当たり前のように届く郵便物や配送品、銀行や郵便局などの手続きのスムーズさ、時間通りに来る電車やバスなどの交通機関、感じ良く、親切な接客、そして、いつでもどこでも簡単に手に入る日本食、日本食材。
日本に一時帰国時に、ある程度のスケジュールを立てて、銀行などの複数の諸手続きに、午前中・・などと、つい、フランスの感じで時間を見積もっていると、あっという間に用事が済んで、自分自身、えっ??と、呆気に取られてしまうこともあります。
また、スーパーのレジなどでも、これ、ちょっと傷んでいますから、取り替えましょうね・・などと、言ってもらえて、思わず、” うわ〜ん!!親切〜〜!!” と叫んでしまったこともあります。
フランスのレジなどでは、下手をすると、持って行った野菜に、レジの人の方から、”これ、何という野菜?" などと聞かれるくらいですから、もう比較の対象にすらなりません。
日本では、ちょっとでも、まごついたりしたら、” お待たせいたしました。失礼いたしました。申し訳ございませんでした。” 、別にそんなこと、いいのに・・と思うことにまで、すぐに謝られます。
一方、フランスでは、待たせることなど、何とも思っていませんので、そんなことでは、絶対に謝らないし、それ以上のことでさえ、まず、謝りません。
何かの工事を頼んでいたり、家に水道・電気などの点検が入るという通知があったりしても、なかなかの確率で、時間に大幅に遅れたり、すっぽかされたりします。
人間、便利で楽な環境に慣れるのは、簡単で、あっという間です。
そして、もっと便利に、もっと快適にと、更に、上のサービスを求めるようになります。
日本は、世界基準でも、ちょっと類稀なる、サービスが享受できる国です。
と、同時に、日本は、クレーム大国でもあるのです。
ファストフードやチェーン店、コンビニなどの挨拶がマニュアル通りで、目が笑っていない・・とか、ちょっと前に、猛暑の最中に運転しながら水を飲むバスの運転手さんに対してまで、クレームが入ったとか・・。
マニュアル通りだろうが何だろうが、ちゃんと挨拶しているのだし、猛暑の中でも、ちゃんときっちり運転してくれているのではありませんか?
お客様は、神様で、神様の声への対応を求められ、神様は、まるで、世直しでもしているかのごとく、踏ん反り返る、恐ろしい悪循環です。
フランスでは、頼んだ荷物が届くかどうかがまず、不確かなフランスに住んでいると、日本で、宅配便の配送をしている人が走っているのには、仰天してしまいます。
フランスの、このサービスの悪さもどうかと思いますが、日本のもっともっと便利で快適なものを求め続ける果てのクレームの蔓延も異常です。
フランスで暮らすようになって、当初は、いちいち、腹を立てていた私ですが、いくら腹を立てても、仕方ないので、予め、不測の事態に備える、ないものは、自分で作る!という姿勢にシフトチェンジしました。
すんなり、事が運んだだけでも万々歳です。
より便利で快適さを求める生活は、人間から忍耐力と寛容さを奪います。
すぐに、キレて、すぐに、クレームです。
そして、その生活を支えているサービスを提供している、走って配達をしている宅配便の配達をしている人たちがいるのです。
私は、いっそのこと、日本のクレーマーを集めて、フランスでの不便な生活の体験ツアーをせめて、一ヶ月くらいでいいから、やってみたらどうかと思うのです。
きっと、どれだけ、日本のサービスが優れて、ありがたいものかを実感として、感じる事ができるでしょう。
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