2022年6月7日火曜日

最近のフランスのケンタッキーフライドチキンはちょっと残念

  


 

 私は日本でも、フランスでも、あまりファストフードに行く習慣はありませんが、特に毛嫌いしているというわけでもなく、たまには、なんとなく食べたくなることもあります。

 フランスには、日本ほどアメリカのレストランチェーンのファストフードが多くはありませんが、それでもマクドナルドやスターバックスは、まあまあ、ふつうにあります。しかし、ケンタッキーフライドチキンやバーガーキングになると、その数はグッと少ない気がします。(どちらかというと郊外にあるイメージ)

 最近は、パリでもドーナツが流行し始めたと言われてはいますが、ダンキンドーナツやミスタードーナツはなく、セブンイレブン(これはファストフードというよりコンビニですが・・)やファミリーレストランもありません。

 一部には、フランスは自国の食文化を守るために、あまり外国の大規模なチェーン展開のレストランを入れないという話を聞いたことがありますが、実際のところ、理由は不明です。

 日本に一時帰国した際もあまり、ファストフードには行かない(他に食べたいものが多過ぎて、そこまで手が回らない)ので、現在の日本のマクドナルドやケンタッキーがどんなものなのかはわかりませんが、次から次へと日本ならではの新製品が出て、広告やツイッター、YouTubeなどで見ているだけですが、うわぁ〜美味しそう・・と海外から、羨ましく眺めています。

 しかし、マクドナルドにしても、ごくごく定番のハンバーガーやポテト、ビッグマックなどは、入れ替わる新製品とならんで、いつでも存在し、おそらくどこの国で食べても、それぞれの国の物価によって値段は違っても、ビッグマックはおおよそ同じものなはずです。

 ファストフードの中で、たまに食べたいと思うもののひとつは、私にとっては、ケンタッキーフライドチキンで、フランスに来たばかりの頃、まだパリ郊外の義姉夫婦の家の近所に住んでいた頃は、しょっちゅう、義姉の家に顔を出していて、その家の娘(夫の姪っ子)がKFC(カーエフセー)(フランスでは、ケンタッキーをカーエフセーと呼びます(KFC(ケーエフシー)のアルファベットのフランス語読み)でアルバイトをしており、彼女が時々、持ち帰ってきてくれるフライドチキンをご馳走になっては、なんだか、懐かしい気がしたものです。

 パリに引っ越してきてからは、近所にはKFCがないので、数少ないKFCの近くに行けば、滅多に買えないすぐに食べられるものとして、時々、買ってきてみたりしていたこともありました。その頃までは、たしかに、日本でも食べたことのあるケンタッキーフライドチキンだったのです。

 しかし、そんな機会もなく、しばらくケンタッキーフライドチキンを食べる機会もなく、数年が過ぎ、ある時、ひょんなところで、KFCを見かけて、喜んで入ってみたところ、なんとすっかりメニューが変わっており、いわゆる元祖ケンタッキーのオリジナルチキンが姿を消していたのです。

 あのケンタッキー独特のフレーバーも変わっていて、いわゆる、ドラムやリブ(あばら)、キール(胸肉)やサイ(おしり)の骨つきのチキンはなくなり、テンダーと呼ばれるささみの部分と、かろうじて骨つきは、ホットウィングというチキンだけになっています。

  


 とにかく、あのケンタッキーのフレーバーでもなく、衣ばかりがやたらとぶ厚い、全くの別物・・日本では、マニアの人の間では、あのケンタッキーの味を自分で再現しようとしている人もいるというのに、オリジナルに近付けようとしているとも思えない全くの別物がオリジナルメニューとして、君臨しています。

 フランス人には、骨つき肉が食べにくいので嫌われたのかどうかは、わかりませんが、最近のフランスのケンタッキーフライドチキンには、ちょっと残念に思っているのです。


ケンタッキーフライドチキン KFCフランス


<関連記事>

「コマーシャルセンターの衰退」

「ファラフェル激戦区 パリ・マレ地区の美味しいファラフェルのレストラン2選」

「パンの国フランス・パリで大成功した日本のパン屋さん・ブーランジェリー AKI(アキ) Boulangerie AKI」

「フレンチパラドックス 先進国で意外と肥満の少ないフランス」

「フランスの貧乏大学生の質素な生活」



 

0 コメント: