サルコジ元大統領に懲役5年の実刑判決が下って約2週間、予定どおり、サルコジ元大統領は、国家財務検察庁(PNF)からの召喚状を受け取り、その日程と場所を告げられました。
元大統領は、判決を不服として控訴したものの、仮執行猶予付きの拘禁命令により、収監されることになります。
彼が収監されるパリ・ラ・サンテ刑務所は、パリ14区にあり、6年前に全面改装されて、2019年初頭に再開したばかりの比較的、新しい刑務所で、脆弱な立場にある人々の安全を確保するために隔離された「脆弱者区画(QPV)」があることで知られています。
これまでにもピエール・パルマード、ベルナール・タピ、パトリック・バルカニーといった著名人も受けいれたことでも有名な場所でもあります。
刑務官によれば、いかなる人物も優遇措置を受けることはないとのことではありますが、元国家元首ともなれば、刑務所側が優遇というよりも、中での争いごとを避けるための配慮が必用になることは言うまでもありません。
とはいえ、彼は、他の受刑者と同様に、個人収監通知書、つまり比較的個人的な質問票への記入を求められました。内容は、「うつ病ですか?」、「監視すべき自殺の危険性はありますか?」、「治療や投薬が必用な依存症はありますか?」などの質問です。
彼が入るのは、9平方メートルの個室。ベッド、ワードローブ、シャワーに加え、テレビと冷蔵庫も利用可能(利用料を支払った場合のみ)。他の受刑者と同様に、週3回の面会室と24時間利用可能な携帯電話の利用権が与えられますが、利用できる電話番号は裁判所が許可した番号に限られます。
それでも、刑務所内で携帯もテレビも冷蔵庫も利用可能とは、驚きです。
ただし、個室から出ることは元大統領という立場場、制限を受けるとのこと。このいわゆる社会的脆弱者区画では、1日に2回、専用の中庭に出て、他の受刑者と会うことなく独りで過ごすことができます。
これは、携帯電話を持ち込んだ他の受刑者がサルコジ氏の動画を撮影したりするリスクを避けるためとしています。
しかし、サルコジ元大統領は、収監後、ただちに彼の弁護団は、釈放を求める申し立てを請求することができるようで、審査は最大で2カ月以内に行われるというので、彼がノエルまでには、出られる可能性もあり得るという見方もあります。
この申し立てに対して、70歳以上の高齢者は減刑の恩恵を受けられる可能性が高いともいわれているものの、これは、最終的な有罪判決が下された場合に限られます。しかし、サルコジ元大統領は、控訴しており、6ヶ月以内に再審が開かれる予定になっているため、この控訴がこの申し立てを遮るものになる可能性もあります。
しかし、なんとかして、逃れるかと思っていましたが、とにかく一度は、お入りになることになりそうです。
二コラ・サルコジ元大統領 パリ・ラ・サンテ刑務所
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