2020年8月24日月曜日

フランス対ドイツのサッカーチャンピンオンシップの決勝戦

  Les Champs-Élysées ce dimanche soir après le match PSG-Bayern.


 日曜日のサッカーのチャンピオンシップの決勝戦に備えて、フランス政府は、3000人の警察官を動員し、興奮するサポーター対策をしていました。サッカーの試合は、フランスで行われるわけではありません。ポルトガルで行われるにも関わらずのことです。

 よりによって、こんな年にチャンピオンシップの決勝戦まで進むとは、なんという皮肉なことと思いますが、パリ・サンジェルマンにとっては、チーム創設50年にして初めてた辿り着いた決勝戦。フランス人のサッカーへの熱狂ぶりは、こんな時だからこそ、余計に高まります。

 ニュース番組に出ている医療関係者のコメンテーターでさえ、苦い顔をしながらも、サポーターが集まって熱狂することを咎めることはせず、よっぽど嫌われたくないんだなぁ・・逆に考えれば、サポーターを押さえつけることは、大変な反感を買うことになるんだろうな・・などと、こちらも苦い顔で報道を見ています。

 政府も、前回の決勝進出決定の日の騒ぎようから、シャンゼリゼに関わらず、あらゆる場所での10人以上の人の集まりを禁止する通達を出したはずだったのに、あれは、何だったのでしょうか?

 決勝戦当日は、もうパリは、えらい騒ぎで、午後の比較的早い時間から、久しぶりに警察車両のサイレンの音が賑やかに聞こえ、夕方には、サポーターが多く集まると予想されるシャンゼリゼなどは、閉鎖されるかと思いきや、閉鎖されるのは、車の往来だけで、すでに多くの人が試合が始まる前から集まり、大興奮状態。

 シャンゼリゼや、パリ・サンジェルマンの本拠地スタジアムのある Parc des Princes(パークデプランス・パリ16区)などは、マスク着用義務取り締まりが強化されていたおかげで、ほとんどの人は、マスクはしていましたが、試合開始の3時間以上前から、大勢のサポーターが集まり完全に戦闘状態、試合前から発煙筒が炊かれていました。

 彼らのあまりの迷い、躊躇いのなさに、この時期にここまで熱狂できる何かを持っている彼らが羨ましく感じられるほどでした。サッカーへの彼らの熱狂ぶりを見るにつけ、フランス人は、完全にラテン系なんだということを改めて、思わせられます。

 試合が始まる3時間以上前から、この熱狂ぶりでは、試合が始まったら、どうなることかと思われました。これは、勝っても負けても、大変な騒ぎになるだろうと・・。

 しかし、試合は、後半に1点を入れられて、そのまま挽回することができずに、あっさりフランスは、負けてしまいました。勝利を祝うために用意されていたと思われる花火の音が我が家の近所でも聞こえていましたが、シャンゼリゼやパークデフランスには、大勢の人が集まっていたので、負けた悔しさでまた、大騒ぎになるかと思いきや、意外にも大した騒ぎにはならず、思っていたよりもずっと、大人しく、人出が減っていきました。

 なんだか、そのガッカリぶりに、意外とかわいいところもあるんだな・・と思いました。

 しかし、そんな中でも騒ぎに乗じて車を燃やしたり、店舗のウィンドーを壊したりする人もいて、検挙者も出たようです。

 皮肉なことに、ドイツ・バイエルン・ミュンヘンのチームで決勝点を入れたのは、キングスレイ・コマンというパリ・サンジェルマンのユースチーム出身のフランス人の選手でした。

 試合後のインタビューでは、パリ・サンジェルマンの選手がインタビューに答えていましたが、多くが外人のたどたどしいフランス語が多い中、唯一、滑らかなフランス語でインタビューに答えるのがドイツのチームで決勝点を上げたキングスレイ・コマンだけというのも、いかにも残念で、いかにも皮肉な結果でした。

 しかし、これが、もしフランスが勝っていたらと思うと、想像するにも恐ろしく、大変な熱狂状態になっていたことは、間違いありません。

 日曜日のフランスの新規感染者数は、さらに記録を伸ばし、4897人と、もう少しで5000人に迫る勢い、言っちゃ悪いですが、負けてくれてよかった・・と私は、こっそり思っているのです。


<関連>「フランス人のサッカーへの熱量」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/08/blog-post_20.html

<関連>「フランス人の熱量」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/01/blog-post_11.html

















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