昨年のパリ・オリンピックでは、期待していた観光客は極端なホテル価格の値上げや、観光地の便乗値上げや、オリンピックのための規制などから、例年の夏よりも、よほど観光客も少なく、がらんとしたパリになっていました。
今年は、その反動なのか、夏のバカンス期間のパリの観光客は急増し、例年に比べるて20%増の予約が入っているそうです。
観光客が多い都市では、どこでも同様の問題を抱えているのだと思いますが、パリでは、今年は、特にモンマルトルでのオーバーツーリズム問題。地域の住民は、このあまりに多くなりすぎている観光客や、街自体が破壊されていく様子に声をあげ始めています。
パリを訪れる観光客の約4分の1の人が訪れていると言われているパリ・モンマルトル地区。丘の上にあるサクレクール寺院を中心として、サクレクール寺院の裏?あたりにある絵描きさん(似顔絵かき)が溜まっているエリアなど、半日くらい歩いて回るには、なかなか面白い場所でもあります。
しかし、地域住民たちは、このあまりに増加している観光客、特に団体観光客の迷惑行為や地域全体の店舗等が観光客仕様に変わってしまい、一般的ないわゆる日常生活に不可欠な食料品等の店舗がどんどん観光客目当てのクレープ、ケバブ、タコスやフライドチキン、ハンバーガー、アイスクリーム、お土産屋さんなどの店舗に入れ替わってしまっていることや、Airbnbや短期賃貸のアパート業の乱入により、不動産価格は、過去10年間で19%上昇したうえに、安っぽいお土産屋であふれ、街全体が破壊されつつあることを嘆いています。
たしかに、以前からモンマルトル界隈は、ガラの悪いイメージがあり、とにかく観光客目当ての露天商が多いことでは、恐らくパリの中でも一番。モンマルトルの丘というだけに坂が多い道には、観光用の電車の形のバス?が走っており、住民たちは、「これではディズニーランドみたいだ・・」と言っている模様。
たしかに、サクレクール寺院に上がっていく道には、偽物のミッキーマウスまでいる始末で、これでは、全体が胡散臭い、えせディズニーランドといわれれば、そんな感じがあるかもしれません。
それならば、厳しく管理されているディズニーランドの方がよほどマシで、少なくとも、ディズニーランド内は、清掃も行き届いていて、怪しげなしつこい物売りなどはいません。
この悪循環は、このまま放置してはいけないのに、どういうわけかいつまでも放置。路上では簡単なバクチで詐欺まがいのお金集めをする人までいます。
パリ・オリンピックの期間中は、あんなにいた露天商はどこに行ったのか?と思うほど、厳しく取り締まりがされていましたが、今年はすっかりもとどおりになっています。
モンマルトルは、映画「アメリ」で有名になって以来、観光客が激増したと言われていますが、たしかに何とかした方がよいパリの大切な観光地のひとつであるような気がします。
モンマルトル オーバーツーリズム
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「モンマルトルの丘 サクレクール寺院あたりのガラの悪さにげんなり」
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