2019年10月1日火曜日

未だに霜取りが必要なフランスの冷蔵庫

                                       



 電化製品には、なぜか、当たりハズレがあるようで、もうそろそろ、新しいのに変えたいと思うのに、なかなか壊れないくらい長持ちするものと、定期的にちゃんと壊れてしまうものとがあります。

 我が家の場合は、例えば、炊飯器、これは、まだ、パリに引っ越して来たばかりの頃に夫が、” 日本人なら、これは、絶対にいるでしょ!" と、どこかから、買ってきてくれたもので、まるで、昭和初期に存在していたような、いでたちの炊飯器なのです。

 とてもシンプルな作りで、炊き上がるとカチッと音がして、スイッチが上がり、炊き上がります。保温もできなければ、もちろん、予約タイマーなんていうものもついていません。

 これが、もうかれこれ20年以上、壊れずにいるので、なんとも買い替えるのも忍びなくて、こうなったら、骨董品になるまで使い倒そうと思っている次第です。
 他に、壊れないのは、掃除機、電子レンジ です。これは、当たりだったというべきなのか、ずーっと壊れません。

 それに比べて、洗濯機、冷蔵庫は、定期的に壊れてしまうので、これらは、いつもハズレです。もう、それぞれ、パリに来てから3台目になります。

 しかも、冷蔵庫は、色々といわく付きです。

 電気屋さんに行って、新しい冷蔵庫を選び、配達と壊れた冷蔵庫の引き取りを頼みました。配達の日時を指定しましたが、これがなかなか時間通りには来ないのは、まあ、フランスなら、よくあることです。                             

 さんざん待たされた挙句にやっと、あと10分くらいで着きますと電話があり、やれやれと、古い冷蔵庫の電源を切り、冷蔵庫の中のものを出して待っていました。

 ところが、10分待っても来ません。30分ほどして、ようやく再び電話がかかってきたと思ったら、ちょっと問題があるので、アパートの下まで降りてきてくださいと言われました。

 降りていくと、運ぶ途中で、冷蔵庫に穴が開いてしまったので、値引きしますから、これで、良いですかというのです。あまりのことに、呆れて、内心、” 良いわけねーだろ!”と思いながらも、お断りし、また後日に配送ということになったのです。

 フランスの冷蔵庫には、もう一つ問題があり、それは、未だに定期的に霜取りが必要なことです。日本に住んでいらっしゃる方なら、冷蔵庫の霜取りなど、それこそ、昭和の初期ならまだしも、現代の冷蔵庫で霜取りなど、ありえないことでしょう。
 きっと、今の日本の子供は、霜取りという言葉の意味すらわからないのではないかと思います。

 最初は、冷蔵庫の霜取りなんて、うちの冷蔵庫だけがポンコツなのかと思っていましたが、どうやら、会社の同僚に聞くと、かなり良い冷蔵庫を買っても、みんな冷蔵庫の霜取りをしているらしいことが判明しました。

 一番、最近、冷蔵庫を買った際には、これが、もしかしたら、私が買う最後の冷蔵庫になるかもしれないなどと、理由をつけて、かなり奮発して良いものを買いました。内心、日々、技術は進んでいるし、今度こそ、霜取りが必要なくなるかもしれない・・と期待していました。

 ところが、冷蔵庫が配達されてきて、使い始める前から、その期待は、見事に裏切られたのです。なんと、新品の冷蔵庫には、” どうだ!” と言わんばかりに、霜取り用のプラスチックのヘラが付いてきたのです。


霜取り用に冷蔵庫についてきたヘラ
         


 冷蔵庫を運んできたおじさんが、得意そうに冷蔵庫の使い方と合わせて、得意げにそのヘラまで説明する様子を、ニッコリしながらも、内心、” そこじゃねーだろ!” と突っ込んでいました。

 冷蔵庫の霜取りの解決策を霜ができなくなるような冷蔵庫を作ることは考えずに、霜を取るためのものをつけることで解決しようとするフランス人の考え方が、どうにも理解できません。

 

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