超ファストファッションの象徴的な存在であるSHEIN(中国)が仏婦人服ブランドPimkie と業務提携したことで、業界に大激震が走り、Pimkieはフランス衣料品業界から除名処分を受け、業界からは、「悪魔との共謀!」とまで言われて、大バッシングを受けていますが、今度は、そのSHEIN・・ソシエテ・デ・グラン・マガザン(SGM)との独占提携を発表し、フランス国内の百貨店(最初は、6店舗)に店舗をオープンすることを発表しています。
ソシエテ・デ・グラン・マガザン(SGM)・SGMグループはギャラリー・ラファイエット7店舗やBHVを保有およびフランチャイズしています。
今回のSHEINの店舗がオープンするのは、SGMの傘下?にあるギャラリーラファイエット(リモージュ、アンジェ、ディジョン、ランス、グルノーブル)とパリのBHVです。
この物理的な店舗の出店(元来は、オンラインによる販売のブランドのため)は、とりあえずは、試験的に6ヶ月間ということになっているようですが、一時的なポップアップではなく恒久的なものになる予定です。
実際の店舗のオープンは11月ということになっているらしく、どのような価格帯の商品が陳列されるのかはわかりませんが、これまでの、いわゆる百貨店のどちらかといえば、高級品を扱っている店舗構成を見ても、その中にどのように同化させるのかはわかりませんし、品質が多少悪かろうと、低価格であるからこそ売れに売れ、フランス国内では2,300万人の消費者を抱えているSHEINがどのように?この百貨店の中に入っていくのか?いけるのか?は、大いに見ものであると思われます。
しかし、一方では、その百貨店自体も、業績は不調続きで、ここ数年でフランス国内のギャラリーラファイエットが何軒、クローズしたか覚えていられないほどで、パリのギャラリーラファイエットこそ、観光客の動員でそこそこ、生きながらえていますが、この百貨店側からしても起死回生のチャンスを狙っているともいえます。
こうなってくると、もうこれは、繊維業界、衣料品業界だけに留まる話ではなくなってきます。
しかし、パリのBHVなどを例にとってみれば、あれだけの一等地に店舗を構え、テナント料を払い、またスタッフも雇って、あれだけの低価格の商品を売ることでお店を存続させていくのは、並大抵のことではないとも思われ、ただ、パリのBHVにも出店しているという、そのブランド自体のイメージの格付けを上げるような目的のためで採算度外視してもよいのなら、あり得ることかもしれません。
このSHEINのフランスでの物理的な店舗の展開については、やはり、同業他社の小売業からは、すでに悲鳴も上がっており、フランス全国衣料連盟(FNH)も同様に憤慨し、「1860年創業の老舗でパリを代表する百貨店でもあるBHVのような店が、ファッションの最悪な商品に頼ることに同意していることは、とても残念なことで、想像力とプロ意識の欠如を露呈している」とまたシビアな意見を発表しています。
また、この件に関しては、パリ市長も「パリは略奪的な多国籍企業の安易なショーケースになるつもりはない!」全面的に反対の意見を公表しています。
今回SHEINがオープンする店舗のひとつでもあるリモージュ市は、プレスリリースでこの店舗のオープンに対しては、強く反発し、反対の署名運動まで開始されています。
今後、ますます大論争が盛り上がりそうなフランス国内でのSHEINの店舗展開は、まだまだフランスのファッション業界に激震を起こし続けそうな気配・・11月にBHV内の店舗がオープンしたら、見に行って来ようと思います。
SHEIN フランス国内の百貨店に進出
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