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2024年11月11日月曜日

友だちと旅行に行くのも色々、難しい・・

  


 最近は、日本に一時帰国をする際には、必ず、日本国内をできるだけ旅行したいと思って、予定を組むようにしていますが、これが、なかなか簡単ではありません。

 そもそも、私がまだ日本に住んでいた頃は、私もまだ若く、どちらかというと、海外旅行ばかりに目が向いていて、国内は、実家の山小屋がある場所や箱根やせいぜい伊豆程度で、あまり日本国内を旅行していませんでした。

 あの頃は、むしろ、安いチケットなどを探せば海外旅行の方がなんだか割安感があったし、むしろ、国内旅行の方が割高な気がしていて、国内旅行は、もっと歳をとって、海外旅行がしんどくなったときにしよう・・と思っていました。

 もうすでに、場所にもよりますが、海外旅行はけっこう、しんどい(フランス⇔日本は直行便で15時間フライト程度)のですが、現状、フランスに住んでいる以上、日本の国内旅行をするためには、まず、この15時間フライトのハードルを越えてからになるので、これから先はよりしんどくなる一方なので、日本に行った時には、ここぞとばかりに旅行したいと思っています。

 それでも、若い頃は、私の世代の女性としては、海外・国内ともにけっこう旅行している方だったと思うのですが、あの頃は、だいたい友だちと二人で・・ということが多かったと思います。

 お互いに独身だったし、同じ会社の友だちとか、学生時代の友人とか、身近な友人の間で、まあ、お互いに比較的、自由に気軽に決められていた気がします。

 フランスに来てからは、娘が巣立つまでは、もう娘の学校のバカンスを埋めるためにスケジュールを調整するのが精一杯で、また、日本に行っても両親がいる頃は、常日頃、親のために何もしてあげられないので、日本にいる間くらいは・・介護というほどのことではなくとも、なんとか、生活しやすいように家の中を整えたり、介護の手続きをしたりと、病院に行って、お医者さんに会ったりとか、そんなことに大忙しでした。

 今、私は、もう娘も巣立ち、両親も他界してしまったので、日本に行っても、自分の好きなように旅行をしようと思えばできるようになったのですが、ところが、友人たちの方は、それぞれの生活があり、忙しく仕事をしていたり、親の介護に追われていたり、また、懐事情にも色々あって、なかなか一緒に旅行をするのも難しいのです。

 両親が隣に住んでいるという友人もついこの間、急に母親が入院してしまって、家に残った父親の世話と入院している母親を見舞うのにてんてこまい・・また、もう一人は90過ぎの母親と同居していて、もうとても2日以上は家を空けられない・・と完全にがんじがらめの状態。

 旅行先や旅費にかけられる予算というのもまた人それぞれで、私の方は、せっかく行くのだから、多少の出費は仕方ない・・もうおそらく二度と来ない場所への旅行だったら、少々贅沢してもいいな・・と思っているのですが、これがまた、そのあたりの感覚が合わないも場合もあって、そもそもそんなに友だちが多くない私で、もうなんなら、友人と旅行するのは諦めて、娘を誘って行こうかな?と思ってしまいます。

 娘と旅行する場合、これ、お誕生日プレゼント、あるいは、クリスマスプレゼントの代わりにしといてね・・と旅費は私が払うのですが、友人の場合はそういうわけにも行きません。

 結果的に、ここ最近、私が旅行したのは、友人と・・というのはごくごくわずかで、娘と旅行ということが圧倒的に多いです。

 私自身は母親と二人で旅行ということなど、一回くらいしかしたことがなかったので、ずいぶん親子関係も違うな・・と思います。まあ、それはそれで、それぞれで良いなと思っています。

 なんなら、一人旅というものも、してみたいと思いつつも、今のところは、なかなか踏み切れずにいますが、いつか挑戦したいとも思っています。


旅行


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2024年11月6日水曜日

自分が死んだときのことを考えていたら・・

  


 ここのところ、トゥーサンだったり、夫の命日だったりで、珍しくお墓参りをしたりして、なんとなく、自分が死んだときのことをぼんやりと考えています。

 まあ、今のところ、具体的に差し迫った予定?はないものの、いつ何があるかわからないし、いつかは必ず死ぬということだけは、確かなことです。両親も夫も他界しているとなると、次は私の番と思うのです。くれぐれも、娘には、この順番は守ってほしいとだけは切実に思います。

 常日頃から、わりと「死」については考えることも多く、大学やその後もホスピスなどの勉強をしてきたので、家庭内でも「死」についての話題は避けないようにしてきたつもりです。大方のことは、娘に話してあるし、そんなに大きな金額ではないけれど、日本とフランスにバラバラと散らばっている銀行などの口座についても書き残してあります。あとは、具体的に誰に知らせてほしいとか、そんなことも書き残しておいた方がいいかな? などと、ぼんやりと考えていたのです。

 私の場合、今の現状を考えると、圧倒的にフランスにいる時間が長いので、フランスで死ぬ確率が高いので、日本の友人等は、知らせたところで、仕方ないとも思うのですが、それでも数人だけ、親しい友人には知らせてほしいかなと思っています。でもその他の人々には、「そういえば、あの人亡くなったんだってね・・」、「へえ~~」というくらい、ひっそりと、消えていきたいです。

 いつか、娘に「私が死んでも、お葬式はしてくれなくていいよ・・」と言ったら、「お葬式は死んだ人のためだけにするものではないよ!」と怒られたので、「じゃあ、あなたがやりたかったら、やってもいいけど・・あまりお金をかけるのはもったいないからね・・」と言いつつ、同時に、娘もいつか来るであろうそんな日のことを考えることがあるのだろうか?とビックリした覚えがあります。もう、そんな話をしてから、何年も経っていますが・・。

 それは、残された娘のために何かの繋がりとか、心の中を少しでも埋めてくれるものなのか?は、わかりません。まあ、お葬式が好きという人もいないと思いますが、私自身は、お葬式に会社や仕事の義理でやたらと人が集まるお葬式は嫌いです。

 幸か不幸か、今、娘は日本にいるし、日本の私のごくごく親しい友人たちと娘は、娘が小さい頃から日本に行く度に一緒に会っていたので、正直、親戚のおばちゃんに近い存在で、今でも私がいなくても、個々、一緒に食事をしたりすることもムリなくできる間柄であることは、ありがたいことです。

 しかし、考えてみれば、彼女たちは、ほぼほぼ私と同い年。向こうだって、いつなにがあるかわからないし、もしかしたら、私の方が長生きしてしまうかもしれません。それならそれで、もし、彼女たちに次の世代の子どもがいたら・・娘とも付き合いが続くのに・・と、一人一人、顔を思い浮かべて、あらためて考えてみたら、なんと、私のごくごく親しい友人で子供がいる人は、一人もいませんでした。今さらですが、ちょっと衝撃的でした。

 私が子どもの頃、若い頃は、なんとなく、女の人は、ある程度の年齢になれば、自然に結婚して、結婚したら会社を辞めて、子育てして・・とそれがあたりまえのようなことだと思っていて、いつまでも結婚せずに会社にいるオールドミス(今はもちろん死語だと思いますが・・)になんて自分は絶対になるわけない!などと思っていました。

 今から思うと、今とはずいぶん価値観が違いますが、私が子どもの頃はそんな感覚だったのです・・。というと、おばあちゃんの昔話みたいですが・・。

 ところが、どういうわけか、仕事のことは別として、私の周囲には、子どもがいる人が全然いなくて、むしろ、私よりも良いママになりそうな子ばっかりなのに、私に子どもがいることの方が奇跡的な気さえしてしまいます。

 彼女たちは、経済的に困窮しているわけでもなく、結婚していたり、していなかったり、立場は様々ですが、あらためて、考えたこともなくて、付き合いはそれぞれ別々なのですが、誰にも子どもがいないのです。しかし、自分の身近でもこんなんだから、やっぱり、日本の少子化って、大変なことなんだなとつくづく思ったのです。

 彼女たちの家などは、全部、空き家になるんだろうか?と思ったら、まったく凄い話です。


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2024年11月4日月曜日

フランスの政治と日本の政治 似ているところと似ていないところ

  


 ここのところ、日本の衆議院選挙のために、日本の政治に関わるニュースはできるだけ見るようにして、自らも在外投票に行き、選挙の行方をうかがっていたら、自民党が大敗し、その後も全く日本の政権は落ち着く様子がありません。

 アメリカも大統領選挙を目前に控え、フランスでもこのアメリカの大統領選については、毎日のように報道しているし、この政権の行方もまた目が離せません。

 フランスは、今年の前半の欧州議会選挙の結果を受けて、マクロン大統領が突然、国民議会の解散を発表して、急に選挙という運びになり、結果は、どの党も過半数に達しない不安定な状態に陥り、首相任命まで1ヶ月近くかかるという異例の事態になりました。

 そもそも、フランスの場合、結果論ではありますが、欧州議会選挙は欧州議会選挙で、国民議会は別として国民議会の解散などする必要もなかったのに、マクロン大統領の暴走ともいうべく解散・総選挙の発表は世間を驚かせました。

 フランスは大統領制なので、日本とはシステムが違いますが、選挙の結果はこれまでのような過半数を持つ政党がなくなり、それでも、第一党となった党から首相が任命されるかと思いきや、そうでもなく、なんとなく不安定な感じです。以前にくらべると政府の求心力が下がった気がします。

 現在、フランスは来年度の予算案の端々が漏れ聞こえてきていますが、とにかくパンデミックや戦争やインフレの際に大盤振る舞いで放出したツケの財政赤字を埋めるために、とにかく引き締め引き締めの話しか聞こえてこない感じで、社会保障費の削減や公務員削減とか、不景気な話ばかりです。

 それでも、日本の政党の政治家たちの攻防を聞いていると、とにかく赤字続きの日本の国民の消費を促し、経済を回さなければ・・などと言っているのを聞くと、特にフランスでのパンデミックでロックダウンになった時などの国の補償がかなり手厚かったことを思い出します。

 コロナウィルスに関しては、フランスは日本よりも被害が甚大で、かなり長い期間、長短の差はあるとはいえ、飲食店や映画館など人の集まる施設が営業できなかった期間、政府は各々の店舗などに前年度の売り上げを基に、補償金を支払っていました。

 それでも、倒産した店舗などもありましたが、それによって救われた人は多かったと思います。

 今から考えれば、大変な大盤振る舞いで、そのツケはそれこそ高くついているのが今の引き締め財政に繋がっているのですが、それでも、ロックダウンが解除され、これまで閉じ込められていた国民は、閉じ込められていた期間に使えなかったお金を一気に使い始めた時期がありました。もともとバカンス好きの国民、ロックダウンが解除されて、皆、バカンスに出かけたり、やたらと買い物したり、その間にため込んだお金を国民は一気に使いました。

 それもこれも、一律10万円とかいう補償でもなく、その人の収入に準じた補償が速やかに支払われたので、これは大したものだったな・・と思います。

 今は、さんざん、ああでもないこうでもないと揉めに揉めた結果で1ヶ月の期間を経て首相が任命されましたが、日本でいう与党がいない感じはフランスも同じです。

 フランスの大統領は、2期8年までしか政権を続けることができない決まりになっているので(8年続けた後は、少なくとも1期休み、その後、再び立候補することは可能です)、日本の自民党ほどには、長期政権ということにはなりませんが、それでも、マクロン大統領も2期目に入った頃からは、かなり強引なやり方が目立つような印象を受けるので、あまり政権が長くなりすぎることは、よくないのかな?と思います。

 ただ、フランスの場合は、あまりにも横暴なやり方をすれば、国民もマスコミも決して黙っていることはないので、たちまち、暴動騒ぎになるし、マスコミも糾弾します。

 すぐに暴れて、街を破壊したりし始める国民に最初は驚きましたが、おとなしすぎるのもいかがなものかと思います。

 国民議会選挙後は、前政権体制に比べて、めっきり発信力が弱くなった感のあるフランスの現政府です。

 日本は、いつまでやってるの?裏金問題・・統一教会問題・・と思うところもありますが、悪いことを罰することができない政治のシステムを変えてくれなければ、どうにもならないので、なんとかしてほしいです。

 色々な意味で、世界中、それそれの国の政情が不安定・・でも不安定だからこそ政府にはしっかりしてほしいものです。


フランスの政治と日本の政治


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2024年10月28日月曜日

日本の選挙結果に関するフランスの報道

  


 今回の日本の衆議院選挙の結果は、深刻な日本の経済状況などからも、とても気になっていたし、自分自身も在外投票にも行ってきたし、とても気になって、少しずつ発表されていく当選・落選の行方をネットでずっと見守っていました。

 結果は自民・公明の大敗という結果でしたが、だからと言って、すぐに政権交代して、ガラッと日本が変わるというわけでもなく、まだまだ目が離せない状況が続きそうです。

 そして、フランスでは、今回の日本の選挙はどんな風に報道されているのかな?と、一応、目を通してみました。

 「自民党は2009年以来、ほぼ前例のない過半数を大幅に下回る結果となった」、「自民党と連立していた公明党もまた大幅に議席を失い、連立でさえも、過半数に満たない大敗に終わった」とまず事実を説明し、これに至った原因として、金融スキャンダル、統一教会問題などを挙げています。

 それに加えて、石破茂氏は、「公平、公正、誠実な党として新たな基盤で再スタート」したいと明言したにもかかわらず、総裁就任直後に、早期解散選挙を宣言し、夫婦別姓の可能性やキャピタルゲイン課税の強化など、当選以来いくつかの問題で方針を転換したことに加えて、裏金議員への偽装非公認・非公認としながら、裏で2,000万円を援助していたことがスクープされたことなどを挙げています。

 この内容は、ほぼ日本で報道されている内容と同様のものですが、一部、この偽装非公認の2,000万円問題のスクープ記事元が朝日新聞となっていることが奇妙でした。(日本では、赤旗のスクープだと言っていましたが・・)

 特にこの2,000万円問題は、購買力を侵食する持続的な価格高騰が有権者の不満を煽っているにもかかわらず、野党の激怒と有権者の怒りを引き起こすには十分だったと説明しています。

 自民・公明の連立政権を維持するには、より広範な連立を構築するよう努める必要があり、これは明らかに行動能力を制限することに繋がり、政府は麻痺する危険があり、日本では、不確実性と政治空白の時代が始まると見ています。

 また、この選挙結果は、このシナリオに慣れていない金融市場をパニックに陥らせる可能性があるとアナリストが警告しています。

 まったく、さんざんな書かれようですが、事実なので仕方ありません。

 ただひとつ、好意的に評価されていたのは、「今回の選挙で選出された女性の数は、これまでの2009 年の記録である 54 名を上回り、70 名でした。今回の選挙に立候補した女性は 314 名で、全候補者の 23.4 % に相当します。この結果により、日本は2024年に世界経済フォーラムが定める男女平等ランキングで146位中118位と順位を向上させることになるだろう」という点だけです。

 また、フランスの報道には、記載されていませんでしたが、私が特にショッキングだったのは、相変わらずというか、ほぼ記録的な投票率の低さということで、これは、本当に深刻な問題だと思います。

 日本で生活していて、日本経済や暮らし向きなどなどが悪化していることは実感しているだろうに、にもかかわらず、選挙に行かないという無責任というか、無関心というか、ちょっと○○なのか? 文句は言っても、最低限の投票という義務を果たさないのは、本当に意味がわかりません。

 フランスならば、こんな低い投票率は大スキャンダルです。

 よく知らないとか、よくわからないとかいう人がいますが、知らないなら、知る努力をしなければいけないし、今はそれこそネットだってなんだって、いくらでも情報はあります。必ずしも正しい情報ばかりではありませんが、数を見ていれば、どれが本当だろうか?ということは、見えてくるものです。

 日本の失われた30年は、たしかに政治家に一番の原因がありますが、この投票にさえ行かない国民にも大きな責任があります。


衆議院選挙についてのフランスでの報道


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2024年10月22日火曜日

「1990年代の日本の軌跡を辿る中国経済」という記事

  


 先日、仏レゼコー紙に掲載されていた「1990年代の日本の軌跡を辿る中国経済」という記事を見つけて、あらためて、1990年代からの日本経済の失敗が紹介?されていることに、愕然とする思いでした。なんか身内同士で悪口を言い合うのはまだしも、外野から言われると傷つく・・そんな気持ちでした。

 その記事によると、「多額の債務、不動産バブルの崩壊、人口の高齢化、成長の鈍化、デフレの蔓延、米国との緊張を悪化させる重商主義(重商主義は、国家の輸出を最大化し、輸入を最小化するように設計された国家的な経済政策)、そして消費よりも投資に基づいた経済モデル。 2024 年の中国には、1990 年代初頭の日本と、いくつかの厄介な類似点がある・・」と始まります。

 「日本は、長年にわたる過剰債務によって生じた不動産バブルの崩壊後、長期間のデフレと低成長を経験している・・一方、中国の公的債務と民間債務の総額はGDPの245%に達しており、30年前の日本よりも高い水準にあり、中国の労働人口は減少に転じており、2050年までに総人口は2億人減少すると予想され、中国の人口動態の変化は、やはり日本よりも早いと見られている」

 「中国経済において輸出は依然として重要であり、かつての日本のように米国からの保護主義波の圧力を受けている・・不動産バブル崩壊後の中国の家計の不信感が貯蓄を促し、内需の圧縮が起こり、経済全体を弱体化させているにもかかわらず、供給側政策を実践し続けている・・しかし、歴史上、GDPに占める消費の割合が増加せずに先進国の生活水準に達した国は例がない」

 「輸出と投資だけでは経済を永久に推進するのに十分ではなく、これを続ければ日本と同様の罠に陥る危険があり、ほとんど進歩していない生活水準に留まり続けることになる」とエコノミストが強調しています。

 しかし、1990年代の日本と現在の中国を明確に区別できる点もあり、現在の中国のGDPは、30年前の日本を上回っており、何よりも、中国は国家が経済分野全体を支配しているということで、為替レートは当局によって設定されており、これにより人民元の過小評価が維持される。したがって、日本に起こったことは中国には起こらない。

 1985年に日本はドル安と円高を目的とした米国および欧州諸国とのプラザ合意に署名し、その結果日本の輸出の活力が低下したが、中国は政府が大手銀行と金融セクターの大部分を管理しており、資本規制により貯蓄の国外流出が防止されているという事実により、中国は、そのディリジスト・モデルが生み出す過剰投資や不良投資に関連する損失を経済主体に配分することができるようになっているが、日本のような自由主義経済には当てはまりませんでした。

 「最近の不動産部門の粛清はその一例で、10月に発表された再建計画では、大手銀行の資本増強が計画されておる、政府は不動産部門の統合を推進することで、不動産リスクを小規模銀行から大規模銀行に移している・・したがって、中国は経済の「日本化」を回避する可能性を秘めていると思われる」

 「多額の債務、輸出に依存したモデル、高齢化、成長の鈍化」最後に再び、このワードを羅列して、「1990 年代の日本に似ている地域がもう 1 つあり、それはヨーロッパです」と締めくくっています。

 私もそんなに経済について詳しいわけではないので、ご丁寧に説明してくれてありがとう・・と半分、嫌みというか、自虐的な思いで読みながら、この記事に一貫して書かれていることは、日本がこの30年間の失敗経済・失敗政策のモデルのように使われていることで、いかに日本がダメであったか? 経済の「日本化」=経済の失敗という意味で引用されているわけで、事実だから仕方ないとはいえ、つくづく情けない気持ちになりました。


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2024年9月21日土曜日

日本の新しいパスポートについて これまでに比べて最短でも3倍以上の時間がかかるってなんだよ!

  


 「偽造防止対策を強化した新しいパスポートが来年3月から発行されることになりました。これにあわせて、オンラインによる新規申請も可能にして、利便性を向上させるとしています」こんなふうに、日本のニュースには書いてありました。

 外務省によると、現在のパスポートでは、個人情報を登録したICチップが内蔵された厚いプラスチック製のページと顔写真が掲載されたページが別々になっているのを一体化し、特殊なレーザーで印字することで複写ができず、偽造されにくくなるということです。

 一見、というか、パスポートそのものは、精巧なものになるようですが、海外在住者にとっては、ちょっと信じ難い結果に閉口しています。

 というのも、この日本の新しいパスポートは、全て日本国内で作成されるようになるということで、これまで申請から約1週間で受け取れていたパスポートが最短でも3週間はかかるようになるということで、時代の変化に伴い、時短、便利になるところが、3倍以上の時間がかかるようになるという信じられない事態になります。

 こうなってくるとオンライン申請は必須で、さもないと、書類を一端、大使館に提出して、大使館から日本の外務省に送付、日本の外務省でパスポート作成ののち、また、こちらの大使館に送付・・と往復の時間がかかるわけで、相当な時間になりそうな予感がします。

 これと同じようなことをやっているのが、在外選挙登録で、この在外選挙登録をフランスの日本大使館に申請してから、日本の外務省に送られ、そこから、管轄の市区町村に送られるとかで、在外選挙人証を受け取るまでに、3ヶ月以上かかりました。

 来年の3月以降のことなので、具体的にどのくらい時間がかかるのかは、不明ですが、最短でも3週間というのをどの程度に見積もっていいのか?様子をうかがう必要があります。

 海外生活において、旅行でもしない限り、日常では、あまり必要ないパスポートではありますが、実のところは、日本人として、命綱でもあるパスポートです。フランスの日本大使館からは、来年3月からの申請には、交付までに時間がかかるようになるため、「残存有効期限が1年未満の場合には、早めのパスポート切替申請をご検討ください」とのことで、失効の1年前から検討せよ!とは、気が遠くなる気がしています。

 また、大使館には、いつまでもカード払いではなく現金払いが強いられてきましたが、さすがにオンライン申請でカード払いを登録すれば、オンライン上の支払が可能とのことですが、これまた領事館の場合は当面の間、現金のみとのことで、今どき、支払いにカードが使えない公館なんて、全く信じられない話です。

 まったく、なにもかもがスピーディーになり、便利で簡単になってきている現代社会で、この時代に逆行するような不便になる話。偽造しにくいパスポートにしても、もう少し、なんか別の方法はなかったものなのか?と本当にウンザリしています。


日本の新しいパスポート


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2024年9月14日土曜日

日本製品で海外で是非、売ってほしいもの・・日本の薬

  


 海外在住者にとって、日本に一時帰国するときには、買って帰りたいものが山ほどあって、日本に行く前から、思いつくたびにリストアップして、日本滞在中に欲しいものを買い集めて、持って帰ります。

 私の場合は、その大部分は食料品なので、必ずしも全ての人と同じとは思ってはいませんが、逆に?外国人だって絶対に欲しいだろうし、大々的に日本から輸出して、こちらで事業展開してくれたらいいのに・・と思うものもあります。

 最近、自民党の総裁選挙の答弁などを聞いていると日本の国力が低下したとか、経済を上向きに・・などと話しているのを耳にしますが、まさに海外にいても、海外での日本製品が減ったのは、実感するところでもあります。

 一番、わかりやすいのは家電のお店で、私がフランスに来たばかりの頃、25年くらいまえは、電気屋さんに行けば、SONYをはじめとした日本の製品がずらーっと並んでいて、なんだか誇らしい気もちになったものですが、今は、日本の製品はほぼほぼみかけなくなりました。

 ルーブル美術館などに行っても、大きく日本企業が名前を連ね、ここは日本の美術館か?と思うほど、逆に興ざめな思いをしたくらいですが、それもすっかりなくなりました。

 現在、こちらで、日本企業の名前を頻繁に見かけるのは、TOYOTAくらいなもので、かろうじて、この間のオリンピックの際のスポンサーでもあったブリヂストンくらいでしょうか? あとは、日本食ブームですっかり市民権を得た感じのお醤油 Kikkomanも頑張っている感じ・・あとはマンガ・アニメですが、日本企業!というのかはわかりません。

 でも、日本に行って、ここぞとばかりにフランスに持って帰りたいものは山ほどあり、故人の嗜好で選ぶ食料品は別として、フランスで事業展開したら、きっと売れるだろうな・・と思うものは、薬です。薬といっても、やばい薬ではなく、特に私がいつも買って帰るのは、目薬とかゆみ止めの薬、胃腸薬などなどの簡単な薬です。

 目薬は、日本のように簡単に使用できる目がスッキリするような目薬はなく、また、最近、温暖化の影響で夏に虫さされが増えたにもかかわらず、即効性というか、かゆみが一瞬にしておさまるような虫さされの薬があまり、ありません。

 以前は湿布薬なども買ってかえっていましたが、とにかく、なんというか、薬というか、身体を心地よい状態にする・・程度の薬がなかなかありません。つまり、日本のマツモトキヨシとか、ドラッグストアーにあるような商品があったらいいのに・・と思います。

 薬のため、輸出入の規制があり、難しいのかもしれませんが、最近、日本に行くと、渋谷などには、たくさんのドラッグストアーができていて、免税可能!などという看板を掲げているので、外国人の需要はそれなりにあるのだと思います。

 フランスの薬局は、ビオコスメなどのお店と併設している場合はともかく、日本のようなドラッグストアのようなお店ではなく、処方箋があれば、奥から出してきてくれますが、その多くは同じ薬が横並びにいくつもある、実に退屈なお店です。

 以前は、保険でカバーされるために、薬屋さんやメガネ屋さんは、隆盛だった時期もありましたが、最近は保険にさえも入らない人も増えたためか、メガネ屋さんも数が減ったし、薬局も減少の一途を辿っているそうで、なにか起死回生の手が必用なようです。

 たしかに日本の薬局は、私は、ぜひ、買って帰りたい、目薬や虫さされの薬の他、ヘアカラーや温泉の素からキャットフードまで、欲しいものがたくさんあって、新しいものもたくさんあって、フランスのビオコスメのお店よりもずっと楽しいです。

 日本には、あたりまえのようにあるもので、海外には、ないものが実はまだまだたくさんあるので、そういう製品を作り出している日本の企業は、まだまだ海外に市場を拡大できるチャンスがあると思っています。

 他にも、日本食がこれだけ人気で、おにぎりなんて飛ぶように売れているし、美味しい日本米をバンバン輸出してほしいし、日本の多彩でバラエティに富み、便利な冷凍食品が進出したら、どれだけ人気だろう!などとも思います。

 以前の家電や自動車のように大きなものではありませんが、それでも、まだまだ、あたりまえに日本にあるもので海外に売れるものは、たくさんあると思っています。

 がんばれ!日本!


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2024年9月4日水曜日

治安のよい日本におぼれている娘

  


 フランスで育った娘が日本で就職して、早や2年が経ちました。生まれた時から、日本語はしっかり教えようと、私としては、かなりしつこく娘への日本語教育だけは諦めずにずっと続けてきたので、その日本語も使えて、フランス語も英語も使いながら、現在、彼女が仕事ができていることは、私にとっては、何より嬉しいことです。

 小さい頃から、学校の長いお休みの時には、毎年、日本に連れて行っていたので、ある程度は、日本のことをわかっていたとは思いつつ、日本で生活を始め、しかも日本で仕事をするとなると、フランスとは習慣も文化も違うことがたくさんあり、さぞかし、困惑することもあるかも? そして、日本人の生活に馴染めるのだろうか?と親としては、心配なこともありました。

 彼女の仕事は、リモートワークが多いのですが、会議などで、「「お疲れ様でした・・」と言われるけど、何と答えればいいのかな?ほんとに疲れてはいるんだけど・・」などと聞かれて、「ああそうそう・・それは、挨拶みたいなもので、本当に疲れているかどうかの問題じゃないよ・・お疲れ様でした・・と言われたら、同じようにお疲れ様でした・・と言えばいいよ・・」と答えながら、そういえば、そういった、日常では何気なく使う言葉というか習慣のようになっている言葉があるんだな・・と苦笑した覚えがあります。

 最初に日本で生活を始める時には、家のことやら、最初に生活を始める最低限の手続き等のお手伝いをして・・と思って。一瞬だけ、ついていったのですが、習うよりは、慣れろ・・と言う感じで、彼女は仕事をしながら、そして、少しずつ友人を作りながら、遊びながら、少しずつ日本の生活に慣れていき、短い間に彼女は、転職までして、さらに良い条件の仕事を見つけ、日本での生活を存分に楽しんで、また、しっかり仕事もしているようです。

 彼女とは、たまに電話で話をしますが、そんな時、一応、尋ねることがあるのですが、「最近、なにも失くしていない?」ということで、我が娘ながら、本当にしっかりしている子なのに、なぜか、以前から、物を失くすことが多く、もう「え~~また~~??」ということが、時々、あります。

 まあ、人生の大事な部分がしっかりしていれば、よいのですが、やはり、日本に行っても、たまに思い出したように、「最近は、なにか失くしてない?」と聞くと、まあ、相変わらずやらかしているようで、ため息をつくしかありません。

 ただし、日本の場合だと、それが見つかる可能性が高いため、だいたいは、お財布だったりするのですが、最後に使った場所はどこだったか?を思い出して、聞きに行ってみると、たいていはでてくるため、もう慣れてしまって、最近では、「また、やっちゃった!」と思いつつも、「えへへ・・」くらいな感じになっていて、自分でも全然、焦っていないことに気が付いて、「えへへ・・じゃないよな・・」と自分で自分に突っ込みを入れているのだそうです。

 本当に「えへへ・・」じゃないです。そんなことがまかりとおるのは、世界広しと言えども日本だけ、「もうフランスでは生活できないよ・・」と。フランスだったら、失くさなくても盗られたりして失うこともあるというのに、そんなフランスで育った娘が今や日本の治安モードにどっぷり浸かってしまっているようです。

 もちろん、ふつうに日本人がそんなに娘のように忘れ物などをするというわけではないでしょうが、忘れ物を見つけても、ちゃんと取っておいてくれたり、しかるべきところに届けてくれるという・・こういうところは、日本人の倫理観の高いところです。

 日本の生活にしっかり馴染んでるかと思いきや、そんな慣れ方をしてしまっているとは、まったく想像外の慣れようです。

 私はフランスでも、落とし物を見つけたら、受付等に届けに行くようにしていますが、「えっ?なんで?」というような顔をされることさえあるので、届けたところで、後から探しに来た人の手に渡るかどうかも微妙な気がしてしまいます。まったくそんなフランスで育ったというのに、娘ときたら・・。


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2024年8月26日月曜日

日本を褒めてくれるのは、いつでも嬉しい

  

 

 先日、買い物から帰ってきたら、家のエレベーターの入り口あたりで、アパートの住民の女性に呼び止められました。

 彼女は同じアパートの住民の女性で、顔見知りとはいえ、顔を顔を合わせれば、挨拶をする程度で、実際に彼女が何階に住んでいるのかも、どんな家族構成なのかもよく知らないような感じなので、特にアパートで何か問題があったりした場合(そんなことも、まずないけど・・)くらいしか話をすることは、ありません。

 一応、ああ同じアパートに住んでいる女性だな・・という認識はあるという程度です。

 私が現在、住んでいるアパートは、私たちが引っ越してきて以来、20年くらいの間に、考えてみれば、ずいぶん住民もいつの間にか入れ替わって、わりと親しくしていた隣人のおばさんも引っ越してしまったし、あとは、たまに会えば、少し話をするのは、娘と同じ幼稚園に通っていた男の子のママくらいなもので、最近では、同じアパートの住民の人とは顔を合わせれば、挨拶する程度になっています。

 なので、誰かに呼び止められることなど、滅多にあるものではないので、先日、ちょっと食い気味に彼女に呼び止められたときには、「えっ?なんかあったの?」とドッキリしたのです。

 なんか揉め事?と思った私に彼女は、「あなた日本人ですよね・・」と・・。「実は私の息子が今、日本に行っていて(旅行で)、とにかく日本が素晴らしい!って大感激しているのよ・・!」と。

 パンデミック前には、日本行きの飛行機に乗ると、その大半はフランス人だったくらい、日本に行く(観光で)人が多くて、その頃には、日本に行ってみた感想を述べてくれ、日本を大絶賛してくれる人にけっこう出会う機会もあったのですが、ここのところ、最近は、あまりそんな話を耳にすることも少なくなったので、なんか、この日本を褒めてくれる感じが久しぶりな気がしました。

 彼女の息子さんは夏休みのバカンスでアジアを旅行しているらしく、台湾に行った後に日本に行って、もう、とにかく、何もかもが近代的で、きれいで清潔だし、メトロはピカピカだしパリよりもずっときれいで、きちんとしていて、人は親切だし・・食べ物は美味しいし、安いし・・色々な種類のものがあって・・!」と、まるで自分が行ってきたみたいに興奮して、その日本の素晴らしさに触れて感激している様子を私に伝えてくれました。

 その彼女が私に伝えてくれる一つ一つの、人々が親切とか、清潔、近代的とかいうことに、一つ一つ、「そうだろそうだろ・・」と内心思いつつ、しかも、「パリよりも・・」、とつくところで、さらに大きく頷きたくなるのでした。

 彼女の息子さんは、今、東京にいて、この後、京都などもまわるということで、今さらのなから、フランス人にとって、日本は非常に近代的な面と歴史が共存するフランスとは全くの異文化を感じられる魅力的な国であったということを思い出させてくれた気がしました。

 おそらく多くの日本人がフランスを異文化と感じる以上に実際に日本に行ったフランス人が感じる日本のインパクトはすごいんだろうな・・と思います。

 最近は、オリンピックのおかげ?もあって、パリのメトロもずいぶんきれいな路線などもできましたが、そうでないところも、まだまだ多く残っていて、未だに手動ドアのメトロなんかもあって、それはそれでよいとは思いつつ、清潔さという面から言えば、清潔であったのは、オリンピックの一時だけで、その時でさえも、むしろ、あまりの清潔さにパリジャンがびっくりしていたくらいです。

 東京は、人の多さも桁違いで、にもかかわらずあの清潔さを保ち続け、また、どこでも人が親切に対応してくれる奇跡のような街なのです。それでも、東京で生まれ育ち、今でも定期的に日本に行っている私などからしたら、最近、なんかトゲトゲしている感じの人が増えたな・・などと思うこともあるのですが、それでも、パリと比べれば桁違いに皆、感じよくて親切で、清潔で安全できちんとしていて・・と、あらためて、フランス人から賛辞を受けて、なんかやっぱり、日本って良い国なんだな・・となんか、嬉しくなってしまったのでした。

 逆に考えれば、そんないつもみんなが無意識にあたりまえのことと意識していない、親切で感じよい日本の中で生活している日本の人々がパリに来たら、「フランス人ってほんと感じ悪い!」と思うのも当然といえば、当然かもしれません。

 何をきっかけに彼女の息子さんが日本に興味を持ったのかは聞くのを忘れましたが、日本語の勉強もしているそうで、もしかしたら?マンガやアニメ?がきっかけなのかな?と思ったりもしました。

 うちの娘も今、日本に住んでいるの・・と言いながら、なんとなく、彼女との距離が少しだけ縮まったような気がしたのでした。


 

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2024年8月23日金曜日

アラン・ドロンは日本での驚異的な人気を誇りにしていた

  


 アランドロンの訃報が聞こえてきて以来、アランドロンに関する逸話が続々と語られているなか、アランドロンが日本で驚異的な人気があったということについての話があったので、少し興味深い気がして読みました。

 実のところ、アランドロンの全盛期、日本で最も人気のあった頃を私は知らないのですが、それでも、なんとなく美形の代名詞のように語られている感じは知っている・・それくらいだったので、当時の日本でのアランドロン人気について、彼の没後にフランスで語られているのを見て知るという、不思議な感じでした。

 私の記憶にはなんとなく彼の全盛期のイメージの面影があったので、フランスに来たばかりの頃、初めてフランスのテレビ番組(なんかのトークショーのような番組だったと思う)で彼を見かけて、あまりの変貌ぶりに驚いた記憶がありますが、それも20年くらい前の話、今から考えれば、あの時は、まだまだ良い方だったのです。

 ある、フランスの番組でのインタビューで、「あなたは、世界的なスターですが、とりわけ日本では驚異的な人気があることについてどう思いますか?」などと尋ねられたりもしていて、彼はフランスでも日本で驚異的な人気を得ていることが有名であったことがうかがえます。

 フランスでは、一時、彼はフランスよりも日本での方が人気があると言われることもあったようで、また、彼自身も自分を「日本における生きる神」のような存在であることを公言することを好んでいたとも言われています。

 彼自身はインタビューの中で、自分が日本で人気がある理由について、「日本人にはある種の白人に対する憧憬のようなものがあり、それに自分の美貌と理想的な男性像、映画の成功が重なった結果であり、人々は私の手に触れるだけで、私が指にキスするだけで、大きな喜びを感じている・・」というようなことを語っています。

 これだけ冷静に聞くと、ちょっと小馬鹿にされているというか、鼻もちならない嫌みな感じがしないでもありませんが、彼はまた、映画「太陽がいっぱい」の成功によって、その容姿と神秘的で野心的な側面だけでなく、哀しく孤独で冷笑的でもある暗い側面が、敗者を励ますことを好む日本の観客にとって非常に魅力的に映った結果でもあると、日本人の国民性も考慮した分析もしています。

 彼は日本での人気を映画の興行だけではなく、ビジネスとしても充分に活用し、1970代には、日本で販売するフレンチ シックの大使のような存在となり、日本のメンズスーツブランド・ダーバンやマツダ車のCMに登場し、後には、自身のブランド「アラン・ドロン」を立ち上げ、ファッションアイテムやアクセサリーを自分の名前で販売しました。

 彼は度々、訪日していますが、当初は映画の宣伝のためであったものが、のちには、彼自身の人気を日本で維持し続けるために、また彼自身のブランドを盛り立てるために、テレビのバラエティ番組や社交イベントに参加、1980年代と1990年代には、日本の旅行会社が企画したアランドロンも出席するパリでの晩餐会​​ツアーなどもあり、有料オプションとして、花束を贈ったり、一緒に記念写真を撮ったりできるサービスもあり、これには、5万人以上の日本人が参加したと言われています。

 当時は日本も景気が上向きの時代で、彼の人気は日本のそんな時代にハマったのだなぁと思います。

 彼の没後、彼の子どもたちの間の諍いの種の大きな原因の一つであると思われる彼の巨額な遺産の詳細については、公表されないながらも、相当なものであると思われますが、彼が築いた財産の一部は確実に日本で稼いだ部分も大きいのではないか?と思ったりもします。


アランドロンと日本


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2024年8月22日木曜日

新千歳空港でハサミ紛失のための欠航・遅延についてのフランスの報道

 


 「日本では、ハサミの紛失後、空港が数時間麻痺した!」というニュースの見出しに驚きました。というより、このことがフランスで複数の報道機関で取り上げられていることに驚いたのです。

 「先週末、日本の新千歳空港の国内線の出発待合室にある店舗からハサミが紛失し、数時間フライトが中断されました。合計 36 便が欠航し、200 便以上が遅延しました。日本では、ハサミの紛失後、空港が数時間麻痺したのです」と報道内容の大枠はこんな感じです。

 この事件により、空港では数時間にわたる捜索が行われ、その結果、36便が欠航し、201便が遅延し、出発ラウンジの乗客は再び保安検査を受けることを強制されたと報じています。

 考えてみれば、空港では、国内線、国際線に関わらず、保安検査場で手荷物や金属探知機などを通されて、最近では時には、靴まで脱ぐように命じられたりすることもあったりもして、窮屈な思いをすることも多いですが、一方、空港内にある店舗やレストランなどでは、ハサミだって、ナイフだってあるのですから、この新千歳空港の保安当局が懸念したように、テロリストがこれらのハサミを入手し、飛行機内で武器として使用するという可能性は、考えられないこともない話ではあります。

 飛行機が定刻どおりに出ないことは、むしろ、日本よりも海外の方が多いような印象がありますが、今回の新千歳空港の件のような理由でフライトが遅延、またはキャンセルになったという話は聞いたことがありません。

 この事件?の発端は、出発待合室にある店舗から「ハサミ紛失」の警報が発せられたことによるものだと言われていますが、そもそも、日本の空港の店舗には、ハサミ等の凶器になり得るものを紛失した場合には、届け出なければならないというマニュアルがあるのでしょうか? だとしたら、かなり徹底した管理体制をとっているところは、さすがに日本、すごいな・・と思うのですが、おそらく、フランスなどの空港内の店舗でもし同様の紛失事件が起こったとしても、そんなに大騒ぎをしないのではないか?というより、そんなに厳重に管理をしていないのではないか?と思ってしまいます。

 だからこそ、今回の新千歳空港の事件がこんなに報道されているのだろうと思うし、それが良いとか、悪いとかのジャッジは報道の中ではしていません。

 むしろ、今どき、ハイジャックのような割に合いそうもないことをやらかすことも少なかろうと思う反面、テロや諍いが世界中で起こっているなか、まったく危険性がないとも言えないし、今回の報道では、むしろ、その手があったか!と思いついてしまった人がいそうな気もしないでもありません。

 空港運営者は声明で「店舗従業員の適切な使用、保管、管理体制の欠如が原因で事件が発生したと認識している」とし、謝罪したそうですが、この夏休みの最も多くの人が交通機関を利用する時期に、フライトをキャンセルされた人々からしたら、お金を返してもらうだけではおさまりのつかない思いをしているのではないか?と思います。

 結局、ハサミは、翌日、同店舗内で見つかったそうですが、大した人騒がせなことです。非難ごうごうなことはもちろんですが、一方では、 「乗客として、安全を確保するためにこれほど厳格な措置を取ってくれていることに感謝しています」と空港の判断は正しかったと支持する声も上がっているとのこと。

 次回、空港に行ったら、保安検査を過ぎたところにある店舗にハサミなどの凶器になりうるものはあるかどうか?探してしまいそうです。


新千歳空港


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2024年7月24日水曜日

環境活動家ポール・ワトソン逮捕で注目される日本の人質司法

  


 今週初めのグリーンランドでの環境活動家ポール・ワトソンの逮捕はフランスで憤りと支持の波を同時に引き起こしています。この男性の環境活動家としての歴史は長く、1977年シーシェパード保護協会(主に反捕鯨)を設立して以来、様々なアクションを起こし、過去にも、数回、数か国で逮捕されています。

 彼のアクションはよく言えば、なかなかパンチがあるもので、捕鯨やアザラシ捕獲などの妨害行為や漁船乗り込みを始め、この反捕鯨を訴えるために、フランス人女優ブリジット・バルドーをカナダ北部の流氷に連れて行き、アザラシの赤ちゃん狩りを非難するアピールを行ったりと広報活動にも長けています。

 しかし、その行動はなかなか強引で時に破壊的、暴力的でもあったりしていることから、1979年には、カナダのセントローレンス湾で1000頭のアザラシの屠殺を阻止した際に暴力をふるったとして逮捕、1983年、ポール・ワトソンと彼のチームはシー・シェパード2号でニューファンドランド州セント・ジョンズ港を封鎖。

 10 年後、シーシェパードはクリーブランド・アモリー号を購入し、ニューファンドランド島のグランドバンクからキューバとスペインのトロール船を捕獲。

 その度に逮捕され、裁判が行われ、懲役刑などが課されていますが、結果的には、裁判所側が告訴を棄却したりしています。

 その後、1997年には、オランダで再び逮捕。ノルウェーは捕鯨船ニブレナ号沈没の罪で同氏の身柄引き渡しを要求し、彼は120日間拘留されましたが、オランダの裁判所が彼の引き渡しに反対したため最終的に釈放。

 彼の環境活動家としての活動には、その都度、賛否両論の嵐が起こってきましたが、2000 年、タイム誌は彼を 20 世紀の最も優れた環境擁護者 50 人の中に「エコロジーの英雄」として選出しています。

 彼の訴えによれば、「動物を殺そうとしている人の装備を破壊するのは、非暴力行為だ」そうです。

 しかし、2012年コスタリカのサメ漁船に対する航行妨害容疑のためにドイツで再び逮捕されますが、保釈中に彼を強く支援する者と出会い、逃亡していました。

 そして、彼は2024年7月21日にグリーンランドで逮捕、コスタリカはこの訴えをすでに放棄していますが、日本は調査捕鯨を妨害した容疑で海上保安庁から国際刑事警察機構(ICPO)を通じて国際手配中でした。

 俗にいうインターポールの赤通知が出されていたわけです。

 2016年の段階で、ポール・ワトソンは日本の国際手配について、「日本は違法捕鯨活動で国際司法裁判所から非難されているにもかかわらず、私を国際刑事警察機構のレッドリストに載せる経済的・政治的権力を持っている」と逆に日本の国際手配を非難しています。

 日本での彼の調査捕鯨妨害というものがどのようなことであったのかは、わかりませんが、彼については賛否両論がある中、グリーンランドが彼を日本に引き渡すかどうかが注目されています。

 捕鯨問題といえば、日本が矢面に挙げられることが多い気がしますが、今回はこの捕鯨問題云々以前に、日本の司法制度と刑務所制度は人権NGOによって非常に定期的に非難されており、2023年5月に発表されたヒューマン・ライツ・ウォッチの報告書は、日本の「人質司法」制度は、容疑者から適正な手続きと公正な裁判を受ける権利を奪っていると指摘されています。

 ポール・ワトソンは8月15日まで拘留されますが、グリーンランドはデンマーク自治領であるため、デンマーク法務省が日本に引き渡すかどうか決定します。マクロン大統領は、彼の引き渡しを阻止するために状況を注意深く監視し、デンマーク当局に介入しているとエリゼ宮が発表しています。

 つまり、この環境活動家の逮捕と同時に日本の人質司法制度が痛烈に非難されているという状況でもあるのです。


環境活動家 ポール・ワトソン 日本の人質司法


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2024年7月22日月曜日

フランスでの甘いお醤油と辛いお醤油

  


 私が別で書いた記事の中でお醤油の話がちょっとだけ登場していて、フランスのお醤油には大きく分けて?甘いお醤油と辛いお醤油というものがあって、お寿司にまで、その甘いお醤油をかけて食べる人もけっこういて、しまいには、その甘いお醤油をご飯にかけて食べる人もいる・・という話を書いたら、それにビックリしたという感想をもらって、もうなんか、私の中では、驚かなくなっていることに反応があって、「そうか・・いつのまにか、慣れてしまったけど、そういえば、最初はビックリしたな・・」と思い出したので、その時の話とお醤油にまつわる話を書こうと思います。

 私がフランスに来たばかりの20年くらい前は、お醤油というものは、フランスの一般的なスーパーマーケットでは、あんまり存在感がなくて、よ~く探してみれば、中国製のよくわからないもの(知らないもの)があるくらいで、日本食材店やアジア系のスーパーマーケットにいけば、キッコーマンもあるかな?というくらいでした。

 それからしばらくして、フランスにもSUSHIブームがやってきて、ある時期から、お寿司屋さん(といっても中国系の人の経営するチェーン展開のお店でいわゆる日本のお寿司屋さんとは、ちょっと違うサーモン中心の焼き鳥なども置いている感じのお店)が一気に増えてきて、当時は、珍しくもあり、また日本食恋しさも手伝って、たまに行くことがありました。

 その手のお店では、お寿司に焼き鳥が組み合わせてあるセットのバリエーションがけっこうありました。

 これ以上、小さく切れるか?と思うほど小さく、さいの目に切ったお豆腐の入った薄いお味噌汁にこちらの固いキャベツを機械で細~く千切りして、小学校の時に家庭科の授業の調理実習で作ったようなドレッシングがかけてあるサラダがついていて、なぜかお寿司なのに白いご飯もついてくるという不思議なセットメニューがけっこうありました。(最近は、その手のお店には行っていないので、今はどうなのかはわかりませんが・・)

 その手のお寿司屋さんには、甘いお醤油と辛いお醤油(辛いといっても甘くないお醤油ということで、ふつうのお醤油)が置いてあり、甘いお醤油は焼き鳥のたれのように焼き鳥に追いダレのように使うものなのかな?と私は思っていました。

 ある時、娘と二人でそのお寿司屋さんで食事をしていたところ、近くにいたフランス人が甘いお醤油をお寿司につけようとしていたので、「えっ??違う違う!教えてあげた方がいいかな?」と思ったのですが、「まあ、一つ食べれば気が付くだろう・・」と、ちょっとビックリする様子を半ばちょっと楽しみに見守っていたのでした。

 すると、その女性は、何も驚くことなく、次のもう一つのお寿司からもその甘いお醤油をつけて食べ続けたのには、こっちがビックリでした。そして、最後には、お寿司なのに、なぜかついてくる白いご飯に、その甘いお醤油をかけて、美味しそうに平らげていたのです。

 もともと、フランス人は一つ一つのお皿を順々に食べ進めていくという食べ方をする人が多いので、お味噌汁を飲んで、サラダを食べ、お寿司、焼き鳥、そしてご飯という風に順々に食べることが多く、どれも同時にちょっとずつ食べるということをあんまりしないので、最後に甘いお醤油でご飯ということになるのかもしれません。

 その後、その手のお店に行く度に、フランス人はこんな風にお寿司セットを食べているのを見かけることが多くて、いちいち、そんなことにも驚かなくなっていました。

 お寿司ブームがさらに進むと、どこのスーパーマーケットに行ってもお寿司が並んでいるようになり、それと同時にあたりまえのように日本のお醤油もスーパーマーケットに並ぶようになっていったのです。

 今では、それに乗じて、甘いお醤油、辛いお醤油だけでなく、TERIYAKIソースとか、YAKITORIソースとか、中にはポン酢までおいてあるところも出てきました。

 スーパーマーケットでお寿司の試食販売をしている際などは、ひとくちサイズのお寿司とともに、2種類のお醤油があって、「試食しませんか?お醤油は、甘いお醤油、辛いお醤油どちらにしますか?」と聞かれます。

 ということは、フランス人には、かなりの割合でお寿司に甘いお醤油をかけて食べる人がいるということです。

 私自身、個人的にはお寿司に甘いお醤油をかけるのは、ちょっと受け付けられませんが、まあ、人それぞれ、好きなように食べればいいので、別にそれを推奨することはしませんが、否定もしません。

 世界各国のお料理は、その土地のそのままのものが伝わっているとは限らず、少なからずその国の嗜好に寄ったものになっているということはあることですが、お寿司に甘いお醤油というのもフランスの定番として、定着してしまったと思われます。

 また、蛇足ですが、娘が日本で一人で生活を始めてすぐに、一番、驚いていたことは、「お醤油ってこんなに安いものだったの??」ということでした。

 それくらい、フランスではお醤油は高いのです。


フランスの甘いお醤油と辛いお醤油


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2024年7月14日日曜日

パリのスーパーマーケットで拡大し始めた日本みたいなお弁当

  


 日常の食料品の買い物は、大方、近所のスーパーマーケットで済ませてしまうことが多いのですが、私の場合は、一番近いというだけでカーフールに行くことが一番多いです。

 でも、食品によっては、これは、あそこのがいいとか、そんなものもバラバラとあるので、他のスーパーマーケットに行くこともあります。パリ市内だとおそらく一番ポピュラーなのは、MONOPRIX(モノプリ)なのですすが、このモノプリも場所によってはおいてある商品が違ったり、値段も違うので、あまり行かない地域に寄ったりしたときは、一応覗いてみると、意外な発見もあったりするので、こまめに覗いてみるようにしています。

 モノプリとは別に、先日、出かけた先に、新しめの Intermarche(インターマルシェ)ができていて、ちょっと入ってみたら、ほぼ、テイクアウトの食品が中心のお店で平たく言えば、日本のコンビニにもちょっと似た感じでビックリしました。

 その近辺には新しいオフィスビルもできていたりするため、そこで働く人々のランチ用のお客さんがターゲットなのかな?とも思いましたが、そのランチ用のテイクアウトのランチボックスの種類がけっこう豊富なうえに、そのランチボックスの中身が「えっ?ここパリだよね?」と思ってしまうほど、日本のお弁当に近い「ご飯とおかず」みたいなラインナップが多いことにビックリしたのです。

 日本食ブームで一番、先にパリ?に広まったのは、やっぱり「SUSHI」で、少々、日本のお寿司とは違うフレーバー?のものも多いのですが、今やどこのスーパーでもお寿司を置いていないお店はないくらいになりました。

 しかし、ここ最近、それがまた一段階ステップアップした感じで、まるで日本のお弁当?みたいなものを置いているスーパーが増え始めています。

 先日、出先でたまたま、モノプリを通りかかったら、まあ、見事なお弁当の勢ぞろいでさらにビックリしました。そのモノプリ(パリ中心部)は、地上階は、ほぼテイクアウトの食品になっていて、サンドイッチなどよりも、むしろ、お寿司、ポケボウル、トンカツ弁当のようなものや焼きそば弁当のようなもの、サラダ、パスタなどなどの方が多くて、でも、そこはフランスらしく、やっぱりヴィエノワズリーやデザート用のちょっと小さめなケーキなどなどがよりどりみどりな感じでちょっと興奮しました。

 むしろ、日常の食料品売り場は地下になっていて、場所柄というものもあるのでしょうが、このテイクアウトのランチボックスのスペースの拡大は目を見張るものがあります。

 ちょっと前、といっても、5~6年まえくらいでしょうか? フランスに「BENTO」ブームというものがやってきて、パリにもお弁当屋さんというものが増えたり、やたらと「BENTO BOX」とかいって、お弁当箱がやたらと売れるようになったり、ランチは、自分で家からランチボックスに入れて持ってくる・・という人も増えました。

 日本から上陸した「BENTO BOX」は、そのうち、カタチを変えて、フランス人使用のもっと大きなサイズ(フランス人が家で作ったパスタやサラダなどをざっくり入れてくるため大きなものが必用)で、それにフォークやナイフやスプーンがついているものが出回るようになりました。

 それが、ここに来て、スーパーで日本みたいなお弁当の進出・拡大にパリのランチ事情が変化している気がするのです。


パリのスーパーで買える日本みたいなお弁当


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2024年7月6日土曜日

フランスも日本も選挙 どっちの選挙にも行けない・・

  

 フランスでは国民の政治への関心が高いために、選挙といえば、大概、投票率は日本では想像もできないほど高いのですが、今回は、皆、当然のことながら、思うところが激しくあるようで、もうこの2~3週間、選挙の話題ばかりです。

 私は、フランス国籍ではないので、いつものことながら、フランスでの投票には行けないのは仕方ありません。

 そして、日本でも東京都知事選挙を目前に控えているため、その報道は、少しずつYouTubeなどで見ています。東京都知事選挙は国政選挙ではないために、在外投票はできないため、こちらの方も私は投票ができません。

 フランスも日本も選挙で大騒ぎなのに、そのどちらにも行けないのがとても残念です。

 東京都知事は、国政選挙ではないとはいえ、日本の将来に大きく関わる大変な選挙です。海外から見ている日本のニュースや、海外で生活しながら、「いつのまにか、おやおや日本、いつのまにか、おかしなことになってる・・」、「フランスであたりまえのように進化していることが日本では昔のまんまだ・・」なんてことが増えてきて、「どう考えても、日本の政治、今のままでいいはずがない!と憤りのようなものを感じるようになっています。

 日本人は真面目でポテンシャルは高い国民性を持っているのに何が悪いのか?といえば、政治が悪いのです。賢く、健全な志を持った力強いリーダーが国を率いて行けば、日本は確実に生まれ変われると思うのです。しかし、もう時間的な猶予はありません。まったなしです。

 しかし、もう長い間、日本でそんな割に合わない政治家なんていうものを志す若い人はいないのではないかと思っていました。しかし、今回の選挙では、そんな志がありそうな人も存在しています。日本が今のままでいいはずはありません。

 長期にわたる権力は腐るといいますが、まさにそのとおりなのではないかと思いますし、また明らかに偏向報道をしているテレビなどの日本の大手マスコミも(私は日本のテレビは見られないので詳しくはわかりませんが・・)マスコミの役割を果たしておらず、腐りきっています。

 主要な候補者同士が討論・議論をしているところをテレビなどで流さないというのは、フランスでは信じられない光景です。

 東京都知事選挙は地方選挙とはいえ、日本の首都であり、日本の将来を大きく左右する立場にあり、重大な問題です。私は、できることならば、一時帰国して、住民票を一時、日本に戻してでも投票に行きたかったくらいです。

 私は生まれも育ちも東京都だし、もし、将来、日本に本帰国することがあるとすれば、東京に帰るので決して他人事ではありません。

 一般的には、現職の知事が優勢であろうと言われているようですが、東京都民?日本国民が日本を今のままにしておいていいと思っているとは思えないのに、どうしてそのような予想になるのか?よほど、利権の恩恵に預かって、それを守りたいと思っている人が多いのか?それともこのままの日本の状況が続いても未来の世代のことはどうでもいいと思っているのか?全く、理解しがたいです。

 海外から見るからこそ、そんなのおかしい!と思うことが浮き彫りに見えるということもあると思うのですが、「誰に入れたらいいかわからない・・」などという言い訳は通用しません。わからなければ、知る努力をして、どの候補者がどんな姿勢で選挙に臨んでいるか?どんな志を持っているのかを知ろうしなければなりません。それは国民の義務です。

 選挙権というものは権利であると同時に義務でもあると思っています。

 どうか、投票できずに悔しい思いをしている私の分も東京都民の方々はどうか選挙に行って投票してきてください。そして、日本が本来のポテンシャルを取り戻してくれることを切に願っています。


東京都知事選挙


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2024年6月15日土曜日

フランス人の在外選挙と日本人の在外選挙の違いにビックリ!

   


 日本にいるフランス人と話していて、フランスの選挙の話になり、フランス人の在外選挙について、初めて知って、海外にいる日本人の在外選挙とはえらい違いだと思って驚きました。

 私は、数年前にフランス(パリの日本大使館)で在外選挙登録申請をして「在外選挙人証」というものをようやく手にしたのは申請から約3ヶ月くらいたってのことで、それ以来は、在外選挙がようやく可能になりました。

 海外にいるフランス人には、在外選挙登録という特別なものはなく、例えば日本にいるなら日本にいるという在留届を日本にあるフランス大使館に登録すれば、自動的に投票ができるようになるそうで、選挙のタイミングがやってくると、フランスにいる場合と同じような候補者のチラシのようなものと投票用紙が送られてきて、在留地のフランス大使館で投票できるのだそうです。

 もともと政治に積極的に参加するフランス人のこと、在外とはいえ、当日はフランス大使館は投票に訪れる人でけっこうな行列ができるほどだそうで、フランスに住んでいなくても、フランス人の投票率は、日本人よりもずっと高いのだなぁと感心しました。

 考えてみれば、海外に住んでいようと、自国に住んでいようと、国民が選挙に投票に行く権利があることには、代わりなく、在留先が確認されていれば、国民として投票できるのは、当然のことで、なんで?日本の場合は、在外選挙人証なるものが別にあって、その申請にこんなに時間がかかるのか?と思います。

 ただし、日本の選挙はフランスのように国民投票という例は稀であるため、自治体に依存する場合が多いことが起因しているとは思うのですが、どうにも、この違いに、なんかモヤモヤします。

 今回のフランスの欧州選挙や、その結果、急遽、決まった6月末と7月初めに行われる選挙に関しては、急に決まったことでもあり、また、かねてから、検討されていたことだとは思うのですが、在外(フランス以外の国に住んでいるフランス人)の人々に限っては、ネット投票が可能になるということで、この選挙制度の進歩の差がますます日本とはかけ離れることに、羨望を感じずにはいられません。

 フランス本土全体でのネット投票に至るには、そのセキュリティ管理などで、まだハードルが高いようですが、在外の人に限ってというある程度、限られた範囲でネット投票に踏み切るということは、とりあえずのテストケースとしても意味のあることだと思います。

 長く海外で生活している間に、いつの間に日本はこんなに時代に遅れてしまったのか?と思うことが増えていますが、今回の在外選挙に関しても、大きく差をつけられた気がしています。

 この話を教えてくれたフランス人は、「候補者リストや投票用紙」が紙で送られてきたということに、呆れていましたが、在留届だけで、選挙に投票できるということだけでも、日本人の私から言わせてもらえば、すごいこと。

 この分で行くと、フランスでは、国内でも、そのうちネット投票が可能になる日が来るのではないか?などと思います。

 それにひきかえ、日本の投票率はフランスだったらスキャンダルなみに低いうえに、ネット投票など夢のまた夢。日本もネット投票になれば、ずいぶんと投票率もあがるだろうし、結果もずいぶんと違ってくるだろうにな・・などと思うのです。


在外選挙登録 在外選挙


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2024年6月7日金曜日

東京都のマッチングアプリと結婚感

 


 日本についてのニュースをフランスの報道で知ってびっくりすることも時々あるのですが、今回の「東京都のマッチングアプリ」についてもフランスの報道で知ったことのひとつです。

 フランスにもマッチングアプリはけっこうあるようで、時にはメトロの広告にズラーッと張り出されていたのを見たこともあり、「こんなの・・メトロにまで広告出すんだ!」と驚いたこともありました。

 フランスには、政府がこのようなアプリを立ち上げている例は現在のところはないために、物珍しさとともに、やはりフランスとて、少子化問題は捨て置けない問題のひとつであるため、興味をそそられたプロジェクトであったに違いありません。

 このフランスの「東京都のマッチングアプリ」に関する報道では、その背景にあるフランスよりもずっと深刻な日本の少子化問題についての説明が付け加えられており、それはそれで、「なるほど・・」などと妙に再認識させてくれたりもします。

 「2023年の日本の出生数は8年連続で減少、日本における死亡者数は出生者数の2倍となった。OECDの報告書によると、日本での法的婚姻外での出生率は依然として約2%と非常に低いため、日本の婚姻率の低下が日本の出生率低下の主要な要因とされている。」

 国民の高齢化の加速は、多くの活動分野における労働力不足など、ますます重大な問題を引き起こしている・・と、このアプリ設立の背景を説明。

 登録するには、法的に独身であることを証明する書類を提出し、結婚するパートナーを探しているという内容の書類に署名する必要がある。また年収を証明するために納税通知書も提出する必要があり、日本のマッチングアプリでは収入の申告が求められることが多い・・とも説明しています。

 また、「日本の女性の多くは一人暮らしを好む」と解説しているのにも、「へっ?」と思います。

 日本の出生数の減少を食い止めるため、東京都は今夏、独自の出会い系アプリを開始し、仲人役を務めようとしているが、SNS上では、アプリの開発資金を都民の税金で賄うことに否定的な意見も湧き上がっていると説明。

 実際には、どれだけの人が利用するかはわかりませんが、個人的には、プロジェクションマッピングなどよりは、ずっとマシ・・なかなか出会いの機会がない人にとっては、意外にこっそり使う人もいるかもしれないではないか?と思っています。

 結婚については、特に積極的に結婚したくない・・と思っているというより、あんまり積極的に考えずにズルズルしてきたら、結婚しなかった・・という人が多い気もするのですが(私の周囲にも多い・・)、だからといって、日本の少子化を食い止めるために結婚しよう!などと考える人もあまりいないだろうし、ほんのちょっとのキッカケがあったらいいかもしれないとも思うのです。

 また、親世代の意識の変化も影響しているような気がします。今の親世代(結婚適齢期の子どもを持つ親)はマイルド・・。自分が若い頃に受けた結婚への外圧を考えれば、やっぱり今の若者が結婚しなくなっているのもわかる気がします。

 私の親の世代は、やたらと適齢期のようなものを気にする感じもあり、私の母なども、「とにかく、一度でいいから結婚して!」とか、やたらと結婚をせかすようなことを言っていたし、20代半ばを過ぎると、どこからか次々とお見合い写真が回って来たりしていました。

 今から考えると、なぜ?そんなに「一度でいいから結婚して!」などと無責任なことを言っていたのか、私にはわからないのですが、いつまでも子どもを結婚させないでおいておくことに、まあ世間体が悪いという風潮があったのだと思います。

 しかし、現在、自分が親になって思うことは、娘には、良い人がいたら、結婚してもいいと思うし、できたら子どもを産んで育てるという経験はした方が良いとは思うけれど、「必ずしも結婚しなくても・・むしろ、クズと結婚するくらいなら、結婚しなくていい・・」と思っています。

 海外にいるから思うことなのかもしれませんが、とんでもない男につかまって、酷い目に遭っている人もけっこう見てきたからかもしれません。

 今の日本に、私のような考えの親が多いかどうかはわかりませんが、少なくとも、私の親世代よりも、世間体が悪いから結婚させなきゃ!と必死になっている親も少なくなっているのかな?とも思います。


東京都マッチングアプリ


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2024年6月2日日曜日

シトロエンの大規模リコール 原因は日本製のエアバッグ 

  


 フランス大手自動車メーカー「シトロエン」が5月初め以来、約24万5千台の車をリコールし、その対応に追われ、波紋が多岐に及んでいます。

 このニュースに目が留まったのは、この大規模リコールの原因が日本のメーカー「タカタ社」製のエアバッグが原因ということで、安心と安全、絶対の信頼性を誇る日本製品の欠陥問題ということでギョッとしたのでした。

 このリコール対象となっているのは、2009年から2019年にかけて生産された18万1,734台のC3と6万5,149台のDS3で、エアバッグを駆動するガスが原因で、湿気や熱でガスが劣化し、乗員に重傷を負わせる可能性があるということで、該当車両を保有している人に対して、機器を交換するまでは運転しないように呼び掛けています。

 運転しないようにと言われても、コレクションでもあるまいし、日常的に利用している車が使えなくなることは、ユーザーにとっては一大事。シトロエンは、代理店の人員を拡大して、代替車の手配および機器の交換対応にあたっているとのことですが、まるで対応が追い付かずに大混乱を起こしているようです。

 大手仏紙(ル・パリジャン)によれば、このエアバッグ搭載の車で起こった複数の自動車事故(重傷・致命的な障害とも)について、すでにいくつかの司法捜査が開始され、顔や腕に重度の切断を伴う数人の死亡と重傷が報告されていると報道しています。

 また、このリコールに関して、集団民事訴訟が準備中だということで、騒動は簡単にはおさまりそうもありません。

 この問題のタカタのエアバッグの問題は、急に浮上したものではないようで、この製品に関わる死亡事故が2014年にアメリカで、フランスの海外領土(グアドループ、レユニオンなど)では2019年に事故が発生していたにもかかわらず、これを問題視せずに今回の大規模リコールを行うまでにあまりにも時間がかかりすぎているシトロエン側にも非難の声が上がっています。

 おおもとの「タカタ」に関しては、この欠陥エアバッグのリコールで超多額の負債を負い、経営破綻しているようです。

 また、2023年に車を運転中だった息子が死亡した事件について、被害者家族は、この原因がエアバッグによるものであったと告訴し、司法捜査が開始されている例も紹介されています。事故発生時にこの息子が乗っていた車は現在、リコールの対象となっている車であり、車の中で発見された発射物によって即死。息子の目と脳に穴をあけたような記録があるとのこと。青年の家族は、この金属物体の発射は欠陥のあるエアバッグによるものであると訴えています。

 この問題のエアバッグは、エアバッグに含まれるガスや推進剤の劣化に関連しており、事故が発生した場合、エアバッグが作動すると、粒子や小さな部品がエアバッグとともに飛び散り、怪我をする可能性があると説明されています。特に、この劣化は、高温多湿の地域で多く起こっているということで、時速 300 km で金属部品を発射できる強力なガスである推進剤の爆発に繋がると言われています。

 犠牲者家族は、「2014年にはすでに、日本の下請け会社タカタ社が製造したエアバッグが米国とアジアで死亡事故を引き起こしていたにもかかわらず、なぜこれまで全容が明らかにされなかったのか、私たちには理解できません。責任者が処罰されるまでは、絶対にあきらめない!」と怒りをあらわにしています。

 そもそも事故の際に危険から身を守るはずのエアバッグから危険物が発せられていたという事実は、やるせないというより許せない気持ちであるのはもっともなことです。

 また、このリコール対応が長引けば長引くほど、問題が注目されていくわけで、シトロエンにとっては、ますます、より大きな問題を抱えることになり、6月中旬に新型電動シトロエンC3を発売する予定のシトロエンにとっては、最悪のタイミングになってしまったと言われています。


シトロエン大規模リコール エアバッグ


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2024年5月26日日曜日

日本のオーバーツーリズムへの対応に思うこと・・

  


 日本のオーバーツーリズム問題は、これまでフランスでも度々、報じられてきましたが、今回の富士山への観光客のための対応については、なぜか?これまで以上に大々的に報じられていました。

 「日本ではオーバーツーリズムに対抗するため、小さな町が富士山を隠すネットを設置した」。日本の小さな町は、大勢の観光客に人気の富士山の眺めを隠すため、高い不透明ネットを設置。日本の中部にある富士河口湖町役場は、多くの外国人観光客が地面にゴミを捨てたり、許可された場所以外で喫煙したり、赤信号で道路を渡ったり、無差別に駐車したりする無礼な行為を理由にこの決定を正当化している・・」というもので、このネットが貼られている映像を見る限り、無粋極まりない感じもします。

 なにやら、雄大な富士山の眺めと前景のコンビニエンスストアのローソンと駐車場を組み合わせた現代日本を象徴する光景としてインスタグラムなどのソーシャルメディアで大人気となっているこの撮影スポットは、交通量の多い道路沿いの狭い歩道から撮影するもののようで、より良い写真を撮ろうと、なかには、近くの歯科医院の屋根に登る人もいるとのことで、迷惑を被っているこの地域の住民からしたら、たまったものではない!と怒り心頭になるのも理解できます。

 これは、主に外国人観光客対策と思われるものですが、地面にゴミを捨てたり、許可された場所以外で喫煙したり、赤信号で道路を渡ったり、無差別に駐車したりする現地当局が無礼な行為として挙げている行為は無礼な行為には違いなく、日本人なら、まず、特に注意せずともこれらの行為をすることはないと思われますが、しかし、その一つ一つの行為を見ると、海外では(少なくともフランスでは・・)、地面にゴミを捨てられること、許可されていない場所での喫煙も、信号無視も、違法駐車もそれほど珍しいことではなく、住民自身もそれほど厳格にルールを守り、モラルが高いわけでもないので、特に観光客に限って問題視することではなく、住民もひっくるめて警戒しなければならない問題でもあります。

 このような迷惑行為を正当化するつもりはありませんが、言い方を変えれば、日本人の常識は、外国人には簡単には通用しないということでもあります。ルールをきっちり守ろうとする日本人とは違うのです。

 パリもまた、一大観光地のひとつでもありますが、このような問題に対してどのように対応しているのか?といえば、特に対応をとっていることといえば、主にセキュリティに関しては、銃を持った警察官が異様に多いということくらいでしょうか? 個人に迷惑をかけるようなケースでも恐らく、この警察官たちが厳しく対応しているのだと思われます。

 もっともパリの場合、治安が悪くて観光客の方が緊張していなければならない、まさに、全く違うレベルの問題ではあります。

 富士山近辺の小さな町ならば、このような外国人が大量に押し寄せる時点で、観光客に威圧される感じがあり、とりあえずとった対応として、この光景が見えなくするネットの設置ということになったのでしょうが、このままでは、かたちを変えて、同じような問題が起こることは、目に見えています。

 世界から見れば、日本人のモラルの高さは、驚くべきレベルであり、逆に外国人には、信じがたい世界なのです。観光産業を軽視できない現在の状況ならば、きっちりと取り組まなければならない問題です。

 話は少々、飛躍してしまいますが、移民を多く受け入れるということは、こういうことなのだとも思うのです。


日本のオーバーツーリズム問題


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2024年5月25日土曜日

日本の研究者が歯を再生する治療法を開発!のフランスでのニュース

  


 日本人の活躍や偉業をフランスのニュースで知ることは日本人として、とても嬉しいことです。最近は、もっぱら、その活躍を取り上げられるのは、マンガやアニメなどのケースがフランスでは多かった気がするのですが、今回は、「日本の研究者が歯を再生する画期的な治療法を開発した!」という医学分野についてのことだったので、「やった!日本人すごいぞ!」と、喜ばしい気持ちになったのです。

 フランスの報道によると、この研究は大阪の北野病院が行っているもので、先天性無菌症(通常6本以上の歯の欠如を認める症例(発症頻度0.1%))の治療を目的としたもので、その原因遺伝子がマウスと人間とで共通していることから、すでにマウスでの実験は成功しているとしています。

 今回、治療に使われているのは、モノクローナル抗体で歯の成長を阻害するUSAG-1と呼ばれるタンパク質を不活性化するもので、この治験の第一段階が2024年9月から2025年8月にかけて開始され、第二段階では、先天性歯不全に苦しむ患者にこの薬が投与されるます。研究者らは出生時に少なくとも4本の歯を失った2歳から7歳の子供を対象にこの薬をテストする予定で安全性が確認されれば、先天的に歯が欠損している患者に投与して有効性を確認できるとしています。

 しかしまず、その薬が危険をもたらさないことを確認する必要があります。したがって、少なくとも1本の臼歯を失った健康な成人にまず接種される予定ですが、これまでの動物実験においての副作用は観察されていません。

 日本の研究者らは、すべてが計画通りに進めば、この薬が2030年から市販されることを期待している。彼らによると、将来的には、先天性疾患に苦しむ人だけでなく、歯を失った人にも歯を生やすことが可能になるとしており、世界的にも画期的な歯科治療の常識を覆す大きな研究であると医学界が大注目していると紹介しています。

 歯が再生可能になるなど、想像もしていなかったことですが、フランスでなぜ?今、このタイミングでこのニュースが報道され始めたのか?、他の国でも報道しているのかどうかはわかりませんが、世界的に(少なくともフランスでは)日本の研究が注目されていることは、日本人として嬉しくもあり、誇らしいことでもあります。

 日本の国力低下などのニュースばかり見かけることが多くなった昨今ではありますが、やっぱり日本人はすごいじゃん!と思える今回のニュースはとても嬉しいニュースでもあり、この治験が上手くいってくれることを応援したい気持ちになっています。


日本の歯の再生治療開発


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