とうとう、8月10日の午前8時から、パリ、イル・ド・フランス地域でのマスク着用が屋外でも、義務化されることになりました。この規制に関しては、私は、何の驚きもありませんが、私が驚いたのは、その規制が全ての通り(道路)ではないことです。
今、まさに、この猛暑の中の屋外でのマスクは拷問に近いものがありますが、ここ数日、毎日、2000人以上の新規感染者を出している国では、致し方ないと思うのです。というより、言われなくとも、この感染状態を目にしていれば、マスクをせずに出かけるのは、怖いくらいだと思うのですが・・。
しかし、恐れを知らないフランス人は、(いや、知っているはず・・だって、あんなに大勢の人が亡くなって、病院には、人が溢れ、病院の廊下にさえ、患者を収容できずに、救急車の中で、患者の収容先に立ち往生して、病院の外には、テントまで張って、それでも間に合わなかった患者は、軍用機で地方やドイツやルクセンブルグなどに運ばれていたのは、ほんの3ヶ月前のことなのです。)きっぱり、「義務化」「従わなかければ、罰金」としなければ、マスク着用は、どうにも浸透しないのです。
あれからロックダウンの効果で一時、感染状況は、改善しましたが、今は、ロックダウン解除時の5月から比べると、感染状況は、悪化の一途を辿っているのです。
フランス政府は、フランス人がどういう人たちなのか? いい加減、わからないのか? と全くもどかしい気持ちです。
セーヌ通り、モントルイユ、オーバーカンフ、ベルヴィル、ゴウドール、ダゲールの街路、ストラスブール、ラシャペル、クリシー、ロシュシュアールの大通り、サンマルタン運河など、パリのほぼすべての地区、主にパリの北と東にある約100の公道がマスク義務化となります。このマスク義務化の場所では、自転車でも徒歩でも、ウォーキングでもランニングでも、マスクを着用することが義務付けられています。マスク着用していなかった場合は、135ユーロの罰金が課せられます。
逆に言えば、マスクの着用義務は限定された地域だけで、例えば、観光客の多くが訪れるシャンゼリゼなどは、マスク着用は義務づけられていません。人は、移動しているのです。ここの通りはOKで、ここはダメ・・なんていうのは、それこそややこしくて、守りにくいのです。
規則は、わかりやすく、シンプルにしなければ、浸透しづらいものです。ましてや、もともとマスクはしたくない人たちです。(誰だってしたくないですが・・)何やかやと理屈を付けて、メトロの駅などで、マスクは、自由の侵害だ!健康を害するものだ!と滔々と演説していたりする人もいるくらいなのです。
それでも、あくまでもマスクをしない事が正しいと言い張る人からは、コロナウィルスにかかった時も病院の治療を受ける権利を剥奪して欲しいくらいです。(しかし、本人が感染する危険だけでなく、他人に感染させている可能性もあるところが苦々しいところです)
外出するなら、マスクをする。マスクをしないなら、外出しない。感染が増加しているから、マスクはしなければならない。説明も規則もシンプルで単純な方が良いのです。
フランスでは、バカンスに行くななどとは、誰も言いません。外出する・バカンスに行く権利を確保しているなら、現状での義務(マスクをすること)くらいは、果たすべきです。それには、ここの通りはダメでもここの通りなら良いなどと甘いことを言って、隙を作っていては、ダメなのです。フランスでは、隙をついて自分の都合を正当化して論破しようとする人に溢れているのです。義務は果たさずとも言うことだけは、必ず言うのがフランス人です。
そして、ついには、マスク着用を注意しようものなら、襲われる人が出たりするのです。
この猛暑の中、マスクはキツいですが、日本では、暑さを少しでも回避できるようなマスクがどんどんできているのを見ると、フランスもマスクを少しでもみんなができるような工夫は、まだまだできるではないか?と思うのです。
そして、あっさりとハイと言うことを聞かないフランス人をどうやって動かしたらいいのかをどうしてわからずに、こう、ややこしいことをするのかと、またまた、フランスの甘さに私は、閉口してしまいます。
<関連>「権利を主張するわりには、義務をちゃんと果たさないフランス人」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2019/07/blog-post_61.html
0 コメント:
コメントを投稿