「2025年末までにATMがなくなる!」・・この現金決済、ATMに関する複数のデマがSNS上でまことしやかに出回り、一部の人々の間に混乱を巻き起こしているようです。
特に、目立っているTikTokの動画では、「2025年末までにATMがなくなることが確定しました!代替となるのはこれです!この大規模な交換作業は全国で進行中です!」というもので、また、X上では、「ATMから現金を引き出すには、今後は身分証明書が必用になる!」と主張しているものも散見されるそうです。
フェイクニュースにはよくあることですが、これらのデマには、多くの嘘と少しの真実が混ざっています。
実際に、フランスでは、現金決済をする人の数は急激に減少しているため、各銀行はコスト削減のために、ATMの数を減らしているのは事実で、2018年から2023年の間には、8,000ヶ所のATMを閉鎖したと言われています。
私自身もここ数年、もうフランスで現金をおろすということは、およそなく、せいぜい一年に一度、あるかないかのことで、ごくごくたまに支払いが低額のために現金しか受け付けないというお店がないこともない(しかし、最近は、お目にかからないけど・・)ので、そんな時のために一応、お財布には20~30ユーロくらいは入れていますが、それは滅多に使うことはありません。
どうせ、同じ銀行から落ちるお金・・いちいち現金をおろす必要はなく、そもそも高額の現金を持ち歩くのは物騒です。そうそう・・今、思い出しました!最近、現金を使ったのは、日本大使館でのパスポート更新の料金の支払いでした。(未だに現金しか受け付けない日本大使館)
しかし、フランス銀行連盟によれば、2025年末までにATMが消滅することは絶対にないそうです。
日本に一時帰国する度に驚くのは、日本は未だ現金を使用する人がすごく多いことと、銀行のATMがいつもすごく混雑していることです。
フランスでは、買い物の際に現金を使用している人は極端に減っていますし、銀行自体もATMを減らしているうえ、ATMが混雑しているという光景は最近、見かけたことがありません。
フランス政府は、多くの犯罪を防止する観点からも現金は廃止の方向に進みたい意向を持っていることは事実で、ジェラール・ダルマナン法務相は、「日常的な犯罪詐欺、麻薬取引の大部分は、犯罪組織内にあっても現金であり、これ(現金取引)を廃止することは、犯罪を削減させるのに単純だが、極めて有効な手段である」と語っています。
北欧ではすでにかなり現金を利用する人が減少しており、スウェーデンでは現金が使われているのはわずか28%、ノルウェーでは35%という調査結果(べリングポイント調査)が出ているそうで、それに比べれば、フランスは、51%となっており、ちょうど半々くらいの割合になっています。
しかし、現金だけだった?時代から考えれば、この変化はあっという間の出来事だったので、今後は、やはり、現金はますます減少していく傾向にあることには、代わりはありません。
個人的には、おつりの計算が苦手なフランス人でも間違えることなくあっという間に電子決済をしてくれるのは、安心だし、なぜ?現金?と思ってしまいます。
しいて言うならば、カードなどの電子決済の場合は、ついつい使いすぎるというくらいでしょうか・・。
一般的に現金を使っている人には、比較的、高齢の方々が多いような気もするので、世代交代とともに、やはりこの割合は、どんどん減っていくのだろうな・・と思います。
しかし、同時に、このようなデマがあっという間に広まるということも、やっぱり恐ろしいことだと思うのです。
ATM消滅
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