2020年8月29日土曜日

ことごとくフランス人の習慣が裏目に出ているコロナウィルスの感染拡大


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 フランスのコロナウィルスの新規感染者数、一昨日は、6000を超えて、びっくりしていたら、昨日は、軽やかに7000超え(7379人)で、毎日のように5000・6000・7000と1000人単位で増加しています。

 昨日、買い物に出かけたら、グッと人も増えており、「あ〜みんな、帰ってきている」ことを実感しました。まあ、来週には、9月に入り、学校も始まることですし、当たり前のことです。毎年、夏の終わりに空いていたパリにあっという間に人が戻って増えてきて、また、混雑した街に戻ることをちょっと残念に思うのですが、今年は、少しわけが違います。

 フランス人が何より大切にしているバカンスの結果が今の感染状況ですし、挨拶がわりにビズー(頰と頰を合わせる)をしたり、握手をしたり、とかくスキンシップが多い習慣も、靴のまま家に入る習慣も、お風呂にあまり入らない習慣も、マスクを嫌う習慣?も、ことごとく彼らの日常の習慣は、コロナウィルス感染対策には、裏目にでることばかりです。

 昨日、パリ・マルセイユなどで、全域が屋外でも全てマスク着用が義務化されたこと等を受け、オードセーヌの製薬研究所を訪問し、マスコミの前に立ったマクロン大統領も、「マスクがたとえ、恥ずかしいものであり、痛みを伴うものであったとしても、ウィルスの循環を避けるためには、どうしても必要なものであることを述べました。

 彼は、「私もあなた方のようにマスクを着用するのは好きではないし、ラテン民族である私たちにとって、ソーシャルディスタンスを取ることは、私たちの習慣にはありません。しかし、現在の状況は、それらが合理的な方策であり、ウィルスと共存する方法を学んでいかなければならない」と続けました。

 大統領自身がマスクが恥ずかしいとか、嫌いだとか、痛みを伴うなど言うのも、正直すぎて、ちょっと驚くところですが、「何としても国単位での再ロックダウンは、避けなければならない」と訴える彼の必死さが表れています。

 この新規感染者数の爆発的な増加は、4月以来の記録を更新中で、ロックダウン解除以来、ヨーロッパの中では、危険とされていたスペインを追い越し、メキシコを追い越し、ブラジルに迫る勢いです。

 それでも、今のところは、まだ重症患者数は、そこまで増加はしていませんが、実際に、陽性患者の中でも、症状が見られる人の割合が増えており、若者の間で広がった二次感染の結果として、50歳以上の年長者の入院が増えており、現在の統計によると、一人が 1.4人に感染させている状態で、このままでは、1万人を突破する日もそう遠くないと見られています。

 フランスは、この感染急増の波に乗ってしまった状況で、9月には学校も再開され、多くの人が職場に戻り、デモまでが戻ってきて、感染拡大がどのようにして抑えられるのか? ほんとうに心配でなりません。

 とはいえ、ワクチンも治療薬もないものの、3月〜4月の感染拡大の時に比べれば、コロナウィルスに関する対処法は、この半年間で多くのことを学んだはずです。病院に入院しても、回復するケースも増えたし、4〜5週間は、ウィルスと闘う猶予期間が生まれてきたと言います。

 とはいえ、前回のロックダウン時には、ロックダウン宣言3〜4日の遅れが1000人単位の死者を生んだと言われているため、感染症の専門家は、次回、ロックダウンが必要と判断された際には、地域ごとでさえも、躊躇なしに即刻、ロックダウンが必要だと話しています。

 秋を迎え、気温も下がり、人々の日常生活も始まり、インフルエンザの流行も始まる何一つプラスに作用するものが見当たりません。涼しくなって、過ごしやすい季節が不安な季節となってしまいました。

 前回、3月、4月のロックダウンの際は、これから日も長くなり、明るくなる季節であったことがどんなに救われたかと思いましたが、これからの季節はまさに逆。なんとか、これ以上、感染が広がらないことを祈るばかりです。


<関連>「フランスでコロナウィルスが広まる理由」

 https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/03/blog-post_19.html










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