気もするのです。

 しかし、今年は、また、その件について(5月1日の労働問題)の議論が進んでいるにもかかわらず、法案の採決が今年の5月1日には間に合わないことを見越して、セバスチャン・ルコルニュ首相は、前倒しに、「パン屋と花屋は5月1日に従業員を働かせることができる」と発表しました。

 ただし、「従業員が自主的に働きたい場合、しかも、2倍の賃金が厳守されることが前提」となっています。

 たしかに、2倍の賃金が貰えるとなれば、その日に働きたい人だって多いはずです。

 また、この件を周知徹底させるために、関係当局に対し、影響を受けた事業者に罰金を科さないように指示すると明言しました。

 大方、「これは常識的なこと!」、「規制と禁止が常態化している過剰規制経済にある程度の自由と実用主義を取り戻す歓迎すべき決定!」と歓迎する声が多いような気がするのですが、一方、CGT(労働組合)の「労働者の権利の侵害に繋がりかねない」という声や他業種(お肉屋さんやお魚屋さんなど)からは、「理解しがたい不平等な決定であり、職業間の平等を侵害するものだ」という非難の声も上がっています。

 既に、食品業界連合(CGAD、精肉業者、チーズ販売業者など)をはじめとする他の業種も5月1日の労働権を求めており、同連合は「5月1日に従業員を雇用する可能性を明確に認めること」を求めています。

 セバスチャン・ルコルニュ首相は、「各業種についてはさらなる協議を行う」とし、「6月初旬にあらためて関係者全員と会合を開く」としています。

 「5月1日は義務的な有給休暇」これが、現時点での基本的な考え方なのです。

 とりあえず、5月1日のお花屋さんの休業はフランス国内で「2,000万ユーロ」の経済的損失をもたらしていると試算されています。


5月1日のパン屋さんとお花屋さんの営業問題


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2026年4月19日日曜日

エリゼ宮の食器盗難事件で最高財務責任者に懲役2年

  


 パリ刑事裁判所はエリゼ宮から約100点の食器が盗まれた事件について、これに関わった人物らに判決を下しました。

 驚くべきことに、この盗難事件の実行犯はエリゼ宮の大統領官邸財務担当官でした。

 この事件では3人の男が有罪判決を受けていますが、当然、一人はこの食器を盗んだ男、もう一人は盗品をオンラインで販売する仲介を務めた実行犯のパートナー(食器販売会社のマネージャー)、そして、その盗品の主な購入者であった男(当時、ルーブル美術館受付係)という3人です。

 この事件はセーヴル国立磁器工場がエリゼ宮のモノグラム入りの皿がオンラインで販売されているのを発見したことから発覚。大統領府執事は銀食器やポリアコフ、アレチンスキーなどの芸術家の複数の品物が紛失していることに気付き、告訴していました。

 捜査はすぐに、倉庫の鍵を直接管理できる唯一の人物であった男(国賓晩餐会のテーブルセッティングも担当)に焦点が絞られ、捜査官は彼のロッカーと車内を捜索し、盗品を発見しました。

 2月下旬の公判では、彼は「盗んだ食器を自宅で飾るつもりだった」と説明していましたが、捜査はすぐに転売ネットワークの存在を突きとめました。そもそも、この事件はオンライン上でエリゼ宮のモノグラム入りの食器が販売されていることにより発覚したのですから、そんなことがバレるのは、時間の問題だったわけです。

 この男のパートナーである転売者は、Vinted のビジネスアカウントやFacebookの専門グループでの販売などを通じて、盗品を販売していました。

 そもそも、エリゼ宮の食器には、番号が振られており、エリゼ宮のモノグラムが刻印されているため、公式ルート以外では、販売することができません。

 しかし、この主犯の男はエリゼ宮の中にいたために、目録を偽造することが可能だったわけで、これらの偽造目録とともに盗品を捌いていました。

 さらに、驚いたことにこの判決は、裁判長が判決の言い渡しの際に「犯行期間、盗まれた品数、そして、それらの金銭的、歴史的価値を鑑み、本件は重大な犯罪であると判断した」と説明しているにもかかわらず、量刑は私の想像以上に軽いものでした。

 推定被害総額37万7370ユーロと言われるこの犯罪の実行犯には、加重窃盗罪として懲役24ヶ月(うち12ヶ月は執行猶予)の判決を受け、電子監視ブレスレットを装着した自宅軟禁刑と罰金1万ユーロ、3年間のエリゼ宮への立ち入り禁止、高級品オークションへの参加を永久に禁止の判決が下されました。

 電子監視ブレスレットを装着するとはいえ、実質的には、投獄されることはないわけです。罰金1万ユーロにしたって、これまでどれだけ盗品を捌いて利益を得てきたかを考えれば、安すぎる気がするし、しかも、エリゼ宮立ち入り禁止が3年間だけなんて!ふつう、永久に立ち入り禁止でしょう!と思いませんか?

 彼のパートナーもほぼ同等の刑(懲役24ヶ月、うち16ヶ月は執行猶予)です。

 なんなら、コレクターであったこの盗品を購入して起訴された男は、懲役1年(執行猶予付き)とはいえ、気の毒といえば、気の毒で、彼は疑念を抱きながらも、これらの盗品のために1万5千ユーロを費やしてしまっており、なんなら被害者でもあるわけです。

 なんとなく、モヤッとするする判決でした。


エリゼ宮の食器盗難事件


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2026年4月14日火曜日

フランス人はそんなに本が好きなのだろうか?  

   


 夫の没後、しばらくは、夫のものは全くといっていいくらい手が付けられませんでした。少しずつ、夫のものを処分し始めたのは、2年くらい経ってからのことでした。

 それでも夫の息子たちが来たときや、私の弟が来てくれたときなどに、少しずつ形見分けとして、欲しいもの、使えそうなものは持って行ってもらいました。

 それでも買い物が大好きだった夫のもちものは膨大であり、とてもすぐにどうこうできる代物ではありませんでした。

 決して広くもないアパートの中に一番、場所をとるのは、夫が外国勤務の際に買い集めた(よく言えば)美術品のようなもの(ガラクタとも言う)・・これらのものは、生前から、「もうなんとかしてよ・・」とよく夫にこぼしていたものの、本人に亡くなられてみると、かえって手が付けられなくなってしまったものでもありました。

 もうひとつ、膨大な夫の置き土産は「本」です。私も本が好きなので、本が好きな気持ちはとてもよくわかるし、そんなところも夫を好きなところでもあったし、のちのち夫の息子たちや娘が読むことがあるのではないか?そんな期待もあったのです。

 もちろん、夫の膨大な本のコレクション?は、ほぼほぼフランス語の本が中心で、私は本を読むとはいえ、やはり、もっぱら日本語の本の方が楽しく、フランス語の本を読むのは苦痛で、そのまま夫の本は本棚に残されたままになっていました。

 少し前に自分の日本語の本はかなり整理して、もう2度と読みそうもない本に関しては、せっせとBOOKOFFに運び、かなり処分しました。(とはいえ、まだ相当、残ってはいますが・・)

 今回は、思い切って、夫の本をどうにかしようと、思い立ち、ここのところ、夫の本の処分を始めました。夫の本に関しては、フランス語の本なので、近所のコマーシャルセンターに設けられた「いらない本を置いて行ってください」(お好きにお持ちください)のスペースに置きに行くことにしました。

 本というものは、重たいもので、特に夫の本はハードカバーの本が多いために、さらに私の本よりも重量級なので、近所で何とかなる分だけ助かります。

 というわけで、先週から夫の本の整理にかかり始め、ようやく、いくつかの塊を置きに行ったのですが、けっこう古い本もあり、また、けっこう本の内容もバラつきがあり、かならずしも一般人受けするとも思えない本だったので、これ、一体、貰い手あるんだろうか?ちょっと場所塞ぎになってしまって申し訳ないかも?と思っていたのです。

 まず、一塊を置きに行って、翌日、行ってみると、けっこう減っている・・のを確認して、もう二塊を置きに行くと、その日は休日だったこともあったのか、もう置いているそばから、もう待ち構えているおじさんが一人、二人・・。

 「どうぞ、ごゆっくり・・」と声をかけられ、でも、なんだか照れくさくもあり、早々にその日は本を置いて帰ってきたのですが、その翌日、気になって・・というか、もうひと塊を持って行ったら、なんと、見事に数冊を残して完売・・というか本はなくなっていました。

 まあ、無料・・ということもあるのでしょうが、今、紙離れとか言われ、本が売れなくなっているという話も聞くし、メトロなどの中でも紙の本を読んでいる人をあんまり見かけなくなったので、本を読む人って減ったんだな・・と思っていたのに、こんなに処分した本が一瞬でなくなるなんて、フランス人って、けっこう本が好きなのかな?と驚いた次第です。

 まあ、フランスでは・・(といっても、私の住んでいる地域の話ですが・・)、ゴミ・・といってもけっこう大きな粗大ごみ系のゴミを捨てた場合、捨てる側から拾われていくことがけっこうあって、よく言えばムダにしない国民というか、そんなところがあります。

 もしかしたら、本の場合も同じだったのかもしれませんが、まあ、とにかく、夫が大切にしていた本がムダにならずによかったです。

 なんなら、本だけでなく、まだ使えるけど、不要なものを置いておく場所というものもどこかに作ってくれれば、いいのにな・・とも思いました。

 そういえば、EMAUSという団体があって、不要なものを寄付すると、それをきれいにして、販売して、生活貧窮者への支援に充ててくれるところがあるのですが、以前、そこには、何往復かして、不用品を処分したことがあったことをこれを書きながら、思い出しました。

 一度、処分を始めると、けっこうスペースが空いて行くのが快感になるもので、これからしばらくは、ちょっと頑張って、身辺をすっきりさせるようにしたいな・・と思っています。

 こういうことも、勢いに乗ってやってしまわないと、すぐに飽きて、また数年、放ったらかしになるので頑張ります。


古本の処分


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2026年4月12日日曜日

パリに登場した「ガチャガチャ」のお店 ガシャポン GASHAPON PARIS

  


 「ガチャガチャ」というのが、昔から私が知っていた名前ではありますが、今は、正式にはなんと呼ばれているのかは、わかりませんが、カプセルトーイとも呼ぶらしいです。

 一時期は廃れたと思われていた「ガチャガチャ」が最近、復活し始めたということは、なんとなく知っていたのですが、まさかその「ガチャガチャ」専門店がパリにオープンしたというので、びっくりして、様子を見に行ってきました。

 店舗はパリ市庁舎からも近いリヴォリ通りにあり、けっこうなスペースでまさに一等地と言っても差し支えない場所で、なかなかなスペースを有しています。

 オープンしたてということもあったのでしょうが、平日の昼間にもかかわらず、店内はけっこうな人で賑わっており、私がイメージしていたものよりはずっと立派な店構えでした。



 店内には、整然と約300台のガチャガチャが置かれており、あらゆる表示が日本語をベースにしており(もちろん翻訳もされていますが・・)、はっぴを着た店員さんが数名います。






 私が知っていた昔のガチャガチャは、現金のコインを入れてダイヤルを回すという感じだったと思うのですが、ここでは予めここでしか使えないコインを受け付けで買い求める方法をとっています。





 カプセルの中身は、ミニチュア玩具、フィギュア、キーホルダー、小型カメラなどなど本当にたくさんの種類を取り揃えているようです。



 値段はそのカプセルによって異なるようですが、だいたい1個のカプセルは5ユーロから6ユーロのものが大半を占めています。



 この店舗は、世界第2位の玩具メーカーであるバンダイがフランスの小売店キングジュエ(King Jouet)と提携してオープンしたそうですが、前面的には、バンダイのお店という感じになっています。

 バンダイ・ヨーロッパはすでに、イギリス、ドイツ、スイス、イタリア、スペインでこの「ガシャポン」をオープンしているのだそうで、これらのヨーロッパでの店舗がある程度成功しているからこそ、パリでのオープンにも繋がったのだと思います。

 しかし、正直、私には、どうしてこれが人気なのか?まるでわからないのですが、バンダイは、スーパーマリオ、マインクラフト、ドラゴンボール、たまごっちなどのバンダイのライセンス商品が多数取り揃えられています。

 この種のマスコットや多くのマンガに登場するキャラクターなどのお店は、ここだけでなく、パリ市内にもずいぶんと増えたことから、もっとお手軽に、しかも、ガチャガチャという海外の人からしたら、珍しい「何が出てくるかわからないワクワク感」が楽しめるそこそこなお手軽価格で楽しめるというところがウケるのかもしれません。

 それにしても、こんな場所でこんな低価格?のもので、成り立つの?と思わないでもありますが、とりあえずは、私の見たかぎり、客層は20代の若者が中心でお休みの日には、子どもづれの家族やもっと違う年齢層の子どもたちも訪れるのではないか?と思います。

 マンガを始めとした日本のポップカルチャーがフランスで人気なのは、今や長らく知られていることではありますが、まさかあのガチャガチャが・・「ガシャポン」として、フランスに上陸したということも驚きです。


🌟ガシャポン GASHAPON 37 Rue de Rivoli 75004 Paris 


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2026年4月10日金曜日

2026年 バゲットコンクール グランプリ獲得したブーランジェリー Le Fournil Didot

   


  今年のパリのバゲットコンクールが行われたのは2月のことだったので、ちょっと間が抜けているかもしれないのですが、私にとっては、毎年のバゲットコンクールでグランプリを受賞したお店へ行って、バゲットを食べてみることは恒例のことになっているので、2ヶ月近く経ってしまいましたが、今年も行ってまいりました。



 今年、栄えあるグランプリを受賞したのは、「ル・フルニル・ディド」のオーナーであるシタンパラーピライ・ジェガティーパン氏でした。

 ここのところ、フランス人ではない移民がグランプリを受賞することが続いていましたが、今年の受賞者もまたフランス人ではありませんでした。

 2003年にフランスに渡ったスリランカ出身のジェガティーパン氏はレストラン業界で様々なアルバイトを経験したのち、2008年彼は製菓の世界に足を踏み入れ、まずフランス料理の高度な技術の象徴であるマカロン作りを学びました。

 その後、ごく自然な流れでパン作りにも取り組み始め、パン作りの修行を積み、情熱を注ぎ込みました。2018年に自身の店をオープンして以来、技術を磨き上げパン作りへの情熱を昇華させていきました。

 お店はパリ14区の比較的、庶民的な感じのする通り沿いにあり、外観はごくごくふつう・・というか、むしろ、地味な感じの店構えです。同じ通り沿いには、いくつかのブーランジェリーがありますが、他のブーランジェリーの方がどちらかといえば、洗練された感じがするくらいです。





 店内に置いてある他のパンやお菓子類なども、お値段も控え目で、よく言えば素朴な感じ(無骨な感じ?)さえする印象を受けます。

 ここ数年、毎年、グランプリ受賞(バゲット・トラディショナル)のお店を見ていると、本当に様々で、お菓子の種類も多く、洗練されていて勢いに乗ってるな・・と思うところもあれば、ほんとうにごくごくふつうの街のブーランジェリーなんだな・・と思うところもあり、千差万別です。

 今回のグランプリ受賞のお店に関して言えば、後者の方で、ほんとうに目立たないごくごくふつーなブーランジェリーです。

 パリ全体を見渡せば、最近は小綺麗で、洗練されたブーランジェリーが続々と増えている印象ですが、ここは昔のまんまのブーランジェリー・・そんな感じです。

 この必ずしもイケイケな感じではないところが、パリのバゲットコンクールが厳正な審査で行われていることを物語っているのかな・・という気もします。


 今回もそのグランプリを受賞したというバゲット・トラディショナルを購入。残念ながら焼き立てではありませんでしたが、家に戻って試食。

 正直、あんまり期待はしていなかったのですが、日本から帰ったばかりで、久しぶりだったこともあってか、とっても美味しかったです。

 まず、バゲットにナイフをいれた瞬間に切れ方、そして、その香りに「おっ・・!これは・・⁉やっぱり美味しそうだ・・」となりました。

 ちょっとだけ味見のつもりが3分の1くらい、一気に食べてしまいました。

 美味しいバゲットを食べるたびに思うのですが、やっぱりフランスで一番美味しいのは、パン(バゲット)とバター・・(もしくはチーズ)。

 日本だったら、美味しいご飯とちょっとしたお漬物とか佃煮とか、おにぎりとか、そんな感じなのかもしれませんが、シンプルなものほど、飽きずに美味しく食べられるもので、フランス人にとったら、バゲットとバターなのかもしれません。

 そんなことをしみじみと思わせられるような素朴なお味のバゲットでした。


🌟Le Fournil Didot   /  103 Rue Didot 75014 Paris


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2026年4月9日木曜日

日本はフランス産フォアグラの最大消費国だったけど・・  

  


 先日のマクロン大統領の訪日に関連したニュースを見ていたら、その中に「2023年の突然の輸入停止以前は、日本はEU域外でフランス産のフォアグラの最大消費国だった・・」というものがあり、ちょっと気になりました。

 フランスのフォアグラ業界は、かつてEU域内以外における主要市場であった日本(全輸出量の約6%、約540トン)を訪問中のマクロン大統領に対して、介入を要請しているというのです。

 日本は2023年に鳥インフルエンザを理由に輸入を停止し、貿易の大幅な減少を招いてしまいました。フランスのフォアグラ業界は日本を訪問するマクロン大統領に「私たちのことも忘れないで!」と訴えかけているというのです。

 フランス政府は鳥インフルエンザの蔓延を抑制するため、繁殖用を除く250羽以上のアヒルを飼育する農場に対し、2023年10月からワクチン接種を義務付けています。

 しかし、日本は農場でのウィルスが未検出のまま蔓延している恐れがあるとして、フランス産鶏肉製品の輸入を停止してしまいました。

 このニュースを見て、「日本でそんなにフォアグラって人気あるの?」とビックリしたのですが、これらは主に高級レストラン向けであったようです。

 その後、日本へのフランス産フォアグラ輸出量はわずか3%にまで減少しています。

 また、ブレス鶏などの高付加価値製品も日本が課した制限措置の影響を受けています。

 私は日本に行ったときに、フォアグラを探すこともなければ、フレンチの高級レストランに行くこともないので、実際に日本人にフォアグラがどの程度、好まれているのかはわかりませんが、フランスにとってみれば、大きな得意先を失いかけているということなのかもしれません。

 食べ物には、ある程度、トレンドのようなものもあって、こうしている間にも、あまりフォアグラが含まれるような食事が好まれなくなってしまうということもあり得ます。実際に食事に関しては、フレンチよりもイタリアン・・という人が多くなっているかもしれません。

 ピザ、パスタといった比較的お手軽なものからも入れるイタリアンに比べれば、フレンチの方が敷居が高いような感覚もあるのではないか?とも思います。

 そもそもフォアグラはフランス国内でさえも、ガチョウやアヒルを強制給餌して作られることから、動物愛護活動家などからは、残酷な生産方法として非難されていたりもするもので、一部地域では、フォアグラ禁止・・などとなっているところもあるくらいです。

 日本も年々、インフレで贅沢できなくなっている事情を考えれば、フランス産フォアグラの復活は難しいのでは・・とも思わないでもありません。


フランス産フォアグラ


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2026年4月8日水曜日

チョコレートの値上げと気候変動 

  


 なにかと行事ごとにカタチを変えてお祭りのように店頭にのぼるチョコレート。フランス人は本当にチョコレートが大好きです。

 ここのところは季節もので、パック(イースター)復活祭のチョコレートで、たまご型のチョコレートやうさぎのチョコレートなどが大々的に並べられていました。

 しかし、チョコレートが店頭に並ぶのはイースターに限ったことではなく、本当になにかにつけてはチョコレートが山積みになります。

 それくらい、フランス人はチョコレートが大好きで、スーパーマーケットのチョコレート売場などでも、チョコレート売場には、大きなスペースが割かれており、人のお家を訪ねたりする場合、手土産に迷ったら、まず、チョコレートにしておけば間違いない!そんな感じです。

 そんなチョコレートの価格が高騰しており、ふだんは、それほど頻繁にチョコレートを買うわけではない私でも、板チョコくらいは常に買い置きをしており、甘いものは、控えようと思っているので、高級品に限りOKという自分に都合の良いルールを定め、たまには、メゾンドショコラやジャンポールエヴァンなどのお店を覗くことはあります。

 全般的に全てのものが値上がりしているので、特にチョコレートの価格だけが高騰しているとも思わなかったのですが、特にここ最近、メゾンドショコラの値上がりが凄いな・・と最近、ビックリしたばかりです。

 そんなチョコレートの値上げには、これまで約10年間安定していたカカオの価格が2023年から急激に高騰したのだそうで、わずか数ヶ月で1トンあたり約3,000ユーロだったものが10,000ユーロに跳ね上がってしまったのだそうです。

 この原因はひとつではないらしいのですが、カカオ豆が森林破壊に繋がる農産物として、またカカオ豆栽培による温室効果ガス排出を引き起こすものとして、欧州連合(EU)などがカカオを含む7つの農産物の輸入業者に対して、森林伐採された土地から生産されたものではないことを保証することを義務付ける規制がまもなく施行されることなども原因のひとつと見られています。

 また、世界のカカオ生産量の約70%を占める西アフリカでは記録的な豪雨に見舞われたり、かと思うと干ばつに襲われたりなど、不安定なこれまでなかった気候変動のために、安定したカカオの生産が以前よりも難しくなっています。

 西アフリカといえば、私にとってはコートジボアール・・以前、数年、住んでいたことがあり、ここで私は初めてカカオ豆というものを見ました。コートジボアールはカカオの生産でも知られるところで、さぞかし美味しいチョコレートがあるのだろうと思いきや、そこには、全く美味しいチョコレートなどというものはなくて、チョコレートに加工されるのは、もっぱら外国での話でした。

 このチョコレートの価格の高騰は、一時のカカオ豆の価格の爆上がりによるもので、現在、カカオ豆の価格はもとに戻っているのですが、一度、値上げした店頭価格はもとに戻っていないのです。

 店頭価格は一度、値上げしてしまうと、原料の価格が下がったからといって、簡単には下げないもののようです。

 全然、違う話ですが、以前、某有名ブランドの時計が値上げする際に、「スイスフランが高騰したため」と理由に書いてあったので、「これ、スイスフランが下がったら、値下げするんですか?」とストレートに聞いてみたら、苦笑いしながら、「いや、下げませんけど・・」という答えが返ってきて、「ふん・・」と思ったことを思い出しました。

 チョコレートの原料となるカカオ豆の学名は「テオブロマ・カカオ」といい、「神々の食べもの」を意味するのだそうです。

 そんな「神々の食べもの」は安定して生産され、適正価格で供給されるべきだと思うのですがね・・。


チョコレート価格上昇


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2026年4月3日金曜日

マクロン大統領と高市首相の「かめはめ波」

  


 マクロン大統領が訪日の際の公式記者会見の席で、高市首相とともに行ったジェスチャー「かめはめ波」がフランスでも話題を呼んでいます。

 中東情勢の緊張が高まる国際情勢の中、マクロン大統領は、両国間の経済、技術、軍事関係を強化するための来日ということで、緊迫した雰囲気が予想されていただけに、この「かめはめ波」は、その厳粛な雰囲気とは対照的なものであっただけに、余計に話題を呼んだともいえます。

 この「かめはめ波」は鳥山明氏の人気漫画「ドラゴンボール」に登場する架空の技で亀仙人が編み出した体内の潜在エネルギーを凝縮させて一気に放出させる技で主人公の孫悟空の得意技です。

 会見の中でマクロン大統領も述べていますが、フランスは世界第2位のマンガ大国でもあり、フランスでもこのシンボルは普遍的なものとなっており、今や何世代にもわたって誰もがすぐに認識できるジェスチャーであり、日本国民はもとよりフランス国民に対しても広い世代にアピールできるものとなっています。

 このフランスでのドラゴンボール人気は、2024年の鳥山明氏の訃報がフランスで、どのくらいのボリュームで伝えられたか?で、私は、あまりの大きな扱いに驚かされました。

 マクロン大統領にとっては、日本とフランスが共通して親しみやすく、広く国民から受け入れられている文化的な言語を用いてコミュニケーションをとるということが、この一連の場面を映像的に非常に力強いものにしていると言われています。

 しかし、マクロン大統領が政治とポップカルチャーを融合させた態度をとったのは、これが初めてではなく、彼は大統領就任当初から、より現代的で親しみやすく柔軟性のある外交を体現しようと努めており、この姿勢は、大統領職をより人間味のあるものにし、若い世代とのつながりを深めるという広範な戦略の一環なのです。

 彼は漫画などのポップカルチャーの要素を取り入れることで、従来の外交規範を超越しようとしているとも言われているのです。

 一見すると突発的に見えるこのジェスチャーは戦略的な側面が見え隠れし、計算されすぎたえせコミュニケーションであるとか、深刻な内容を覆い隠すものであるとか、真剣さに欠けるといった批判的な声もあがってもいます。

 両首脳は「かめはめ波」という誰もが認識できるジェスチャーを用いることで瞬時に露出を確保しました。普遍的な文化的コードを選択することで言語の壁を乗り越え、即座にインパクトを与えることができるのです。

 このジェスチャーに賛否両論があるにせよ、この「かめはめ波」は人々の心に刻まれるに充分なインパクトを与えたのです。

 情報であふれたメディア環境において、人々の注目を集めることは、政治指導者にとっての大きな課題。マクロン大統領と高市首相はわずか数秒で政治とポップカルチャーを融合させ、瞬く間に話題を呼ぶコミュニケーションの進化を如実に示しました。

 この予期せぬジェスチャーは、より広範なトレンド、すなわちポップカルチャーが最も権威ある組織にまで浸透しつつあることを示しており、人気作品への言及は、もはやアーティストやインフルエンサーだけの特権ではなく、指導者のジェスチャーやスピーチにも見られるようになっています。

 マクロン大統領と高市首相の「かめはめ波」はその顕著な例で、これは多様な聴衆に訴えかける普遍的な言語を使おうとする姿勢の表れでもあります。

 また、これは、フランスと日本の間だからあり得たことでもあると思われ、このフランス人にとってのマンガというのが、恐らく日本人の想像する以上の位置づけになっているということは、本当にスゴいことなんだと、あらためて思わされます。


kamehameha  かめはめ波


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2026年4月1日水曜日

マクロン大統領は日本で何をしようとしているのか?

  


 現在、日本に公式訪問中のマクロン大統領は、この訪日で何をしようとしているのでしょうか?

 フランス大統領府は訪問前に「中東危機が日本との協議の中心となる」と確認しています。

 両首脳は、「共通の解決策を見出す方法」について協議する予定であり、マクロン大統領はフランスのイニシアチブにおけるホルムズ海峡の安全確保と爆撃終結後の海峡再開のための「有志連合」を構築することを考えています。

 日本はG7の一員であり、次回のG7サミットはフランスが議長国を務め、エビアンで開催されます。フランスはこの議長国としても日本との連携を求めています。

 日本の石油輸入の大部分はホルムズ海峡を通過していることから、フランスはこの有志連合について、フランスは日本の協力体制を期待しています。

 しかし、フランス側は昨年10月に日本初の女性首相に就任した高市首相が超国家主義的かつ保守的な立場を確立し、ホワイトハウスの現職大統領との親和性を示すことに全力を注いでいるということについても、決して見過ごしてはいません。

 先日の高市首相の訪米の際のトランプ大統領との会談の模様もフランス側は当然、確認していることは言うまでもありません。

 外交の場となれば違うのかもしれませんが、高市首相が首相就任以来、彼女自身の首相としての発言の機会は極めて少ないように感じられ、弁が立つことで有名なマクロン大統領との会談がどのようなものになるのか?というより、忌憚なく話ができるのかどうか?と思ってしまいます。

 しかし、フランス大統領府は外交こそが危機からの脱却への道をひらく唯一の手段であるという点で日本との共通の認識を持っていると表明しています。

 この他、マクロン大統領はこの訪問をフランスの魅力をアピールする機会であるとも捉えており、多数のフランスの経済界のリーダーを伴い、経済フォーラムの傍らで人工知能分野の大手投資企業であるソフトバンクやリヨンを拠点とするスタートアップ企業Caresterに投資している岩谷産業の会談も予定しています。

 フランスはまた、既に確立された協力関係を基盤として、日本の民生用原子力エネルギーに関するロードマップに署名する意向でもあります。

 さらに宇宙分野、研究、破壊的技術におけるパートナーシップを強化する計画もあり、国防大臣や外務大臣を含むフランス閣僚が出席し、安全保障に関するセッションも予定されています。

 マクロン大統領の日本訪問は3日間。これら全てをこなしたうえに、天皇皇后両陛下からも招待を受けているとのこと。かなり忙しい日程であると思われます。

 マクロン大統領の訪日はこれが4回目。極右で超国家主義的かつ保守的な立場の首相になってからは初めてとフランスメディアは報じています。

 また3月19日、ホワイトハウス訪問中にトランプ大統領が同盟国に予告なしに行われたイラン攻撃と1941年の日本軍による真珠湾攻撃を不当に比較した際、高市首相が居心地が悪そうで当惑し、動揺した様子を見せたことも併せて報じています。

 今回のマクロン大統領との会談では、高市首相が当惑し、動揺することがないことを祈っていますが・・。


マクロン大統領訪日


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2026年3月18日水曜日

フランス人の日本旅行ツアーはどこへ行って、何をしているのか?             

  


 最近、自宅の郵便ポストには、以前のような、いわゆるチラシ(広告)があまり入らなくなりましたが、先日、珍しくチラシが入っていたので、「最近、珍しいな・・」と思って手に取ってみたら、なんと、フランスの旅行会社の「日本旅行ツアー」のチラシでした。

 私は年に1~2回、日本に行っていますが、まだ日本に家もあるし、色々と用事も何かしらあるし、会いたい友人や親戚もいたりして、さすがにこのようなツアーを利用することはありませんが、これだけ海外からの日本への観光客が増えている中、どこに行っても必ず見かけるフランス人・・日本にも大勢、行っているのだろうと思います。

 実際に、わりと初対面の人に会った際に「あなた日本人?私、日本に行ったことあるのよ!」とか、「私の友人が日本に行ってきたばかりなのよ!」とか言われることは、本当に多く、その度に彼らが日本を大絶賛してくれるのはとても嬉しいことでもあります。

 ただ、やはり、効率的に日本を旅行するには、圧倒的に言葉も文化も違う国では、日本を旅行するにあたって、パッケージツアーを利用するフランス人も少なくないのではないかと思います。

 以前、娘の友人がこのようなパッケージツアーを利用して日本に行ってきたという話を聞いたことがあり、思いのほか、東京、大阪、京都、金沢?などを2週間程度で廻ってきたというのを聞いて、フランス人にしては、なかなか忙しいスケジュールだな・・と思った記憶がありました。

 今回、このチラシをあらためて見てみたら、やはり、一番人気なのは2週間程度のツアーで料金は時期にもよるのでしょうが、2,800ユーロ(約51万円程度)からとなっているので、まあまあの値段で、中には4,300ユーロ(78万円)からなんていうものもあり、フランスからの海外旅行ツアーにしては、わりとお高めではあります。

 しかし、内容を見てみると、なかなかリーズナブルでもある気もします。

 日程を見てみると、だいたい、ツアーの始まりはだいたい東京からになっていて、最初の2~3日は東京で過ごすことになっています。東京では、浅草寺、浜離宮恩寵公園、エレクトロニクスとオタク文化(オタクはフランス語でもOTAKU)の秋葉原で最先端の家電量販店とマンガショップ。

 そして皇居外苑(皇居、庭園、お堀)、ラグジュアリーとモダンが融合する街・銀座散策、築地市場、新橋からゆりかもめラインでお台場へ。お台場の未来的なアトラクション、人口ビーチ、竹芝クルーズ。

 翌日は伝説の両国国技館で大相撲観戦、相撲博物館、江戸博物館、東京スカイツリー。

 そして、箱根行きの列車で富士山へ。ここでは、伝統的な日本旅館に宿泊し、夕食と和朝食、温泉を堪能。この日は畳の上で布団での宿泊になりますと注意書きがあります。

 ふつうのフランス人にとって、日本の和朝食というものも、なかなか衝撃的なものらしく、以前、夫の親戚が日本の旅館に泊まった時の朝食に「朝から魚・・」と絶句したという話を聞いたことがあります。これこそまさに、異文化体験かもしれません。

 その後は、京都、清水寺、茶屋と芸者で有名な祇園、八坂神社で神道の伝統に触れ、日本の精神性に浸りましょう!・・とあります。

 それから奈良の東大寺、灯篭が点在する森の春日大社、平等院から茶畑で最高級の日本茶を、そして静かな日本庭園に囲まれた何世紀にもわたる古民家で茶道体験。

 その他、東山地区、金閣寺、禅の哲学の象徴である龍安寺の禅庭園、哲学の道なども含まれています。

 この他、金沢や広島の宮島等が含まれたツアーもありますが、フランス人がこれらの日本の都市を訪れるのは、日本人がフランスに来る以上の異文化感を感じるのではないか?というのも、一般的には、日本に入っているフランスの情報よりも、フランスに入っている日本の情報の方が圧倒的に少ないと思われるため、衝撃的な感動が期待できるのではないか?と思うのです。

 それにしてもフランス人の作っている日本旅行のパッケージツアー、さすがにフランス人の好きそうなポイントを上手にピックアップしているんだな・・いつか、こんなツアーに参加してみるのも楽しそうだな・・と思ったりもするのでした。


フランス人の日本パッケージツアー


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2026年3月17日火曜日

フランスの医療制度のひとつ 長期疾病 ALD(Affection Longue Durée)制度           

  


 以前、同僚がガンに罹った時、そのガンという病名自体も衝撃的でしたが、病気発覚後、入院、手術を控えている彼女がミューチュエル(補足健康保険・通常の国民健康保険ではカバーされない部分を保証してくれる保険)に入っていなかったということで、それを聞いた私は、「えっ??なんで?どうするの?どうやって治療費、入院費払うのよ!」と真剣に心配したのでした。

 彼女は「だって私、これまで病気らしい病気はしたことなかったし、父が医者だったので、お医者さんにかかるということをほとんどしてこなかったから・・」と。

 彼女は「独身で子どももいないし・・今まで全く必要なかったし・・でも、不幸中の幸いというか、フランスはガン治療にはお金がかからないんだって・・」と聞いて、それ以来、フランスでガン治療にはお金がかからないことを知っていました。

 もちろん、ガン治療でも、特別、特殊な治療をしたりする場合は、違うのでしょうが、ガン保険などという保険がある日本から比べたら、すごいことです。

 しかし、最近、ひょんなことから、これはガンに限ったことではなく、このガンに関しての治療費関連のことは、フランスの長期疾病 ALD(Affection Longue Durée)制度によるもので、これに該当する病気は他にもかなりあることを知りました。

 このALDに分類される疾病には免除対象(自己負担の免除)になるものと非免除対象のものとに分かれており、長期疾病とはいえ、免除対象にならない疾病もあります。

 この免除対象になるALDでも、若干、超過料金、2ユーロの定額拠出金等、一部の費用は自己負担となります。とはいえ、治療費が免除というのは、大きなことです。

 基本的に、入院予定があること、繰り返し行われる医療処置があること、繰り返し行われる臨床検査があること、頻繁かつ定期的な医療補助を受けていること、複数の疾患を併発し、6ヶ月以上続くと予想され、特に高額な治療費が必用となる、身体に障害を及ぼす病的状態にあることなどの条件があります。

 これに該当する疾病として、障害を伴う脳卒中、再発性うつ病および双極性障害を含む長期疾患、進行性潰瘍性大腸炎およびクローン病、虚血症状を伴う慢性動脈症、1型および2型糖尿病、重度心臓病(心不全、不整脈、弁膜症、先天性心疾患等)、ガン・・ちょっと書ききれないほどの疾病が並んでいます。

 こうしてみると、同じ長期疾病でありながら、自己負担の免除を受けられない場合は悲惨な感じがしますが、通常の割合で治療費の払い戻しは受けられますし、一定の条件下で6ヶ月を超える病気休暇と病気に関連する交通費の補償は受けることができます。

 このALDに関しては定かではありませんが、補償や補助金のようなものというものは、概して、自ら制度を探し出して申請しなければ、受けられないことが多いため、知っておくと便利かもしれません。

 まあ、できれば、そんな制度のお世話にならないで済むのが一番よいのですが・・。


長期疾病 ALD(Affection Longue Durée)制度


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2026年3月16日月曜日

フランス人の庶民のテイクアウト ランチとお惣菜            

  


 昨今の物価高はフランスとて同じことで、働いている人のランチ事情にも変化をもたらしてきました。なんとなくフランス人のランチというと、ワインでも飲みながら、カフェやレストランなどで優雅にランチ・・なんて想像する人もいるかもしれませんが、現在、そんな優雅なランチの光景は、ふつうのものではなくなりました。

 レストランやカフェなどのランチに代わってここ数年で急速に伸びているのがテイクアウトのランチです。

 一時、BENTOブームなるものが訪れたこともあり、実際にランチを家から用意して持ってくる人も増え、BENTO BOXなるものが出回った時期もありましたが、ここのところ、目立つのはやっぱりテイクアウトです。

 Uber Eats(ウーバーイーツ)などが浸透したこともあり、レストランなどでもテイクアウト対応が進みましたが、やはり、価格的にはレストラン価格に似通っていて(チョイスにもよりますが・・)、それよりもお手頃価格でテイクアウト・・となると、スーパーマーケットのテイクアウトできるランチボックスやお惣菜などが身近な存在で安価でラクなランチとして利用する人も多いようです。

 これらのランチボックスやお惣菜は、フランス人の労働者に供給されているレストランチケット(半額は雇用主が負担している)が使えるようになっています。

 そんな中でお寿司などは、けっこう人気もあるのですが、その他にパスタやピザ、そして、ご飯とおかず・・みたいなものも登場してきていますやはりフランスの伝統的というか、いわゆるフランス人の食卓に上りやすいようなお惣菜は根強い人気の商品でもあり、今回はそれをご紹介します。



 フランス人の身近な食べ物のひとつの中にプーレロティといったチキンを焼いたものがありますが、それをランチなどの一人用のポーションに切り分けてあるもの、これにサラダっぽい副菜として存在しているのがキャロットラぺ(人参の細切りに味付けして和えたもの)やセロリレムラード(根セロリーの細切りをマスタードマヨネーズで和えたもの)、タブレ(クスクスに野菜やハーブを混ぜ、オリーブオイルや塩などで味付けしたもの)などがあります。




 その他にキッシュ(ほうれん草やサーモンなど)なども定番のテイクアウトのお惣菜です。

 また、クスクスなども、もはやフランス人の国民食に近いような存在でもあります。




 そして、忘れてはならないのがフランス人は必ず食事の後にデザートを食べるということで、一人分のケーキやタルトなども小分けになって売っています。お昼用に買ったランチパックとともに小分けのケーキの箱を抱えている人が多いのもフランスらしいところでもあります。

 


 これを自分のチョイスで組み合わせると、レストランで食事をするよりもずっとお手頃価格でランチが楽しめてしまいます。


最近は、こんな日本みたいなお弁当も登場しています


 なんだか、あたりまえすぎて、今まで注目することはなかったのですが、ちょっと他の国の人たちがどんなものを食べているのか?どんなランチを食べているのか?興味がある人もいるかな??とちょっとご紹介してみました。


フランス人のランチ お惣菜


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2026年3月11日水曜日

SHEIN はなぜ?そんなにフランスに店舗を展開しようとしているのか?      

  


 中国のオンライン・ファッション小売大手「SHEIN」がリモージュ、アンジェ、ディジョン、グルノーブル、ランスのBHV百貨店に出店することを発表しています。

 SHEINは、すでにパリの一等地にある老舗百貨店BHVマレ店内に店舗をオープンしており、この出店に関しても様々な物議を醸し、反対する声も多かった中、そのうえ、そのわりと直後にSHEINのウェブサイトの第三者販売専用セクションに少女の様相を呈したセックスドールやA級武器が掲載されていたことが発覚し、一時的にサイトは閉鎖され、大いに問題視されていました。

 その他、環境汚染や不正広告などについても問題を指摘されています。

 私も一度、BHVマレに入っているSHEINを覗きに行ったことがありましたが、店内においても大々的な広告がされているにもかかわらず、そこまでの人出は確認できず、それ以降もあまり盛り上がりは見せていないようです。

 というのも顧客側は、オンラインよりも価格が高いという印象を持っており、SHEIN側はこれは誤った認識であると主張はしているものの、顧客側がそのような印象を持っているかぎり、どういわれようとそのイメージを払拭しなければなりません。

 しかし、さすがにBHVの一店舗目のオープンから10日後にはすでにSHEINは、顧客を失望させないために、商品ラインナップや価格設定を変更する必要があると述べています。

 とはいえ、BHV全体を見渡してみれば、それ以外の店舗は本当に無残な客入りで、よくもこんな場所でこんな店舗を構えてやっていけるな・・とちょっとハタから見ても心配になるくらいです。

 SHEINの受け入れに関してはBHVに出店している店舗はある程度のステータスを誇りにしているというところがあるのでしょうが、そこにSHEINのような安さが売りのような店舗を加えることには抵抗があったとはいえ、これが顧客を呼び込む呼び水になるのではという期待もあったかもしれません。

 決して、上手く行っている感じでもないSHEINの1号店にもかかわらず、SHEINはなぜ?そんなにフランスに店舗を展開しようとしているのか?といえば、フランスを世界的ファッションの拠点として捉え、ブランドの信頼性の向上や欧州市場全体への影響力の拡大、「安いだけ」から「トレンドを作るブランド」への展開を目論んでいると言われています。

 フランスはEUの主要消費市場の一つでオンライン購買率も高い国であり、フランスでは都市部以外に住む顧客が多く、これに対応するものとも思われます。

 また、地方に店舗を展開することにより、現地での雇用創出や投資を強調することで、多くの規制の緩和に繋がることも期待していると思われます。

 とはいえ、決して好調とは見えないSHEINのパリ実店舗出店にもかかわらず、あくまでも強気のSHEIN。簡単には諦めないことが成功の秘訣という気もしないこともありませんが、この地方5店舗の出店が吉と出るか?凶と出るか?は、まだ不透明です。


SHEINフランスにさらに5店舗出店


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2026年2月26日木曜日

世界一の観光大国フランス 訪仏者数1億200万人  

  


 2025年、フランスは過去最高の1億200万人の海外からの訪問者数を記録し、過去最高の775億ユーロの収益を生み出しました。

 数年前からマクロン大統領が「目標1億人!」を公言していた記憶があるので、ようやく達成しましたね・・そんな感じがしています。

 とはいえ、2024年のパリオリンピックでは、期待していたほどの観光客が増えなかったどころか、オリンピック目的以外の通常?の観光客の多くがオリンピックのために便乗値上げしたホテルや交通規制などのために、敢えてパリ(フランス)は避けるという事態が起こってしまったくらいでした。

 2025年はその巻き返しを狙っていたわけですが、2024年には来れなかった人が戻ってきたこともあり、またオリンピック中にオリンピック競技をフランス全土にちらばめ、地方都市までのPR動画さながらの映像が世界中にばら撒かれたようになったため、もしかしたら、そんなことがPR効果となった可能性もあります。

 世界ランキングでフランスが世界1位ですが、2位に迫ってきているのはスペイン(9,700万人)だそうで、訪問者数ではフランスの方が勝っているものの、観光客による収益はスペインの方が多い(1,350億ユーロ)のは興味深いところです。

 これはフランスでの滞在期間が一般的に短く、またイタリアやスペインに行く多くの観光客がフランスで乗り継ぎをするためだけであるためと説明されていますが、もしかして、来仏観光客数というのは、このトランジットのために通過した人数まで加えられているのでしょうか?なんか、それではちょっと違うのではないか?という気がしてしまいます。

 しかし、このカウントの仕方は、フランスだけに限ったことではないと思いますので、まあ1位は1位、フランス政府は朗報として受け止めているようです。

 国連観光客によると、2025年は約15億2,000万人が海外旅行をしたと言われています。

 この数字によれば、その15分の1がフランスを訪れていることになります。

 このランキングによれば、2位スペイン、3位アメリカ、その後はトルコ、イタリア、メキシコ、イタリア、イギリス、ドイツとつづき、日本は第9位に食い込んでいます。

 一方、日本人はどれだけ海外に出ているのか?と思うと円安の影響もあり、期待できそうもありませんが、多くの人に海外に出る機会を持ってほしいと思っています。

 また、蛇足ではありますが、フランス国内の観光業界を見ると、フランス人観光客は見過ごせない大きな位置を占めており、バカンス好き、バカンス命の国民性もあいまって、たとえ、海外に出なくとも国内でバカンスに出かける人は依然として多く、インフレの影響もあってか、キャンプ場、アウトドア施設の伸びは目覚ましく、近隣のヨーロッパ諸国からの顧客も多いそうです。


世界からの観光客数世界一はフランス


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2026年2月19日木曜日

フランスの女性宇宙飛行士 ソフィ・アデノという人 

 



 おそらく、これまでフランス人の宇宙飛行士で有名だったのは、トーマ・ペスケ(2016年11月~2017年6月にかけてフランス人宇宙飛行士として初めて国際宇宙ステーションに6ヶ月滞在、2021年スペースXに搭乗しフランス人として初めて国際宇宙ステーション船長に就任)だと思いますが、そんな宇宙飛行士の中にあらたに「ソフィ・アデノ」という女性宇宙飛行士が誕生し、先日、宇宙へ向けて旅立ちました。

 子どもの頃の夢「宇宙飛行士」というのは、時々、壮大な夢として語られることもありますが、これを女性ながらに実現させるというのは、やはり、常人ではなさそうですが、果たして彼女はどんな人なのでしょうか?

 ソフィ・アデノは1982年生まれの43歳、コルビニー(ニエーヴル県・ブルゴーニュ・フラッシュコンテ地域圏)の公証人の父と薬剤師の母のもとに誕生しました。

 彼女はサンジェルマン・アン・レーのレジオン・ドヌール勲章教育大学に通い、学士号を取得した後、グランゼコール準備学校へ。

 2004年にはトゥールーズの国立航空宇宙学校(ENSAE)で工学の学位を取得して卒業。

 彼女はここで自家用操縦士の免許も取得しています。彼女はマサチューセッツ工科大学(MIT)で勉強を続け、そこでスカイダイビングのライセンスも取得。

 彼女は語学にも堪能でフランス語、英語、ドイツ語、ロシア語を話し、スペイン語も少々話します。工学部時代に知り合った男性と結婚しており、10歳になる息子もいます。

 2004年エアバス・ヘリコプターズに入社、ヘリコプターのコックピットの設計事務所で勤務。2005年には、サロン・ド・プロヴァンスのフランス空軍士官学校に空軍士官候補生として入学、グライダー操縦免許を取得後、ヘリコプター操縦士の訓練を続け、2008年ピレネー・ヘリコプター飛行隊に配属。

 2017年飛行試験・受入職員学校に入学、2018年には、フランス初の女性ヘリコプターテストパイロットになりました。2019年から2022年まで彼女はフランス軍需総局(DGA)飛行試験センターのテストパイロットとなり、2022年までに22種類のヘリコプターで3,000時間の飛行時間を記録しています。

 それと並行して彼女は2020年にフランス・アメリカ財団のヤングリーダーズ・プログラムに選出されています。このプログラムはそれぞれの国で高官職を目指すフランスとアメリカの若い人材の間に永続的な関係を築くことを目的としています。

 そして、ついに2022年11月彼女は欧州宇宙機関(ESA)の新しい17人の宇宙飛行士(5人の宇宙飛行士、1人の準宇宙飛行士、11人の予備役を含む22,523人の候補者)の一人になりました。

 2024年4月、彼女はドイツのケルン宇宙飛行士センターで1年間の基礎訓練を受けた後、ESAの宇宙飛行士資格を取得。2024年5月、ESAは彼女を2026年に国際宇宙ステーション(ISS)に搭乗させるイプシロンミッションに選出しました。


 こうして、彼女の道筋を見ていると、どの段階でも充分に満足して、それ以上を目指さずとも、落ち着いてしまってもよさそうなところ、彼女はさらに上へ上へと成長を続け、ついには、宇宙にまで行ってしまったことは、やはり、もはや常人ではないな・・などと感じます。

 「お互いを思いやり、共に大きな夢を見ましょう!そして、より高く目標を掲げましょう!それが人類の進歩です!」というのが、彼女の宇宙からの第一声でしたが、彼女の辿ってきた道筋を踏まえてこの発言を聞くと、重みが違って聞こえてくる気がしています。


フランス人女性宇宙飛行士 ソフィ・アデノ


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2026年2月13日金曜日

フランス国民の約40%が住民税の復活を望んでいる驚き

  


 公共サービスに対する認識(「Le Sens du service public」)団体がジャン・ジョレス財団およびオピニオンウェイと共同で行った調査によると、調査対象となった回答者の39%が住民税の復活を支持しているという驚きの結果を発表しています。

 この住民税復活を支持している人々は、その理由として、「市民保健センターの設置」や「手頃な価格で質の高い給食サービス」といった特定の優先課題を確実に達成するために、自らの自治体にさらなる資源が必用だと説明しています。

 しかし、逆の見方をすれば、60%の大多数は反対しているということですが、それにしても、税金の引き上げでもなく、廃止された税金の復活に賛成する人の割合としたら、約40%もいるということは驚きの数字でもあります。

 私自身、住民税が廃止されるのは、喜ばしいことでしたが、当時、この住民税の廃止に際して「ホントに??そんなのなくしちゃって大丈夫なの?」と驚いた記憶がありました。

 この住民税の廃止は、2017年の大統領選挙におけるマクロン大統領の目玉政策で、マクロン大統領が当選後、公約を果たしたカタチで2020年から廃止されています。

 2020年に廃止された住民税は、大部分が国によって補填されていますが、これが充分ではなく、フランス人の約40%は特定の優先サービスを確保するためには、より多くの資金が必用で、これを住民税の復活で賄うべきだと考えているというわけです。

 それにしても、税金などでの支出はできるだけ抑えたい、減らしたいと思うのがふつうだと思っていたのに、廃止された税金の復活を望む人々が相当数いたということに少なからず驚いた次第です。

※この調査は人口を代表する2,000人をサンプルとして2026年1月7日から12日までオンラインアンケートを用いて実施されました。


フランスの住民税復活の是非


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2026年2月10日火曜日

国際ワイン見本市「Wine Paris 2026」

  


 現在、パリでは、国際ワイン見本市(Wine Paris 2026)が開催されています。これは世界最大級のワイン・酒類見本市のひとつで、ワイン業界全体のビジネス促進および市場の活性化を目的としています。

 この見本市には世界60ヵ国以上からの出展者と60,000人超の来場者(バイヤー・輸出入業者など)が集い、商談・契約機会を創出する場になっています。これにより、各国ワインの流通ネットワークを拡大し、輸出入促進を図っています。

 フランスやドイツ、アメリカなど各国のナショナルパビリオンが設置され、地域ごとのワイン文化や特色のある商品が紹介されています。特定の新興生産国や地域ワインにとっては、世界市場への認知拡大効果が期待される場でもあります。

 ワイン業界にとっては不可欠な国際イベントとなっているものですが、フランスのワイン市場の弱体化は非常に深刻なものとなっており、そもそもワインの消費低迷に加えて、特に大規模輸出国であったアメリカの関税引き上げにより、昨年のアメリカへのワインの輸出は20%減少したと言われています。

 一般的に関税が1%上昇すると、貿易量は1%減少すると言われているそうで、加えてドルの為替レートによる15%の追加料金が加わると、状況はさらに複雑になっているのです。

 しかし、一方ではメルコスール(南米南部共同市場)や最近のEU・インド貿易協定といった新たな販路も期待されている中、この見本市ではアメリカ以外の市場開拓も期待されているのです。

 フランスは過剰生産している農園のブドウを撤去する新たな計画を発表したばかりですが、この動きにブレーキをかける意味でも新しい試みが期待されています。

 今回の見本市では、急成長を遂げている「ノンアルコールワイン」に特化した「Be no」パビリオンが設置され、今や確固たる位置を築きつつある「ノンアルコールワイン」が注目されています。

 個人的にはアルコールが入っていなくてワイン飲む必要ある?とも思うのですが、意外にもこのノンアルコールワインは、伝統的なワインを食いつぶすのではなく、むしろ売上げを伸ばす存在として、ワイン業界の中での期待の星となっているようです。

 とはいえ、日常的にもワイン離れは、スーパーマーケットなどの内部のワイン売り場の面積が年々減少しているのは、身近にも目に見える感じで進んでいるのは避けられない状態。それに引き換え、ビール、コカ・コーラなどの清涼飲料水など、そんなに好きなの?と思われるほど、いつも堂々たる陳列ぶり。

 ワインといえば、フランス、フランスといえば、ワインという時代が終わりつつあるのを感じずにはいられないのが正直なところなのですが・・。


国際ワイン見本市「Wine Paris 2026」


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2026年2月9日月曜日

懐かしい日本のコロッケなんだけど・・

  


 日本のお惣菜の中では、ほぼほぼ定番級の「コロッケ」。日本だったら、スーパーマーケットなどのお惣菜売場などでも、多分、コロッケのないところはないと思います。

 また、日本でコロッケといえば、昔はお肉屋さんで、よくコロッケを揚げて売っていて、日本の実家の近くのお肉屋さんにも美味しいコロッケを揚げて売っているところがあって、以前は日本に一時帰国した際に、そのお肉屋さんのコロッケは「日本に帰った時に食べたいものリスト」に入っていたくらいです。

 しかし、そんなお肉屋さんも、今ではお肉屋さん自体がなくなり、当然、あの美味しかったコロッケも食べられなくなりました。

 コロッケというものは、そもそもはフランスのクロケットからきている呼称?だと思うのですが、フランスには、いわゆる日本のコロッケのようなクロケットはなく、そもそも本来のフランスのクロケットというもの自体もあまりお目にかかることはありません。

 まあ、たまにアントレなどでクロケットっぽいと思われるものが出てきたりすることもあるのですが、それさえも、あまり定番のものではありません。むしろ、イタリアやスペインなどの方がそれに似通った感じのものがある気がします。

 いわゆる日本の、ひき肉や玉ねぎなどが混ざったコロッケというものは、日本のオリジナルの食べ物です。材料から考えれば、安価でもあり、決して、手に入りにくい食材でもないので、作ろうと思えばいつでも作れるのですが、滅多に作ることはありません。

 だって、とりあえずじゃがいもを蒸かしたり茹でたりして、正直、最低でももう、それだけでも食べられるものを、皮をむいて、マッシュして、そのうえ、具材を炒めて、混ぜて、小麦粉をつけて、卵をつけて、パン粉をつけて、油で揚げる・・という何行程もの作業が待っているわけで・・しかも揚げ物・・少々、罪悪感もあるのです。

 そんなわけで、滅多に家でコロッケを作ることはないのですが、先日、急に夜中に思い立って、コロッケを作り始めました。

 じゃがいもを蒸し器に入れて、蒸しながら、玉ねぎをきざんで、ひき肉と炒めました。蒸しあがった、アツアツのじゃがいもの皮をむき、つぶして、炒めておいたひき肉と併せました。

 そこまでやったところで、かなりめんどくさくなってきて、これから成型して、衣をつけて、油を出して揚げるのか・・となんだかウンザリしてきて、夜中に揚げ物・・という罪悪感もあり、コロッケの中身をお皿に盛り付け、パン粉をサッと油で炒めて、上からパラパラかけて、コロッケのかわりにすることにしました。

 ここまでやったところで、これってフランスの「アッシュパルマンティエ」の変化バージョンだな・・と思いました。

 クロケットは、あまり見かけなくなっているフランスですが、「アッシュパルマンティエ」は、フランスの国民食とも言ってよい食べ物で、炒めて味付けしたひき肉の上にマッシュポテトを重ねてお好みのチーズをかけて焼く、グラタンみたいなお料理です。

 ほぼほぼ日本のコロッケと材料は同じようなもの・・材料を混ぜずに重ねてグラタンのように焼く「アッシュパルマンティエ」は逆に言えば、日本のコロッケの変化バージョンのようなものかもしれません。

 私が面倒な手間を省略して作ったなんちゃってコロッケは、油で揚げないことから、大幅カロリーカットでもあると思われ、ほっくりしたじゃがいもの味とサクサクのパン粉が香ばしくて、なかなか美味しかったです。これからは、家で作るときには、コロッケじゃなくて、これでいいかも・・?と思っています。


日本のコロッケ


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