2019年10月22日火曜日

ストライキ大国・フランス




 言わずと知れたストライキ大国であるフランス。

 公共交通機関であるパリの営団地下鉄や国鉄、飛行機、タクシーなどから、学校まで、四六時中、どこかがストライキをやっているような印象があります。

 私もフランスに住んで長くなり、一通りのストライキによる被害を被ってきました。

 だいたい、フランスの交通機関などは、ストライキをやらずとも四六時中、テクニカルプロブレムだとか、危険物があるとか言って、ストップするし、TGV(フランス国鉄の新幹線)などでさえも、大幅に時間遅れがあたりまえで、電車が2〜3分遅れただけで、「深くお詫び致します。」などとアナウンスの入る日本から考えたら、通常の状態がもうすでに、ストライキのような状態なのです。

 これだから、パリに通勤するとなると、日本なら、一時間以内の通勤圏は、余裕で大丈夫なところですが、しょっちゅう起こるストライキのことを考えると、郊外線などは、1時間に1〜2本のみという間引き運転になるため、車内は大混乱、通常、一時間の通勤時間のところが、その倍近く、時間を見積もって出かけなければならないのです。

 ましてや満員電車に慣れていないフランス人のすし詰め状態は、恐ろしいものです。

 それでも、パリは、家賃が高く、郊外に住んでいるフランス人はたくさんいるのです。

 私もパリに引っ越してくる前までは、郊外線を使って通勤しており、一ヶ月近く、ストライキが続いた時には、本当にヘトヘトになりました。

 SNCF(フランス国鉄)やRATP(パリ営団地下鉄)の職員よりも、ずっと悪い条件で働いている人たちが苦しめられて、どうなっているの? と思います。
 
 周りの乗客も長く続くストライキに積み重なる疲労と怒りでストレスが溜まりきっていました。

 そのストライキが終わって、すぐに、涼しい顔をして、検札にやってきた国鉄の職員は、乗客に「お前ら、さんざんストライキをやっておいて、検札とは、何事だ!!」と周りを囲まれて袋叩きにあい(手を出されていたわけではありませんが)、次の駅でトボトボと降りていったのを目撃したこともありました。

 また、娘が幼稚園(公立)の頃に、幼稚園が一ヶ月近く、ストライキで閉まり、子供を預けるのに右往左往したこともあります。

 そのおかげで、小学校からは、絶対にストライキをやらない私立の学校に入れました。

 日本にエアフランスで行った際、ストライキの予定の日にちをずらして、チケットを取ったのに、数日前のストライキの煽りを受けて、取っていたはずの直行便が変更になり、経由便になってしまったこともあります。

 また、日本から帰ってきた際に、空港からの交通機関は、全てストップ、タクシーですら、ストライキをやっていた・・ということもありました。

 どうにもならなくて、知り合いの運転手さんに電話をして、急遽、奥さんの車で迎えに来てもらったこともありました。

 もし、個人でフランスに旅行に来ている人だったら、そんな時はどうするのでしょうか? 考えただけでも恐ろしいことです。

 本当に、ありとあらゆることを予測して、対応できなければ、フランスで生活するのは、大変です。

 それでも、私がフランスに来たばかりの頃に、主人の友人に会った時、フランスの印象は? と聞かれて、「ストライキ!」と言った私の答えに、彼は、大変、満足そうに得意げな様子だったことは、今でも、忘れられません。

 その主人の友人だって、少なからず、ストライキの被害を被っているはずなのに、そうして、あくまで「主張」することを、どこか、誇りにしているフランス人なのです。

 











0 コメント: