パリ市内では、バスやメトロなどの公共交通機関のコントロール(いわゆる検札)に遭遇する機会は珍しくありません。先日、バスに乗ったら、まず、チケットをチン!とチェック?する機械が壊れていて、何回かやってみても、赤いランプがついて、ブーッという音が鳴って、一瞬、「どうしよう?」と思って、運転手さんの方を見たのですが、運転手さんは、知らん顔をしているし、次に乗った人もまた、チケットを機械にかざすと、ブーッとなっていて、「あ~これは、機械自体が壊れているんだから、しょうがないよね・・」と思って、そのままバスの中に進もうとしました。
それにしても、運転手さん、機械が壊れているのは、彼はもうわかっているんだったら、なんか、説明してくれればいいのに・・と思っていたら、そのあとにすぐにバスの入口と出口から検札軍団(5人くらいのいかつい男の人たち)が乗ってきて、チケットのチェックが始まりました。
あいかわらずの物々しさ・・すごい威圧感だな・・「ただでさえ、ちょっとバス待たされたのに、これで、また時間がかかる・・こんなのやってたから、バスがなかなか来なかったんだな・・」と思いつつ、それでも、自分はチケットをチェックしてもらって、そうそうに、奥の方の空いていた席に座って、「早く、検察なんて終えて、さっさと出発してくれ・・」と思いながら、なんとなく、様子を伺いながら、待っていました。
いつものことながら、検察軍団は、5~6人が1組になって、動いているのですが、メトロの駅などならば、スペースが広いので、さほど威圧感もないのですが、狭いバスの中だと威圧感がハンパありません。
それでも、ふつうにチケットをもっていれば、正当に乗車しているわけですから、文句のつけられようもなく(実はチケットは持っていても、チン!と機械に通していなければ、罰金対象になります)、怖いこともないのですが、小心者の私は、チケットを持っていなくて、詰問されているのを見るだけでも、ちょっとビビってしまいます。
その時は、中学生くらいの男の子と女の子ひとりずつ(一緒にいたわけではなく、別々に乗っていた)がチケット不携帯で違反切符を切られていました。
男の子のほうは、わりと素直に身分証明書を出して、おとなしく?従っていたのですが、女の子の方が、少々抵抗したらしく、そのままバスの中で尋問が開始。
少し離れたところにいたので、詳しい内容は聞こえてこなかったのですが、フランス語で話していたので、地域の学生なのだと思いますが、検察官の方が女の子に向かって、「バスに乗るのは、初めてじゃないだろう?」というフレーズだけでしたが、彼女は一体、ナント言い訳をしたのでしょうか?
しかし、大男たちに囲まれて、責められ続け、しばらくすると、彼女は、半べそをかき始めました。その間、バスは停車したまま、10分経ち、15分経ち・・と時間が経つにつれて、今度は、乗客の方が怒り出して、「自分たちは、仕事中なんだ、こんなに待っちゃいられない!その子と一緒におりて、続けろ!」とバスの中から怒号が湧き始めましたが、検察官の方は、「この先でランデブー(アポ)が入ってる!それに彼女は未成年なんだ!」とよくわからない説明。しかし、ついに乗客の怒号に負けて、検察官とその女の子は、一緒にバスを降りて、ようやくバスは発車しました。
そもそも、キセルをしたその子が悪いのは、当然なのですが、その検察官たちも、臨機応変に対応ということがすんなりできないものなのか?そんなにすったもんだしてバスを20分以上も停めてしまうことに何の呵責も感じないのか?と、ちょっと、そっちの方に疑問を感じてしまったのでした。
バスの検札
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