2020年8月31日月曜日

フレンチパラドックス 先進国で意外と肥満の少ないフランス


 娘が冬用のコートが欲しいと言って、ネットでコートを探していました。先日、ネットショッピングで注文したコートは、無事、届いたものの、生地がいま一つで、ポケットもないということで、返品してしまったのです。

 それで、別のコートを探そうと、再び、ネットをのぞいていて、これどうかな?この色どう?などと、一緒にサイトを見ていたら、メーカーによっては、必ずしもスタイル抜群のモデルさんばかりではないことに気づいて、驚いたのです。

 最近は、痩せすぎは良くないという風潮からか? ごくごく、その辺りにいそうな決してスマートではないモデルさんも使われているのです。とはいえ、メーカーによっては、従来どおりのスタイル抜群のモデルさんを使っているところもあるにはあるのです。

 しかし、そもそもフランスでは、フレンチパラドックスと言われるように、アメリカなどのように極端な肥満体型の人は、あまり見ることがありません。フレンチパラドックスとは、フランス人が、相対的に喫煙率が高く、脂肪が多く含まれる食事を摂取しているにも関わらず、冠状動脈性心臓病にかかることや肥満体型が比較的少ない学説から生まれた造語です。

 フランスには、フランス人が大好きなバター・チーズ・クリームなどの乳製品、フォアグラやパテ、サラミなどの肉類を加工した脂肪と塩分を豊富に含んだ食品が溢れているのです。

 フランス人はアメリカ人と比較して4倍の量のバター、60%増のチーズ、3倍近い豚肉を食べているそうですが、にも関わらず、フランス人の方が圧倒的に肥満が少ないことをバラドックスと表現されているのです。

 これには、同時にフランス人が摂取している赤ワインが影響しているとも言われていますが、フランスでは、地味に学校給食などでの食事の提供にかなり配慮がされている結果とも言えます。

 テレビなどの広告では、5 légumes par jour(1日に5種類の野菜を取りましょう)とか、油や糖分の多い食品は控えましょうなどと呼びかけられていますし、ファストフードの広告などにも、このような文言が付け加えられています。

 娘が通っていた学校のキャンティーンでは、学校側の健康的な食事アピールがもの凄く、特に、「うちの学校では、フライドポテトは出さない!」を自慢にしていました。(私は、内心、フライドポテトを出さないということがそんな自慢することなのか?と思っていましたが・・)

 以前、娘が高校生の頃、彼女の通っていた高校では、短期間ですが、アメリカの高校との交換留学の制度があり、私も、「良い機会だから、ぜひ、行ってらっしゃい!」と留学を勧めたのに、食べることが何より好きな娘は、指定されている高校のキャンティーンのメニューを調べあげ、それが、ハンバーガーとピザとタコスの繰り返しなのを知って、こんなの毎日食べる学校は嫌だと理由をつけて、留学をやめてしまったことがありました。

 一生、ハンバーガーとピザとタコスを食べ続けよ!というわけでなし、せっかくのチャンスを勿体無いことをしてしまったと私は、思っていますが、少なくとも、フランスの学校では、ハンバーガーとピザとタコスの連続のような給食はありません。

 フランスの給食は、一応、前菜、メイン、デザートと一応、コースのような献立になっています。

 大学になるとキャンティーンの他に、カフェテリアというものも置いている大学も少なくありませんが、キャンティーンがある一定の健康基準を満たした一般的な食事を提供するのに対して、カフェテリアは、菓子類、ジュースやファストフード的な食品を扱っています。

 このカフェテリアを学内に設置するには、ペナルティーとも言うべく特別料金を支払う必要があり、また、消費者側の学生にとっても、カフェテリアは、キャンティーンに比べて、若干高めの料金設定になっています。

 そもそも、フランス人が日常の食事を爆食いしている印象はなく、家庭での食事は意外にも質素で、外食したりしていても、時間をかけて、多分、あんまり好きではないであろうサラダなどを気取って食べていたりするのを見かけるにつけ、フランス人はフランス人なりの食生活への美学があるものと思われます。

 ましてや、先進国の中でも圧倒的に肥満の少ない日本の食生活への配慮はパラドックスどころか、やはり他の先進国から比べると桁違いの気遣いであることは、紛れもない事実です。

 たまに日本に行って、若い女の子を見かけるにつけ、「細〜い!」と思うことは、多いです。フランス人の若い女の子は、骨格が違うこともありますが、日本人ほど細〜い女の子は、あんまり見かけません。

 とはいえ、ある程度は、自分を律して肥満を回避できているフランス。

 今は、自分を律して、コロナウィルスをなんとか回避することはできないものか?と思っています。

 

<関連>

「フランスの学校のキャンティーン・給食」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2019/10/blog-post_11.html

「フランス人のビックリする日本食の食べ方」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2019/07/blog-post_69.html

「フランスの弁当(BENTO)ブーム」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2019/11/bento.html












  



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