2025年6月18日水曜日

また起こってしまったタカタのエアバッグの死亡事故

 


 マルヌ県ランスでシトロエンC3のタカタ製のエアバッグが爆発し、37歳の母親が死亡、同乗していた13歳の少女が負傷しました。

 タカタのエアバッグについては、もうここ数年、その欠陥が指摘され、リコール対象となっており、シトロエンだけでなく、多くの自動車メーカーは車種により、エアバッグ交換や運転停止などの通知をしてきたはずでしたが、このシトロエンに関しては、ただちに運転を中止するように勧告されていたのは、2008年から2013年に登録された旧型車までで、今回のエアバッグの死亡事故が起こったのは、2014年の車であったそうで、2014年から2019年の間の対象車両所有者には、一応の連絡はしていたと言われていますが、運転中止義務とはされていなかったそうで、しかも、今回の犠牲者には、この通知(シトロエンC3のエアバッグを交換するよう通知する手紙)でさえも届いていなかったそうで、不運が重なった感じもあります。

 この女性は、ランスの高速道路を運転中、大型貨物車に追突され、車はコンクリートの壁に衝突し、道路の反対側で停止。その際にエアバッグが作動し、女性は車の外に放り出され、道路上で発見されたといいます。

 彼女は病院に搬送されましたが、その後、死亡。被害者の咽頭部から金属片が見つかり、原因はエアバッグであったことが確定したと発表されています。

 これまでのこのエアバッグの事故から、このエアバッグは、時間の経過、湿度、熱によって劣化するガスによって、爆発することがわかっていましたが、これまでは、そのとおりに高温多湿の地域での事故の発生がほとんどで、今回のようにフランス北部での事故というのは、初めてのことなのだそうです。

 とはいえ、最近は、南部・北部関係なしに温暖化の影響で、今月もパリでさえも、まだ6月だというのに30℃超えの日が続いており、北部でさえも気温が低いとは限らなくなっています。

 しかし、フランスでの、このタカタのエアバッグの欠陥問題、リコールについては、もう数年にわたり、騒動になっているというのに、まだ知らない人がいたのかと思うと、シトロエンは、とりあえず、この危険の通知が充分に出来ていなかったという面においては、罪深いことです。

 今回の事故を受けて、運輸相は、該当車であるシトロエンC3とDS3の稼働停止を求めています。また、これまの2008年から2013年に登録された旧型車という限定であったものをシトロエンC3とDS3の全車両に拡大しています。

 しかし、当のタカタ社に関しては、すでに倒産してしまっているので、もうこれ以上、タカタに責任追及はできないことと思いますが、もうすでにこのエアバッグに問題があることは、確定しているので、それを搭載している車を販売している自動車メーカーは、少なくとも徹底して該当車を所有しているユーザーに通知する義務があります。

 車の追突事故などの際の衝撃から運転手を守るはずのエアバッグが衝撃により、爆発して運転手が車から放り出されて死亡してしまうとは、恐ろしいばかり。

 そもそも大型車に追突された時点で不運としかいいようがありませんが、それに加えてエアバッグが爆発するとは、もう目も当てられない事態。同乗していた娘の命は助かったとはいえ、この事故により、自分の目の前で母親を失ってしまったのですから、大変にショッキングなことであったに違いありません。

 

タカタ エアバッグ死亡事故


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