ラベル 日本 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 日本 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2025年12月7日日曜日

マクロン大統領の中国公式訪問と中国からフランスへの対日外交支援の要請

 


 マクロン大統領は、ウクライナ問題、貿易問題などを中心としたフランス・中国間の関係再構築のため、2017年以来4度目となる中国公式訪問を行いました。

 マクロン大統領は、主にウクライナ問題や貿易に関する欧州の期待などを中心とした

テーマにおいて、有益な議論が行われたと表明しており、習近平国家主席に「安定と平和に貢献する意欲」を感じたと述べていますが、実のところは、あまり具体的な進展は見られていません。

 また、最近では、SHEIN問題などにもみられるように、中国との貿易問題については、フランス国内でも物議を醸しているところではありますが、実際にフランスの対中貿易赤字が2024年には470億ユーロに達しており、フランスの貿易相赤字のほぼ半分(46%)を占めていることから、経済関係のリバランスの必要性を訴えたようです。

 エアバスの発注に関してや、コニャック、乳製品、豚肉などに関する関税問題、また中国の電気自動車問題などについても話題に上がっていたようです。

 ウクライナ問題にせよ、貿易問題にせよ、いずれも具体的な進展が見られなかったものの、今後、数週間から数ヶ月の間に外相間の外交対話を強化し、共同文書を作成することで合意したと報道されています。

 そんな中、マクロン大統領の中国公式訪問の数日前に中国はフランスに対し、「対日外交支援」を要請したという話も伝えられています。

 これは台湾問題と戦後合意の解釈をめぐり、中国と日本の間の緊張が高まる中、行われた措置のひとつです。

 高市首相の発言に端を発した中国と日本間の問題が、どんどん他の国をも巻き込んでいる事態に発展しているということです。

 ブルームバーグ(米)によれば、中国が国際フォーラムで日本の立場を孤立させるためにフランスと連携したいと明言し、日本が台湾に関してなされた歴史的合意を曖昧にした非難しており、日本は自らの立場を明確にし、戦後の国際秩序を尊重しなければならないと主張していると言います。

 2026年6月にG7サミットを開催するフランスはまさに外交の最前線に立たされており、マクロン大統領は、このデリケートな問題に対するフランスの立場を迫られています。

 これに対し、マクロン大統領は、2026年6月のG7サミットへの中国の習近平主席の招待を検討していると言われています。

 日本は既に、習近平国家主席のG7招待について、同国の出席が中国に対する議論を制限する可能性があるとして、フランスに対して慎重な姿勢を示すよう要請していると言われ、一方、中国はフランスに対して日本の立場に異議を唱える上で積極的な役割を果たすことを求めています。

 これに対して、フランス政府からの公式な発表はなされていませんが、マクロン大統領からしたら、とんだお土産を持ち帰ってきたことになっています。

 フランスは習近平主席をG7に招待するんでしょうか?

 日本はこの問題、放置しておくんでしょうか??


中国のフランスへの対日外交支援の要請


<関連記事>

「フランスとポーランド 相互防衛友好条約締結」 

「中国大手SHEIN 児童ポルノ人形販売による業務停止処分とCDG空港での中国からの小包20万個検査」 

「仏婦人服ブランド Pimkie SHEINとの提携で業界から締め出し」 

「アンチファストファッション法 ファストファッションと超ファストファッション」

「外交官生活の後にうつ病になったフランス人の夫 普通のおじさんになれなくて・・」


 

2025年12月2日火曜日

旅先に届いた訃報で・・

  


 悲しいお知らせは私の旅行中に届きました。

 その時、私は友人とバルセロナを旅行中で、自分たちの旅行のスケジュールなど、どこで何を食べようか?とか、次はどこへ行こうか?とかいうことで頭がいっぱいで、LINEやメールをチェックしていませんでした。

 娘から電話がかかってきたのは、ちょうど遅めのお昼を食べようとバルに入って、食事を始めた時のことでした。娘は私がバルセロナを旅行中なのは知っていたし、それでもわざわざ電話してくるのは、なんか急用があるんだろうな・・くらいの軽い気持ちで電話に出るために、私はバルを出ました。

 すると、「LINEでもメッセージ送ったんだけど、となりの従姉妹(私の)の○○ちゃんからLINEが来て、おばちゃまが亡くなったって・・どうしよう?どうしたらいいのかな?」と。

 あわてて、私もLINEをチェックすると、私にも従姉妹から直に訃報が届いていました。

 とにかく、今日亡くなった・・その日ということで、娘も当惑し、「なんて返信していいかわからない、どうしよう?」というので、「とりあえず、今、家にいるなら、隣の家(従姉妹の家は隣)に行って顔を見て、話した方がいいから、とにかくすぐ行きなさい・・」とだけ言って、とりあえずは電話を切りました。

 そのあとは、食事を中断していたので、バルの中に戻ったのですが、もうなんだかその訃報のことで頭がいっぱいになり、私にもメッセージが来ていたのに知らん顔はできないし、なにしろ、同い年のずっと隣に住んでいる従姉妹です。

 この歳まで、結婚もせず、ず~っと一緒に暮らしてきた母親が亡くなって(介護が大変だとこぼしていたものの・・)、一人になってしまったのです。

 ついひと月くらい前に、とうとう家で立ち上がれなくなってしまった叔母を、なんだか、えらくお金のかかる介護施設(しかし、新設されたばかりのところなので、きれいでスタッフもとても親切だと言っていた)に入れざるを得なくなって、もういくらかかってもいいから、ずっと生きていてほしい・・と言っていたばかりでした。

 私のように日本を出たり入ったりしていた挙句に結局、遠い国に出てしまって離れて暮らしてきた私と違って、ず~っと一緒に暮らしてきた母親を亡くすって、とんでもない喪失感ではないか?と思ったら、なんだかいたたまれなくなったのです。

 また、亡くなってしまった叔母に対しても、さすがに幼少期からずっと隣に住んでいた親戚のおばさんではありますが、従姉妹が同い年ということもあって、ことさら、関わりは深く、また、娘が生まれて日本に帰国するたびに、娘は私の実家に着くや否や、隣の家に、その叔母や私の従妹に会いたくて、すぐに一人でも出かけていく・・そんな感じでもありました。

 性格も明るくて、誰とでもすぐに打ち解けられる温かく、ざっくばらんな人で、どこに行っても、お友達がすぐできて、ずっと通っていたリハビリの施設などでも人気者の存在でした。

 もう年齢も年齢(93歳)なので、さすがにお友達も少しずつ先に旅立たれたりしていて、葬儀はごくごく内輪の家族葬でということになったようです。

 とにかく、私も一言でも直接、従姉妹と話したい・・と思い、もう一度、食事を中断して外に出て、従姉妹に電話。すると、娘はもう従姉妹の側にいる様子でしたが、構わず、その日の様子などを聞き、叔母の話などをしていたら、もう次から次へと色々なことを思い出して、もう私もバルセロナのバルの中庭で電話をしながら、号泣。

 従姉妹も、「もうわざわざ、葬儀のために戻って来たりしなくていいからね・・」と言ってくれ、友人もパリに滞在中ということで、やっぱり帰れないよな・・と思いつつも、なんだかずっとモヤモヤしたままでいました。

 結局、葬儀のためには帰らないことにしたのですが、色々なことが片付いてきて、ホッとして、従姉妹の寂しさが募ってきた頃に帰ろうか・・という言い訳を自分の中で作り出し、自分を納得させました。

 私にしてみれば、もう自分自身の両親は他界してしまっているために、もうこんな思いはすることもないだろうな・・と思っていたのですが、想像以上にショックだったことは、驚きでした。

 海外で暮らしていれば、こうして身内の不幸などの際にすぐにかけつけられないことは承知しているつもりでも、いざ、そういうことが起これば、やっぱりあらためて、ズッシリ思い知らされるのです。

 代わりに娘が日本にいてくれることは、私にとってのせめてもの罪滅ぼしのような気持ちでもあります。

 こういうことがあるたび感じることは、どんな人の最期もやはり突然に感じられることだということです。


旅先の訃報


<関連記事>

「認知症ってそんなに急激に悪化してしまうものとは驚いた・・」 

「最近、とみに思うことの一つ 母と話したい・・」 

「高齢者の一年の変化は大きい」 

「周囲の人たちが抱える親の介護と日本の家の相続問題」 

「母が亡くなった日の夜」

2025年11月17日月曜日

睡眠時間2時間、午前3時の会議 日本では首相が過労を助長していると非難されている

 


 フランスでは日々のテレビのニュースなどで日本のことが取りあげられることは少ないのですが、そんな数少ないニュースの中で、「就任したばかりの高市首相が過労を助長していること」が取りあげられているのは、あまり喜ばしくない話です。

 「高市早苗首相は、過労が死に至ることもある日本において、睡眠時間2時間で、スタッフと午前3時に会議を開くと発言し、非難を浴びている」、「政府は残業時間の延長を目指している」などと報道されています。

 このフランスでの報道は、米ニューヨークタイムズや英ガーディアン紙の記事を引用して、特に「過労死」という独特な言葉についての説明から始まっています。

 多くの労働者が非常に高いストレスに直面している日本において、「過労死」、「燃え尽き症候群」による死を意味する「過労死」という言葉が日本には存在する。そんな日本において、首相がこの現象を助長するような発言をしていると非難しているのです。

 最近の「睡眠時間2時間」、「午前3時からの会議」発言は、彼女の首相就任時の「働いて、働いて、働いて、さらに働く」宣言や「ワーク・ライフバランスという言葉は忘れる」ことを約束した件なども遡って紹介しています。

 この発言をきっかけに逆に日本人の過酷な労働スケジュールや環境がいかに過労死や少子化の原因となっているのかについて、深掘りされる結果を招いています。

 また、これに伴い、日本人の睡眠時間はOECD加盟国33ヵ国中最下位であり、睡眠不足は「攻撃的な言動」や「対応できない精神状態」に繋がるとかなりハッキリ非難しています。

 首相が寝る間もなく忙しく働いているのはあり得ることかもしれませんが、それを公の場で自慢げに公表することではありません。フランスのマクロン大統領にしても、そのスケジュールを見ると、一体、いつ寝てるんだろう?と思うこともしばしばですが、1日2~3時間しか寝てないとか、午前3時から会議をするとか、そんなことは決して公表せず、涼しい顔をし続けて仕事を続けています。

 まるで、彼女の姿勢は、私の若い頃のテレビCMにあった「24時間働けますか?ビジネスマーン!ビジネスマーン!」の時代の世界感みたいで、それを得意気に語る時代はもうとうの昔に過ぎ去っています。おまけに苦笑せざるを得ない?のは、その時代錯誤を証明するように、「スタッフとの連絡は必要な場合にのみ、電話かファックスで行う」とご丁寧に付け加えていることで、「いまどき、ファックスって誰が使っているの?」っていう話です。

 今の時代、ファックスを知らない若者も少なくありませんから・・。

 時代錯誤も甚だしく、とにかくがむしゃらに働くことを美徳とする首相に周囲の側近の人々は、さぞかし大変なんだろうな・・などと思います。

 海外メディアが警告するように、彼女は睡眠不足から攻撃的になっていくのではないかと心配しています。


高市早苗 高市首相


<関連記事>

「日本の新首相就任に対するフランスの報道の中で気になったこと」

「日本の教師とフランスの教師」 

「安定剤と睡眠剤」

「フランス共和国大統領のアジャンダ(議事日程)L'agenda du Président de la République」

「睡眠の大切さをひしひしと感じている・・」

2025年11月12日水曜日

パスポートのスタンプ ヨーロッパ間の移動

  


 私は、旅行をするたびに、自分のパスポートにこれまで自分が行った国々のスタンプが増えていくことをなんとなく楽しみにしているところがあります。

 これまで、私はわりと旅行することが多かったので、10年有効のパスポートの最後の方までには、それなりにスタンプがたまっていっていました。

 かといって、そういえば、パスポートをそんなに見返してほくそ笑むようなこともないのですが、なんとなくスタンプが増えていくことが嬉しいような気持ちってないですか?

 しかし、そんな各国への出入国スタンプが最近は激減していて、ちょっと残念なのです。

 夏の終わり頃に娘とイタリアに行った時も、先日、友人とスペインに行った時も、スタンプはないのです。

 ヨーロッパ間の移動ということで、たとえ、日本人で日本のパスポート(欧州の加盟国のパスポートではないという意味)であっても、まったくパスポートのチェックもありません。

 もちろん、出国の際、飛行機にチェックインする際、搭乗する際にパスポートを見せてはいますが、入国の際には、なんのチェックもないのが、「えっ??ほんとにこれでいいの?」という気分にさえなります。

 入国の際の荷物のチェックをしているのさえも見かけません。

 まあ、飛行機に乗る前のセキュリティチェックで荷物検査をしているので、まあ、これでよしとしているのでしょうか?

 考えてみれば、陸続きのヨーロッパ諸国の陸路の移動に関しては、ずっと前からパスポートを見せることもありませんし、ほぼほぼノーチェックで通過。

 島国の日本で生まれ育った私にとっては、国境をこんなに簡単に越えられてしまうことが不思議な気がしてしまうのは、長年、フランスに住んでいても変わりません。

 ともあれ、私が今持っているパスポートを書き換えたのは、今年の3月だったと思うのですが、あれからイタリア、スペインと旅行しているにも関わらず、新品同様のノースタンプ・・。私が旅行している痕跡はまったくパスポートには残っていないのは、なんだか寂しい気がしてならないのです。


パスポートのスタンプ ヨーロッパ間の移動


<関連記事>

「入国審査 世界最強と言われる日本のパスポートでも起こる悲劇」 

「帰仏、出国の際の不安」 

「日本人のパスポート保有率の低下に思うこと」 

「日本の新しいパスポートについて これまでに比べて最短でも3倍以上の時間がかかるってなんだよ!」 

「海外在住者の免税でのお買い物は思ったよりも全然、簡単だった!」




2025年11月3日月曜日

娘の仕事と契約交渉

  


 娘が日本で生活を初めて、そろそろ3年が経ちます。当初、仕事を始めた会社から1年ほどで転職をして、現在の会社に移ってから約1年半が経ち、その際の契約は、特別プログラムのようなもので、契約期間は、MAX2年間ということだったので、その後は、「どうしようかな?そのまま、その会社に正社員として契約しなおして残ってほしいというオファーのある人もいるし、むしろ、その期間をバネにして、他へ転職したりする場合もあるらしいけど・・」と決めかねている様子でした。

 どちらにしても、その時点では、MAXの契約期間までには、まだ3ヶ月以上も猶予があったので、とりあえずは、それまでは現状と変わらないのだろうと思っていました。もはや彼女の仕事に関しては、ほぼほぼ心配はしていないのですが、彼女の性格上?というか、仕事に対する考え方などを聞いていると、「また違う国で仕事をする」などということもあり得ないではないので、そうなると、また、別の意味で心配なこともあるかな?くらいに漠然と考えていました。

 ところが、数ヶ月後の契約期間完了を前にして、会社の組織上の編成の変更から、「社員契約をしてほしい」という話になったらしく、現在、その交渉にあたっているそうで(ほぼほぼ、決まっている話ではあるらしいけど)、どうやら、まだ、しばらくは日本で仕事をすることになりそうで、私としては、少しだけホッとしています。

 現在は、さまざまな条件等を交渉中とのことで、そうでなくとも継続している日常業務がかなり忙しいうえに、スキーなどのスポーツや旅行などにも忙しく飛び回っていて、つくづく若いな〜と感心するくらいで、一体、いつそのようなことを検討したり、交渉したり、手続きをしたりしているのだろうか?と思えば、ほぼほぼ全て携帯ひとつで、移動中などに・・ということで、側で見ているだけでも目が回りそうな感じです。

 それでも、ガッチリしている娘のこと、給与交渉をはっきりさせないでOKしてしまうなんてビックリ!と言ったら、「まあまあ、このくらいから、このくらいまでの範囲内」ということは、わかっているので、まあ、いいかな?ということで、けっこうゆったりと構えています。

 まあ、一人で生活していくには、充分な金額なので、そこは良いと思っているのかどうかは、よくわかりませんし、具体的な収入は私も聞いていませんが、同年代のおおよその収入の感じよりは、かなり良いようなので、あとは、会社の体制とか仕事の仕方とか、内容とか・・判断する内容は色々あるのでしょうが、そのあたりも納得いっているものだと思われます。

 むしろ、段階的に本契約に至ったことは、双方にとってよいことなのかもしれません。

 しかし、収入面でも良いかわりに、仕事もなかなか大変そうで、リモートワークが半分くらいとはいえ、家で仕事をしているときも、他の国との時差の関係で今日は朝9時から会議(というのは、ふつうだと思いますが、ヨーロッパの時間に合わせて午後8時からとか、アメリカの時間に合わせて午後9時からとか午後10時から会議とか、やっているので、その間、びっちり仕事をしているわけではないけれど、その準備の時間などを入れれば、結局、かなり拘束時間が長くなるわけで、大変そうではあります。

 もう親子がすっかり逆転していて、せっかく私が日本に来ているのに、「ママ、お仕事忙しくて全然、遊んでくれない・・」(実際には、忙しい中、かなりつきあってくれています)と子どもだったら、言うかもな・・と思う感じです。

 このまま、彼女が現在の仕事を続けていくかどうかはわかりませんが、とりあえず、またしばらくは、安泰で少しホッとしています。

 ただ、ちょうど来ていた、彼女の住民税の請求書?を見てびっくり!日本の住民税ってこんなに高かった?そもそも、わりと収入がよいうえに、世帯主、独身、子どもなし、扶養家族なしなので、高いのも仕方ないのでしょうが、それにしても、私の想像を大きく越えていたので、驚いた次第です。

 実際に私が日本で仕事していたのは、かなり昔の話、しかも会社のお給料から直に差し引かれていたため、住民税とか、厚生年金などが、それぞれいくらだったかなんて、全然、覚えていないのですが、もしかして、そんなに払ってたのか? それとも、私が日本にいた頃よりも、ずっと上がっているのか? どちらにしても、厳しいことです。


雇用契約 住民税


<関連記事>

「娘はけっこうなハードワーカー??」 

「バイリンガルになった娘の就職」 

「しばしの娘の帰省と早々の転職」 

「娘の友人関係に見るフランスの社会構造」

「娘と私の友人の不思議な関係」 


 


 

 

 

2025年10月22日水曜日

日本の新首相就任に対するフランスの報道の中で気になったこと

  


 フランスは、自国の政情が不安定であることもあるのか?日本の新首相が就任したことは、そんなに大きくは、報道されてはいません。とはいえ、無視するほどでもなく、一応の報道機関では、「初の女性首相就任」とか、「保守派の高市氏が首相就任」とか、報じられていますが、そんな中に「日本における外国人弾圧」、「移民、マスツーリズムへの敵意を隠さない人物」などと報じているところもあって、ちょっとギョッとしました。

 そもそも、はっきり言って、今のフランスが日本の新政府にそこまで興味がないのは、わからないでもないのですが、そんな場合は、ざっと概要を解説する当たり障りのない感じの記事であることが多いのですが、「外国人弾圧」などという過激な言葉使いには、少々、驚かされました。

 また、「日本初の女性総理の誕生はたしかに歴史的な出来事。しかし、これは、よりフェミニスト的な政権の到来ではないことに注意しなければならない!」と述べ、「妻が夫の姓を名乗る義務を維持しようとしているし、彼女の新政権で女性閣僚はたったの2名しか任命していない」

 「彼女は筋金入りの国家主義者であり、非常に右翼的な選挙活動を経て、党首に就任した」

 「最優先事項に移民対策、管理強化を掲げている」とし、「全く異なる文化や出自を持つ人々の入国を認めている政策」を見直す意向。

 移民反対の闘いと日本人のアイデンティティ喪失への懸念は、長きにわたり世界から孤立してきた歴史を持つこの島国において、ほぼ全員が抱くもの。今日、外国人居住者の割合は、日本列島のわずか3%に過ぎず、フランスは9%です・・。

 私の印象では、フランスの外国人居住者は9%しかいないの?もっといるでしょ・・と思うのですが・・。

 また、「新首相は移民問題を批判しているだけではなく、彼女は観光客にも攻撃をしかけています」、また「新首相は中国に対して非常に敵対的であり、中国人観光客を潜在的なスパイと呼んでいます」、また、「近年、政治的に非常にデリケートである靖国神社を何度も参拝しており、明らかに中国を刺激する態度をとっています」など、明らかに危険視している指摘がなされています。

 日本が外から見て、とかく「内向きの国」として見られがちなところを、これからさらにそれが、ますます強化されていく、というか、逆戻りしていく印象を持たれてしまっているのかな?と感じました。

 私は、フランスでの報道に全て目をとおしたわけではないし、これは、特に気になったものを紹介したまでですが、こんなふうに受け取られている一面もあるのだな・・となんだか、見過ごせない気がしたのです。


高市早苗首相就任


<関連記事>

「日本の石破首相辞任の報道 海外のメディアはしっかり見ている」 

「岸田首相来仏に関するフランスの報道」 

「統一教会解散命令 フランスでの統一教会についての報道は安倍元首相襲撃事件とセット」

「フランスの報道機関が指摘する安倍元総理と統一教会についての日本での報道と警察と政府、報道機関の歪み」 

「「さよなら 日本の菅首相が試合を放棄」フランスでの菅首相退任の報道」

2025年10月13日月曜日

認知症ってそんなに急激に悪化してしまうものとは驚いた・・

  


 イタリア旅行中に、従姉妹にLINEで、脳天気にイタリアの美しい海や現地で食べた美味しいものの写真などを送っていたら、「バカンス満喫中に悪いんだけど、ママの体調が急激に弱って、ここ1週間くらいで急に歩けなくなってしまって、トイレにさえも一人で行けなくなってしまって、入院させたところで、バタバタしています・・」という返事が返ってきて、なんだか申し訳ない気持ちになってしまいました。

 実は、今回、娘がパリに来るときに、従姉妹には、一緒に来ない?などと、誘っていたのですが、「ママを長期間、2日以上、家に一人で置いてくることはできないから、ちょっと無理だな~」と言っていたのです。

 今年の夏頃から、叔母は、急激に弱り始め、その時も、従姉妹によると、「もうほとんど、一日中寝てばっかりいるの・・」と言っていたのですが、まだ、その頃は、食事は自分で取れるし、思い出したように起きてきて、食事する・・けど、トイレなどは、自分で行っている」という話だったのです。

 それが9月に入ってから、急激に弱ってしまって、とうとう一人で歩くことができなくなり、もう一日、何回もトイレに連れて行くだけでも大変になってしまって、そんな一週間が過ぎて、とうとう音を上げて、入院することになったのです。

 90を過ぎている叔母ですが、とても社交的な明るい性格で健康そのものの人でした。

 ところが、この入院によって、10日くらいの間にあっという間に認知機能が低下してしまったらしく、そのまま同じ病院に入院させておくことが不可能になり、介護施設探しに奔走した結果、ちょうど今月オープンしたばかりの施設に入ったばかりとのこと。

 ずっと家で介護してきた従姉妹にとっては、何よりも、このあまりに急激な母親の認知機能の低下が何よりもショックだったようで、「ほんとに、こんなに急激に悪くなっちゃうものなの?」とその事実が受け入れがたいことのようで、今まで、「どんなことがあっても家を動きたくない!死ぬまでこの家にいる!」と言っていた叔母も、もう自分がどこにいるのかも、ほとんどわかっていない様子だとのこと。

 最初に、歩けなくなってしまって病院に入院した時には、まだまだ自分で携帯で電話してきたり、持って行った差し入れを自分で食べていたりもしたようなのですが、1ヶ月の間に、もうすっかり、介護なしには無理な状況になってしまったらしいのです。

 まだ施設には入ったばかりらしいのですが、これがまた、費用が1ヶ月40万円程度かかるということで、大変そう・・。でも、もうお金には代えられないし・・とのことでしたが、当然のことながら、誰もがそんな金額を払えるわけではないし、やっぱり老後は大変なのだなと実感した・・一方、でも、お金持ちっているものだな・・まさに入ってくるご老人たちの身なりも全然、違うもん・・昨日、入ってきたおじいさんなんて、ハットにステッキ姿で現れた・・と感心していました。

 上には上がある高級介護施設ですが、これが区の特別養護介護施設だと、費用はだいたい半額以下・・だけど、2年待ちとかなのだそう・・。それは無理な話でしょう。

 従姉妹にとっては、この1ヶ月、激動の1ヶ月だったようですが、ずーっと母親と二人暮らしだった彼女には、新しい生活にまだまだ慣れなくて、別居生活をしていると思うようにしている・・と言いながらも、日々、母親のところに行っては、一生懸命、話しかけたり、面倒をみたりして、なんとか回復してくれないか・・と頑張っている模様。

 しかし、今の状況では叔母が自宅に戻ることは絶望的な感じで、それも辛くてたまらない様子でした。

 老いて、弱っていく家族の状況を受け入れることは辛いことです。


認知機能の急激な低下



<関連記事>

「高齢者の一年の変化は大きい」 

「周囲の人たちが抱える親の介護と日本の家の相続問題」 

「終末期のデザイン」 

「友だちと旅行に行くのも色々、難しい・・」 

「自分が死んだときのことを考えていたら・・」 


 

2025年10月11日土曜日

セバスチャン・ルコルニュ首相再任 大混乱中の政治・・フランスにしても、日本にしても・・

  


 フランスでは、昨年の欧州議会の選挙の右派が大勝を果たした頃から、政治の混乱は激しくなり始めました。これに危機感を感じて誰もが驚く突然の国民議会解散と総選挙で、マクロン大統領にとっては、さらに悪い状況に陥り、大統領の派閥が議会の過半数を失うどころか、第一党でさえもなくなってしまいました。

 それからというもの、首相が決まっては、ほぼほぼ、何もできないまま辞任・・ということが続き、昨年末も、今年度の予算案が決められないままに、年を越すという最悪の事態を迎え、それからも、また数人首相が交代し、現在は、次期首相の指名が誰になるのか?とずっとテレビなどでも、喧々囂々と激しい討論が続いています。

 日本にしても、自民党が国会での過半数を失って以来、外から見ていても、なんか、似たような状態だな・・と思っていますが、日本とフランスは政治の仕組みも違い、フランスは、首相といっても、大統領の下にいる立場。そして、その首相は、大統領が任命するというかたちなので、現在、もっぱら、非難の的になっているのは、マクロン大統領です。

 当面の差し迫った課題は、来年度の予算をまた年内に決められなくなること、そして、その予算案に際しての財政赤字をどうやって縮小していくか?何を削るのか?ということなのですが、インフレが進み、生活が苦しくなっている国民が悲鳴をあげているという意味ではフランスも日本も同じことです。

 一般市民というか、国民の立場からすれば、国の言われたとおりに高い税金をきちんと払い、まじめに働いて、生活しているというのに、お金が足りなくなったから、おまえたちの補償を減らすとか、先延ばしにするとか、さらには、余計に税金を徴収するとか・・横暴といえば、横暴なはなしです。

 これまで、赤字が累積されるまで、放っておいたのは、政治家で、ウクライナなどの他国には、気前よく大金を投じて、フランスの場合は、ド派手なオリンピックなどまでやっておいて、自分たちが使うお金を見直したらどうなんだ!と思うのも当然の話です。

 フランスに関して言えば、もう話はどんどんこじれていくようで、これがカップルとか、夫婦などだったら、しばらく距離をおいて、冷静に見直そう・・などと言うことになりそうな気もしますが、国の政治となれば、待ったなしです。

 少なくとも、年に何回にもなる首相交代劇で、政府が停止状態になるたびに、国の政治は中断状態。今回の首相交代劇に関しても、9月の初めに就任して、組閣が26日間も据え置き状態の挙句に組閣発表の直後に辞任。約1ヶ月間は、またフランスの政治はストップ状態です。

 先日の辞任するセバスチャン・ルコルニュ首相は、来週の月曜日が予算案を年末までに決める時間的リミットだと言っていましたが、これも絶望的な感じです。

 すったもんだの挙句に辞任したセバスチャン・ルコルニュ首相が首相に再任されたということで、また大論争が起こりそうです。


セバスチャン・ルコルニュ首相再任


<関連記事>

「辞表提出済みのセバスチャン・ルコルニュ首相がインタビューで語ったこと」 

「セバスチャン・ルコルニュ首相 辞任 史上最短の在任期間 フランス政府の危機」

「バイルー辞任の24時間も経たないうちに次期首相任命 セバスチャン・ルコルニュ 39歳」

「バイバイ!バイルー! フランソワ・バイルー内閣崩壊」 

「内閣不信任決議案可決 首相辞任 大混乱は避けられないフランス」


2025年9月23日火曜日

年に一度の娘の帰省

  


 娘が日本で就職してから、早いもので、もう4年も経ってしまいました。娘がグランゼコールを卒業し、娘の就職については、あまり心配していませんでしたが、ちょうどパンデミックの時期でもあり、色々なことが予定どおりにいかなくなってしまった時期でもあったので、本人は、卒業していた留学やスタージュなどがキャンセルになったりして、大変だったろうと、今になって思います。

 でも、時はどんどん過ぎて行っているので、考えてみれば、「そういえば、彼女が日本に行ったのはいつだったっけ?」などと思い出さなければいけないほどで、逆にパンデミックがあったから時期を覚えている・・そんなところもあるかもしれません。

 当時は、パリから日本への直行便が飛んでおらず、日本に出発する時期がギリギリまで定まらず、また、直前にPCR検査をしなければならなかったり、日本に到着してからすぐに、近くに感染者がいたから、しばらくは、外出できなくなってしまったりと、着いてからもトラブルに見舞われたりもしました。

 あれから彼女はすでに1度転職し、また、現在の会社でも契約形態が代わったりしていますが、彼女の日本での生活は概ねというか、想像以上に順調なようです。

 私が娘に会えるのは、私が日本に一時帰国をした時と、娘が年に一度、フランスに帰省するときだけなのですが、ふだん、電話では、わりと頻繁に連絡をとっているものの、実際の彼女の生活ぶりを垣間見えるのは、やはりしばらく一緒の時間を過ごせる時間です。

 とはいえ、なんだか、よくわからないうちに、バタバタと家を出て行ったのが幸いしたところもあって、逆にすんなりと親離れ、子離れができた気もしています。

 いつも一緒にいるわけではないからこそ、会うたびに、頼もしくなり、どんどん仕事も忙しくなっているようで、一緒に旅行に行っても、仕事の連絡をとりつつ、合間合間の時間に仕事をしていたりしていて、(まるまるお休みをとってきているわけでもないらしい)、会うたびに忙しくなっているみたい・・それでも、寸暇を惜しんで動き回っています。

 私が娘の年頃には、時代も違いますが、親から盛んに「そろそろ結婚したら・・」と相手も定まらないうちから、なんとなく急かされているようなところもあり、また、当時は、世間的にも20代のうちには・・というようなプレッシャーもあったような気がします。

 今、娘がそんな年頃になってみると、私は、娘に早く結婚してほしいと思う気持ちは、さらさらなく、良い相手がいれば、もちろん結婚して、子どもを持てたらよいだろうと思う反面、むしろ、焦って、ろくでもない相手と・・なんてことだったら、結婚しなくてもいいと思っています。もっとも、娘は極めてマイペースな子なので、あまりまわりのことには、左右されない感じでもありますが・・。

 それは、周囲を見ていて、結婚したことによって、大変なことになってしまっている人も少なからず見てきたこともあり、逆に私の親はなんでやたらと結婚結婚と言っていたのか?なんで結婚したら、安心できると思っていたのか?と不思議に思うくらいです。

 今回は、娘は私との旅行の他に、お兄ちゃんのいるドイツに行ったり、フランス国内を旅行したり、現在、彼女の働く会社の本社に行ったりとスケジュールはびっちり。

 ずっと一緒にいるわけではないのですが、いつもよりはずっと身近で、娘の変化や成長を感じられる時間は、私にとっても、貴重なひとときでもあります。


娘の帰省


<関連記事>

「バイリンガルになった娘の就職」

「日本に住むにあたっての手続き マイナンバーカードと住民票の不思議」

「日本人なのに日本語がほとんど話せない海外育ちの従弟の子供」

「しばしの娘の帰省と早々の転職」

「治安のよい日本におぼれている娘」

2025年9月13日土曜日

一体、何を食べたらいいのか?わからなくなってきた・・

  


 私は、若い頃は、あまり食生活について、真剣に考えることもなく、ただ、これ太るだろうな・・と思うものは、避けるくらいで、いわゆる身体に良い食品などと言われると、あまのじゃくな私は、「身体に良い食品」とか言われるだけで、「なんか、マズそう・・」な気がしてくるくらいでした。

 お酒もかなり飲んでいたし、気を付けるもなにも、そこまでしっかり食べていなかったような感じもしないではありません。

 ただ、非常に食べ物にこだわるというか、美味しいものには目がない家庭に育ってきたので、それなりに美味しいものを食べさせてもらってきたし、美味しいものを食べるためなら、手間暇を惜しまないという感じの家だったので、そこのあたりは現在の海外生活にも役立っているような気がします。

 そんな私も子どもが生まれてからは、子どもには、栄養バランスのとれた良い食事をとらせなければいけないと思ってきたので、ずいぶん、食事については、気を付けるようになりました。

 幸い娘は、本当に押し付けたわけでもないのに、非常に健康的な食品が好みで、小さい頃の娘の大好物は茹でたブロッコリーや高野豆腐や湯葉などの大豆製品で、高野豆腐や湯葉などは、パリではいつでも手に入るわけではないので、そんなに毎日食べられるわけではありませんが、ブロッコリーに関しては、どこでも買えるので、いつでも茹でたブロッコリーと人参は冷蔵庫にストックしてある習慣になっていて、学校から帰ってきて、お腹が空いたときには、お菓子などは食べずにモリモリ、ブロッコリーを食べていました。しかも、マヨネーズ(娘はマヨネーズが大嫌い)などのソースは一切つけずに、モリモリ食べるといったちょっと変わった子どもでした。

 長いこと、我が家の食生活は(特に夫が亡くなってからは・・)娘中心の生活で、大方、娘の好みに沿って用意していました。

 娘が独立してからは、私は一人暮らしになったので、私の好きなものだけを好きに食べていてもよい境遇になりましたが、反面、自分だけのために作る食事というものは、どうにも簡素になりがちで、リズムができてくるまでは、少し時間がかかりました。

 しかし、最近になって、身体のあちこちに支障が表れ始め、食生活にも充分に気をつけなければならないようになってからは、糖質制限やら、カロリー、これは食べた方がよい食品だとか、避けた方がよい食品などというものをずいぶん、考えるようになりました。

 野菜をできるだけ摂ることは言うまでもないのですが、私の食生活には、どうやらたんぱく質が足りないようで、最近は、自分の中でも「たんぱく質・たんぱく質・・」と思いながら、買い物をするようになりました。

 私は、全くベジタリアンなどではないのですが、どちらかといえば、お肉もお魚もなくてもまあ、いいや・・と思ってしまうところがあり、まあ、簡単にいえば、美味しいお米と美味しいお漬物があれば良い・・くらいで、お肉を食べるとちょっと重いな・・くらいに思っていたので、たんぱく質摂取というのも、それはそれで、少々、億劫なところもあります。

 そのうえ、このインフレでお肉も相当値上がりして、お魚となると、良いお魚は、なかなか手に入りにくいとなれば、あとは卵・・昔は、卵は、1日せいぜい1個くらいにしないと、コレステロールが・・とかいう話があったのですが、最近の説では、卵はもっと食べても大丈夫らしい・・との話。

 考えてみれば、色々な科学技術などは、信じられないくらい進歩しているのに、この種の身体に良い悪い・・という健康に関わる食生活に関する情報というものは、どうして、こうもくるくる変わっていくのか? と不思議な気がします。

 つい最近も、糖質制限はもとより、体脂肪を落とす食事・・などなど、色々な情報があって、ちょっとビックリしたのは、体脂肪を落とすためには、むしろ、油を採らなければいけない・・なんていうのもあったりして、もうどれを信じていいのかわからなくなりました。

 「健康のために良い食品」に関しては、「昔は、こんなふうに言われていたけど、実は、その節は違った・・それは誤りだった・・」というものがけっこうあって、そんなこと今さら言われても・・と思うことはけっこう多いのです。

 私の場合、そこまで厳しく制限しているわけではないのですが、それでも、できるだけ、これを食べた方が良いと言われれば、できるだけ取り入れようとは思うし、糖質等に関しても、甘いものはできるだけ控えるけれども、全くカットしてしまうのも寂しいので、高級品なら少しは良い・・ということにしていますが、それにしても、もう山のように薬を飲んでいる身としては、それでも体調が良くならないとなれば、あとは、毎日の食生活をできるだけ良いものを取り入れるということくらいしか、やることはないわけです。

 しかし、次から次へと、時には、これまでと正反対のような「油は摂った方がよい」などということを言われれば、一体、どうしたらよいのか?わからなくなってしまいました。

 ちなみに私のかかりつけのお医者さんは、食生活で体調を改善していこうというアドバイスはあまりなく、あくまでも薬で・・という感じ。

 もっとも、食生活に関しては、ふつうのフランス人と同じような食生活ではないので、アドバイスしてくれたところで、あまり役には立たないので、自分で模索してみるしかありません。

 食べることが何よりも好きな私ですが、現在、食事については、大いに頭を悩ませているところです。


食生活 健康に良い食品


<関連記事>

「食品のカドミウム汚染 チョコレートの過剰摂取に警告」

「コカ・コーラなど甘い清涼飲料水にかけられているソーダ税と甘い飲み物」

「やっぱりフランス人の肥満は増加しているような気がする・・」

「ずっと食べてみたかったバター Au Bon Beurre オー・ボン・ブール」

「フランス人は、意外と長生き」

2025年9月8日月曜日

日本の石破首相辞任の報道 海外のメディアはしっかり見ている

  


 さすがに日本の首相が辞任するというニュースは、首相本人の記者会見で正式に辞任が発表される数時間前からフランスでも報道されていました。

 この石破首相の辞任は、自民党分裂回避のためと、しっかり見られているとともに、世論調査では、石破首相の支持率が上昇していたにもかかわらず、国民の声よりも党内の分裂を避けるために自民党の重鎮たちがこぞって圧力をかけ、辞任を求める署名を集めたり、数日前には、森山幹事長をはじめとした自民党幹部4人が集団辞任を申し出ていたと報じています。

 「彼の辞任理由は、表向きには、自民党が過去15年間で最悪の結果となった選挙結果の責任をとるということになっているが、しかし、自民党の敗北は彼の責任ではなく、国民の政治体制への不信感に起因するもので、保守党内の裏金の存在や党自体の秘密資金提供、そして統一教会との関係が明らかになったことなど、日本の民主主義の不調が露わになったためである」

 「むしろ、石破首相は、長年、これらの国民が不振を感じている自民党の元凶のアウトサイダーとして知られる存在であった」

 「首相就任後もずっと党内圧力が続いており、国内政治においては、彼の思うようには事は進まず、人気は停滞していたものの、近々では、米国との貿易協定が締結され、米国の関税が25%から15%に引き下げられ、国民からの支持率は急上昇を見せていた最中に起こった首相の辞任劇で、皮肉なことに、国民の声を無視して党内政治を優先した自民党への反感がさらに高まるものになったのではないか?」

 と、フランスのメディアは、事の概要をこんな風に報じています。

 フランスも現在、内閣存続が危うくなっている中、あまり大きな口をたたけた状態ではありませんし、また、政治の体制も違うので、一概に語れる問題でもありませんが、少なくとも、組閣等においては、世論の趨勢を非常に加味していると思われることが多く、あるいは、そんなに世論に阿る??と思わなくもない時もありますが、少なくとも、支持率上向きの状態の首相に圧力をかけて辞任に追い込むなどという無謀な真似はしないであろうと思うのです。

 自民党内の重鎮とやらが、どのようにお考えかはわかりませんが、少なくとも海外のメディアにまでお見通しの惨状がなぜ?おわかりにならないのか?と暗澹たる思いにさせられます。


石破首相辞任のフランスでの報道


<関連記事>

「フランスの報道機関が指摘する安倍元総理と統一教会についての日本での報道と警察と政府、報道機関の歪み」

「「さよなら 日本の菅首相が試合を放棄」フランスでの菅首相退任の報道」

「岸田首相来仏に関するフランスの報道」

「日本の選挙結果に関するフランスの報道」

「フランスの政治と日本の政治 似ているところと似ていないところ」


2025年9月6日土曜日

サントリー新浪会長辞任についてのフランスの報道で・・

  


 サントリーの会長新浪氏辞任のニュースはフランスでも報道されており、その中で、日本とは違う、ちょっと興味深い見方をしている点がいくつかあったので、それについて、ご紹介したいと思います。

 ちなみに、フランスではサントリーは2つの独立した事業体を持っており、1つは清涼飲料水(シュウェップス、オランジーナなど)を、もう1つはジムビーム、サントリーなど)サントリー・グローバル・スピリッツ・フランス(サントリービバレッジ&フードフランス)となっています。

 まさか、シュウェップスやあのオランジーナがサントリーだったとは、私はこれまで全然、知りませんでした。いつのまに??・・って感じです。(2009年にサントリーが推定約26億ユーロで買収)

 近年のウィスキー人気の急拡大に加えて、このオランジーナというのは、長いこと、フランスでオレンジジュースといえば、オランジーナ・・というほどの大きな存在のため、サントリーはフランスにとってもわりと存在感が大きいように思います。

 さて、今回の新浪氏会長退任のニュースについては、「違法薬物所持の疑いで警察の捜査を受けていたサントリーのカリスマ会長である新浪氏がサントリー会長辞任」、「警察は8月に新浪氏の自宅を家宅捜索したが、新浪氏は関与を否定し、違法薬物は発見されなかった」、「新浪氏は合法だと信じて購入したサプリが捜査の焦点であり、警察は捜査を継続しており、サントリーはこのサプリメントの合法性は警察当局が判断すべきだと考えている」と記者会見で述べている」

 そして、彼が大手コンビニエンスストア・ローソンの代表取締役社長を務めた後、サントリー社長に就任したことや、歯に衣着せぬ物言いで知られる経営者であることも紹介しています。

 日本の報道と少々違う部分は、日本が薬物に関する規制が非常に厳しい国であるという指摘で、不法薬物は所持だけでも懲役刑に課せられる可能性があり、日本の当局は世界で最も厳格な麻薬取締法であるといっている点です。

 「カリスマ経営者新浪氏が辞任を発表した理由は、財務上の不正行為、酩酊状態、職権乱用、あるいは政治スキャンダルでもなく、むしろ、世界のほとんどの国ではほとんど問題視さえされないであろう出来事、多くの国であれば、この話は旅疲れを解消するために自然療法に頼る経営幹部の逸話として終わるであろうものの、日本ではいかなる容認も認められない状況下でこの事件は全国的な論争へとエスカレートした」

 「日本の公の場での「悔悟の文化」に則って行われた彼の謝罪は評判と企業責任が不正行為の真の証拠に勝り得ることを強調している」

 「ハーバード大学卒の幹部でサントリーを世界的な大企業へと変貌させるうえでの中心的な役割を果たした新浪氏の辞任は、日本の強硬姿勢がもたらした不相応な結果を如実に物語っている」と締めくくっています。

 ただし、これも、彼の供述していることが本当に真実ならば・・との話だとも思いますが、いずれにしても、考えてみれば、フランスの場合、捜査を受けただけ、起訴もされておらず、もちろん裁判にもなっていない状態で、このような辞任騒ぎにまで繋がるというのもあまりないことかもしれません。

 いくつも起訴状を抱えていて、裁判を待っている・・つまり判決が下るまでは推定無罪ということなのか?つい最近では元文化大臣など、まったく何もなかったかのように職務を継続しています。

 どちらが正しいというわけではありませんが、どちらにしても、日本は日本の国の法律で動き、このようなことをしたら、こういうことになる・・ということは、理解できる話。しかし、それは、よその国から見ると、奇異に映っているところもある・・ということです。


サントリー会長辞任


<関連記事>

「一晩で4件もの深刻な薬物過剰摂取による救急隊発動 国会議員までが含まれていた・・」

「現職文化大臣とカルロス・ゴーン 汚職の罪で裁判へ」

「空港職員もぐるだった! フランス・ブラジル間の大規模なコカイン密売組織」

「死亡事故を起こしたスクールバスの運転手から薬物反応の衝撃」

「800キロのコカイン密輸に加担していた漁師の存在」



2025年8月18日月曜日

娘の有給休暇とフランスの有給休暇

  


 日本で就職して日本で仕事をしている娘。仕事も生活もまあまあ順調で、楽しく、忙しく生活しているようです。まさに独身貴族を謳歌している感じではあるのですが、今年の4月から正社員となり、役職にもついて、ますます忙しく、けっこうな収入を得ているのに、あまりに忙しすぎて、「これじゃ、もう少し貰わないと合わない・・」などとのたまっています。

 忙しすぎて、大変ならば、少しはお休みの日などは、ゆっくりしていたらいいのに、これがまた、休日も忙しく旅行して歩いているので、まあ仕方ありません。でもまあ、本人が楽しく生活できているようなので、何よりです。

 また、今はバカンス期間ということもあって、先月はスイスから1人、今月はフランスから1人、友人が来るとかで、楽しそうです。

 来月には、パリに来ることになっているので、その時に一緒に旅行しようと言っているので、今は、どこへ行くのか検討中。

 娘は基本的には、半分程度がリモートワークなので、リモートワークの場合は、どこにいてもいいわけで、パリに来ても、半分は仕事しているんじゃないかと思います。

 それにしても、「あなた、今の会社は有給休暇は何日あるの?」と聞いてみたら、「11日」とのこと。彼女の現在の生活を見ていると、とても11日とは思えないのですが、リモートワークを上手く利用しているようです。

 彼女が働いている会社はフランスの会社なのですが、その日本支社なので、休暇等は、日本の休日ベースなのだそうで、彼女曰く、「今時期、フランスの本社の人たちは悠々、1ヶ月バカンスをとれていて、すごく羨ましい!」とのこと。

 私は心の中で、「そうでしょ・・そうでしょ・・」と思いながら、フランスで育ってきて、長いバカンス期間に慣れきっていた彼女にとって、有給休暇11日とは、生まれて初めての厳しい経験かもしれません。

 私が日本で仕事していたのは、もう遥か昔のことなので、その時の有給休暇が何日だったのかは、もう覚えていませんが、その頃は、それがあたりまえだったので、特に有給休暇が少ないとか、そんな風に思ったこともありませんでした。

 しかし、私自身、フランスに慣れてしまったので、有給休暇が11日と聞いて、ちょっとビックリしたのも事実です。

 ホントにそうなの?と思って調べたら、だいたい勤続1年未満の場合は10日が平均的で、1年以上になると20日が平均的なのだそうです。

 フランスの場合は、法律で最低でも年間25日以上の有給休暇が認められており、私の場合は、30日でした。1ヶ月ごとに有給休暇が2.5日ずつ貯まっていく計算でした。

 そして、これは、大きな違いと思われるのですが、その有給休暇をしっかりまとめて取れるのがフランス。日本だと、続けて長く休むことは、難しい感じがします。

 しかし、独身で遊び歩いているうちは、まだ良いのですが、これが子どもがいたりした場合は、大変だろうな・・と思うのです。

 実際に途中からシングルマザーになった私は、30日の有給休暇をフルに使ったとしても、さらにその数倍はある子どもの学校のバカンス期間をどうやって凌ぐかということには、本当に苦労しました。

 日本の学校はフランスほど学校のお休みが長くないとはいえ、それにしても働きながら子育てをしている女性にとっては、大変なことだろうな・・と思うのでした。


日本とフランスの有給休暇


<関連記事>

「子どもの学校のバカンスの多さに追いまくられるフランスでの子育て」

「2週間しか行かないの? フランス人のバカンス感覚」

「エアフランスのロストバゲージは45日経っても戻らない上に90日後には捜索も打ち切り」

「子供のために使うお金 フランスのコロニー(子供の合宿・サマーキャンプ)」

「イタリア プライアーノの超おすすめホテル HOTEL PELLEGRINO PRAIANO」 


 

2025年8月7日木曜日

ベランダで採れている日本のきゅうり

  


 もうここ10年以上、春から夏、秋くらいまでの間、ベランダで野菜を育てていますが、やはり、その中で一番ちからを入れているのは、なんといっても「日本のきゅうり」です。

 きゅうりはフランスでも買える野菜ではありますが、こちらのきゅうりは大ぶりで味も大味な感じ、そして、なんといっても歯ざわりが日本のものとは違い、やはり私にとっては、あのパキッと気持ちよく折れる感じのきゅうりが大好きで、日本に行ったときには、必ずきゅうりのタネ(だけではないが・・)を買ってきて、夏には、必ずベランダできゅうりを栽培しています。

 毎年、5月の初旬に種まきをして、芽が出て、10㎝ほどの苗になった時点で少しずつ株を分けて、植え替えますが、これが落ち着き始めた頃にだいたい鳩の攻撃が始まります。

 鳩との闘いは、たいてい2~3週間で終わりますが、年々、図々しくなる鳩は、早朝にやってくるらしく、やっと育ち始めた苗を踏み荒らします。なぜだか、その頃に、我が家のベランダで巣作りをしたいらしく、毎朝、起きると小枝が積んであって、ほとんど恐怖です。

 今年は、きゅうりの二次被害で、紫蘇の葉の半分は、鳩に踏み荒らされてダメになってしまいました。その時期は、鳩のクックーという鳴き声が聞こえてくると、棒を携えて、ベランダに出ますが、人間が表れたのを知って、重たそうにバタバタと羽音をたてて、飛び立っていくその気配だけでも、忌々しく、また、気持ち悪いです。

 ここ数年は、ベランダ越しのきゅうりは、蔓を巻いてグングン伸びて、ちょうどよい日除けにもなってくれるし、成長も目に見える感じでグングン育っていくのを楽しんでいます。このくらいになれば、さすがの鳩もきゅうりの棚を乗り越えてまでは入ってこないので、安心です。

 今年は、7月初旬に猛暑だった後は、すっかり涼しくなってしまい、収穫模様は、例年よりは、少ないのですが、それでも1日1~2本は採れています。一人暮らしとしては、充分な量です。

 年によっては、やたらとたくさん採れて、きゅうりのキューちゃんなどを大量に作ったりしたこともありますが、今年は、ぬか漬けと、もろきゅう、サラダくらいですが、このパリッとした歯ざわりがたまりません。

 ぬか漬けは、パンとビールをベースに、昆布や唐辛子などを入れてぬか床を作って、冷蔵庫に保管して、少しずつ、かき混ぜて利用していますが、これがまあまあの出来栄えで、悪くありません。

 私が愛してやまないこのパリッとした日本のきゅうりですが、フランス人の夫に言わせると、「水分の少ないきゅうり」と身もふたもない形容をされて、ガックリ・・しかし、同時に、水分が少ないきゅうり・・なるほどね・・そんな風に感じるんだ・・と冷静に思ったりもしたものです。

 しかし、毎朝、毎晩の水やりをかかさず(けっこうな量の水を撒きます)、蔓がのびてくれば、支柱に結びつけてあげたり、毎日毎日、一生懸命、育てているきゅうり、「水分が少ない・・」などと言われれば(本人は悪気は全くない)、それなら、あなたは、フランスの水分たっぷりのきゅうりを召し上がれ!とちょっといじわるに思ったこともありました。

 かっぱ巻きもやはり、日本のパリッとしたきゅうりだと美味しいし、何にしても美味しいです。

 今の季節は、ベランダに出れば、少しずつ大きくなっていくきゅうりを眺めつつ、いつでもポリポリ日本のきゅうりが食べられるささやかな幸せを楽しんでいます。

 

日本のきゅうり


<関連記事>

「今年もやってまいりました!鳩との闘いの日々」 

「家についている猫と家についている私」

「春の種蒔き ベランダ野菜栽培」

「パリでのベランダ菜園 本格的な種まき開始 ベランダでの野菜の育て方」

「潤沢な日本食材を目の前にして思うこと 満ち足り過ぎると幸福に鈍感になる」

2025年7月29日火曜日

日本人ファーストへの疑問

  


 ここのところ、よく目にするようになった「日本人ファースト」という言葉に複雑な気持ちを抱いています。

 大きく言えば、「自国の国民を優先する」ということなのだとは思いますが、それを曲解?してのことなのか?外国人ヘイトのような動きもあるようで、昨日、X(旧Twitter)上で、日本に長く在住している外国人が「ここのところ毎日、私に、帰れ!と言ってくる日本人が表れます・・」と投稿しているのを見て、なんだか心が痛みました。

 何より、日本人である私自身が外国人として、長く海外(フランス)で暮らしているわけで、これが逆の立場だったら、なんと悲しいことだろうか?と思ったのです。

 一時、パンデミックの際に、ウィルスが発症したのがアジアだったということで、一部の人々の間で、アジア人ヘイトのようなものが起こったことがありましたが、それ以外で、ことさら、外国人に向けてのヘイトというものを目の当たりにしたことはありません。(だからといって、差別が全くないというわけではありませんが、これは外国人という括りでの差別というものとは違います)

 だいたいパリなんて、外国人だらけの街です。

 しかし、私はやっぱり外国人であることにはかわりなく、フランスが何らかの(戦争などの)非常事態に陥った場合、一番、優先されるのは、フランス国民だということは、承知しているし、そんな事態に陥った場合には、日本に帰ろうかと、心の中のどこかでは、うっすら考えないではありません。

 しかし、日常では、現在のフランスの法律に基づいて、それなりに合法的に滞在しているわけですから、外国人であるからといって、なんら恥じることはないと思っています。

 フランスでは選挙権こそないものの、その他の社会保障等は、外国人であろうと、合法的に滞在している場合には、ほぼフランス人と同じ保障が受けられるようになっているし、そもそも、現在、移民はフランス人にとって、重要な存在でもあり、フランス人だけでは、とても国は廻らないのが現状なのだと思います。

 だからといって、フランスで外国人が優遇されているとも思いませんが、海外からの留学生などに関しては、きちんとした手続きを踏めば、かなりの門戸も開かれており、援助などもあるようです。

 しかし、今回の日本の「日本人ファースト」旋風の、なんだか外国人を攻撃するような動きは、お門違い・・。日本という国が凋落していって、国民が生活苦に陥っているのが、外国人が優遇されているからだ・・というのは、短絡的すぎる気がします。

 たしかに日本人の弱者への援助とのバランスが悪いということは、あるのかもしれませんが、今の政治では、それをやめたところで日本という国は良くならないだろうし、根本的な問題は、そこではないと思います。

 生活への不満が募るとどこかを攻撃したくなるのもわからないではありませんが、ターゲットの違うものを攻撃しても意味がありません。

 娘は現在、日本で仕事をしていますが、彼女の周りの友人たちは、フランス人をはじめとして、外国人の方が多いくらいのようですが、彼らは恐らく、同年代の日本の若者よりも、ずっと多くの税金を日本に払って日本で生活しています。

 今回の「日本人ファースト」の波は、選挙公報にその単を発しているものであり、政党に先導されている向きがあると思いますが、根本的な問題は何なのか?もう一度、考えてみる必要があるように思います。


日本人ファースト


<関連記事>

「私はウィルスではない フランスでのアジア人差別」

「災害に免疫のないフランス人がパニックを起こして、アジア人全体を傷つけている」

「レイシスト 差別的な言動」

「移民法の改正で大騒ぎのフランス」

「フランスの出生率15年連続減少なのにフランスの人口は増えているのはなぜか?」

 

 

2025年7月10日木曜日

参議院議員選挙 在外投票に行ってきました!

  


 日本では7月20日(日)が投票日となっている参議院議員選挙ですが、在外投票は、7月4日から13日までと、けっこう長い期間が設けられています。

 あらら・・こんなに長い期間だったっけ?と思いつつも、日常に埋もれてしまうとあっという間に忘れてしまいそうなので、先日、早々に在外投票に行ってまいりました。

 思えば、もう私は日本では、長らく投票に行っていないので、日本での選挙・投票というものがどんな感じなのか?忘れてしまっています。

 とはいえ、私も在外選挙登録をしたのは、ほんの数年前で、日本では選挙権があるにもかかわらず、もう日本のことわからなくなっちゃってるし、忙しくて選挙に行けない・・などと、色々と口実をつけて、選挙を放棄してしまってきたので、今さら偉そうなことは言えないのですが、昨今の日本の状況を見ていると、これは、やっぱりヤバいんじゃない?日本人として、なにもしないでいてはいけない!と思うようになりました。

 長いこと日本で生活していないので、日本の現状を生活を通して、実感することはありませんが、とはいえ、海外にいるからこそ、よく見えることもあります。他の国(たとえばフランス)の政治と比べて、ここはおかしいよね・・とか、色々と思うことも出てきました。

 というわけで、ここ数年、在外選挙登録をして以来は、必ず投票に行っています。

 パリでは、在仏日本大使館で投票できます。大使館はいつも行列していることが多いのですが、選挙に関しては、ほぼほぼ行列なしで、入館できます。投票所には、大きな部屋が用意されていて、なんだか、投票に来ている人よりも、待ち構えているお世話係?の人の方が多いような印象ですが、さすがに日本人だけのスペース。皆、礼儀正しいし、親切で丁寧です。

 しかし、こんなにたくさんの人を配置して、さぞかしお金がかかっているんだろうな・・もうちょっと簡易化して、(できればネット投票)もう少し、節約したらいいのに・・とも思います。

 こんなに何段階にもわたってチェックがいる?と思うほどの厳重な管理の下、投票用紙には、鉛筆で記入してくださいと言われて、それを何重にも封筒に入れて、立会人とやらのサインをもらって、終了です。




 パリの日本大使館は、シャンゼリゼの近く、凱旋門から歩ける範囲のところにあるので、とても気持ちの良いお散歩になります。凱旋門から日本大使館に歩いて行く途中に、一体、私は、この大使館に来るのは、何回目だろう?といつも同じことを思います。

 とはいえ、大した力にはならないながらも、なんとなく国民の義務を果たした気になって、ちょっとだけ満足です。

 一票の力は小さいけれど、だからといって、投票しないというのはあり得ない。よくわからないから・・というのは、言い訳になりません。今はネットでだって、いくらでも演説を聞くこともできるし、情報も得られるし、わからなかったら、理解する努力が必用です。

 選挙権は国民の権利であると同時に義務でもあります。

 しかし、それにしても今回の日本での参議院議員選挙の日程。よりにもよって、夏休みに入った最初の週末、しかも、3連休の中日というのは、なんだか悪意を感じないでもありません。もっと国民が投票しやすい日程を選ぶべきです。


参議院議員選挙 在外投票


<関連記事>

「在外投票に行ってきました!」

「フランス人の在外選挙と日本人の在外選挙の違いにビックリ!」

「海外での在外選挙投票には、事前に在外選挙登録が必要 そしてそれは2ヶ月もかかる」

「在外選挙人証 3ヶ月以上かかってやっと受け取れました!」

「日本大使館に行くたびのモヤモヤ・・」








 

2025年6月14日土曜日

フランスでも報道し始めた日本の米騒動について

  


 日本で、お米の価格が上昇したり、スーパーマーケットの棚から消えている・・などという米騒動はネット等の報道で見ていました。

 海外生活を送っていると日本のお米というものは、本当に貴重なもので、日本に一時帰国した際には、日本のお米を必ず買ってきています。パリでもお米は買えますが、本当の日本米というものは、ないことはないのですが、高価で、日本米といっても日本の品種のイタリア産のお米・・とかいう場合が多いのです。

 ふつう、国民の主食となる食品については、あまり価格が高騰しすぎないようにある程度政府が介入して調整したりするものだと思っていましたが、そのあたりが上手く機能していないのだと思っていました。

 今回、こちら(フランス)の報道で見かけたのは、「日本は米の価格が高騰しているため、そして、選挙が近付いているために、3兆円もの費用を費やして全国民に140ユーロを支給する」というものでした。

 「4月に日本の店舗で売られる米は前年比で2倍に値上がりしたが、政府はここ数ヶ月、国の備蓄米を放出することで、この高騰を食い止めようとしていた」。「過去1年間の価格の上昇については、複数の要因が挙げられており、1つ目は記録的な猛暑のために供給量が減少したこと、2つ目は、2024年8月に巨大地震警報が発せられたためのパニック買いが起こったこと、そして記録的な観光客の流入が消費のさらなる増加につながったこと・・などとしています」

 しかし、そのどれもが要因の一端を担っていたとしても、それくらいで、お米が日常の供給に事欠くようになるのは、おかしな話です。

 ましてや、国民の税金で蓄えていたお米をまた国民に売りつけて、恩着せがましい感じのことを言っているし、さらには選挙前だからといって、ここぞとばかりに、その高騰しているお米のためにといって、国民にお金をばらまくというのはみえみえなやり口。

 そもそもは減反政策が度が過ぎていたのだろうと思いますが、なぜ、日本の美味しいお米の生産を減らすようなことをするのか?本当に疑問です。

 海外では、空前の日本食ブームを迎えて久しく、今やパリでもお寿司やおにぎりを売っていないスーパーを探す方が難しいくらいにお米は海外でも食べられています。

 おそらく、スーパーマーケットで売っているお寿司やおにぎりに使われているお米が日本製のお米とは思いませんが、日本のお米でもないおにぎり1個がいくらで売られているかご存知でしょうか?だいたい、安くて3ユーロ・・高いと5ユーロ近い(約500円~800円)のです。

 たいして美味しくもない外米のおにぎりでこの値段なのです。

 フランス人は、欧州の中でもかなり日本贔屓の人が多い国のような気がしていますが、同時に「ホンモノ」などへのこだわりを追求するというか、ウンチクを語る人が多いのです。

 これだけフランスでも浸透したおにぎりの元祖は日本、そして、本来使われるべき日本のお米で作られているおにぎりとなったら、多少、高くても彼らは喜んで買うのです。

 減反政策などせずに、日本の美味しいお米をたくさん作って海外にもっと売ればよいのに・・と本当に思います。海外では高くても売れるのですよ・・。

 農協の仕組みについては、よく知らないのですが、お米の生産・出荷を取り仕切っているのが農協ならば、農協は海外への輸出をもっと模索するべきだと思います。


日本の米騒動


<関連記事>

「フランス人と日本食」

「ノエルの食材に和牛が君臨するパリ」

「パリのスーパーマーケットで拡大し始めた日本みたいなお弁当」

「パリで今、大人気のラーメン屋さん KODAWARI RAMEN TSUKIJI こだわりラーメン築地」

「日本一時帰国の後遺症 マイおにぎりブーム」

 


2025年4月29日火曜日

日本入国のためのオンライン事前申告渡航認証システム JESTA 前倒しで2028年度に導入

 


 ついこの間、イギリスでのETA(電子渡航認証)が始まって、すでにアメリカ、カナダ、オーストラリア、韓国などにも導入されているという事前申告渡航認証システムは、日本では、当初、2030年までに年間6,000万人の観光客を目指すとともに、このシステムを2030年までに導入すると発表していました。

 しかし、すでに続々と世界の国々がこのシステム導入に踏み切っており、欧州では、欧州30ヶ国への渡航システム「Etias」(欧州渡航情報・認証システム)を2026年にスタートすることを発表しています。

 この世界的な潮流に、日本は2030年導入の予定を2028年度に前倒しすることを決定したようです。

 この日本の新しいシステムを私はフランスのニュースで知ったのですが、「日本は外国人観光客の急増を受け、政府はJESTA制度の導入を前倒しすることを決定した」というもので、米国のESTAや英国のETAなどのモデルにヒントを得たこのシステムはビザが免除される旅行者を評価することを可能にする」のだそうで、約71ヵ国の外国人日本入国者はこの電子認証を取得するために、個人情報と滞在期間中の予定を申告しなければならないと説明されています。

 このアプローチは、何よりもまず、国境管理を強化しながら到着者の管理の改善することを目指しています。

 このJESTAシステムは、通常90日までの短期の観光または商用滞在のビザ免除旅行者を対象としており、旅行者は出発前に訪問理由や宿泊先の住所などをオンラインフォームに登録する必要があるそうです。

 日本政府は「管理を強化し、入国審査を円滑にするためにも、このシステムを早急に稼働する必要がある」としています。

 旅行者は出発前にJESTAを取得しておく必要があり、この申請が拒否された場合は、日本行きの飛行機に搭乗できなくなります。

 これにより、最初からリスクプロファイルを特定することができ、不正な滞在を防ぐことが可能になるそうです。とはいえ、不正に滞在しようとしている人々は、正面から、正規の方法では入国しないのでは?などと思ってしまいます。

 とりあえずは、このシステム導入は良いことだとは思いますが、その後のこの情報をどのように管理できるのかも疑問が残るところでもあります。

 もっとも、このJESTAに関しては、日本人には必要ないものなのですが、今後、多くの国では、同様のシステムが日本よりも早くに導入されるので、行く先々で、その国の渡航認証システムを取得する必要が出てくる・・そんな時代になりました。

 もうパスポートだけじゃ旅行できなくなるのね・・。


JESTA オンライン事前申告渡航認証システム


<関連記事>

「英国入国の際に必要になったETA(電子渡航認証)」

「海外在住者の本人確認はパスポートではできない不思議」

「日本人のパスポート保有率の低下に思うこと」

「入国審査 世界最強と言われる日本のパスポートでも起こる悲劇」

「滞在許可証更新手続きのトラブル アクセス不能なフランスのお役所」


 

2025年3月30日日曜日

朝食が好き 最期の晩餐は朝食がいいかもしれない・・

  


 最近のマイブームは朝食で、いわゆる朝食っぽい食事が自分は好きなんだな~と、あらためてそんなことを思っています。

 日本に行ったときに、温泉に行ったりしたときの、温泉旅館の和朝食などは、私にとっては、究極の朝食で、豪華な夕食は温泉の楽しみのひとつなのですが、さんざん食べ尽くした翌朝でも、ごきげんで食べられる朝食もその楽しみのひとつです。

 朝から、こんなにたくさん!と歓呼する旅館の和朝食はもちろんのこと、ふつうの家庭でも食べるような、ごはんとお味噌汁、納豆、お漬物、のり、たまご焼き(それに魚の干物などあったら、すごいですが・・)などの朝食も、海外にいれば、もの凄いご馳走です。

 以前、職場にいた同僚が子どもと日本に帰国していた際に、子どもが、実家のお母さまが用意してくださった、いわゆる、ごくごくふつうの和朝食に、「晩御飯みたいな朝ごはんだね!」と言ったという話には、当時も今も、大きく頷ける感じがしたものです。

 しかし、私は、トーストに簡単なサラダにコーヒーなどの朝食も、これもまた好きです。朝でなくとも食べたくなるような食事です。

 私はフランスでは、朝からお米のご飯を食べることは滅多にありませんが、いわゆる、朝ご飯みたいな晩御飯を食べるときは、とっても贅沢している気分です。

 私が子どもの頃は、父は、1日に一度はお米を食べないと気が済まない人だったので、たいてい父は朝からご飯とお味噌汁、焼き魚と納豆、あるいは、卵焼きなどとお漬物・・という食事で、朝、パンを食べるのは、お休みの日で、スープ(トマトとか、コーンとか、クラムチャウダーとか・・)とツナ缶とか、イワシのトマト煮とかを添えたサラダとトーストというのが定番でした。

 母に言わせれば、パンだと手間がかかるから・・ということでしたが、なるほど、今、思い返せば、今の時代ならともかく、私の子どもの頃ですから、スープといっても、大皿にスプーンで飲むようなスープで、今でもあの頃の食卓が思い浮かびますが、母も大変だったろうな・・と思います。

 今の私がパンにサラダにコーヒー・・なんていう簡単な感じではありませんでしたが、それでも、今、思い起こせば、私が自分で作っているサラダ用のドレッシングは、あの頃、母が作ってくれていたドレッシングと同じ味だと思います。

 そして、これは、今となっては、ほんと、滅多に食べないけど好きなのは、イギリスの朝食で、これは、私がイギリスに留学していた頃、ほんのわずかな期間、ホームステイしていた家庭で出してくれた、いわゆるイングリッシュブレクファストで、薄切りのパンをトーストしたものに、ベイクドビーンズ、焼いたトマト、ソーセージの朝食で、たまにM&S(マークスアンドスペンサー)に行ったりすると、このベイクドビーンズの缶詰を買ってみたりすることもあります。

 当時、最初にこの朝食を見た時は、「なにこれ?朝から、グチョグチョな豆・・」とゲッソリしたのを覚えていますが、その家庭で出してくれる料理の中では、朝食が一番マシ(失礼!)で、それも、ごくごく短期間だったので、今では懐かしい・・私にとっては、なんとなく郷愁を感じる朝食でもあります。

 おかしなことに、なんと一番長く生活しているフランスでは、フランスらしい朝食というものは、あんまり食べずに来たのですが、夫は、よく縦半分に切って、ちょっとトーストしたバゲットにバターなどを塗って、コーヒー(カフェオレ)に浸して食べていたので、これがフランス人の食べ方なのね・・と、一緒にそんな食事をしていたこともありました。

 夫が生きていた頃は、私は日曜日も仕事のことが多かったので、滅多にチャンスがありませんでしたが、ゆったりした日曜日の朝には、夫が「クロワッサンとか、パンオショコラ買ってこようか?」と、ものすごく素敵な提案をしてるアピールをしてくれていたことがあったので、夫にとっては、平日はバゲットにカフェオレ、お休みの朝食はクロワッサン・・そんな朝食が理想だったのかもしれません。

 いずれにせよ、今は朝食を抜いてしまったりすることも多いのですが、朝食を朝、食べないだけで、昼に食べたり、夜に食べたりしていて、あらためて、私は朝食というものが好きなんだな・・などと思っています。

 よく最後の晩餐というか、人生の最期に何が食べたい?なんていうことを言うことがありますが、私は、和食にせよ、洋食にせよ、簡単な「朝食」が最期に食べたい食事かもしれません。


朝食


<関連記事>

「海外から見ると日本人の食卓はとてもレベルが高い」

「脅威の時差ボケ 私は日本の食材の山を見ただけで時差ボケする」

「日本のパン屋さん 日本のパン」

「クルッキー(クロワッサン+クッキー) の元祖 Maison Louvard メゾン・ルヴァール」

「2023年パリ・バゲットコンクール グランプリ受賞のバゲット オー・ル・ヴァン・デ・ピレネー」


2025年3月26日水曜日

統一教会解散命令 フランスでの統一教会についての報道は安倍元首相襲撃事件とセット

  


 統一教会はフランスでは、Secte Moon(セクト・ムーン)と呼ばれていますが、先日の「日本の司法が統一教会に解散命令を出した」というニュースは、フランスでも、もっと大々的に扱われるかと思ったら、新聞各紙は一応報道しているものの、ほんとに「まあ、一応・・」といった感じで、あんまり大きくは扱われていません。

 そもそも、フランスでは、皆無とまではいかないまでも、そこまで浸透していないというか、反セクト法のおかげで、日本ほどの悲惨な被害が出ていないこともあって、あまり知名度はないかもしれません。

 統一教会といえば、最近で、最もその名を知らしめたのは、安倍首相がこのセクトを応援していたことにより、一家が崩壊してしまった家族の一員がその恨みを持って、公衆の面前で銃撃?したという事件によるもので、今回も統一教会解散の報道は、この「安倍元首相銃撃事件をきっかけに、統一教会は解散になった・・」というような説明の仕方です。

 まあ、この暗殺事件がなければ、未だに解散命令という運びにはなっていなかったかもしれないので、この暗殺事件がきっかけになったことは、事実だと思うのですが、私個人としては、「反セクト法」を制定しているフランスとしては、統一教会がこの「反セクト法」にばっちりひっかかる宗教団体であることが認められたために、解散命令が出たのだということ・・そして、フランスには、この「反セクト法」があるから、日本のように甚大な被害に拡大することがなかったんだよ・・ということを、しっかり説明してほしかったと思いました。

 まあ、あまり知名度のない団体に関しては、あまりニュースバリューもないのかもしれないので仕方ありません。

 ただ、ここのところ、あれから30年・・という話がよく出てくる気がするので、ついつい言いたくなるのですが、オウムの地下鉄サリン事件以降、それをきっかけにして、参考にして、議論されたセクト(新興宗教)についての問題に対応して、数年後に「反セクト法」を制定したフランスと違って、日本では、オウム真理教には、解散命令は出たものの、その他の新興宗教に関しては、特別な対応を取らずに放置した結果、被害者は増え続けてしまったのです。

 今回、ようやく解散命令が出たといっても、まだまだ実際に解散に至るのは、先のことでしょうが、まず、ようやく遠くに光が見えたというところかもしれません。

 ただし、信仰というものは、そう生易しいものではないはずなので、このおかしな資金の集め方や勧誘の仕方、政治とのかかわりなどとは、また別。

 そのうえ、あまりに長い年月が経過しているために、この信仰のもとに家族を育んで、育ってきた子どもたちも、もう大人になっているような複雑な問題(宗教2世の問題)になっています。

 信仰は尊重されるはずのものなので、この解散命令と信仰の心の問題は、同時にしっかりと対応し続けなければならない問題でもあります。

 そういう意味でも、この宗教がらみの問題は、他の詐欺事件などとはまた、別の意味でより罪深いものであったと思わざるを得ないのです。

 実態は、解散命令が出されるような団体に政治家がかかわり、相互に利用しあっていたことは本当に許されざることで、統一教会だけ成敗するのでは片手落ち、それを利用していた政治家も成敗してもらいたい気持ちです。


統一教会解散命令


<関連記事>

「地下鉄サリン事件から30年 フランスの反セクト法」

「マクロン大統領は安倍元総理の国葬には参列しない」

「安倍晋三の神話は崩壊した」

「フランスの報道機関が指摘する安倍元総理と統一教会についての日本での報道と警察と政府、報道機関の歪み」

「海外での新興宗教の勧誘」