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2025年9月25日木曜日

マクロン大統領 ニューヨークの路上通行止めでトランプ大統領に直電

 


 マクロン大統領がニューヨークの路上で通行止めのための足止めを食い、警備のためのニューヨークの警察官と押し問答する映像が拡散されて話題となっています。

 国連本部でパレスチナ国家承認に関する演説を終えたマクロン大統領は、トランプ大統領専用車列通過のために通行止めにされていた道路で足止めを食い、警察官に「私はフランスの大統領だ!これからフランス大使館に行くので通してほしい」と頼んだものの、警備のための警察官は、「すみません、大統領、これからトランプ大統領の車両が通過するため、どなたもお通りになれません」と丁重に謝りながら対応しています。

 それでも、納得がいかなかったのか? マクロン大統領は、その場で携帯を取り出し、トランプ大統領に直電し、「あなたのおかげで全てが封鎖されていて、足止めを食っている・・」と直談判をしています。

 結局、現場を把握しきれないトランプ大統領が直電を受けたといって、警備を緩めることができるわけはなく、マクロン大統領は、結局、トランプ大統領の車両が通過したのち、警備に守られながら、30分ほどニューヨークの街を歩いてフランス大使館に向かったそうです。

 このブロックのおかげで、「非常に友好的な電話会談で、いくつかの国際問題について意見交換することができた」とマクロン大統領側近は、説明してはいますが、警備のための通行止めでさえ、フランスの大統領ならば、「どうぞどうぞ、お通りください・・」と言われると思ったのでしょうか? 恐らく、この日、通行止めに遭遇したVIPは、他にもいたと思われますが、黙って引き下がらないのは、いかにもフランス人と言いたいところでもありますが、なんとなく、通行止めに遭っただけで、大統領に直電まで入れる・・よく言えば押しの強さ、というか、なかなか強引な・・というか、傲慢な印象も受けます。

 日本の首相だったらば、間違いなく、黙って迂回する道を通るであろうと思われますが、引き下がらずに大統領に直訴とは・・。結局、マクロン大統領本人が思うほどには、アメリカでは、彼は特別扱いが叶わなかったという悪目立ちしただけの感じ。

 また、逆にマクロン大統領が通行止めを食ったのが、日本で、もしも、同じようにマクロン大統領に詰め寄られたとしたら、また、首相に直電がかけられたとしたら、毅然とお断りすることができただろうか? そんなことも想像してしまいます。

 しかし、結局、フランス大使館まで歩いて行った際には、周囲の人々の写真撮影などにも応じながら、なかなかご満悦そうだったマクロン大統領、結果的には、それが大変、有意義なことであったかのように、自分にも周囲にも知らしめようとするところも、私が言うのもなんですが、なんとなく、鼻につく気がしてしまうのです。


マクロン大統領 ニューヨークで足止めでトランプに直電


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2025年9月17日水曜日

超人気パティスリー セドリック グロレ攻略法

  


 以前、セドリック グロレ(Cédric Grolét Opéra)に行ったのは、もう2年前のこと。一度目に行ったときには、さんざん並んだ挙句に、結局、お目当てのクロワッサンは買えず、悔しくて、翌日、もう一度、開店時間目掛けて行ったら、もうすでに長蛇の列で、また延々とならびました。それでもなんとか、思っていたものを買えるには買えました。

 さすがに、飛び切り美味しかったのですが、しかし、これだけ並ぶのはな~~と、それ以後、行っていませんでした。

 それでも、近くを通るたびに、いつも気になって、「まだ、並んでいるのかな~?」と思って見ると、やっぱりいっつも並んでいます。

 今回、久しぶりに娘が来るというので、なんか、美味しいものを食べさせてあげたいな・・と思って、ああそうだ!セドリック グロレだ!と思ってクロワッサンやパンオショコラなどを買いに行きました。

 並ぶのは覚悟していたのですが、今回は、その並ぶ時間を最短にしたい!と思い、開店時間の約30分前に到着(午前9時開店)。すでに、私の前に8人が並んでいましたが、私は9番目。これならば、開店とほぼ同時に入れます。

 一度にたくさんのお客さんを入れないので、それから5分ほどは待ちましたが、このくらいが一番、効率的なんだな・・と自分では、大満足。そのうえ、開店とほぼ同時なので、その日に買えるものは、ほぼほぼよりどりみどりです。



 なんといっても、そこまで詳しいわけではないので、クロワッサンとパンオショコラ、パンスイスの他に今日は、今まで見たことがなかったバニラのフランとシナモン風味のグリエ オ ポム(りんごのパイみたいな感じ)などがあり、ついつい買ってしまいました。



 美しいというか、もはや麗しい感じのケーキも勢ぞろいで、一応・・値段を聞いてみましたが、恐ろしいことに、これが25ユーロ、これは35ユーロ、これは45ユーロとごくごく小さいケーキの値段としては、天文学的な数字・・。ケーキを見つめる私の目がいじましかったのか、教えてくれた店員さんが、サントノーレは、今日はこの3つしかないのよ!と・・。




 さすがに、ヴィエノワズリーをこれだけ買ったうえに、サントノーレまでは、ダメダメ・・と自分に言い聞かせ、教えてくれた店員さんに「いじわる!」と言ったら、彼女も大笑い。

 しかし、これまでで最短の30分でクロワッサンをゲットできました。



 さすがに立派なクロワッサン、立派な袋に入れてくれても、もうその柔らかで魅力的な香りが漂ってきます。これは、歩きながらかじる・・というには、もったいなく、家に帰って、美味しいコーヒーを入れて、しっかり味わいたい・・とニコニコで家に帰りました。

 家に帰っても、ほぼほぼ焼き立てのクロワッサン。美味しいコーヒーをいれて、食べました。

 あらためて、味わうと、やっぱり、ふつうのクロワッサンとは、やっぱり次元が違い、一人で食べながらも、何度も「う~ん!」と唸り、「美味しい~~~」となんど口から洩れたことか・・。

 やっぱり、ふつうのクロワッサンとは段違いです。

 サクふわ・・なんて、軽々しくは言いたくない・・このサクサクの部分がとにかく軽くて、中はしっとり・・しかし、全然しつこくないどころか、全体の香りがふんわりとしていて、とにかく、たまらないのです。

 今回、パン・オ・ショコラ等はまだ食べていませんが、やっぱり最高に美味しいです。

 お値段はクロワッサン4ユーロ、パン・オ・ショコラ6ユーロ、フラン12ユーロ、グリエ・オ・ポム8ユーロ(2025年9月現在)とふつうのパティスリーに比べれば、かなり高めではありますが、充分、それだけの価値はあるかと思います。



 美味しいものは、少しだけの量でも満足感が違います。1個のクロワッサンで今日1日、私は幸せな気分で過ごせるのです。

 30分程度並んで、この満足感なら、また、行ってもいいかな?と思うのでした。

 しかし、私が買い物を終えて、ニコニコでお店を出ると、お店の前には、すでに100人は下らない行列。もうこうなってしまうと、この人たちは、少なくとも1時間は待つだろうと思われるので、この30分の違いが大きな違いになってしまうんだな・・と思いました。

 行列には、あまり抵抗がないのか、最近では減ったな・・と思われる日本人観光客もパラパラいるようで、近くにいた若いカップルの女性が男性に向かって「今日はちょっとぜいたくして・・」というので、爆買いする??と思って聞いていたら、「クロワッサンだけじゃなくて、パンオショコラも買っていい?」と聞いていて、それには、相手の男性も無言・・彼女の方は、それで彼の意を察したのか、「やっぱり、やめとこうか・・」と・・なんだか、気の毒な気持ちになりましたが、今の日本人ってこんな感じなのかな?とちょっと悲しい気持ちになりました。


🌟セドリック グロレ  オペラ(Cédric Grolét Opéra)35 Avenue de l'Opéra 75002 Paris


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2025年9月16日火曜日

2025年バゲットコンクール グランプリ受賞のお店 Boulangerie La Parisienne

  


 もうここ何年もパリのバゲットコンクールでグランプリを獲得したバゲットは、必ず味見をしてみるようにしているのに、今年は、もうとっくに決まっていたというのに、これまで、ついついうっかりして、忘れていました。

 つい先日、思い出して、ついに行ってきました。

 正直なところ、美味しいバゲットに感動するハードルは自分の中でどんどん上がってしまって、当初のような派手な感動はしなくなっていることは、なんだか自分でも寂しいのですが、それでも、今まで行ったことのない知らなかったお店に行ってみるということは、ブーランジェリーに限らず、どんな場所でも楽しいものです。



 いつも思うのですが、パリのバゲットコンクールでグランプリを獲得!なんていっても、本当にごくごくふつうのブーランジェリーで、特に値段が高いわけでもなく、それぞれに、本当にバゲット(バゲット・トラディション)のみに関して審査しているコンクールなので、なんだか、他のものは、全然、冴えないな~というお店もあります。

 いつもは、コンクールの結果が出て、わりとすぐに行ってみることが多いので、お店にそんな表示は微塵もされていないのですが、今年は、グランプリが決まってからずいぶん時間が経ってしまっていたため、お店のウィンドーには、このグランプリの表示がど~んと掲げられていました。





 昨年のグランプリを獲得したお店もそうだったのですが、意欲満々な感じが伝わってくるような品揃えで、パンはもちろんのこと、あまり他では見ない感じのフレーバーやデコレーションのケーキなどが色とりどりにきれいに並べられていて、バゲットに辿りつくまでにも魅惑的なものが、たくさん並んでいます。




 私が特に気になったのは、シソの葉を使ったもので、よくよく見れば、これもパティスリー部門で1位をとったと書いてありました。

 その他、季節のイチジクのタルトやクラッシックなミルフィーユなども、美味しそうです。



 他のケーキ類に気をとられて、肝心のバゲットは、別に焼き立てだったわけでもなく、あまり感動もなく、家に持ち帰り、それでもしっかり、ついでに美味しいチーズなども買って帰り、家に帰って食べてみると、やっぱり美味しい~~!

 まあ、パリで今年、一番のバゲットに選ばれたのですから、そりゃ~美味しいでしょうが、期待は裏切られず、シンプルにバゲット、美味しいバター、チーズ・・やっぱり、フランスは、美味しいパンと美味しいバター、美味しいチーズ。これは、間違いないな・・と久しぶりにシンプルにバゲットを味わいながら、納得したのでした。

 ちなみにバゲット(バゲット・ドラディション)のお値段は1本 1.30 ユーロです。


🌟Boulangerie La Parisienne     12 Rue de Faubourg Poissonnière 75010 Paris 


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2025年9月10日水曜日

バイルー辞任の24時間も経たないうちに次期首相任命 セバスチャン・ルコルニュ 39歳

  


 予想通りというのも失礼なのですが、フランソワ・バイルー首相の辞任が決定した翌日、正確には、辞表が提出されたのが翌日なので、その辞表が提出された数時間後、マクロン大統領は、次期首相に「セバスチャン・ルコルニュ氏」を指名しました。

 大規模ストライキの予定が今後、ギッシリ詰まっているフランスで、次期首相の任命は早くに行われるだろうと大方の予想が出ていましたが、それにしても、24時間も経たないうちに発表されるとは、ちょっと驚きでした。

 ここ2年間(マクロン大統領2期目)で、5人目の首相となる人物は、39歳の現在まで軍事大臣を務めていた人物でした。

 なんといっても、39歳とは若いですが(とはいえ、ガブリエル・アタルの最年少記録は破られていませんが・・)、一見、歳のわりには、貫禄があるというか、そんなに若くも見えない感じ・・現在、彼の人となりを紹介する映像などがニュースで流されていますが、20代前半の映像などでも、ん??そんな歳?太い眉に鋭い眼光、もしかしたら、若い頃からおじさんみたいに見える人・・そんな人??という印象を受けてしまいました。

 見かけは、別として、彼は、非常に若い頃から政治に関わってきている人物で、マクロン大統領に非常に近い忠実な支持者といわれている人物で、今回ばかりは、マクロン大統領も、もう我が身に危険が及ぶのを恐れてか?国民議会の第一党から・・などと言う声は、全く意に介さず、彼自身を忠実に支持しながらキャリアを積んできた強力な自分の腹心のような人物を選んだようです。

 セバスチャン・ルコルニュ氏は、2017年のマクロン大統領の当選以来、全ての政権に参画してきた人物。2017年には、環境・包摂的移行担当大臣(当時31歳で最年少の政府メンバー)、2018年には地方自治相、2020年7月には、カステックス政権下で海外領土担当大臣、そして2022年5月からは、軍事相に就任しています。

 彼は、幼少期から政治への情熱に突き動かされてきた人物、16歳でウール県ヴェルノンでUMP(国民運動連合)に入党し、19歳でウール県議会議員フランク・ジラールの議会補佐官を務め、国民議会で最年少の議会補佐官となりました。そこで、同じく議会補佐官だったジェラール・ダルマナンと出会いました。二人は定期的に一緒に休暇を過ごし、20年にわたる友情を育みました。

 2014年3月、27歳でウール県ヴェルノン市最年少市長に就任し、その後、第一副市長のフランソワ・ウジヨーにその職を譲りました。2015年には、29歳でウール県議会議長に就任し、フランス最年少の県知事となりました。2017年からはマクロン大統領の下で政権に参画してきたわけですが、これまで不思議とあまり印象に残る話題にのぼった覚えがありません。

 今回、この新しい首相に関しては、まだあまり情報が出きっていないので、あまり良くわからないのが正直なところではありますが、今回の人選にしても、この異様に速い首相任命にしても、マクロン大統領がかなり切羽詰まっている感じが受け取れます。

 いずれにしても、おちおちしていると、また、来年の予算が今年中に可決できないなんてこともありえるわけで、もうこのバタバタ具合を「予算案可決までに首相は何人必用か?」なんて嫌みたっぷりの見出しを掲げているところまであるくらいです。


フランス新首相 セバスチャン・ルコルニュ


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2025年9月6日土曜日

サントリー新浪会長辞任についてのフランスの報道で・・

  


 サントリーの会長新浪氏辞任のニュースはフランスでも報道されており、その中で、日本とは違う、ちょっと興味深い見方をしている点がいくつかあったので、それについて、ご紹介したいと思います。

 ちなみに、フランスではサントリーは2つの独立した事業体を持っており、1つは清涼飲料水(シュウェップス、オランジーナなど)を、もう1つはジムビーム、サントリーなど)サントリー・グローバル・スピリッツ・フランス(サントリービバレッジ&フードフランス)となっています。

 まさか、シュウェップスやあのオランジーナがサントリーだったとは、私はこれまで全然、知りませんでした。いつのまに??・・って感じです。(2009年にサントリーが推定約26億ユーロで買収)

 近年のウィスキー人気の急拡大に加えて、このオランジーナというのは、長いこと、フランスでオレンジジュースといえば、オランジーナ・・というほどの大きな存在のため、サントリーはフランスにとってもわりと存在感が大きいように思います。

 さて、今回の新浪氏会長退任のニュースについては、「違法薬物所持の疑いで警察の捜査を受けていたサントリーのカリスマ会長である新浪氏がサントリー会長辞任」、「警察は8月に新浪氏の自宅を家宅捜索したが、新浪氏は関与を否定し、違法薬物は発見されなかった」、「新浪氏は合法だと信じて購入したサプリが捜査の焦点であり、警察は捜査を継続しており、サントリーはこのサプリメントの合法性は警察当局が判断すべきだと考えている」と記者会見で述べている」

 そして、彼が大手コンビニエンスストア・ローソンの代表取締役社長を務めた後、サントリー社長に就任したことや、歯に衣着せぬ物言いで知られる経営者であることも紹介しています。

 日本の報道と少々違う部分は、日本が薬物に関する規制が非常に厳しい国であるという指摘で、不法薬物は所持だけでも懲役刑に課せられる可能性があり、日本の当局は世界で最も厳格な麻薬取締法であるといっている点です。

 「カリスマ経営者新浪氏が辞任を発表した理由は、財務上の不正行為、酩酊状態、職権乱用、あるいは政治スキャンダルでもなく、むしろ、世界のほとんどの国ではほとんど問題視さえされないであろう出来事、多くの国であれば、この話は旅疲れを解消するために自然療法に頼る経営幹部の逸話として終わるであろうものの、日本ではいかなる容認も認められない状況下でこの事件は全国的な論争へとエスカレートした」

 「日本の公の場での「悔悟の文化」に則って行われた彼の謝罪は評判と企業責任が不正行為の真の証拠に勝り得ることを強調している」

 「ハーバード大学卒の幹部でサントリーを世界的な大企業へと変貌させるうえでの中心的な役割を果たした新浪氏の辞任は、日本の強硬姿勢がもたらした不相応な結果を如実に物語っている」と締めくくっています。

 ただし、これも、彼の供述していることが本当に真実ならば・・との話だとも思いますが、いずれにしても、考えてみれば、フランスの場合、捜査を受けただけ、起訴もされておらず、もちろん裁判にもなっていない状態で、このような辞任騒ぎにまで繋がるというのもあまりないことかもしれません。

 いくつも起訴状を抱えていて、裁判を待っている・・つまり判決が下るまでは推定無罪ということなのか?つい最近では元文化大臣など、まったく何もなかったかのように職務を継続しています。

 どちらが正しいというわけではありませんが、どちらにしても、日本は日本の国の法律で動き、このようなことをしたら、こういうことになる・・ということは、理解できる話。しかし、それは、よその国から見ると、奇異に映っているところもある・・ということです。


サントリー会長辞任


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2025年8月31日日曜日

フランス料理の人気はすたれているのか?

 


 ちょっと別の記事で、「パリの観光地?で食事をしている観光客を見てみると、カフェやブラッスリーのような感じのお店で、多くの人が食べているのは、ピザ・・もしくはハンバーガーなどだ・・」という話を書いていて、ピザってすごいな!と思うと同時に、フランス料理って人気なくなってきているのかな?と思わざるを得ない気がしてきました。

 今や、パリのカフェやブラッスリーのようなお店では、クロックムッシュ(やクロックマダム)が置いていないお店が多くなって、ハンバーガーを置いているお店はが増えた気がします。

 そして、見事なサイズのハンバーガーをフランス人はそういったお店で食べるときには、器用にナイフとフォークで食べているのも奇妙といえば、奇妙な光景です。ハンバーガーに代わるフレンチといえば、クロックムッシュだとも思うのですが、たとえ、そのお店にあったとしても、これを食べている人はあんまり見かけなくなりました。

 まあ、似通った(似てはいないけど、なんとなくパン(パイ)生地を使ったお料理という意味では、キッシュのような軽食ですが、こちらもレストランで食べている人はあんまり見かけないし、むしろ、ブーランジェリーやお惣菜のお店でテイクアウトのものを買っている人は、けっこういるかもしれません。

 また、おやつというか、軽いスナック?のフレンチの定番といえば、クレープだと思うのですが、こちらもまた、以前に比べると、ずいぶんとお店が減ったような気がします。

 いわゆる日本で売っているクリームやフルーツなどで、豪華にデコレーションなどしたクレープではなく、フランスのものは、お店で食べるものでなく、テイクアウトなどの場合はかなりシンプルなものです。

 まあ、クレープが消えた・・とまでは行きませんが、以前に比べるとずいぶんすたれたような印象があります。

 このクレープに代わってといったら、みもふたもないのですが、最近、やたらとアイスクリーム屋さんが増えたような気がします。しかもイタリアのアイスクリーム屋さんです。

 考えてみれば、フレンチの代表的な料理といったら、何なんでしょうか?たしかに、パンの類、バゲット、クロワッサンやパンオショコラなどのヴィエノワズリー?は、美味しいし、お手軽ではありますが、これだけで食事というには、寂しく、また、一方で思い浮かぶのは、フォアグラとかトリュフとかエスカルゴ?などは、これもまた、美味しいものではありますが、そうそう気軽に食べられるものでもありません。

 となると、フランスに行って、「これが食べたい!」と思われるものはなんなのでしょうか?また、ピザなどのように、どの国にもかなり深く浸透して人気の食べ物ってフランス料理にあるのでしょうか?

 そこへ行くと、日本のお寿司やおにぎりなどは、今やかなり深く浸透し、簡単な食事におにぎりや巻きずしなどを抱えている人はパリにも多いし、かなり世界的にポピュラーな食べ物になりつつある気もします。

 ところが、サンドイッチなどは、まあ、どの国でもあるもので、フレンチにはカウントしないとすると、ほんと、これこそは!という人気のフランス料理ってないんじゃないか?と今さらのように思うのです。

 私など、旅行先を選ぶときは、美味しい食べ物があるところを探すようになっていますが、海外の観光客がフランスに行って、ぜひ!あれを食べたいって思うようなものが、ぼやけてきてしまっているというか? 食べ物にも流行りすたりがあるとはいえ、これは!というものが、フレンチにはないような気がするのですが、いかがでしょうか?


フランス料理の低人気


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2025年8月19日火曜日

パンテオン Le Panthéon 偉人たちの墓所

  


 パリ5区にあるパンテオンは、パリの中心にありながら、巨大なドームが青空にそびえる荘厳なパリの歴史的建造物のひとつでもあります。

 パリ5区市庁舎のすぐ前で、しかもリュクサンブール公園からも近いので、たまにお散歩がてらに付近を歩くことがあったのですが、今回、初めて中に入ってみました。





 その独特な建築は、内部は、ドームがあることもあるのか、ちょっとどこかの大聖堂みたいな感じもあり、どこかシンとした雰囲気と涼しさが漂っています。




 正面入り口から入場すると、地上階中央部分には、天井から吊るされた振り子時計が存在し、その奥には、ドーンと大きな像がまるで舞台に上がっているような感じにそびえ立っています。




 そして、ここに埋葬?祀られている偉人たちの墓所は、そのさらに奥にあります。石造りの建物には、荘厳さと歴史が刻まれており、途中、いくつも進入禁止の部分がありますが、その奥には、石の階段などが続いていて、方向音痴の私などは、迷い混んだら、間違いなく、容易には外に出られなくなりそうな感じです。


ルソー


 ここに埋葬されているのは、ヴォルテール(哲学者)、ジャン・ジャック・ルソー(思想家)、ヴィクトル・ユーゴー(小説家)、マルセラン・バルテロ(科学者)、ピエール・キュリー/ マリー・キュリー(物理学者)などなど、最近、ここに新しく仲間入りしたのは、ジョセフィン・ベイカー(歌手・女優)です。


ピエール・キュリー/ マリー・キュリー


 政治家、革命家、思想家、哲学者、画家、軍人、冒険家、小説家、学者などなど、そのジャンルは様々ですが、ひとつひとつの墓所を見て行くと、昔の政治家ほど、派手な棺で装飾も、どちらかといえば派手めです。

ヴィクトル・ユーゴー

 マリー・キュリーなどは、今回、ここで見るまでは、フランス人だったことは知らなかったくらいで、祖国のポーランド(彼女の国籍はポーランドとフランスの二重国籍)は、よく彼女の墓所をフランスに委ねたな・・と思いますが、けっこう、彼女のように、この人フランス人だったの?という人もいます。

 それにしてもフランスに長い歴史の中で選ばれた人々の墓所は、それなりに一見の価値があります。

 以前、この内部(地上階の石像の前の広場?)をテレビで見たことがあったな・・と思いだしてみたのですが、数年前に、マクロン大統領が死刑制度廃止などについてのシンポジウムかなにかを開いた時に会場として使われたのが、ここでした。

 パリには、著名人が眠っている墓地・ぺー・ラ・シェーズなどもありますが、あそこは、あくまでも墓地で一般人の墓所でもあります。また、このパリの真ん中にあり、この荘厳な建物の中にある墓所というのもすごいことです。

 中を見て歩くのも1時間ほどあれば、充分なので、またちょっと違うパリを見るには、ロケーション的にもアクセスがよく、便利でわりと簡単に立ち寄れる場所かもしれません。

 チケットはもちろんネットで事前予約できますが、当日、その場でも簡単に買うことができるし、そんなに待ち時間もありません。

 美術館にちょっと飽きた・・という方もちょっと目先が変わった感じで面白いかもしれません。


パンテオン Le Panthéon / Place du Panthéon 75005 Paris


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2025年8月18日月曜日

娘の有給休暇とフランスの有給休暇

  


 日本で就職して日本で仕事をしている娘。仕事も生活もまあまあ順調で、楽しく、忙しく生活しているようです。まさに独身貴族を謳歌している感じではあるのですが、今年の4月から正社員となり、役職にもついて、ますます忙しく、けっこうな収入を得ているのに、あまりに忙しすぎて、「これじゃ、もう少し貰わないと合わない・・」などとのたまっています。

 忙しすぎて、大変ならば、少しはお休みの日などは、ゆっくりしていたらいいのに、これがまた、休日も忙しく旅行して歩いているので、まあ仕方ありません。でもまあ、本人が楽しく生活できているようなので、何よりです。

 また、今はバカンス期間ということもあって、先月はスイスから1人、今月はフランスから1人、友人が来るとかで、楽しそうです。

 来月には、パリに来ることになっているので、その時に一緒に旅行しようと言っているので、今は、どこへ行くのか検討中。

 娘は基本的には、半分程度がリモートワークなので、リモートワークの場合は、どこにいてもいいわけで、パリに来ても、半分は仕事しているんじゃないかと思います。

 それにしても、「あなた、今の会社は有給休暇は何日あるの?」と聞いてみたら、「11日」とのこと。彼女の現在の生活を見ていると、とても11日とは思えないのですが、リモートワークを上手く利用しているようです。

 彼女が働いている会社はフランスの会社なのですが、その日本支社なので、休暇等は、日本の休日ベースなのだそうで、彼女曰く、「今時期、フランスの本社の人たちは悠々、1ヶ月バカンスをとれていて、すごく羨ましい!」とのこと。

 私は心の中で、「そうでしょ・・そうでしょ・・」と思いながら、フランスで育ってきて、長いバカンス期間に慣れきっていた彼女にとって、有給休暇11日とは、生まれて初めての厳しい経験かもしれません。

 私が日本で仕事していたのは、もう遥か昔のことなので、その時の有給休暇が何日だったのかは、もう覚えていませんが、その頃は、それがあたりまえだったので、特に有給休暇が少ないとか、そんな風に思ったこともありませんでした。

 しかし、私自身、フランスに慣れてしまったので、有給休暇が11日と聞いて、ちょっとビックリしたのも事実です。

 ホントにそうなの?と思って調べたら、だいたい勤続1年未満の場合は10日が平均的で、1年以上になると20日が平均的なのだそうです。

 フランスの場合は、法律で最低でも年間25日以上の有給休暇が認められており、私の場合は、30日でした。1ヶ月ごとに有給休暇が2.5日ずつ貯まっていく計算でした。

 そして、これは、大きな違いと思われるのですが、その有給休暇をしっかりまとめて取れるのがフランス。日本だと、続けて長く休むことは、難しい感じがします。

 しかし、独身で遊び歩いているうちは、まだ良いのですが、これが子どもがいたりした場合は、大変だろうな・・と思うのです。

 実際に途中からシングルマザーになった私は、30日の有給休暇をフルに使ったとしても、さらにその数倍はある子どもの学校のバカンス期間をどうやって凌ぐかということには、本当に苦労しました。

 日本の学校はフランスほど学校のお休みが長くないとはいえ、それにしても働きながら子育てをしている女性にとっては、大変なことだろうな・・と思うのでした。


日本とフランスの有給休暇


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2025年8月15日金曜日

恐らくパリは今、一番空いている・・

  


 このまま涼しくなるとは思っていなかったものの、やはり戻ってきた猛暑に少々、バテ気味です。しかし、今、恐らく多くのパリジャン・パリジェンヌはバカンスに出かけていると見えて、同じアパートの中も人があんまりいない感じで、エレベーターでさえも滅多に人と顔を合わせることがなく、日頃からそんなに騒がしいわけではないのに、人がいない気配というか、なんとなくしんとした感じが伝わってきます。

 観光地のような場所に行けば、全然、違うのでしょうが、とりあえずは、我が家の近所はとても静かです。こんな感じの静けさが私はとても好きです。

 今日、明日中に終わらせなければない仕事があるために、今日は観念して、扇風機の前を陣取って、黙々と仕事をし、一段落したところで、少し散歩がてらに近所のコマーシャルセンターに買物へでかけました。

 コマーシャルセンター内のお店も、そもそもこの期間は夏休みで閉店してしまっているお店もあるのですが、それにしてもお客さんがまばらなことといったら、ちょっとロックダウンの頃を思い出すくらいでした。

 これでは、わざわざ、この期間にお店をあけておくのもなんだなぁ・・と思いながら、こちらは、やっぱり空いているお店というものは、快適です。

 以前、日本で暮らしていた頃も、お盆休みの頃は、通勤ラッシュも緩和され、なんとなく街がスーッとする感じで、意地でもこの時期には休みをとらない!と思ったのと同じ感じです。

 昨日は珍しくマルシェに買物に行きましたが、こちらのお店の閉店ぶりは、もっと顕著で、お魚を見に行ったのですが、いつもは3軒くらいは出ているはずの魚屋さんも昨日は1軒だけ。そのため、なんだか行列ができているという皮肉な結果。

 行列は嫌なので、別の用事を済ませて、帰りにまた寄ってみたら、もう店じまいの準備中で、未練がましく覗いていたら、「マダム!何にしましょう!」ってすぐに来てくれて、そこまででもなかったんだけど、「タコが欲しいんだけど・・大きいのしか残ってないですね・・買うんだったら、一番小さいのに・・」と言うと、やっぱりやたらと大きなタコで、「ん~~」と渋っていたら、お揉むろに重さを測り始めたので、一応、「それでいくらですか?」と聞いてみたら、35ユーロだと・・。

 「一人だし、食べきれないだろうし、高いしな・・」と言ったら、「25ユーロでどう?もうお店も今日は閉めるし・・」と10ユーロも値引きしてくれるなら・・とタコをまるまる1杯買ってきました。

 それにしても、あんまり予期していなかったお買物。タコって意外と重いんです。

 それが、家に戻ってみると、この暑さの中、まさかのエレベーターが故障。思いタコを下げつつ我が家はなんと8階。日々、けっこう歩いているつもりでも階段で8階までとなるともう足はガクガクです。

 ようやく家に辿りついた時には、もうパリが空いていたことなんてすっかり忘れるほどヨレヨレ・・でも、この大きなタコをなんとかしなければ・・と、さっそく買ってきたタコを茹でたり、マリネにしたり、わさび醤油で和えてみたり、タコ飯を作ってみたり、一部を冷凍したりとバタバタ。

 でも、空いているパリでゆったりと・・なんて思っていた私は、結局、貧乏性に重たいタコをしかも階段を8階ものぼって、ひたすら料理。

 まあ、こんなもんです。


空いているパリ


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2025年8月6日水曜日

ルイヴィトン財団美術館 Fondation Louis Vuitton は思っていたよりずっと良かった!


 


 先日、友人に会ったとき、何気に「どこか良い美術館なかった?」と聞いてみたら、わりと即答で、「Fondation Louis Vuitton(ルイヴィトン財団美術館)がわりと良かったよ!」と返事が返ってきたので、これまで、勝手に「あんまりルイヴィトン興味ないしな・・」などと、まるでお門違いの避け方をしてきた私は、そこで初めて、ルイヴィトン財団だからといって、ルイヴィトンの商品が置いてあるわけでもないんだし、恥ずかしながら、見当違いな印象を勝手に持っていたことに気が付いたのでした。

 彼女は、自分でも絵を描いたり、色々、普段から芸術に触れていることもあり、彼女が言うんだったら、行ってみよう!と思ったのです。

 ルイヴィトン財団美術館はパリ16区、ブローニュの森の近くにあり、メトロの駅からは少し歩きますが、充分、徒歩圏内。さすがにパリ16区だけあって、瀟洒な街並みの中を歩き、Jardin d’acclimatationという遊園地?の続きくらいにあります。




 突如、表れる奇抜な建物に「おっ!これか!」と圧倒されますが、意外にも(私の勝手な印象)、けっこうな人気のスポットなようで、同じ目的地に向けて歩いて行く人の多さにまたビックリ!さすがに駅からは、ずっと「Fondation Louis Vuitton➡」の表示が途切れなくあるので、道に迷う心配はありません。メトロ1号線 Les Sablons駅から徒歩10分程度です。シャトルバスもあるようですが、メトロで充分な気もします。

 





 入口には、少々、行列ができていましたが、行列のわりには、待ち時間は5分ほどですんなり入れました。もちろん事前予約した方がスムーズかもしれませんが、当日、チケットを買うのも全然、簡単です。




 現在は、デイヴィッド・ホックニー(ノルマンディーを拠点に活動しているイギリスの画家・芸術家)の展示をしていました。



 私は、これまでポップアートというかモダンアートというか、この類の作品にはあまりなじみがなかったのですが、小さめ(といっても大きい)の絵をいくつも併せて、1枚の絵に見せるような展示の仕方や、映像や音楽を大きなシアターのように使って、四方から訴えかけてくる感じなど、とっても新鮮で、また単に鑑賞するにとどまらず、全身で彼の作品を浴びれる感じのつくりになっていて、とっても感動しました。




 映像に包まれる部屋では、正面、側面の大画面を前に、カーペットが敷いてあり、大きめのクッション?のようなものが置いてあり、そこに寝転びながら、鑑賞することがあります。




 カーペットに寝転ぶと、自ずと視界が広くなり、全身で作品を味わえるような気持ちに包まれます。

 途中、エレベーターで乗り合わせた外国人観光客に何やら興奮気味に「Amazing!Museum!」とうったえかけられたりもしました。




 いわゆる他のパリの有名な美術館のように旧建築の歴史的建築物で、その入れ物自体が芸術!というのとは違い、新しい近代的な建物の中にありながら、これだけ人を惹きつけるというのも見事なものだと思いました。




 お庭には、いつか、どこかで見たかな?と思うルイヴィトンの大きなトランクと金の彫像があり、お庭続きには、Jardin d’acclimatation(遊園地)にも行けるようになっており、こちらは、ルイヴィトン財団美術館のチケットがあれば(中からなので、当然、皆、持っているはずですが・・)、そのまま無料?で遊園地の方にもアクセスできます。




 こちらの方もなかなかクラッシックな感じのジェットコースターとか、公園の遊具、ボートなどがあり、こちらだけ行こうと思ったら、別に?入場料がかかるところなのですが、ルイヴィトン財団から入れば、両方楽しめるので、お得かもしれません。


 


 現在は、「デイヴィッド・ホックニー」展をやっていますが、これは、8月31日までです。

 9月以降は誰の作品になるのかはわかりませんが、また違う作家のものをどう見せてくれるのか?楽しみです。

 ルーブルやオルセーなどのいわゆるクラッシックなタイプの美術館とはまた、違った趣で、別の楽しさを味わわせてくれるので、とってもおすすめです。

 


🌟Fondation Louis Vuitton 8Avenue du Mahatma -Gandhi 75016 Paris 

 ルイヴィトン財団美術館


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2025年8月5日火曜日

小切手での支払いは2027年に廃止される⁈

  


 フランスに来た当初、銀行に口座を作って、日本では、お目にかからなかった小切手というものをもらい、「ほ~っ!こんなものがあるのか・・」と物珍しい気がした記憶があります。

 当時(25年くらい前)は、実に小切手は、必要不可欠のものであり、税金等の支払い、家賃の支払いや電気代の支払い、子どもの学費やお稽古事の費用、高額な支払い、また支払う時点まで金額が不明の場合の支払いなどなど、かなり多くの支払いに利用していました。

 そういえば、小切手用のお財布や小切手が入るお財布なるものも、昔はあったような気がします。

 特に、自動引き落としが信用できず(以前にedf(電気)に桁を間違えられて引き落とされて、大変な思いをしたことがあるため)、絶対に請求書で金額を確認してから、小切手を書くようにしていたし、後になって、支払われていないとか言われた場合にこの日付でこの小切手ナンバーで支払いましたということが言いやすいので、敢えて、小切手で支払いをしていたということもありました。

 なので、年に何回かは、銀行に新しい小切手をもらうように頼んでいたし、そういえば、常にお財布には、非常時に備えて、金額もサインもしていない小切手を1枚は、お財布に入れていたものでした。

 それが、ほんとうにいつの間にか、この小切手は、ほとんど使わないようになっていて、一応、家には小切手はまだあるものの、使うことは、ほとんどなくなりました。

 ほとんどが銀行のカードか、ネットで振込をすることで、事足りてしまうため、わざわざ小切手を書いて、それを送ったり、渡しに行ったりする手間が省けてしまうのです。

 それは、私だけではないようで、フランス全体でも、ここ15年ほどで小切手の利用率は72%減少したとのことで、2000年には、取引の37%を占めていた小切手は、3%までに減少したとのことで、2027年には、最後の小切手処理センターが閉鎖される予定になっているそうです。

 利用が減っているにもかかわらず、小切手の偽造は増加しているとのことで、今や小切手は、受け取る側からしても、まことに始末の悪いものになりつつもあります。

 今、小切手が廃止されても、日常生活には、ほぼほぼ支障はないとは思いつつ、なにかの際の非常手段として、あり続けてくれることは、やっぱり、いつ何が起こるかわからないフランスでは、安心なような気もするのですが・・。


2027年小切手廃止


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2025年8月4日月曜日

お酒は一生分飲みました!

  


 最近、肝臓の数値が良くないということで、お医者さんから、アルコールはダメ!と釘をさされ、そうはいっても、このお酒が大好きだった私がなぜかパッタリとアルコールを欲しなくなったために、かれこれ2年以上、私はほとんど飲まなくなっています。

 あれだけ好きだったお酒を、この私が飲みたいと思わない日が来るとは、思いも拠らぬことでしたが、まあ、飲んではダメ!と言われた時に、飲みたいのにガマンするわけではないので、全く苦に感じないのは、幸いなことながら、逆に「お酒を全然、飲んでないのに、なんで肝臓悪いのよ!と、ちょっと悔しい気もしないではありません。

 しかし、私がこれまで飲んできたお酒(アルコール)の量を考えれば、恐らく、ふつうの人が一生に飲む量は、余裕で飲んできたと思うので、お酒に関しては、大げさではありますが、我が人生に悔いはありません。

 我が家は子どもの頃から、父がお酒が好きだったので、父は必ず、夕食の際に晩酌をしながら食事をするのを見てきたので、お酒をごくごく身近に感じてきたということもあると思いますが、父は帰ってくるとたいていビールを飲んでから、その後は、その日のお料理に合わせて、ウィスキーだったり、焼酎だったり、日本酒だったり、必ずお酒を飲みながら、延々と食事をしていました。

 小さい頃は、私はもっぱらの辛党で、甘いものは苦手なかわりに、酒の肴になるようなものが好きで、小さい頃から「こりゃあ、酒飲みになるだろうな・・」と言われてきて、その通りになりました。

 日本では、仕事帰りに友人などと食事に行くというよりは、飲みに行くというのがメインで、人付き合いが活発で大好きという方ではなかった私もお酒のおかげで、それなりの人並みの人間関係をかろうじて、継続できたような気もします。

 思うに友人などと「飲みに行こう」というのは、飲むことそのものというよりは、飲んで話そうということで、アルコールが入ってかろうじて口が滑らかになって、人付き合いができていたのかもしれません。

 しかも、自分で言うのもなんですが、私はけっこうお酒に強くて、お酒で潰れたという経験もなく、最悪、翌日も酔っぱらっている状態・・。以前、けっこう仲良くしていた男の子に、「一緒に飲んで、口説こうと思っても、こっちが先に潰れちゃうから上手くいかないよ・・」とボヤかれたこともありました。

 しかし、全く、失敗がなかったかというと、そういうわけではなく、途中、記憶が定かではなかったりすることもあるのですが、ちゃんと家には、帰って自分のベッドに寝ていて、翌朝、目が覚めると、なんと服を着ておらず、ベッドの脇には、ホックを外していないワッカ状になったブラジャーが落ちており、これ、どうやって脱いだんだろう?と不思議に思って、自分で笑ってしまったこともありました。

 フランスに来てからは、子どもがいたこともあり、外に飲みに行くということはなく、もっぱら、友人を家に呼んで飲む、あるいは、夜、一人で飲むことが多かったですが、家のソファはたいそう寝心地がいいのか、家に飲みに来てくれた友人は、途中でソファで寝てしまうことが多かったです。

 フランスに来てからはもっぱらワインかウォッカでしたが、娘が小さい頃には、スーパーマーケットに行くと、ウォッカが置いてある近くに行くと、娘がパーッと走っていって、「ママ~オッカ!オッカ!あったよ~!」と得意気に叫んで私に教えてくれるのに、赤面しつつもうれしかった思い出もあります。

 とにかく、お酒にまつわる話は数限りなくあるのですが、お酒のおかげでたくさんの楽しい思いをしてきました。お酒を飲まない人生は、人生の多くの楽しみを損しているような気もしてきたのですが、今は、そのお酒がない生活。

 少々、寂しい思いもありますが、今まで飲んできた時間を考えれば、まさに悔いはありません。

 飲まなくなった今でも、もう身体に沁みついているというか、酒瓶を見るだけでワクワクするのは、ひっそりと心の中で感じる幸せです。


アルコール 酒飲み


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2025年7月27日日曜日

パリ・オリンピックから1年 パリ・オリンピック記念イベント開催

  


 パリ・オリンピックの開会式から1年が経ち、パリ市は、パリ・オリンピックを1周年を記念したイベントを開催しています。

 当日は、午前9時半、開会式のパレードが行われたセーヌ川で、約100隻のカヌーとカヤックのパレードが、その後、約30隻の音楽船と装飾船によるパレードが行われました。

 パリ・オリンピックのマスコットであった赤いフリージュ君たちも登場し、パリ市長は、「パリ・オリンピックは街を大きく変え、私たちにたくさんの幸せと喜びを与えてくれました!」と挨拶しました。

 このパリ・オリンピック記念式典には、IOC新会長カースティ・コベントリー氏も参加。なぜか、前会長のトーマス・バッハ氏も同席していました。トーマス・バッハ氏は、IOC名誉会長ということになっているそうです。

 パリ・オリンピックを歴史的なものとして、パリに刻んでいきたいという思いの強さがあちこちに見られ、そのひとつ、パリ・オリンピックでの様々な国籍のメダル獲得者に敬意を表し、「チャンピオンズモニュメント」が2025年末までには、パリ中心部の橋の一つに設置される予定だそうです。せっかくこのようなイベントを企画したのならば、それに間に合わせればよさそうなものに・・とも思いますが、これもパリらしいところです。

 パリ・オリンピックの中心地であったセーヌ・サン・ドニでは、オリンピック・アクアティックセンターがこの日は無料で開放。

 また、オリンピックの開会式で使用されたジゼル・ハリミやオランプ・ド・グージュなどの10人の著名な女性の先駆者を讃える金色の像がパリ北部のポルト・ド・ラ・シャペルに設置されています。

 大会期間中に設置されていたエッフェル塔の五輪は、現在は外されていますが、まもなく再設置され、2028年のロサンゼルス・オリンピックまで五輪付きのエッフェル塔として、再登場するそうです。

 パリ・オリンピックの開会式でセーヌ川の水上を華麗に走っていったゼウス・メタリックホースは、現在、フランス全土を巡回中とのことで、リヨン、マルセイユ、ボルドー、そして、なぜかフランクフルトを訪れた後、現在は、モン・サン・ミッシェルに滞在中。9月7日から29日までは、ナントに滞在する予定になっているそうです。

 そして、パリ・オリンピックのもうひとつのシンボル的な存在でもあった聖火台として使用された気球はすでにフェット・ド・ラ・ミュージック(音楽祭)の日からチュイルリー公園に復活していますが、毎晩、日没から午前2時まで地上60メートルほど舞い上がり、夏のパリの星として存在しています。

 お祭り好きなフランス人ですから、なんだかんだと理由をつけて、お祭りにしたがるのもわからないではありませんが、正直、一体、いつまで、オリンピックを引っ張るの?という気がしないでもありません。だいたいオリンピック1周年記念パレードなんて、他にやっている国があるのでしょうか?

 現実に、2026年度の予算は、どこを削るかで大論争中の財政難のなか、スポーツに割り当てられる予算が大幅に削減され、オリンピック後の深刻な後遺症に苦しんでいるスポーツ界も同時に存在しています。深刻な財政難とすでに終わったパリ・オリンピック記念の派手なパレード・・なんだかちぐはぐな気がしてなりません。

 オリンピックを機に、スポーツを奨励する機運にあったはずなのに、このようなお祭りだけ、なんだか派手にやっていて、実際のスポーツ振興には、予算削減なんて、なんだかおかしな話だと思わないでもありません。


パリ・オリンピック記念イベント


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2025年7月25日金曜日

フランがとっても美味しいお店 Boulangerie Patisserie Alexine

  


 最初、このお店をどうやって見つけたのかは、よく覚えていないのですが、多分、最初は、近くにあるお店に行きたくて、以前は、あまり行かなかったエリアで、なんだか物珍しいお店がたくさんある通りで、気になるお店を覗いて歩いていたときのこと。

 その中にあったブーランジェリー(パティスリー)が、なんだかとってもほんわかした雰囲気で、しかもお店を覗いて見ると、種類もものすごく豊富で、行列が絶えない感じのお店で、入ってみたのが最初だったと思います。

 この界隈は、ちょっとオリエンタルな感じのお店が多く、アラブ料理だったり、インディアンの料理だったり、最初は、クルドサンドイッチのお店を探して出かけたのですが、パリの中にありながら、ちょっと別の風味がする感じの通りです。

 いわゆるキラキラのパリの雰囲気とはちょっと違いますが、かといって、治安が悪いとか、そういう感じでもなく、しかし、お値段もわりと庶民的な価格のお店が多くて、ちょっと珍しいスパイスや野菜などを置いているお店などもけっこうあります。

 その中にあった人気のブーランジェリーなのですが、その時も以前、フランコンクールで1位を取ったというトロフィーが飾ってあり、フランが美味しいお店なんだな~とは思っていました。

 フランというのは、フランスでは、どのブーランジェリーにも必ずといっていいくらいあるくらい、定番のお菓子ですが、美味しいブーランジェリーのフランは絶対に美味しいのは基本です。



 先日、久しぶりに近くを通りかかったので、そうだ!久しぶりに行ってみよう!とお店を覗いて見たところ、2025年イル・ド・フランスのフラン・コンクールで1位獲得!と出ていたので、「わお!やったね!」となんだかうれしくなり、久しぶりにフランを買ってきました。

 最近は、お値段が天井知らずの感じがする、いわゆる有名店などのお菓子に比べると、まず、極めて良心的な価格設定で、しかも、お店自体は、そんなに大きなお店ではないのですが、ショーケースの中に並んでいるパンやヴィエノワズリーなどの種類は、私がパリの色々なブーランジェリーを見ている中でもかなりの種類の多さです。




 パンもバゲット、クロワッサンの類はもちろんのこと、キッシュ類、また、ハード系のパン・ド・カンパーニュの類、胚芽入り、ナッツ入り、黒パンなどなど、かなりの種類があります。

 なんと、今年は、このお店サンドイッチ部門でも3位に入賞しているとのことで、今年は特に勢いに乗っている感じです。

 フランもピスタッシュやチョコレートや色々な種類があるのですが、今回、私はシンプルなバニラにしました。かなりの大ぶりなピースで、食べ応えもあり、しかし、リッチなコクがありながらも、まろやかで優しい味、そして、なによりもリッチなのに後味がスッキリとしています。



 フランを食べたことがない方に敢えて説明するなら、パイ生地が敷いてある、ちょっとしっかりしたプリンみたいな感じです。

 お値段も3.5ユーロと、この大きさでこのお値段!と思うほどの庶民的な価格です。

 フランは、華やかなスイーツ類に比べると一見地味な存在ではありますが、飽きのこないホッとする味です。

 フランだけでなく、なんでも美味しいので、近くに寄られることがあれば、ぜひ、なにか、トライしてみると楽しいと思います。


🌟Boulangerie Patisserie Alexine 15 Rue du Faubourg Saint-Denis 75010 Paris 


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