2019年10月21日月曜日

旅行先に着いた途端にスリ被害で一文無しになったらどうするか?




 パリでは、日常茶飯事のように起きているスリ被害ですが、私は、パリでスリの被害にあったことは、ありません。

 パリでの行動には、もう、周りの話をさんざん聞かされているので、注意して歩くことが習慣になっているのかもしれません。

 一度、母がパリに来てくれた時に、母がメトロの中で、ショルダーバッグから、お財布を抜かれたことがありましたが、それ一回のみ、しかも、私ではありません。

 しかし、そんな私も一度だけ、スリにあったことがありました。

 それは、リスボンへ旅行した時のことでした。

 ホテルへチェックインするには、少し、時間が早かったので、ホテルに行くまで、少し、観光しようとベレンの塔へ行った時のことです。

 早朝の飛行機で、パリを出発し、一旦、ホテルへ寄って、荷物を預けて、一息ついてから出かければ良かったのですが、小さなキャリーバッグとはいえ、荷物をゴロゴロと転がしながら、観光していたのです。

 これでは、旅行者丸出しですよね。

 途中、橋の上で、偽ブランド物を売りつける人が寄ってきて、頑なに、断り続けたのは、良かったのですが、多分、その時にやられたのだと思います。

 お財布を丸々、擦られてしまったのです。

 気が付いた時には、私は、一文無しで、飛行機の中で、お金も一部は、別に分けて持っておこうと思っていたのに、それも忘れていて、丸々、カードも現金も一切合切、取られてしまったのです。

 パスポートは無事だったものの、まだ、着いたばかりで、無一文でバスやタクシーにさえ乗れない!これから数日間、どうやって過ごしたらいいのか、娘を連れて、私は、途方に暮れました。

 トボトボと娘とリスボンの街を歩きながら、ジェロニモス修道院のあたりで、ようやく警察官をつかまえて、事情を話すと、とりあえず、街の中心にある警察署まで、パトカーで送ってくれました。

 戻ってくることはないと思いつつも、一応、保険等のために、被害届を作ってもらい、その担当をしてくれた警察官の人に、タクシー代の5ユーロを借りて、ホテルにどうにか、たどり着きました。

 ネット予約していたために、すでに、ホテル代は、支払いが済んでいましたので、最悪、ホテルに缶詰になっていれば、どうにか、帰りの飛行機までは、過ごすことはできますが、それでは、食事もできません。

 ホテルのジムにおいてあるリンゴを食べて過ごそうかとまで、一瞬、考えたぐらいです。

 そこで、私は、ホテルのフロントの人に事情を話して、控えてあったカードナンバーから、ホテルで、お金を引き落としてもらって、現金を手に入れてから、カードを止めることを思いついたのです。

 ホテルのフロントの人がとても、親切な人で、カードの手数料がかかるので、その分を負担していただければ・・ということで、快く引き受けて下さいました。

 そして、彼は、「ポルトガル人として、この国に訪れて下さったの方の中に、こんな被害に会う方が出てしまうことをとても恥ずかしく思います。」と言ってくれました。

 翌日、借りた5ユーロを返しに、警察に行き、前日に貸してくれた警官にお金を返しました。彼は、「お金を貸したと言っても、本当に返しに来てくれるとは、思っていなかった・・」と言い、お金もなんとか、カードから引き出すことができたと言ったら、そのことをとても、喜んでくれました。

 取られたカードもカード会社に電話して、ストップした時点で、使われている形跡はないことが確認できて、その後の観光は、なんとか、続けることができたのです。

 それにしても、日頃、パリでは気をつけていたのに、旅行先では、やはり、旅行者として、狙われてしまうのだと、旅行の際もますます、気を引き締めなければと学んだ、高い授業料でした。

 


























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