2019年10月16日水曜日

男尊女卑 日本人が思いがちな、男性だから・・女性だから・・という感覚





 私が、フランスで育った娘と話をしていて、時々、スイッチが入ったように、娘が怒りを示すことがあります。

 それは、日本人によくある、「男性だから・・」、「女性だから・・」という観念が、話の中に見え隠れした時です。

 彼女の中のセンサーは、実にその観点に敏感に反応します。

 彼女が以前に見ていた日本のドラマで、猛烈に働く女性を描いたドラマがあったのですが、その主人公が仕事モードに入る時、” 男スイッチが入って、寝食を忘れて働き出す。" というナレーションが入るのですが、”なぜ、猛然と働くのは、男スイッチなのか?” というのです。

 確かに、そのナレーションには、社会で、猛烈に働くのは、男性であるというニュアンスが含まれているのかもしれません。

 私も、娘に言われるまで気がつかなかったのですが、娘に言わせてみれば、そのことを見過ごしてしまう時点で、それが当然のことと思って、そのことを受け入れている!というのです。

 また、彼女が高校まで通っていた学校で、私が、泣いている子を見たことがあるのは、男の子ばかりだ・・という話をした時も、それは、ママの中で、男が人前で泣くなんて・・という固定観念があるから、男の子が泣いている場面が、特に印象に残っているのだ・・女の子だって泣いていることはある!と言われたこともあります。

 確かに、「男だから・・」、「女だから・・」という観念は、私の中に存在しているのかもしれません。それは、日本の社会で育ってきた私だからか、また、時代背景もあるのかもしれません。

 主人などは、古い世代の人間なので、フランス人でも、「男たるものは、女性を守らなくてはならない・・」というような観念が、あるようなので、一概に、フランス人は・・と決めつけることもできません。

 それでも、私自身は、自分では、長く海外生活を送る中で、男だから、女だから、という考え方は、ずいぶんと日本で生活していた時に比べると、少なくなっていると思っているのです。

 いずれにせよ、フランスで育ち、教育を受けてきた、今の世代を生きている娘には、男尊女卑とまでは行かないまでも、日本の男性、女性に対する固定観念のようなものに、とても違和感を感じるようなのです。

 フランスでも、全てが、男女平等とは、言えないとは思いますが、少なくとも、専業主婦というものが少ないことからも、女性も社会に出て働き、家事も男女が、分担して行い、家族は、男女二人で築き上げるもの、そして、男だから・・女だから・・という考え方は、ナンセンスだという意識が彼女には、根付いています。

 先日、日本で発覚した医学部の女性受験者に対する点数の差し引き問題なども、彼女は、非常に厳しい目で見ています。

 そのようなことが、まかり通ってきた日本は歪んでいる・・と。

 彼女も、実際に社会に出れば、日本ほどではないにせよ、フランスでも、少なからず、女性に対するハンディに遭遇することがあると思います。

 しかし、現時点では、男性だから、女性だから、こうあらなければならないということを激しく拒否する彼女ですが、そもそも、男性と女性というものは、違う性別を持っているもので、男らしさとか、女らしさとかいうものを彼女は、どう捉えているのか? と、ふと思うのであります。

 別の観点ではありますが、私としては、男らしさや、女らしさも、人間としての魅力のひとつだと思うのですけどね・・。

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