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2025年6月29日日曜日

フランス人の10人に6人はパンを捨てている

  


 フランス人にとって、やはりなくてはならない食品はパンだと思うし、それだけ、こだわりのある食品であると同時に、もうあまりに身近すぎて、空気のように、そこにあるのが当然というものかもしれません。

 今や、かなり浸透している食品廃棄物防止対策用のお得なアプリ「Too Good To Go」(通称トゥグトゥゴ)(その日に売れ残りの商品を格安で買える)が行った調査によれば、「フランス人の10人に6人はパンを捨てている」といい、パンはあまりにも無駄になっている商品の一つだといっています。

 ユネスコの無形文化遺産に登録されたフランス料理の象徴であるパン(ここで言っているのは恐らく主にはバゲットについてだと思いますが・・)はフランス人の96%が少なくとも週に1回は消費しているが(私が思っていたよりも少なかった)、回答者の41%は月にバゲットの半分以上を捨てていると答え、パンを捨てる理由はパンが乾燥したり、古くなったりするためと説明しています。

 たしかに、バゲットというものは、すぐに固くなってしまうので、そのまま放置しておくと、もう翌日には、アウトで、かといって、ビニール袋などに入れておくと、固くはならないものの、今度はグニョッとした感じになってしまうので、たしかに始末が悪いといえば、悪いのです。

 バゲットはやはりその日のうちに食べるのが一番美味しいし、もってせいぜい翌日の朝までがいいところです。

 私などは、一人暮らしなので、もともと買うときに、ドゥミ・バゲット・・と頼んで、半分だけ買うか?もしくは、買ってきて、その時に食べない分はさっさと冷凍してしいまいます。

 ただし、バゲットは、けっこう場所を取るので、冷凍庫の中には、あんまり歓迎されるものでもありません。

 それでも、私は、バゲットというものは、フランスの中でも最も美味しいもののひとつだと思っているので、美味しいパン屋さんの近くへ行けば、たいてい買ってしまいます。

 その時にちょうど焼き立てだったりすれば、なんだか今日は当たり!みたいな気分になります。

 しかし、私は、一度もバゲットを捨てたことはありません。うっかり固くなってしまえば、ちょっと霧吹きで水をかけ、ちょっとオーブンであぶれば、復活するし、どうしようもない時には、フレンチトーストにします。

 たしかに、夫が存命中は、彼はやたらとバゲットを買ってきていた(3人家族なのに、一度に2本買い、1本目は家につく頃には、ほぼない状態で車の中はいつもパンくずが散らばっていました)ので、そういえば、パン袋(布製のバゲットを入れておく袋がある)の底に固くなったパンがしばしば発見された記憶があります。

 つまり、彼はバゲットが大好きなのに、結局は無駄にして捨ててしまうこともあるというスタンダードなフランス人だったのです。

 また、バゲットといえば、忘れられないのがパンが大好きな彼の友人で、とにかくパンが大好きで、ピザを食べても一緒にパンを食べたいという人がいました。

 ある時、彼は「日本食のレストランはあんまり好きじゃないんだ・・」というので、「なんで?」と聞いたら、「だって、パンが一緒に出てこないから・・」というので、妙に納得してしまったことを思い出します。

 このうえ、店舗に出ているパンのことを考えたら、本当に廃棄されているであろうパンの量といったら、莫大な量なのではないかと思われます。

 絶対的に生産されている量が多いわけですから、廃棄されている量も自ずと多くなるわけです。

 この調査によると、回答者の80%が割引価格で1日前のパンを買う意思があると答えているそうで、そうして、安くしてでも売っていけば、買う人はいるんだろうに・・なぜ?売らないんだろう?と思います。

 こうして考えてみると、好きだからこそ、やたら買う・・でも無駄にしてしまう・・そんなものは、パンだけじゃなくて、けっこうあるかもしれないな・・とも思うのです。


フランス人はパンを無駄にしている


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2025年6月28日土曜日

メトロの車内パフォーマンス 歌だけではなくて踊り出した・・

 


 一瞬、涼しくなったかと思いきや、パリにはまた、鬼のような暑さが戻ってきています。まだ6月なのに・・と思うと、今年の夏はどうなることやら・・?と憂鬱になります。

 本来ならば、ヨーロッパの6月は暑くもなく、寒くもなく、一年で一番、気候の良い時期なはずで、そのためジューンブライドなるものがあったりするはずなのに・・これでは、この時期の結婚式も大変なことになりそうな気がしています。

 というのも、ここのところ、色々な路線のメトロに乗っていますが、冷房車にあたる確率が私の感覚では、半々くらい??な感じで、バスに至っては、冷房車にあたる確率はさらに低い感じです。

 いよいよ、夏のバカンスシーズンが始まった感じで、メトロの中も(路線にもよりますが・・)けっこうな観光客の割合が多くなってきて、まずまずの混みようです。

  そんな中、先日、メトロ1号線に乗っていたら、車内にミュージシャン?なんらかのパフォーマーのような人が乗ってきました。

 メトロの駅や車内でも、なんだかアコーディオンだったり、ギターだったり、なんらかの楽器を持って乗り込んできて、おもむろに音楽を演奏したり、歌を歌ったりし始めることは、珍しいことではありません。この日は、もう一つは、どこの路線だったか忘れましたが、メトロの中でパフォーマーに遭遇するのは2度目でした。

 この2度目のパフォーマーはボックスから音楽を流して、マイクを片手に歌を歌い始めました。マイケルジャクソンでした・・。ところが、この人、歌だけではなく、なんと狭い車内でダンスも始めたのです。

 メトロの中で歌を歌う人は珍しくなくても、ダンスまで始める人に遭遇したのは、初めてのことでした。メトロの駅ではなく、メトロの車内でです。

 最初は、私も、「いくらなんでも、メトロの中でダンスとは・・みんなちょっと退いてるじゃん・・」と思って見ていたのですが、そのうち、私の近くに立っていたおばさんが、なんだか、じわじわと彼に近寄り始めたのです。

 正直、そんなに上手な歌でもなかった感じなのですが、明らかに皆、最初はしらっとした感じだったのに、だんだん、のり始めていくのがわかりました。珍しい場面に遭遇したな・・と思いつつ、そのパフォーマーの人というより周囲の反応も面白くて、興味深く眺めていました。

 そのうち、すりすり彼に近づいて行ったおばさんがもう自分の身体をリズムに合わせ始め、ダンスをはじめ、また、反対側にいた若い女の子2人も腕を揚げて、踊り始めました。

 その間、約15分くらいだったでしょうか? けっこう盛り上がりを見せ始めたところで、彼は帽子を持って車内でチップを集め、チップを払ってくれた人とはグーパンチをして、あっという間に降りて行きました。

 本来ならば、メトロの駅構内や、車内で演奏したりするミュージシャンは、RATPのテストをパスした許可証が必用なようですが、この人がそのパスを持っていたかはわかりません。必ずしも、メトロにいるパフォーマーがこのパスを持っているとは限らないのが現実でもあります。

 とはいえ、ほんの15分ほどでしたが、珍しい光景に遭遇して、一瞬、暑さを忘れました。


パリ  メトロ ミュージシャン


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2025年6月27日金曜日

フランスのレストランチケット Ticket Restaurant とフランス人のランチ事情

  


 フランスで会社勤め、あるいは、仕事をしている人の多くが愛用?しているもののひとつに、レストランチケット(Ticket Restaurant)があります。このレストランチケットのシステムは、1960年代後半からフランスにある大変、便利なものです。

 これは、フランス全土に共通する従業員への食事補助のチケットで、通常、会社側が半額を負担し、個人が半額を負担するという就業時に食事の時間帯が入った場合における食事への援助のシステムで、多くのレストラン、スーパーマーケットなどの小売店舗などで利用することができます。

 これは、フランスで定められている従業員の厚生システムの一つのようなもので、必ずしも義務付けられているものではありませんが(社員食堂があったり、賄いがあったりして、別のカタチで食事(多くの場合は昼食代)を補助できる場合は、このシステムを採用する必要はありません)、まあ、一般的には、このレストランチケットを社員に支給している会社(企業)が多く、現在では500万人以上が24万4000の店舗で、このレストランチケットを利用していると言われています。

 事実上、これは、本人負担は半額程度なので、半額で食事ができたり、買い物(食料品)ができたりするわけで、とても有難いものです。

 特に、パンデミックを前後して、一時はレストランなどの飲食店がクローズしてしまったこともあり、このレストランチケットを利用してスーパーマーケットなどで食料品のお買物に利用する枠が拡大し、インフレなどもあいまって、現在では、半分以上は、実際の食事よりも、このお買物に利用されているのが現実となっているようです。

 私が以前、仕事をしていた会社でもこのレストランチケットがあったのですが、実際の昼食時は、とても外に食事に行く時間など取れず、逆に仕事をしている日にこのレストランチケットを使って食事をすることなど不可能で、もっぱら、お買物に使うことがほとんどでした。

 当時は、日本食材店で、もっぱら、日本のお醤油などの調味料や日本の食材などに使うことが多く、その店舗(現在はお弁当屋さんになっている)は、けっこう大雑把で、食料品に限らず、何から何まで、そこで売っているものは、レストランチケットで買い物できたので、若干高め?ではあったものの、自分で支払っているのは、チケットの額面の半額であることを考えれば、結果的には全然、安かったので大変、便利に使わせていただいていました。

 このレストランチケットで食料品のお買物ができる枠が広がったことは、当時、多くのレストランから大反発を受け、これは、期間限定、本来ならば2026年には終了する予定になっていましたが、この期限が再度、撤廃、しかも日曜日にまで利用できるようになるそうです。

 実際に、現在、フランス人の10人に6人は職場に食事を持ってきているというのが現状で、皆、時間短縮、緊縮財政・・で、昼食時の混雑時にレストランに食事に出かける人が減っているようです。

 それこそ、テイクアウトは、より一層増え、昼食時の街を見ていると、ランチが入っているであろう紙袋を抱えている人がびっくりするほど増えました。

 昔は、フランス人はランチからワイン片手に優雅に食事に時間をかける・・などと言われてきましたが、今はランチにはお弁当持参、もしくはテイクアウトが主流になりつつあるみたいです。


レストランチケット チケットレストラン ランチ


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2025年6月25日水曜日

パリオリンピックの気球がチュイルリー公園に戻ってきた!

  


 今やパリ・オリンピックは遥か昔のような気になっていましたが、あのオリンピックの聖火台として作られたあの気球がまた、チュイルリー公園に戻ってきました。

 国際オリンピック委員会(IOC)の規定によれば、本来は、聖火はオリンピック大会期間外には、点灯できないことになっているものの、この聖火の色(黄色)を白に変えることで同意を得たと言われています。

 パリ・オリンピック開催中は、華やかに街がオリンピックに彩られ、オリンピックの期間だけのことと、あちこちを見て歩いた中でも、このチュイルリー公園の気球は、かなりインパクトが強く、感動的でもあったので、ずっとこのまま残せば、良い観光スポットになるのにな・・と思っていました。

 実際に行ってみると、昨年のオリンピックの時のようなガードはなく、もう少し自由に近寄れる感じでしたが、やはり、正直、最初の時の衝撃は薄れました。

 とはいえ、パリの街中の公園に、ある意味神秘的でもある直径7メートルの聖火台は、充分に美しいものです。

 そもそも、この聖火台の設置されているチュイルリー公園のこの場所は、絶好のロケーションでもあり、チュイルリー公園はもちろんのこと、その光景の中には、オルセー美術館、ルーブル美術館、ちょっと先に見えるコンコルド広場やエッフェル塔などがぐるっと視界に入ってくる場所で、それにこの気球が加わるのは、まさに絶景です。

 お天気が良く、乾燥しているために多少、気球のまわりは、少し埃っぽい感じがしましたが、それを差し引いても、なかなか見応えがあります。

 この気球、実のところはパリオリンピックの際に設置された気球とは、別のもので、周囲のリングも改造されたものなのだそうです。

 そして、今のチュイルリー公園は、冬の間は撤退していた移動遊園地も戻ってきていて(もちろんパリオリンピックの間もありませんでしたが・・)、にぎやかな夏休みの感じで盛り上がっています。



 このチュイルリー公園の気球は夏の間、9月14日まで、そして、2028年のロサンゼルスオリンピックまでは、毎年、ここに登場することになっているようです。3年間夏季限定です。

 夜になると、この気球は、上空にあがり、午前1時に消灯します。

 夏の間、パリに来られる方は、一見の価値ありかもしれません。


チュイルリー公園気球


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2025年6月19日木曜日

フランスは再び世界で3番目に億万長者の多い国になった

  


 億万長者・・とは、なんとも、もうちょっと他に言いようはないのか?と感じる言葉ではありますが、とにかく超お金持ち・・超富裕層とでも言ったらいいでしょうか?

 スイスの銀行UBSの最新の世界富裕層レポートによると、「フランスは日本、ドイツ、イギリスを上回り、フランスは世界で3番目に億万長者の多い国となった」のだそうです。

 まったくこういう人々とは縁のない私には、「えっ?どこどこ?そんな人、一体、どこにいるの?」と思ってしまうのですが、いるところにはいるのでしょう。

 フランスの億万長者の数は289万人強だそうで、昨年に比べて2万人ほど増加したようです。

 もっとも世界の億万長者は、6,000万人と言われており、そのうちの40%はアメリカなんだそうで、アメリカに次ぐのは中国(630万人)、そしてフランスがトップ3とのこと。

 この上位3つの国でもそれぞれ、かなりの差があります。

 不景気な話ばかり流れてくる日本は、それでも4位(270万人)なのだそうで、5位はドイツ(260万人)です。

 もっとも、日本やドイツなどは、4位、5位の座を保ちつつも、それぞれー1.5%、ー0.5%この億万長者の数は減少しているのだそうです。

 一方、この数が上昇している国も見られ、なかでもトルコは8.4%増、アラブ首長国連邦5.8%増、インド4.4%増と現在の絶対数は多くないながらも、これだけ増加しているというだけでも、明るい見通しな気がします。

 とはいえ、社会全体を見れば、億万長者が増えているとはいえ、あまり豊かになっている気がしないのが現実です。

 これが、フランスに関して言えば、一人あたりの平均資産額となると、ベスト5どころか、16位まで転落してしまいます。ということは、億万長者はいても、国全体の経済状態が良いということにはならないということになります。

 一人あたりの平均資産額のトップはスイスだそうで、次いでアメリカ、香港、ルクセンブルクが続きます。

 しかし、私などが言うと、負け惜しみでしかないかもしれませんが、お金は困らない程度にそこそこあれば充分で、お金では買えない幸せが何より・・などと思っているのです。


フランス億万長者数 世界第3位


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2025年6月14日土曜日

フランスでも報道し始めた日本の米騒動について

  


 日本で、お米の価格が上昇したり、スーパーマーケットの棚から消えている・・などという米騒動はネット等の報道で見ていました。

 海外生活を送っていると日本のお米というものは、本当に貴重なもので、日本に一時帰国した際には、日本のお米を必ず買ってきています。パリでもお米は買えますが、本当の日本米というものは、ないことはないのですが、高価で、日本米といっても日本の品種のイタリア産のお米・・とかいう場合が多いのです。

 ふつう、国民の主食となる食品については、あまり価格が高騰しすぎないようにある程度政府が介入して調整したりするものだと思っていましたが、そのあたりが上手く機能していないのだと思っていました。

 今回、こちら(フランス)の報道で見かけたのは、「日本は米の価格が高騰しているため、そして、選挙が近付いているために、3兆円もの費用を費やして全国民に140ユーロを支給する」というものでした。

 「4月に日本の店舗で売られる米は前年比で2倍に値上がりしたが、政府はここ数ヶ月、国の備蓄米を放出することで、この高騰を食い止めようとしていた」。「過去1年間の価格の上昇については、複数の要因が挙げられており、1つ目は記録的な猛暑のために供給量が減少したこと、2つ目は、2024年8月に巨大地震警報が発せられたためのパニック買いが起こったこと、そして記録的な観光客の流入が消費のさらなる増加につながったこと・・などとしています」

 しかし、そのどれもが要因の一端を担っていたとしても、それくらいで、お米が日常の供給に事欠くようになるのは、おかしな話です。

 ましてや、国民の税金で蓄えていたお米をまた国民に売りつけて、恩着せがましい感じのことを言っているし、さらには選挙前だからといって、ここぞとばかりに、その高騰しているお米のためにといって、国民にお金をばらまくというのはみえみえなやり口。

 そもそもは減反政策が度が過ぎていたのだろうと思いますが、なぜ、日本の美味しいお米の生産を減らすようなことをするのか?本当に疑問です。

 海外では、空前の日本食ブームを迎えて久しく、今やパリでもお寿司やおにぎりを売っていないスーパーを探す方が難しいくらいにお米は海外でも食べられています。

 おそらく、スーパーマーケットで売っているお寿司やおにぎりに使われているお米が日本製のお米とは思いませんが、日本のお米でもないおにぎり1個がいくらで売られているかご存知でしょうか?だいたい、安くて3ユーロ・・高いと5ユーロ近い(約500円~800円)のです。

 たいして美味しくもない外米のおにぎりでこの値段なのです。

 フランス人は、欧州の中でもかなり日本贔屓の人が多い国のような気がしていますが、同時に「ホンモノ」などへのこだわりを追求するというか、ウンチクを語る人が多いのです。

 これだけフランスでも浸透したおにぎりの元祖は日本、そして、本来使われるべき日本のお米で作られているおにぎりとなったら、多少、高くても彼らは喜んで買うのです。

 減反政策などせずに、日本の美味しいお米をたくさん作って海外にもっと売ればよいのに・・と本当に思います。海外では高くても売れるのですよ・・。

 農協の仕組みについては、よく知らないのですが、お米の生産・出荷を取り仕切っているのが農協ならば、農協は海外への輸出をもっと模索するべきだと思います。


日本の米騒動


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2025年6月13日金曜日

パリ・ロダン美術館はなかなか穴場かもしれない・・

  


 パリには数多くの美術館があるけれど、いつでも行けるところにいながら、美術館というものは、そんなに頻繁に行くわけではありません。

 しかし、行ってみると、全然、気軽に行けるもので、行くたびに、「もっと、ちょくちょく来るべきだ・・うん!また、近いうちに来よう!」と思いながら、なんとなく、心が満たされた気分になって帰るのです。

 美術館に行くということが習慣になったら、よいな・・と思いつつ、結局、そこまでは行けていません。

 今回は、久しぶりにロダン美術館に行ってみたのですが、そういえば、前に来たのはいつだったかな?パンデミックの前かもしれない・・(最近、過去のことを思い出すときに、パンデミックは私の中でなにか一区切りになっていて、パンデミックの前か後?どっち?と考えるようになっています)と思いながら、たぶん5年ぶりくらいで5回目くらいです。

 ロダン美術館は個人的にはパリの美術館の中でももっとも好きな美術館のひとつで、そもそもず~っと昔にまだ私が日本に住んでいた頃に最初にパリに旅行で来た際に、まず、一番行きたかったのがロダン美術館でした。

 それは、私が彫刻が好きとか、ロダンが好き・・というよりも私の大好きな作家の井上靖氏の小説にパリが度々、登場し、その中で主人公がロダン美術館を訪れるシーンがあって、その小説の中の描写がとても素敵だったからです。

 小説の中にはロダンの「パンセ」、つまり日本語でいうところの「考える人」などが出てくるのですが、最初は、その本物のパンセが見たいと思ったのでした。当時は、私は、フランス語は全くできなくて、会社の上司の人でフランスに留学経験があって、フランスが大好きという人に「ロダン美術館はどこですか?」というフランス語を教わって行きました。

 その時の美術館のことは、あまりよく覚えていないのですが、その「ロダン美術館はどこですか?」と街行く人に尋ねてみたら、ちゃんと言葉が通じたことに感激しつつ、当然のことながら、フランス語で尋ねたので、フランス語で答えが返ってきて、何を言っているのかわからないことに初めて気が付いて、友人と大笑いした記憶があります。



 話が脱線しましたが、パリに来てからも、何回かロダン美術館には行っていますが、私の中では「ロダン美術館=お庭のバラがきれい」という頭があって、今回、行ったのも、バラの季節だし、さぞかし、お庭のバラがきれいだろうと思ったのですが、残念ながら、バラはところどころにはあったものの、盛りの頃はもう過ぎていました。



 入口を入るとすぐに荷物チェックの場所で少しだけ並びますが、これも数分のみ、比較的あっさり通れます。美術館の中に入るとチケット売り場とオーディオレンタルがあって、過ぎると現在は子どもが美術に触れて楽しむことのできるキッズスペースができています。

 私も入りたいんですけど・・と言ったら、子どものスペースなので大人はダメだと言われました。


 美術館の中には、ロダンの彫刻を中心とした作品(絵画等もあります)が約7,000点あるそうで、中には、ゴッホの絵(私が知っていたのはタンギー爺さんというもの)などもありますが、なんといっても力強いロダンの彫刻の数、大きさには、圧倒されます。




 彫刻のほとんどがケースなどには入っておらず、ほんとうに近くまで寄ってみることができます。ロダンの彫刻はもちろん小さなものもありますが、大きなものがけっこう多くて、これは、ロダンが世に出る頃にあまりの出来栄えにかたどりをしたものではないかと疑われたために、人間の実物大よりも大きな作品を作ってその作品がかたどりではないことを証明したため、それ以来の彼の作風になったという説があるそうです。




 とにかく、これだけの数の彫刻を作り出すパワーは並大抵のものではないと思われ、その作品の表情や身体、筋肉の動きなど、ひとつひとつを創りあげるのには、正気を保つのは厳しいのではないかと感じられます。



 私は美術に関して、詳しいわけではないので、なんとなく、好き・・すごい・・素敵・・きれい・・カッコいい・・とか、まるで幼稚園の子どものような感想しかないのですが、これがやはり数百年前にたしかにここにいたロダンという人が自分の手で造り上げたものがそのまま残っていると思うと、唸りたくなります。






 美術館内の広さはほどほどで、非常に見やすくて快適、しかし、私がこの美術館が好きなのは庭園です。庭園内には、カフェもあって、簡単な食事もできるようになっています。この庭園は、これまた、そこまで広すぎず、しかし、屋外だけど木陰になっているスペースに彫刻が点々と置かれていて、ベンチがたくさん置かれています。(ゴミ箱がやたらと多い)



 非常にゆったりとした空間で、友だちとおしゃべりしたりするのにもちょうどいいな・・とも思います。屋外に置かれた彫刻の数々には、ひとつひとつ説明書きがついています。



 今回は、その中のひとつの頭を抱えた大きな彫刻がやけに気に入って、しばらく側にいたい・・と思いました。頭を抱えて、なにか考え事をしている様子の彫刻ですが、頭を抱えて下を向いているのに、大きな目は見開かれているのです。

 今は、時期的なこともあるのでしょうが、幼稚園だか小学生だか小さい子どもたちが学校の遠足かなにかで来ている感じも、とても微笑ましいです。余談ですが、こちらの子どもたちは、美術館内などでも非常にお行儀が良いです。




 最後の出口の近くには、ブティックがあり、多くの美術館にあるように本や小さな彫刻、お土産類が売っていますが、なんといっても「考える人」は一番人気のようで、考える人消しゴムから、考える人鉛筆、考える人カレンダー、考える人パズルなど、考える人に埋め尽くされているのには、苦笑してしまいますが、ついつい欲しくなる気持ちもわからないではありません。

 この美術館は、大変よいロケーションでもあり、入口を入ってわりとすぐのところに有名なパンセ(考える人)があり、その向こうには、エッフェル塔、アンヴァリッドなどが見えます。また、同じ通りは、首相官邸をはじめ、多くの省庁が並んでいる通りなので、やたらと警察官が多く、治安の良さは抜群です。

 この美術館は晩年にロダンがアトリエとして使用していた場所だそうですが、こんなところにアトリエがあったなんて、すごいな・・などとも思うのです。

 現在、行列ができているという大阪万博のフランスパビリオンには、ロダンの彫刻が言っているようですが、パリのロダン美術館はほぼほぼ行列なしに入れ、山ほどのロダンの彫刻が惜しみなく置いてあります。

 子どもがけっこういたり、作品との距離も近いので、ゆったりと自由に見ることができて、堅苦しい感じは微塵もありませんので気軽に芸術に触れる(触るということではない)ことができるので、とってもおススメです。


パリ・ロダン美術館

🌟Musée Rodin  77 rue de Varenne 75007 Paris  


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2025年6月2日月曜日

昨日のパリはヨーロッパの首都だった!

  


 「昨日のパリはヨーロッパの首都だった!」と文化大臣が語ったそうで、それほど、サッカーの欧州チャンピオンリーグでのPSG(パリ・サンジェルマン)の優勝は、フランスを熱狂の渦に沸きに沸いていました。

 このサッカーへの熱狂に全くついていけない私には、それがどんなにスゴイことなのかは、あんまりピンと来ていなかったし、どちらかというと、「ちょっと騒ぎすぎじゃない?」くらいに思っていました。

 しかも、パリでやっていた試合でもないのに、優勝が決まった後は、パリでは花火が禁止されていたというのに、あちこちで花火があがり、街中の車がクラクションを鳴らしているような感じで、夜、遅くまで、サポーターが集まっているシャンゼリゼやパークからも遠い我が家のアパートの中にいても、その歓喜の渦から逃れられない感じでした。

 この騒ぎは翌日まで続いていて、選手たちはドイツから1時間半のフライトを経て、凱旋帰国して、シャンゼリゼでパレード。この日はシャンゼリゼには、25,000人が集まったとかで、もう街が唸っているような感じでした。

 今回のシャンゼリゼでのPSGチームの凱旋パレードは、同じくシャンゼリゼに人が集まるパリ祭のパレードなどと違って、サポーターたちは、歓喜に溢れ、興奮して、力の限りを尽くして歓声をあげているのですから、これは大変な騒ぎです。

 亡き夫はあまりサッカーに興味がある人ではありませんでしたが、そういえば、このチャンピオンリーグだけは見るといって、テレビの前でですが、アパート中に轟き渡るような大声を出して応援していたことを思い出しました。

 このサッカーに対する盛り上がり方、異様なテンションには、私は一生、ついていけないと思うし、もうこれはフランス人のDNAに組み込まれているのではないかと思う熱狂ぶりです。

 シャンゼリゼでのパレードの後は、選手たちは、マクロン大統領にエリゼ宮に招待され、祝福を受け、午後9時からは、パーク・デ・プランス(PSGの本拠地・ホームグラウンド)で、祝賀パーティーが大々的に行われます。

 マクロン大統領とて、これだけ国民が熱狂しているものを捨て置けないのだとも思いますし、マクロン大統領自身もサッカーの大ファンであると思われます。

 もともと熱狂的に歓喜したり、パーティーで騒いだりということは、めっぽう苦手な私は問題外なのですが、たいていの日本人はこれは、ちょっと引くだろうと思うほどの熱狂には、私は、一生ついていけない気がしています。

 皆が熱狂しているところ、水を差すような話ではありますが、優勝が決まった日、フランスでは優勝当日の夜の祝賀行事?中には2名の死亡者、192名の負傷者が出て、559名が逮捕されたそうです。

 まさに、熱狂するのも命がけです。

 そういえば、昔、ロンドンにいた頃、一時、障がい者の施設でボランティアをしていたことがあったのですが、その中にいたけっこうハンサムな若い男の子が半身不随で、原因はサッカーの試合に応援に行った際に負った怪我だと聞いて、「サッカーって怖い・・」と思ったことを思い出しました。


PSG パリサンジェルマン 優勝  


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2025年6月1日日曜日

パリはサッカーUEFAチャンピオンズリーグ決勝戦に厳重警戒

 


 サッカーはフランス人にとって、何なんだ?と最近、思うようになりました。

 一昨日、シャンゼリゼの近くを通ったら、なんだか、色々なお店がバリケードを張っていて、「えっ?なんで?」と思いました。どうやら、土曜日に行われるサッカーUEFAチャンピオンズリーグの決勝戦が行われるとかで、それに備えているとのこと。

 しかし、決勝戦が行われるのは、ドイツのミュンヘンです。

 しかし、決勝戦に進出しているのがPSG(パリ・サンジェルマン)とインテル(イタリア)なのだそうで、勝っても負けても、フランス人は大騒ぎなのです。

 これが暴動とかいうことではないだけ、まだマシなのかもしれませんが、サッカーの欧州チャンピオンズリーグの決勝戦のために、ここまでしなければならないことも、正直、ちょっとおかしなことではないか?とも思うのです。

 サッカーは数あるスポーツの中でも、おそらく最もサポーターの多い、フランス人がもっとも騒ぐスポーツで、前回のチャンピオンズリーグの際も多くのサポーターがコンコルド広場やシャンゼリゼに集まり、大フィーバーになりました。

 今回は、この騒ぎに無防備でいるわけにはいかないと考えた、なにかと言えば、お祭り騒ぎに集まるシャンゼリゼの商店は、銀行、バー、高級ブティックなどが、ショーウィンドーをはじめ、店舗に板やバリケードを張って備えています。ソシエテ・ジェネラル(銀行)などは、巨大な木製パネルで完全に密閉しています。また、ブルガリ、ディオール、ラコステなどは、グリッドシステムと呼ばれる鉄格子のようなシステムを導入しています。

こんなバリケードを張るにもおしゃれな感じにしているところは、さすがだなとも思います。(そうではないところもあるにはあるが・・)

 


 それでも、パリ市は、このお祭り騒ぎを全面的に抑え込むことはしない姿勢を見せ、このエリアを封鎖したりするつもりはなく、「一定の条件下で一般公開する」と発表しています。

 とはいえ、安全のため、当日は午後7時からホテルを除くシャンゼリゼ周辺の広い地域にある一般の公開施設は閉鎖を命じられています。また、通常路上にパーキングされている車は撤去するように通知されています。

 お祭り騒ぎ→興奮して騒ぐ→車を燃やす・・のはよくあるパターンなので、言われなくとも、車は避難させるのがふつうではあります。

 このような騒ぎに乗じて、暴動のようなことを起こすブラックブロックのような集団がいることも事実ではありますが、いくらサッカーで勝っても負けても、嬉しくても悔しくても、物を破壊してまで騒ぐのがあたりまえのようになっているのは、いかがなものだろうか?と思うのです。

 このようなことが起こらないように防護しているのはわかりますが、騒ぎが起こることがもう前提のようになってしまっているのも、おかしなことではないかと思うのです。

 この日はパリには警察官が5,400人が配置されるそうで、このおよそ半数以上がシャンゼリゼ周辺に配置される人員なのだそうです。

 しかも、驚きなのは、この試合がパリで行われるものでもないのに・・というところです。

 家にいても、とにかく外が騒がしく、結局、PSGが勝ったからか?クラクションが鳴り響き、花火が打ちあがる音があちこちから聞こえてきます。

 しかし、やっぱり燃えてます・・・。これはPSGのホームグラウンドの近くらしいです。 



 こういう騒ぎを見ていると、人はなにか熱狂するものを常に求めているのかなと思います。


サッカー欧州チャンピオンズリーグ決勝戦 シャンゼリゼ


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2025年5月31日土曜日

久しぶりに1日晴天だったけど、ついてなかった日

  


 昨日は、久しぶりに1日、パリは晴天だという予報だったので、いくつか写真を撮りに出かけました。こんなに気持ちよく晴れるのも最近では珍しく、晴れているというだけでなく、気温もグッと上がって、30℃を超える夏日。

 街中の人々の服装もすっかり真夏の装いになっていて、そんな時は、「わぁ~もう夏だ!」と、ちょっとウキウキ嬉しくなります。

 お天気が良いからか?もう少しずつ観光客が増えてきているのか、心なしか、バスやメトロなども平日の昼間なのに、けっこう混んでいます。

 外出するときは、たいてい同じなのですが、でかける場所によって、ここへ行くなら、ついでにあそことあそこも寄って行こう・・となんとなくプランをたてます。

 そんなことを考えながら、バスに乗っていると、なぜか、まだ目的地につかないのに、なぜかバスはストップ・・最初のバスには終点まで・・と思っていたところが、いつのまにか?というか、今日はここが終点だといいます。

 「なんだよ・・ついこの間、乗ったときには、ちゃんと終点まで行ったのに、また工事?」と思いながら、しぶしぶバスを降りて、歩きました。またまた、このパターンか・・とぶつくさ思っていると、これで終わりではありませんでした。

 そして、次はメトロに乗ると、今度は、けっこう混雑していました。しかし、混雑といっても、いつもよりも若干混んでいる程度で、不快なほどではありません。むしろ、みんな天気が良いと、それだけで、ちょっと楽しそうで、高揚しているような感じもあり、いつもより明るい雰囲気でさえあります。

 パリで写真を撮りたかったら、晴天の日が断然、美しいです。今は、特に緑の木々が若い芽から延びてきた芽から、色々な緑に包まれていて、それがブルーの快晴の空ととてもマッチして、また、どこを撮っても、パリの美しい建築類がアクセントに入ってくれて、とてもきれいです。

 だいたい目ぼしをつけていた場所を数ヶ所廻って、次の場所へ移動しようとメトロ14号線に乗り換えようと思ったら、まさかの全線不通。工事のために2日間終日不通なんだとか。

 14号線はずっと工事が続いていましたが、たいていは、夜間、あるいは、週末の工事なために、最近は、ほぼほぼ影響を受けてこなかったので、まさかの平日の全日の工事とは、油断していました。

 しかたなく、その分を別のルートで移動するわけですが、14号線のような乗客の多い路線が終日止まっているとなると、他の路線に大きくシワ寄せが行くわけです。

 私は、代わりにバスで・・と思ったのが悪かった・・すごい混雑・・に加えて、急な気温上昇のために、冷房なしのバスがきついきつい。また、いつもは乗らない路線に皆が乗っているものだから、いちいち行く先などを運転手さんに尋ねたりしているので、バスはなかなか動きません。

 おまけに、(私はNavigo(パリ市内を使える定期のようなもの)を持っているので、関係ないのですが・・)バスの乗車時にチケットを買おうとしている人に、運転手さんが、「もう、チケットなくなっちゃったから、ネットでRATPのサイトで買ってください!」などと説明しています。

 皆がスマホですいすいチケットを買えるわけではないので、これがまた大混乱。

 だいたい、バスの運転手さんがその場で売るチケットがなくなっちゃった・・なんてことがあるんだろうか?とビックリしました。

 久しぶりのよいお天気で気持ちよく、歩いたものの、なんだかガックリと疲れてしまいました。でも、さすがに外はけっこう暑くても、まだ本格的な夏ではないので、自宅のアパートの建物の中に入ると空気がスッとして気持ちよい程度です。

 しかし、これがお天気の悪い日だったら、もっとイライラしたかなとも思うので、とりあえずは、お天気が良いということは、精神衛生上もよいことだと一人納得しました。


晴天のパリ


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2025年5月29日木曜日

睡眠時無呼吸症候群という病気について

  



 私が就寝時にマスクを装着して寝るようになってから、3ヶ月くらい経ちました。

 そもそも、私は、この病気であることがわかるまでにかれこれ、1年近く、色々な検査をしてきました。これまで、すでに、血圧が高かったり、肝臓の数値が悪かったり、甲状腺だのなんだのと、色々と問題があるとのことで、いつの間にか、私が日々飲んでいる薬は周囲が驚くほどの量の薬を自分では、そんなに驚くことなくあたりまえのように飲んでいました。

 薬は少しずつ増えていったので、友人が家に来たときに、山のような薬を見て、「えっ?そんなにたくさん薬飲んでるの?」と言われて、あらためて、「そうか・・多いのか・・」と初めて気付いたくらいでした。

 なので、体調が悪くても、ひとつひとつはそこまで深刻ではないにせよ、このうちのどれかが悪化してしまって、具合悪いのかな?と思っていました。

 体調が悪いといっても、その悪さはとても漠然としたもので、なんだか疲れやすくなった気がする・・くらいから始まって、そのうち、朝、起きたときのだるさが生半可ではない感じになってきて、寝てるのにこんなにだるくて疲れているってどういうこと?これは絶対、ふつうじゃないな・・と思い始めたのです。

 私の中では「だるい」=肝臓?というイメージがなんとなくあり、もしかして、肝臓ガンかも?などと思って、とりあえずかかりつけのお医者さんに相談して血液検査をしました。しかし、肝臓には特に変化はなく、次はもともと疾患があるとされている「心臓」の検査に行きました。

 心臓の方は、もともと問題があるため、1年に1回くらいは定期的に専門医にかかっています。しかし、こちらの方も特に変化はないとのことで、次にかかりつけのお医者さんが行ってみるようにと紹介してくれたのが「Pneumologue(呼吸器科)」でした。

 フランスにいて、というか海外にいて、最も心細いというか不安なのは病気になったときのことで、そもそも言葉が不自由?なところ、このような医学的なことなどになった場合に、余計にチンプンカンプンになりがちです。

 このプニュモログ・・という言葉も私はこれまで聞いたことがなかったので、最初に聞いたときには、「プニュ・・プニュ・・えっ?なにそれ?」となったのです。まあ、今はスマホですぐに調べられるので、不安はわりとすぐに解消されるのですが、それでも行ったことのない専門医にかかることは、やっぱりちょっと不安です。

 また、フランスの場合、これらの専門医はとにかく予約をとろうとしても、余裕で2ヶ月先、3ヶ月先になるので、ひとつひとつ検査をしていって、これでもない、あれでもない・・となると、余裕で1年くらい経ってしまい、ほんとに深刻な病気だったら、もう死んでるだろ・・って感じになります。

 結局、1度そのプニュモログに行って、簡単な検査と問診をしたのち、また、それから数ヶ月先に1泊入院して夜間睡眠時の呼吸状態を検査することになりました。

 検査の結果はすぐにわかるので、その検査の翌日、結果を聞きに行きました。検査の結果は、「Syndrome d'apnée du sommeil」(睡眠時無呼吸症候群)(アプネ・ドゥ・ソメイユ)だそうで、すぐに夜間時の呼吸のグラフのようなものを見て、お医者さんが、「アプネ・ドゥ・ソメイユ」ですと言われて、またまた、「アプネ・・アプネ・・ってなに?」となりました。

 日本語で言うところの「睡眠時無呼吸症候群」というものだそうで、睡眠時に誰でも、呼吸が一時的に止まっている瞬間というものがあるのだけれど、私の場合、その頻度が多すぎるということで、1時間に23回も呼吸が止まっているとのことで、「これじゃ、朝、だるいのも疲れているのも当然だね」と言われました。

 1時間に23回も呼吸が止まって、よく生きてるな・・と思ったのですが、とにかく、これを改善するためには、夜、寝るときに、酸素(というか空気が送られてくる)マスクをして寝てくださいということで、さっそくこのマスクの手配をしてくれました。

 一度、診断が定まってからは、早くて、それからすぐにマスクの設置に来てくれて、その機械の取り扱いの説明をしにきてくれました。

 日本語で色々と調べてみると、どうやら、「メタボのおじさんに多い病気」だそうで、「なぜ私が??」と、なんだか恨めしいような気持ちになりました。

 私は一人暮らしなので、当然、一人で寝ているので、夜中にどんな風に寝ているのかということは、わからないのですが、夜中にトイレに起きたり、朝、起きてみると、頭と足の位置が逆になったりしていたことはあったのです。

 つまり、呼吸が止まると無意識のうちに自分で体制を変えていたりするらしく、なんとなく、トイレに行きたくなった気がして、目が覚めていたのは、実はこの呼吸を回復させるために、覚醒させられるようになっているようで、呼吸が止まるたびに、心臓が余計に稼働しなければならなくなるために、心臓にも負担がかかることになるのだとか・・。

 マスクをつけて寝ることにはなかなか慣れず、最初は鼻だけのマスクだったのが、鼻孔がとんでもなく乾いて痛くなって、とても耐えられなくなったので、鼻も口も覆うマスクに変えてもらいました。

 なれるまでは、この機械を取り付けに来てくれたお兄さんがとても親切な人で、毎週のように電話をくれて、何度か様子を見に来てくれました。

 このマスクをして寝始めて、どうにか少しずつマスクにも慣れてきたとはいえ、今や睡眠の大切さを痛感し、少し良い枕に変えてみたり、マットレスを追加してみたり、色々、工夫しています。

 空気が送られてくるマスクをして寝なくてはならないなんて、障がい者になった気分ですが、これは障害ではなく、あくまでシンドロームなんだそうです。

 現在の睡眠時の呼吸がどんな風になっているのかは、正直わからないのですが、データは、オンラインで繋がっていて、いつでもお医者さんがチェックできる状態なんだそうです。

 一度、チェックに来てくれたお兄さんが、「あなたは、まじめに毎日、ちゃんとマスクして寝ていてえらい!」、「ふつう、こんなに真面目に毎日してる人いないもの・・フランスでは・・」と言われて、「えっ??だって治したいじゃない・・」と、なんか、こんなことで褒められても・・と複雑な気持ちになりました。

 とりあえずは、6ヶ月間、これを続けて・・と言われたので、「6ヶ月後には、これがいらなくなりますように・・」と思っていたのですが、このお兄さん曰く、「ふつう、これを使い始めたら、もうずっと使っている人の方が多いけど・・」とのことで、またガックリ。

 もしかして、夜、寝たまま、朝、起きてこなかった・・という話を聞いたことがありますが、これが悪化すると、そういうことになるのかな?と思うとまた、もやもや・・。でも死に方としては、悪くないかもしれないとも思ったりもしました。

 しかし、生きている間は元気で楽しみたいので、これで少しでもよくなって元気になれれば・・と今は、頑張って続けています。

 

睡眠時無呼吸症候群


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2025年5月25日日曜日

コカ・コーラなど甘い清涼飲料水にかけられているソーダ税と甘い飲み物

  


 「なんでこんなにソーダ類の値段が上がったんだ!」という話題が上がっており、これは、甘い清涼飲料水等にかけられている「ソーダ税」が上がったため・・と言われていて、私は、初めてこの「ソーダ税」というものがあることを知りました。

 この「ソーダ税」は、フランスでは、2012年から取り入れられている税制の一つのようですが、消費者に不健康な精製糖の摂取を減らすように促すことを目的として、甘い飲み物に国が課す税金です。ソーダや甘い飲み物の摂取は肥満や糖尿病、様々な心血管疾患などの予防可能な非感染性疾患の要因であると考えられているためです。

 今回のこのソーダ税については、今年の春に、1ℓのコカ・コーラの場合、これまでの15.7セントから35セントへと2倍以上に跳ね上がっています。

 このソーダ税は甘ければ甘いほど税率が高くなる仕組みになっており、1ℓあたりの税金(ソーダ税)が4セント、21セント、35セントの3段階が設置されているそうで、コカ・コーラは一番、甘い飲み物のカテゴリーに分類されているようです。

 しかし、一つの商品にかけられている税金の内訳を消費者が詳しくわかっているわけではなく、これが直接的に甘い清涼飲料水摂取を抑える役割を果たしているとも思いにくい気がしますが、政府はこれでけっこうな税収があり、2023年には、このソーダ税で4億4,300万ユーロの税収を得ており、今回のソーダ税の値上げによりさらに3億ユーロほどの増収を見込んでいるといいます。

 それにしても、そんなことはおかまいなしに、フランス人は実にコカ・コーラを始めとして、甘い炭酸飲料、清涼飲料水が好きだな~と思うのですが、たいていのスーパーマーケットには、いつでもドーンとこのコカ・コーラなどの大きなパック1ℓあるいは1.5リットルのボトルが山積みになっていて、多くの人々が大きなペットボトルを大量に買っていくことに驚きます。

 私は、全然、この手のソーダ類を飲む習慣がないので、日本にいた時は、もっぱらウーロン茶や日本茶などの甘くない飲み物を飲むのがふつうだったので、フランスに来たばかりの頃は、フランスって甘くない飲み物ってないの?とビックリした覚えがあります。

 アイスティーなどもないことはありませんが、たいていは、なんか、ピーチとか、レモンとか、フルーツのフレーバーが入っていて、甘いのです。甘くない飲み物が欲しかったら、水です。

 そのうえ、日本のようにどこでも自動販売機やコンビニがあるわけでもないので、今では、ふつうは自分でいれたお茶をペットボトルに入れて持ち歩いています。

 うちの夫なども娘には、非常に厳しく、「飲み物はダメ・・水を飲みなさい!水を!」と常々、言っていて、娘はそのとおり、非常に水をよく飲み、甘い飲料水を飲まない子に育ったのですが、たまに息子たちが家に来るとなると、いそいそとコカ・コーラを買って準備していたりしたので、「なんなんだ!この人は・・」と思っていました。

 また、コカ・コーラではなくとも、「グレナディン」というシロップ(ザクロとバニラを合わせた真っ赤なシロップ)を用意して、水や炭酸水で割ったり、ミルクで割ったりしたものを彼ら(息子たち)が喜んで飲んでいたのを見て、「この子たち、ほんとうに甘い飲み物が好きなんだな・・」とビックリした覚えがあります。

 でも、それは彼らに限ったことではなく、比較的、若い子全般に言えることでもあります。

 これは、どちらかといえば、税金というよりは、食習慣の問題で、フランスに比べれば、ずっと日本の食生活は広範囲にわたって、健康的だと思います。


ソーダ税


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2025年5月24日土曜日

フランスの研究者らが薬剤耐性ガン細胞を殺す分子の開発に成功

  


 国立科学研究センター(CNRS Centre National de la Recherche Scientifique)の研究ディレクターで、パリ・キュリー研究所の所長でもあるラファエル・ロドリゲス氏の率いるガン治療研究チームは、「現在、使用されている薬剤に耐性のあるガン細胞を殺すことのできる分子の作成に成功したこと」を発表しました。

 この詳しい内容については、5月22日号のフランス・アンテル紙で説明しています。

 また、ガン転移細胞の除去に関する彼らの研究は、5月7日号の科学誌「ネイチャー」にも掲載されています。

 現在のガン治療に使用されている薬の多くは、原発腫瘍を標的にしています。なぜならば、原発腫瘍は急速に増殖する細胞ですが、小部分の細胞は休眠状態にあり、増殖が少なく、そのため薬に抵抗性で体内を移動する能力を持っているのです。

 この体内を移動する能力を持った小部分の細胞が転移を形成するものとなります。

 ラファエル・ロドリゲス氏のチームはこれらの耐性細胞を標的にする方法を13年間、研究を続けてきた結果、これらの難治性細胞が現在の治療法に対抗するには、より多くの鉄と銅を必用としていることを突き止めました。

 鉄と銅は錆びる金属なので、この鉄を捕らえ、細胞膜を酸化して、細胞を死滅させる能力を10倍に高める新しい分子を開発したのだそうです。

 この新しい分子は、すでに膵臓癌や乳がんの患者の生研でテストされており、結果は良好であり、この分子は、現在、臨床で使用されている薬剤に反応しない細胞を殺すことができることがわかっています。

 ガンという病と闘病中の人々には朗報ですが、現段階では薬の開発は困難で、まだ、人間への効果を妨げる要因が数多く存在し、また毒性が強すぎる可能性も否定できないため、これが実際の臨床の場に登場するには、道半ばのようです。

 ガン治療の際によく、原発巣を取り除いて、5年以内に再発しなければ・・などという話を聞きますが、ちょうど5年を過ぎた頃に再発してしまい・・ということもあります。

 私の友人の一人もまさにこのケースだったのですが、再発してからは、あっという間でした。

 おそらく、この転移というのが、もう薬ではどうにもならない細胞ということだったのでしょうが、今回の研究成果が実際の臨床に使われるようになれば、多くの人の命が救われることになります。

 「この研究のために人生を捧げているので、実現を信じている」というロドリゲス氏・・素敵な人だなと思います。

 

薬剤耐性ガン細胞を殺す分子


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2025年5月23日金曜日

パリ・オリンピックから1年 フランスへの外国人観光客増加

  


 本当は、こちらの報道については、「外国人観光客がフランスに殺到!」と表現されていたのですが、この増加が果たして「殺到!」というほどなのか、ちょっと疑問に思ったので「増加」という言葉を使いました。

 観光業はフランスにとって(特にパリにとって)は、黒字が見込める有力な産業の一つでもありますが、この観光客(特に外国人観光客)について、観光大臣は、記者会見において、今年度は、昨年のパリオリンピック・パラリンピックの勢いの恩恵を受けて、観光の活況の指標として使用している国際航空旅客数などから、今年2025年第一四半期は、2024年に比べて8%は増加する見込みであると発表しています。

 また、この外国人観光客増加についての報告の中では、「特にカナダ人、日本人観光客が30%増」と日本人観光客が増加していることを挙げられていたので、「あら、また日本人観光客が増えてきてくれたの?」と、全然、気付かなかった事実にちょっと嬉しい気持ちになっています。

 もっとも、昨年の予約状況から8%増加といっても、正直、オリンピック直前や始まった当初などは、ホテルなどの宿泊施設の爆上がりや交通規制などのために、多くの観光客がパリを避け、むしろ、通常の年よりもガックリ観光客が減っていて、こんなにガラガラのパリ!見たことない!いつも混んでいる場所は今のうちに行こう!とやたらと、パリの街を歩き回っていた覚えがあります。

 なので、昨年から増加したといっても、そもそもは昨年は激減していたしな~と思うと正直、どうなのだろう?と思わないでもありません。

 しかし、カナダ人、日本人が30%増加・・30%の増加ともなれば、こちらの方はさすがに増加しているんだろうな・・と思います。そもそもこの10年くらい、日本人観光客は、激減していたので、少しパリに日本人が戻ってきてくれる兆しが見えてきたのかな?と、ちょっと嬉しいニュースです。

 私の場合は、日本に行くという逆のパターンではありますが、何と言っても一番のハードルは、飛行機に乗っている時間が長い(直行便で約14時間近く)・・つらい・・そして、航空券が高い・・ということなのですが、最近は、日本人観光客でも直行便ではなく、少しでも価格の安い経由便を利用する人も多いようで(娘などに言わせると、14時間乗り続けるよりも途中、経由地で一回降りて休める方がラクなのだそう・・)、色々とフライトの予約などを駆使してチケットを確保する人も増えたような感じでもあります。

 また、宿泊施設については、一般的なホテルよりも、家具付きの宿泊施設(短期のアパートのようなもの)の予約が40%も増加しており、このような割安に宿泊できる施設が増加したことにも観光客増加は起因していると見られています。

 また、パリ観光局は、オリンピックのおかげでサン・ドニを始めとしたこれまで知られていなかった地域が発掘されたことも観光客増加に繋がっていると豪語していますが、これは、半分事実で半分は嘘・・オリンピックのメインスタジアムや選手村があったサン・ドニは、一部はびっくりするほどきれいに作られていたのは事実ですが、オリンピックパークの近辺は、本当にこれがパリ?と驚くような発展途上国のような場所も存在しています。

 とても観光客集客を見込めるところではありません。

 パリの観光客集客には、まだまだオリンピックの余韻を利用する試みもあって、6月21日から9月14日までは、チュイルリー公園に気球の聖火台が再び戻ってきます。

 そして、7月5日からはセーヌ川が遊泳可能になる!とパリ観光局は宣伝しています。まあ、勇気のある方はどうぞとしか言えません。

 しかし、確実に観光客が増加する要因のひとつになっているのは、パリ・ノートルダム大聖堂が再開したことで、こちらの方は、再開から快調に訪問客数を記録しており、現在、1日3万人がノートルダム大聖堂を訪れています。

 いずれにしても、パリが観光客で賑わうのは嬉しいことです。


パリ 外国人観光客増加


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2025年5月20日火曜日

セーヌ川での遊泳解禁! パリ市が公開するセーヌ川沿いの3スポット

   


 昨年のパリオリンピックのセーヌ川でのトライアスロンも最後のギリギリまで、その水質上の安全性で中止・決行とドタバタ劇を演じ、パリ市長がデモンストレーションで泳いで見せたり、マクロン大統領まで泳いで見せる(結局、彼は実際には泳がなかった)と見栄を切ったりして、物議を醸してきましたが、結局、トライアスロンは強行され、傍目からも、「何の罰ゲーム?お気の毒に・・」と思わないでもありませんでした。

 セーヌ川での水泳問題はこのオリンピックで終わりだと思っていたら、全然、これに懲りていなかったどころか?同じテンションパが・・パリ市ではまだ続いていたのです。

 なんと、パリ市は7月5日から8月31日まで3つの新しい自然水泳場(ブラス・マリー、グルネル、ベルシー)をオープンさせるそうです。

 「今年の夏、パリ市民と観光客は、セーヌ川での水泳が禁止されてから100年を経て、セーヌ川での水泳の楽しさを再発見するだろう!」というなんとも「は~~?」と反応に困るようなフレーズを発表しております。

 これは単なるジョーク?ではなく、パリ市はパリプラージュと同時にセーヌ川遊泳スポットを公開するらしいです。

 見るからに、相変わらず、「ここでホントに泳ぐの?」と尻込みしそうな外観のセーヌ川で、どれだけの人が実際に泳ごうとするのかは、疑問ではあるものの、とりあえず、この遊泳スポット3ヶ所がオープンするらしいです。

〇マリーアーム(プラスマリー)

ここはシュリー橋のふもと、サン・ルイ島に面したスポット

月~土 am 8:30 ~am 11:30 , 日 am 8:00 ~ pm 5:30  約 70m ×20m 150人収容?可能

〇ベルシー地区

フランス国立図書館の向かい側、シモーヌ・ド・ボーヴォワール歩道橋の両側、ベルシー公園のすぐ下

毎日 am11:00 ~ pm 9:00  収容人数 700人(水泳エリア300人を含む)

35 x 12.5 mと67 x 11 mのプール2つ

〇グルネル

イル・オ・シグネの向かい側、エッフェル塔のすぐ近くにあるグルネル水泳エリア

大きなソラリウムと家族連れや子供向けの安全なプール(深さ 40 ~ 60 cm)が設置 カヤックあり

いずれのスポットでも更衣室、シャワー、トイレ、受付、救急ステーションなどが完備される予定になっています。

こうして見ると、単にセーヌ川というだけでなく、プールが設置される(もしくはすでにプールがあるエリア)ではあるので、実際にセーヌ川で泳ぐという選択をしなくともよいのかもしれません。

 しかし、けっこうな収容人数を公表していて、そんなに勇気のある人いる?とも思うのですが、これらのエリアは無料で提供されるとのことなので、水遊び程度なら・・また、話のタネに・・と訪れる人もけっこういるかもしれません。

 気になる水質の安全については、地域保健局(ARS)が公衆衛生法及び、欧州指令に基づいて、水質管理を行うと言っています。

 パリ市はこの水質検査について、パリオリンピックの際に実施した自動細菌モニタリング装置(従来は実験室での分析に24時間~48時間かかっていたところが、大腸菌や腸球菌などの細菌の存在を15分~20分で検出可能)を利用するそうです。

 これまで夏の間、セーヌ川沿いをビーチ風に仕立て上げてきた「パリ・プラージュ」はけっこうそれなりに美しくモダンな感じに仕上がっていましたが、さらにステップアップして、ついに遊泳場となるのか・・と思うと、まず第一にセーヌ川の水面を見て、そこで泳ぎたいと思うかどうかは、また別問題。

 実際にはどんな感じになるのかは、7月になったら見に行ってみようと思っていますが、今のところ、楽しみ?というよりも怖いもの見たさ・・という感じです。


セーヌ川遊泳場


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2025年5月12日月曜日

フランスとポーランド 相互防衛友好条約締結

  


 マクロン大統領とポーランドのドナルド・トゥスク首相は、フランス・ナンシーで相互防衛協力と友好のための条約を締結しました。

 ポーランドはフランスで生活している限り、フランスにとって、あまり大きな存在と感じることもないのですが、実は、ポーランドはフランスにとっての中央ヨーロッパにおける最大の経済バートナーでもあります。

 ポーランドは1999年にNATOに加盟、2004年に欧州連合に加盟し、ワイマール・トライアングル(ドイツ・フランス・ポーランドの首脳が集まる強力グループ)のメンバーでもあり、幾重にも重なって、関係を結んでいる国です。

 本来ならば、EUにしてもNATOにしても、それに加盟している時点で、両国ともに、相互防衛の役割を担っているはずのところ、また、新たに、このような敢えて二国間での相互防衛友好条約を結んでいくことで、より強い連携を高めていくものと考えられます。

 現在も続いているロシアとウクライナの問題についても、現在も、そして、この闘いが停戦になったとしても、終戦になったとしても、今後も存在し続けるロシアへの脅威からの防衛を欧州の力でなんとか固めていこうとしている動きの一つと見られます。

 まさに、この相互防衛友好条約締結後にマクロン大統領は、英国、ドイツ、ポーランドの首相とともにキエフを訪れ、ゼレンスキー大統領とともに、キエフからトランプ大統領とも電話会談を行い、モスクワに対し、30日間の無条件かつ完全な停戦を受け入れなければ、「大規模な制裁」を加えるという最後通牒を突きつけています。

 この停戦要求は翌月曜日にも・・という要求であったものの、モスクワ側は、5月15日にウクライナ側との直接交渉を望むとしており、このモスクワ側の反応に対して、この欧州メンバーは全く満足しておらず、まだ、プーチン大統領は時間稼ぎをしようと試みていると読んでいます。

 そもそも、トランプ大統領も提案しているこの30日間の停戦案に対しては、ゼレンスキー大統領は、もう2ヶ月前から、停戦に同意しているにもかかわらず、はぐらかし続けているロシアの態度にしびれを切らしているものでもあります。

 話はフランスとポーランドの相互防衛友好条約に戻りますが、これは、文字どおりの相互防衛の約束ではありますが、フランスは英国と並んで、西ヨーロッパで唯一核兵器を保有している国でもあることから、「核の傘拡大」に繋がる恐れもあるとの見方も出ています。

 しかし、この「核の傘」問題については、実際にはフランスの核兵器を防衛同盟国が自由に使えるというわけでもなく、「核保有の脅威」としての役割という意味においては、悪くない相互防衛のような気もしています。


フランスとポーランド 相互防衛友好条約


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2025年5月11日日曜日

土曜の午後の公園

  


 週末、土曜日の午後、たまたま公園・・というか、児童公園の近くを通りかかったら、お天気が良いこともあるのか? 楽しそうに遊具で遊ぶ子どもたちと、それを見守るママたちでけっこう賑わっていました。

 こういう児童公園にあるような遊具で遊ぶのは、せいぜい小学校低学年程度の子どもたちだと思うのですが、フランスでは小さい子どもたちもけっこう遅い時間まで学校があるので、平日はあんまり使われていないような気もします。

 それでも、学校がお休みの水曜日や土曜日などには、子どもをこのような公園で遊ばせている人も多いようで、そうか・・土曜日の午後や日曜日には、こうやって子どもを遊ばせているんだな・・と、今さらのようになんだかほのぼのとした気分になりました。

 というのも、私自身は、子どもが小さい頃から、土曜日といえば、超忙しい一日で、お休みでありながら、全くお休みではないようなのが土曜日でした。

 午前中には、洗濯をしたり、掃除をしたり、ひととおりの家事をざっと済ませ、昼食の支度をして、食べさせると、もうそれからは大変で、昼食が終われば、娘をバレエのレッスンに連れていき、レッスンの間は、娘のレッスンの様子を眺めつつ、本を読んだり、書き物をしたり、レッスンが終わると、娘を速攻で着替えさせ、次は公文(日本語)の教室へ移動。

 移動に使うバスがちょうど微妙な時間帯で、もう駆け足状態。娘を公文の教室に押し込むと、娘が日本語の勉強をしている間に、公文の教室がオペラ界隈にあったために、その周辺の日本食材店をハシゴして買い物。

 数店舗をまわって、けっこうな食料品をいっぱい抱えて、娘を再び、ピックアップして、帰宅。もう家に帰ると夕方で、食事の支度をして、ご飯を食べて一日、終了です。

 こんな感じが、娘が2歳の頃からずっとだったので、土曜日で仕事がお休みとはいえ、とても、児童公園で遊ばせるというゆったりとゆっくりした時間を過ごすことはなく、常に土曜日は運動会のような感じでした。

 こうして考えてみると、私の子育ては、なんだかドタバタした感じで、こんなふうに、休みの日をゆっくり公園で遊ばせる・・なんてことはしたことがなかったんだな・・と、ちょっとこんな時間もあってもよかったな・・と、今になって、公園で子どもを遊ばせているママたちのひとコマを眺めながら、ふと思ったのでした。

 公園といえば、一つだけ思い出すのは、娘はなぜかブランコが大好きで、そして、なぜかフランスの公園には、このブランコというものがほとんどなくて、たまにブランコをみつけると、わざわざ公園に行ったわけでもないのに、「ちょっとだけブランコに乗ってきてもいい?」とブランコに飛びついていきました。今でもなぜか、ブランコというものは、滅多に見かけないのです。


児童公園


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2025年5月9日金曜日

バチカンで白い煙があがった数分後にはパリ・ノートルダム大聖堂の鐘が鳴り響く

  


 バチカンのシスティーナ礼拝堂の屋根に設置された煙突から白い煙があがった数分後、パリではノートルダム大聖堂の鐘が鳴り始め、多くの観光客を驚かせました。

 これは、予告されていたことではなく、また、コンクラーベの2日目であったことから、大方の予想では、もう少し教皇選出には時間がかかるであろうと思われていたこともあり、これを期待して、パリのノートルダム大聖堂を訪れていた人は、ほとんどいなかったと思われます。


 これは、ちょうどパリのノートルダム大聖堂でもミサが行われていた最中だったようで、ちょうど、ミサが終わるころに教皇の名前も発表されました。

 しかし、もしも、この世紀の瞬間?バチカンで白い煙があがった数分後にパリのノートルダム大聖堂に鳴り響く鐘の音をオンタイムで同時中継していたら、なんとなく感動的な感じであったろうし、ましてや、そのどちらかの現場に居合わせたとしたら、信者ではなかったとしても、なんだかとても特別な感じのラッキーな瞬間に遭遇して立ち合えた、なんかハッピーな気分になるような気がします。

 この日はフランスの夜のニュース番組でも新教皇選出がトップニュースとなり、各局特番を組んで、この新教皇のニュースを取り扱っています。

 何よりも驚きだったのは、コンクラーベはもっと何日もかかると思っていたので、この新教皇の人となりよりも、選出が早かったというのがやはり多くの人の意見のようです。

 新しい教皇はアメリカ人だということも歴史的な出来事だと言っています。教皇だけあって、彼は多言語を話すということでしたが、どうもニュースによると彼はイタリア語は話さないらしい・・とも言っていて(真偽は不明)、ほんと?そんなことある?それ大丈夫?と思わないでもありません。

 日本では、どのくらい話題になっている話なのかわかりませんが、俗な言い方をしてしまえば、全世界にこれだけの影響力を持つ宗教、国境を越え、これだけの巨大組織が他にあるものだろうか?と思うと、同時に空恐ろしさも感じずにはいられません。

 番組によっては、プーチン大統領とゼレンスキー大統領とトランプ大統領の間に挟まれて置かれている新教皇の写真などを見ると、複雑な思いに駆られずにはいられない気持ちです。

 69歳の新教皇は、歴史上初のアメリカ人。シカゴ出身の彼は2023年から世界中の司教の任命を担当する強力な機関である司教庁の長官を務めており、長年、ペルーで宣教師として活動し、南米の国チクラヨの名誉大司教でもあります。

 また、彼はラテンアメリカ教皇庁委員会の委員長でもありました。

 新教皇はレオ14世と呼ばれることになったらしいです。


新教皇 レオ14世 パリ ノートルダム大聖堂


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2025年4月22日火曜日

ノートルダム大聖堂に鳴り響く88回の鐘の音 ローマ教皇ご逝去

  


 ローマ教皇といえば、全世界のカトリックの頂点であり、カトリック教徒にとっては、神のような存在であるとともに、大変な権力者でもあります。

 そのローマ教皇(フランスではパップ・フランソワと呼ばれている)のご逝去に接し、パリ・ノートルダム大聖堂では、彼の死を悼み88回の鐘が鳴らされました。

 宗教を否定するつもりはありませんが、どちらかといえば、派手なイメージのあるカトリック教会の在り方は、無宗教の私にとっては、宗教としては、あっさり受け入れ難い部分もありました。

 とはいえ、カトリックとは、ある種のご縁を感じないこともなく、私が大変お世話になった大学の恩師もカトリックの神父様でもありましたし、娘は小学校から高校までフランスの私立のカトリックの学校に通っていましたし、夫が突然、亡くなった後は、ただちにカトリックからご援助をいただき、学費はカトリックの教会(協会)が負担してくださいました。

 私も若い頃にその自分のお世話になっていた教授から、ずいぶんカトリックについての講義なども受けましたが、信仰には至りませんでした。私はその教授(研究)に神髄していたので、できるなら、教授の導かれる信仰を持ちたいと思ったこともあったのですが、どうにもそれ以上、踏み込むことはできませんでした。

 当時、そんな信仰にいたらない自分の気持ちを教授に一対一でお話したことがあったのですが、「大丈夫、信仰は無理に持つものではなく、必要なときは自然に訪れますから・・」と諭されたことを今でも覚えています。

 話は逸れましたが、恐らく多くの人々と同じように、ヨーロッパに長く住んで、どこかに旅行すれば、その地の大聖堂などを訪れたりもしましたし、昨年末に再開したノートルダム大聖堂にもたまに、思い出したように入ってみたりもしますが、私にとっては、観光地のひとつのようなもので、しかし、そのいくつかには、中で、突然、不思議な感覚に襲われることもありました。

 今回のローマ教皇のご逝去に関してのように、亡くなってから、多くの報道を見たりして、あらためて、「あ~こんな方だったんだ・・もっとご存命中に色々、知りたかった・・」と思うことは少なくありませんが、まさに今回、同じことを思いました。

 お加減が良くないことは、ここ数日、イースターを控えたミサの様子などで、聞いてはいたのですが、お辛そうではありながらも、前日まで公のミサでお話をしていたりされていたので、まさか・・と驚きました。

 彼は、カトリックの過度な権力支配的、腐敗した構造を嫌い、その改革に取り組み、もっとも貧しい人々に手を差し延べ、移民の運命や環境問題についても、強い問題意識を持ち、極めて人道的なヒューマニストであったそうで、没後すぐに、彼の功績を讃える声が多くあがっています。

 思えば、昨年12月のパリ・ノートルダム大聖堂の再開セレモニーには、カトリックの大司教として当然、参加すると思いきや、「自分は社交行事の教皇ではない」と、マルセイユとコルシカ島を訪問していたというのですから、ここにも、彼の強い意志と毅然とした態度が表れており、私は、このことにもっと注目すべきだったと今になって思っています。

 ノートルダム大聖堂は、あなたはいったい何者?と思うほどに、マクロン大統領が前面に登場し、ウクライナからゼレンスキー大統領や就任直前のトランプ大統領まで招いて、まさに政治・外交の場と化していました。多くの政治的だったり、商業的な思惑が見え隠れし、ノートルダム大聖堂の入場料を取るなどという話まで浮上し、この際も「祈りの場であるはずのカトリックの大聖堂で入場料などもってのほか!」とパップ・フランソワが大反対していると聞いていました。

 無信仰者が増えたとはいえ、それでも29%近くはカトリック教徒(多宗派を含む)というフランスでは、この大教皇のご逝去のニュースはその日のトップニュースで大変、大きな扱いでした。

 奇しくも、彼の命日になったのは、イースター(復活祭)の祭日だったのは、なにか、とてもドラマチックであったような気もします。

 その日は、パリ・ノートルダム大聖堂では、夜通し祈祷が行われました。


ローマ教皇逝去 フランシスコ大教皇 パップフランソワ


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2025年4月14日月曜日

ソフィ・マルソーと柔道家テディ・リネールがかけつけた大阪万博フランスパビリオン

  


 賛否両論飛び交っていたらしい大阪万博には、フランスからは、女優ソフィ・マルソーとパリ・オリンピックのゴールドメダリストの柔道家テディ・リネールがフランスパビリオンの開会式に参加しました。

 多くの国が技術革新に焦点を当てる中、フランスパビリオンは、ロダンの彫刻やジブリアニメスタジオ風のオービュッソンのタピストリー、ノートルダム大聖堂のガーゴイル、フランスの誇る数々のハイブランドやアルザスワインなどが展示され、ビストロスペースも設けられています。


 また、樹齢1,000年のオリーブの木がフランスから運ばれてきているとのことで、内心、樹齢1,000年の木をそんなことして、大丈夫?とも思います。

 巨大な白いカーテンで覆われたフランスパビリオンは、一部、写真を見る限りでは、なんとなく、ディオールのギャラリーを想起させる感じもあります。

 このフランスパビリオンのテーマは「愛の讃歌」で、壊れることのない絆で結ばれた二人の人間の結びつきを想起させる共通の糸である日本の伝説「赤い糸」からインスピレーションを得ていると言われています。

 オープニングにかけつけた女優ソフィ・マルソーは、「赤い糸は、希望と忍耐を結ぶ力強いシンボル、私は14歳のときから、日本に対して長い歴史、忠誠心のようなものを感じてきました」と挨拶。

 雨天の中、大阪万博への最初の来場者の間でも、フランスパビリオンはもっとも人気のあるパビリオンの一つとなっているそうです。

 このフランスパビリオンには、費用5,800万ユーロ(うち4,250万ユーロは国が負担)、スポンサーには、LVMH・ルイ・ヴィトン、ディオール、ショーメ、セリーヌ、モエ・シャンドンなどが名を連ねています。

 また、柔道家テディ・リネールは、「柔道は日本発祥のスポーツであるため、ある意味、日本とともに暮らすことは、当然のこと。今回で日本訪問は50~60回目になりますが、日本は私に多くのものを与えてくれた国であり、他のどの国よりも、日本にはフランスと共通する厳格さとノウハウがあることに気付かされています」と話しています。

 なんだか、未来の技術とかそんなことを無理に掲げるよりも、フランスくらいの、あれこれ理屈をつけながらも、半分、フランスのコマーシャルみたいな感じがいいのかな?とも思わないでもありません。

 フランスでは、このフランスパビリオン以外の万博のハイライトとして、「火星隕石」、「藻類に偽装した?ハローキティの彫刻32体」、「幹細胞から生まれた小さな鼓動する心臓」などを挙げています。

 また、同時に、この万博が日本の世論調査では長らく、このイベントに対する無関心とその高額な予算に関連する不信感を浮き彫りにし続けており、これまでに販売されたチケットは、予想(1,400万枚)を遥かに下回る870万枚に留まっており、6ヶ月間の来場者目標2,800万人とは、およそかけ離れているということも紹介しています。

 これに対して1970年の大阪万博では、6420万人の来場者数を記録したそうで、長らくその記録が破られなかった、かつての成功もちょっとだけ紹介していますが、もはや、その一時的な性質と廃墟化によって批判の対象にもなっている、時代にそぐわないものであるという見方も強く、日本の報道によると、このスペースは、ホテルとカジノの複合施設を建設するために10月には取り壊され、「グレートリンク」のわずか12.5%のみが再利用されるだけとなっている・・と報じています。


大阪万博フランスパビリオン


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