フランス人と車
フランス人の車の運転の荒さは、有名です。
特に、信号なしに複数の方角から、車が合流する地点などは、事故なしに、割り込んで車を進めていくところなどは、フランス人の性格の悪さが出るな・・と思われるほど、強引に前へ前へ出ていかなければ、前に進めません。
中でも、パリの凱旋門の周りの車線なし、信号なしの道路から、放射状に伸びている12本の通りと繋がる通りから、入ったり出たりする車を縫って運転するのは、初めて見た時には、一生、ぐるぐると凱旋門の周りを走り続けるのではないかと思ったほどです。
また、パリの路上の駐車スペースに、時には、バンパーで、前の車と後ろの車をぶつけながらでも、器用に?車を停める光景は、まるで、バンパーは、そのために存在するものとでも言いたげに見えます。(確かに、そう思っている人は、いるはず・・。)
だからだとばかりも言えませんが、フランス人の多くは、中古車をよく利用します。
この辺にもフランス人の経済観念、締り屋具合がよく現れています。車は、ある程度、走行距離を重ねたものの方が車の調子がいい・・などということをとうとうと語り出したりします。
しかし、この点においては、パリでは、最近は、大気汚染対策のために、数年以内の新車でなくてはならない、さもなくば、毎年の車検などの厳しい規制が敷かれています。
また、マニュアル車を好むのも、フランス人の車好きの特徴です。
そして、愛国心旺盛なフランス人は、ルノー、シトロエン、プジョーなどのフランスの車を好みます。また、パリ市内は特に、駐車スペースの問題もあり、小型車が多いのにも驚かされます。
パリ市内ならば、バスやメトロなどの交通機関が張り巡らされているので、(故障やストライキは多いですが・・)本当は、車など必要ないのですが、何よりもバカンスを大切にする彼らには、たとえ、中古車であっても、車は、必需品なのです。
まるで、引っ越しをするが如く、たくさんの荷物を車に詰め込んで、自転車まで屋根に積んで、長期のバカンス、または、週末にセカンドハウスに出かけたりするのです。
また、パリという街は、実際は、小さい街で、パリを少しだけ外れるだけでも、たちまち田園風景が広がります。郊外に住む人にとっては、車は、買い物に行くのも、通勤するのにも必需品です。
最近は、日本では、運転免許をとる若者が減ったという話を聞きますが、こちらの若者は、現在でも、運転免許を取る人は多く、18歳になって、早々に、高校を卒業する前から、免許を取ってしまう人もいます。
特に、地方の学生などは、質素な暮らしをしながらも、古い車を買って、乗っています。
そもそも、昨年から、世間を騒がせている「黄色いベスト運動」のデモも、一年近く経つ今では、論点がずれてきている感もありますが、元はと言えば、燃料価格の上昇に端を発しているもので、フランス人と車の関係の深さが垣間見えます。
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