2025年6月27日金曜日

フランスのレストランチケット Ticket Restaurant とフランス人のランチ事情

  


 フランスで会社勤め、あるいは、仕事をしている人の多くが愛用?しているもののひとつに、レストランチケット(Ticket Restaurant)があります。このレストランチケットのシステムは、1960年代後半からフランスにある大変、便利なものです。

 これは、フランス全土に共通する従業員への食事補助のチケットで、通常、会社側が半額を負担し、個人が半額を負担するという就業時に食事の時間帯が入った場合における食事への援助のシステムで、多くのレストラン、スーパーマーケットなどの小売店舗などで利用することができます。

 これは、フランスで定められている従業員の厚生システムの一つのようなもので、必ずしも義務付けられているものではありませんが(社員食堂があったり、賄いがあったりして、別のカタチで食事(多くの場合は昼食代)を補助できる場合は、このシステムを採用する必要はありません)、まあ、一般的には、このレストランチケットを社員に支給している会社(企業)が多く、現在では500万人以上が24万4000の店舗で、このレストランチケットを利用していると言われています。

 事実上、これは、本人負担は半額程度なので、半額で食事ができたり、買い物(食料品)ができたりするわけで、とても有難いものです。

 特に、パンデミックを前後して、一時はレストランなどの飲食店がクローズしてしまったこともあり、このレストランチケットを利用してスーパーマーケットなどで食料品のお買物に利用する枠が拡大し、インフレなどもあいまって、現在では、半分以上は、実際の食事よりも、このお買物に利用されているのが現実となっているようです。

 私が以前、仕事をしていた会社でもこのレストランチケットがあったのですが、実際の昼食時は、とても外に食事に行く時間など取れず、逆に仕事をしている日にこのレストランチケットを使って食事をすることなど不可能で、もっぱら、お買物に使うことがほとんどでした。

 当時は、日本食材店で、もっぱら、日本のお醤油などの調味料や日本の食材などに使うことが多く、その店舗(現在はお弁当屋さんになっている)は、けっこう大雑把で、食料品に限らず、何から何まで、そこで売っているものは、レストランチケットで買い物できたので、若干高め?ではあったものの、自分で支払っているのは、チケットの額面の半額であることを考えれば、結果的には全然、安かったので大変、便利に使わせていただいていました。

 このレストランチケットで食料品のお買物ができる枠が広がったことは、当時、多くのレストランから大反発を受け、これは、期間限定、本来ならば2026年には終了する予定になっていましたが、この期限が再度、撤廃、しかも日曜日にまで利用できるようになるそうです。

 実際に、現在、フランス人の10人に6人は職場に食事を持ってきているというのが現状で、皆、時間短縮、緊縮財政・・で、昼食時の混雑時にレストランに食事に出かける人が減っているようです。

 それこそ、テイクアウトは、より一層増え、昼食時の街を見ていると、ランチが入っているであろう紙袋を抱えている人がびっくりするほど増えました。

 昔は、フランス人はランチからワイン片手に優雅に食事に時間をかける・・などと言われてきましたが、今はランチにはお弁当持参、もしくはテイクアウトが主流になりつつあるみたいです。


レストランチケット チケットレストラン ランチ


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