2022年6月2日木曜日

ルーブル美術館 モナリザ襲撃 モナリザは結構災難に遭っている

  


 世界で最も有名な絵画の一つと言われるパリのルーブル美術館にあるレオナルド・ダ・ヴィンチのモナリザは、恐らく、ルーブル美術館を訪れる人なら、誰でも見る絵画だと思います。

 正直、私が初めてモナリザを見たのは、ずいぶんと昔だったと思いますが、「えっ?こんなに小さいの?」というのが第一印象でした。しかも、モナリザの絵はガラスケースに入れられ、さらに、絵の周辺には、ロープが貼られ、絵に近づくことはできません。

 そして、そのうえ、なんといってもモナリザのある部屋はいつも凄い人で大混雑。これでは、絵を見にいくのか、人を見にいくのかわからない感じがしたものです。

 しかし、昨年、パンデミックのために美術館なども長い間閉鎖されていて、観光客もまだほとんどパリに戻っていない時期に、今なら!そう今しかない!と思い立って、ガラガラのルーブル美術館を堪能してきました。

 あれから、1年近く経って、パリに観光客も少しずつ戻り始めたと思ったら、なんとモナリザが襲撃されたというニュースが流れ、その場に居合わせた観光客が一斉にSNSで発信し、あっという間に世界中に拡散されました。

 犯人は、きれい?にメイクをほどこし、ウィッグをつけて老婦人に扮装して車椅子に乗って絵に近づき犯行に及びましたが、これは、ルーブル美術館が障害者に対してとっている、移動に支障のある人々が収蔵品の主要作品をはっきりと見ることができるように車椅子などが絵画に近付けるシステムを利用したもので、この男は、車椅子でモナリザに近づいたところで、急に立ち上がってモナリザが覆われているガラスを壊そうとしましたが、これには失敗(モナリザは防弾ガラスで守られている)。

 壊せなかったガラスにケーキを投げつけ、ガラスはクリームでグチャグチャ、最後に赤いバラを散らすという奇行に走りました。

 すぐに男は取り押さえられましたが、それでもかなりの興奮状態のまま、周囲に「地球を破壊している人々よ!全ての芸術家たちよ!地球について考えよ!」と叫びながら、連行されていきました。

 地球環境保護について訴えるにしてもかなりの奇行、この男は文化財損壊未遂の疑いで逮捕され、警察の精神科施設に収容されました。

 その時の模様は、その場にいた来場者の映像を見ると、そのクリームで汚された(ガラスケースが)モナリザはもとより、そのクリームに汚されたモナリザの写真、映像を撮るために、周囲は一斉に携帯を掲げているのもなかなか妙な光景で、その場の美術館員が「撮影やめてください!」と叫んでいます。


 それはそれでなかなかカオスな光景ですが、モナリザは無事でした。

 しかし、これだけの有名な絵画ともなると、モナリザは、これまでにも結構、災難に遭ってきており、1911年には盗難に遭い、1956年には銃撃されて絵の一部が破損(それ以来、防弾ガラス入り)、1974年には赤いペンキのスプレーで襲撃され、2009年にはマグカップを投げつけられています。

 フランスにとって、この国宝級の絵画は、1518年にレオナルド・ダ・ヴィンチがフランチェスコ1世に贈って以来、この絵画はフランス国家の所有物となっていますが、意外なことに、このモナリザの絵画は、「国家が保険である・・国が所有する作品については国が保険者となる・・」というわかるようなわからないような理由で、厳密には保険に加入していないのだそうです。

 「モナリザ(フランス語では、Joconde(ジョコンド)と呼ばれています」は1797年からルーヴル美術館に所蔵されており、これまでほとんど貸し出されることはありませんでした。モナリザの最後の旅は1974年東京です。

 そういえば、モナリザが日本に来た!と騒いでいたことがあったのを記憶していますが、日本に来たモナリザは、これまたすごい人で、私は見にいきませんでした。

 現在では、ほとんど貸し出されることがないと言われるモナリザの最後の旅が日本であったことがなんか、ちょっと嬉しい気もしています。

 しかし、逆に考えてみれば、モナリザが貸出中には、ルーブルに来た人がモナリザを見られないことになるわけで、やはり、モナリザはルーブルというあの美術館の建物自体が芸術品のような空間にあってこそでもあり、モナリザには、安全にルーブルに居続けてもらいたいと思うのです。


モナリザ襲撃時件


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