オリンピックの警備が厳しくなって、住民でさえも、通行は厳しく制限され、現在、パリの街には、警察官や憲兵隊が溢れています。特にここ数日では、警察官も海外からの警察官もけっこういて、物々しいこと極まりない感じです。
そんな警察官の警戒に気をとられて、しばらく気が付かなかったのは、日常、パリに数千人はいると思われる露天商がいつのまにか、姿を消していることです。
そもそも違法の商売なので、日常から摘発してもよさそうなものなのですが、通常は見て見ないふりをしているというか、見過ごしているというか、特に観光地と言われるような場所には、ものすごい数の露天商がいるのです。
一時、エッフェル塔の近くの露天商は、マンホールを貯蔵庫がわりに使っており、クレープの生地や水などが大量に押収された・・などというニュースが出回っていましたが、その露天商そのもの自体は、このオリンピックの警戒が始まる少し前までは、ふつうに存在していました。
露天商がもっとも多いと思われるモンマルトルの丘(サクレクール寺院近辺)などは、ふだんは、所狭しと丘の途中にエッフェル塔の置物などの店を広げています。
それがぴったりと、まったく姿を消したのも、ちょっと怖いくらいです。彼らは一体、どこへ消えたのだろうか?と思います。
また、パリ市の街中に住んでいるホームレスなども、いつのまにか見かけなくなりました。これは、大々的に発表されてはいなかったものの、オリンピック前にフランス政府は、何千人もの移民のホームレスたちを地方都市にバスで移送していたようです。
彼らには、地方都市などでの長期的な住居や社会福祉が提供されるものと思っていたものの、当の受け入れ先の都市とは、話がしっかりついておらず、場所を変えて、そのままホームレスとして生活を始めたり、パリに舞い戻ってきてしまう人もいるようで、実際、ここ数日、荷物をゴロゴロひいたホームレスらしき人をパリ市内でも、たまに見かけるようになっており、また、市内や駅などは厳重な警備で警察官の警戒が厳しいために、メトロの車内でお金の無心をするホームレスが登場しています。
市内や駅などには、あれだけ警察官がいるのに、メトロの車内には、なぜか警察官は見かけないので、その隙をついて彼らは戻ってきている感じです。
オリンピックの警戒は最も厳しいのはセーヌ川上で行われる開会式のパレードのためと聞いていますが、この開会式後は、どのくらい緩和されるのかわかりませんが、このまま恒久的に露天商というものがパリから消えるのかどうかはわかりません。
今日は、街中で演奏をしているミュージシャンなども撤退勧告を強いられ、違反切符をきられていました。若い好青年だったこともあり、これくらいはいいんじゃないの?と思いましたが、例外を認め始めるとキリがないのかもしれません。
パリは欧州内でも観光客が一段と多い場所でもあり、観光客とともに、これらの露天商なども近隣の欧州の国々から出稼ぎにやってくるケースも多いと聞いており、また、その商売自体も違法ではありますが、さらにスリやひったくりなどの明らかな犯罪行為の出稼ぎも多いわけで、この警戒を続けるのは、無理としても、この移民問題は、捨て置けない問題であるに違いありません。
華やかなオリンピックの影には、やっぱり伏せられている問題が潜んでいるのです。
パリの露天商
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「パリは想像以上にガラガラ・・パリジャンはパリにいない・・観光客もあんまりいない・・」
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