2025年10月21日火曜日

ルーブルだけではなかった 国立自然史博物館等 フランスの美術館・博物館での盗難事件

  


 パリ・ルーブル美術館の強盗事件がセンセーショナルに報道された後、過去、といってもそれほど昔ではないフランスの美術館での盗難事件があらためて注目を集めています。

 実はルーブル美術館強盗事件よりも1カ月ちょっと前の9月16日パリ5区にある国立自然史博物館(Musée National Histoire Naturelle)では、金塊5個が盗まれるという盗難(強盗)事件が起こっていました。

 犯人は非常口から侵入し、月曜日の閉館後も館内に潜み、深夜に鉱物展示室に入り、バーナーとアングルグラインダーを使って防護展示ケースを切断して金塊5個を強奪。

 博物館側は、セキュリティシステムは完全に機能していたとしていますが、それならなぜ?犯人はその場で捕らえられなかったのかが、疑問です。

 盗まれたものは、金塊だったこともあり、被害額も出しやすく、約60万ユーロと言われています。

 当初、捜査当局は、犯罪集団による犯行とみて捜査を開始していましたが、博物館の防犯カメラの映像を分析したところ、夜間に現場にいたのは、黒い服を着て、帽子をかぶり、ベールで顔を覆った女性1人のみでした。この女性は、金塊を盗むために木製のドアをこじあけて、強盗後に現場で発見された警備員をバーナーで襲った模様です。

 その後、この捜査は継続されていましたが、どうやらこの女性がバルセロナ空港で逮捕され、逮捕時の彼女の所持品からは969グラムの金が発見され、分析の結果、これは、パリの国立自然史博物館から盗まれた金塊の一部であることが判明しました。

 逮捕されたのは、30代の中国人女性ということですが、この人物、既に同様の状況下で窃盗を犯し、他のヨーロッパ諸国の裁判所での逮捕歴があり、この女性に対しては、欧州逮捕状が発行されています。

 真夜中の博物館でたった一人で強盗に入る女性。昔、ナイトミュージアム?(題名はよく覚えていないけど)というような映画がありましたが、まさに、この自然史博物館は、大きな動物のはく製がたくさんあって、なんだかその映画を彷彿とさせる・・真夜中には、ちょっと怖い気もしますが、その中で約6キロの金塊を盗んで逃げるというスゴイ話です。

 また、さらにその少し前の9月3日から4日にかけての夜、リモージュのアドリアン・デュブーシュ国立美術館では、国宝に指定されている磁器製の花瓶1個と皿2枚が盗難に遭っています。

 夜中の3時頃に警備員が迅速に警報を鳴らしたにもかかわらず、まんまと3点の国宝は盗まれ、この国宝3点は、推定650万ユーロと言われていますが、こちらの方は、依然として、発見されていませんし、犯人も捕まっていません。

 ここ数ヶ月の間にもう3ヶ所も盗難(強盗)被害に遭っているフランスの美術館・博物館、金塊はともかくも国宝級の美術品を一般人がそんなに簡単に捌けるものとも思えず、特別なルートを通じて、誰かの手に渡っていると考えるのがふつうです。

 しかし、ルーブルの方は、強盗事件から、一夜あけて、もうすっかりこの事件が有名になり、この強盗が侵入した窓は、観光客の撮影スポットになっているという話です。

 美術品というものは、けっこう盗難の憂き目に遭っているものだ・・モナリザだって、かつて盗まれたことがあったんだ・・などという話をテレビでしています。


フランスの美術館・博物館強盗事件


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