サッカーのチャンピオンシップ決勝戦で大興奮状態だったフランスのサポーターは、シャンゼリゼやパリ・サンジェルマンの本拠地スタジアムのある Parc des Princes(パークデプランス・パリ16区)などに、応援と勝利を祝うために集結していました。
その騒ぎに乗じるように、パリ郊外から集まってきていた暴力集団が、シャンゼリゼ近辺の路上に止まっている車やゴミ箱を燃やしたり、ひっくり返したり、店舗を壊して襲ったり、運転手が乗っている車までに石を投げたり、棒で叩いたり、蹴ったりする大変な騒ぎに発展してしまいました。
サッカーの試合に敗北したサポーターは、比較的、あっさりと解散したかに見えていましたが、サポーターの中に紛れていた暴力集団が大暴れしたのです。
当日、サッカーの決勝戦の熱狂ぶりに対応して3000人の警察が動員されていましたが、むしろ、コロナウィルス対応色が強かった警察も、結果的には、これらの暴力への制圧に奔走することになってしまいました。逆にこれだけの警察官がいたにも関わらず、なぜ、これだけ彼らの暴走を許してしまったのかと疑問の声すら上がっています。
彼らは、その暴力行為に及ぶための長い棒や発火材などを所持していたことから、明らかに最初から暴力行為が目的で、サッカーの決勝戦の騒ぎを利用したことは明白です。
サッカーの応援、祝勝のために集まっていたサポーターも、これは私たちの仲間ではない!私たちは、ただ、サッカーのために来ていただけなのに・・と、戸惑いを隠せない感じでした。
この日は、未成年を含む158人が逮捕(補導)され、15台の車が燃やされるなどの被害にあい、12軒の店舗が壊されました。中でも高級ジュエリーストアーのビルマ、サンドロブティック(高級プレタポルテ)、クレージュの婦人服店の被害は、甚大です。
同一グループの犯行かどうかは、わかりませんが、フランスには、6月の医療介護者のデモの際にも、デモに紛れて大騒動を起こしたウルトラジョンヌとブラックブロックなる騒ぎに便乗して暴動を起こすグループが存在します。
今回は、その便乗グループとともに、郊外から集まっていた大勢の未成年も触発されて暴力行為に加担したようです。
ロックダウンや、その後もコロナウィルス感染防止のための様々な抑圧から逃れたい人々の発散にサッカーの決勝戦が利用された結果となりました。
フランスは、現在、ヨーロッパでは、毎日の新規感染者が最も多く、ドイツからは、イル・ド・フランスとプロヴァンス・アルプ・コート・ダジュール地域が危険地域に認定されました。この感染状況では、当然だと思いますし、治安の意味でも危険です。
フランスは、経済復興に向けて、EU圏内の行き来を可能にしたのに、結果、周りの国から、シャットダウンされる最悪の状態です。
<関連>
「パリ・アンヴァリッドでの介護者のデモ・1万8千人を震撼させた暴力・ウルトラジョンヌとブラックブロック」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/06/blog-post_17.html
0 コメント:
コメントを投稿