2024年7月22日月曜日

フランスでの甘いお醤油と辛いお醤油

  


 私が別で書いた記事の中でお醤油の話がちょっとだけ登場していて、フランスのお醤油には大きく分けて?甘いお醤油と辛いお醤油というものがあって、お寿司にまで、その甘いお醤油をかけて食べる人もけっこういて、しまいには、その甘いお醤油をご飯にかけて食べる人もいる・・という話を書いたら、それにビックリしたという感想をもらって、もうなんか、私の中では、驚かなくなっていることに反応があって、「そうか・・いつのまにか、慣れてしまったけど、そういえば、最初はビックリしたな・・」と思い出したので、その時の話とお醤油にまつわる話を書こうと思います。

 私がフランスに来たばかりの20年くらい前は、お醤油というものは、フランスの一般的なスーパーマーケットでは、あんまり存在感がなくて、よ~く探してみれば、中国製のよくわからないもの(知らないもの)があるくらいで、日本食材店やアジア系のスーパーマーケットにいけば、キッコーマンもあるかな?というくらいでした。

 それからしばらくして、フランスにもSUSHIブームがやってきて、ある時期から、お寿司屋さん(といっても中国系の人の経営するチェーン展開のお店でいわゆる日本のお寿司屋さんとは、ちょっと違うサーモン中心の焼き鳥なども置いている感じのお店)が一気に増えてきて、当時は、珍しくもあり、また日本食恋しさも手伝って、たまに行くことがありました。

 その手のお店では、お寿司に焼き鳥が組み合わせてあるセットのバリエーションがけっこうありました。

 これ以上、小さく切れるか?と思うほど小さく、さいの目に切ったお豆腐の入った薄いお味噌汁にこちらの固いキャベツを機械で細~く千切りして、小学校の時に家庭科の授業の調理実習で作ったようなドレッシングがかけてあるサラダがついていて、なぜかお寿司なのに白いご飯もついてくるという不思議なセットメニューがけっこうありました。(最近は、その手のお店には行っていないので、今はどうなのかはわかりませんが・・)

 その手のお寿司屋さんには、甘いお醤油と辛いお醤油(辛いといっても甘くないお醤油ということで、ふつうのお醤油)が置いてあり、甘いお醤油は焼き鳥のたれのように焼き鳥に追いダレのように使うものなのかな?と私は思っていました。

 ある時、娘と二人でそのお寿司屋さんで食事をしていたところ、近くにいたフランス人が甘いお醤油をお寿司につけようとしていたので、「えっ??違う違う!教えてあげた方がいいかな?」と思ったのですが、「まあ、一つ食べれば気が付くだろう・・」と、ちょっとビックリする様子を半ばちょっと楽しみに見守っていたのでした。

 すると、その女性は、何も驚くことなく、次のもう一つのお寿司からもその甘いお醤油をつけて食べ続けたのには、こっちがビックリでした。そして、最後には、お寿司なのに、なぜかついてくる白いご飯に、その甘いお醤油をかけて、美味しそうに平らげていたのです。

 もともと、フランス人は一つ一つのお皿を順々に食べ進めていくという食べ方をする人が多いので、お味噌汁を飲んで、サラダを食べ、お寿司、焼き鳥、そしてご飯という風に順々に食べることが多く、どれも同時にちょっとずつ食べるということをあんまりしないので、最後に甘いお醤油でご飯ということになるのかもしれません。

 その後、その手のお店に行く度に、フランス人はこんな風にお寿司セットを食べているのを見かけることが多くて、いちいち、そんなことにも驚かなくなっていました。

 お寿司ブームがさらに進むと、どこのスーパーマーケットに行ってもお寿司が並んでいるようになり、それと同時にあたりまえのように日本のお醤油もスーパーマーケットに並ぶようになっていったのです。

 今では、それに乗じて、甘いお醤油、辛いお醤油だけでなく、TERIYAKIソースとか、YAKITORIソースとか、中にはポン酢までおいてあるところも出てきました。

 スーパーマーケットでお寿司の試食販売をしている際などは、ひとくちサイズのお寿司とともに、2種類のお醤油があって、「試食しませんか?お醤油は、甘いお醤油、辛いお醤油どちらにしますか?」と聞かれます。

 ということは、フランス人には、かなりの割合でお寿司に甘いお醤油をかけて食べる人がいるということです。

 私自身、個人的にはお寿司に甘いお醤油をかけるのは、ちょっと受け付けられませんが、まあ、人それぞれ、好きなように食べればいいので、別にそれを推奨することはしませんが、否定もしません。

 世界各国のお料理は、その土地のそのままのものが伝わっているとは限らず、少なからずその国の嗜好に寄ったものになっているということはあることですが、お寿司に甘いお醤油というのもフランスの定番として、定着してしまったと思われます。

 また、蛇足ですが、娘が日本で一人で生活を始めてすぐに、一番、驚いていたことは、「お醤油ってこんなに安いものだったの??」ということでした。

 それくらい、フランスではお醤油は高いのです。


フランスの甘いお醤油と辛いお醤油


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